200平成19  11 木曜日

本島2工場 製糖操業を開始/沖糖・宮糖
初日平均糖度は15度超/高品質、最高の滑り出し


宮糖の新里社長(左から4人目)ら関係者がキビの束を投げ入れ操業を開始した=10日、宮古製糖城辺工場

操業開始と同時にキビの山が次々搬入された=10日、沖縄製糖宮古工場

 宮古製糖城辺工場と沖縄製糖宮古工場の二〇〇六−〇七年産サトウキビの製糖操業が十日、スタートした。原料搬入量は宮糖が九百七十一d、沖糖が千五百二十六d。平均糖度は宮糖が一五・三八度、沖糖が一五・四七度となり、両工場とも基準糖度帯(一三・一−一四・三度)以上となる高品質のサトウキビが搬入され、最高の滑り出しとなった。今期の生産量は宮糖が八万九千d、沖糖が十一万一千三百dと前期並みを見込み伊良部、多良間を合わせた宮古全体では二十六万六千dを予想、品質は前期を上回りそうだ。両工場の今期製糖操業期間は六十−六十三日を予定。

 宮古本島二工場の製糖操業開始に伴い、宮古地区は伊良部、多良間も含めて全四工場が稼働を開始。収穫作業、サトウキビの積み荷、トラックによる運搬作業が各地で見られる本格的な収穫シーズンが到来した。
 今期サトウキビは九月の台風r号や九、十の両月の干ばつの影響を受けるなどして生育が阻害された。ただ、年末年始の冷え込みや降雨などの気象条件に恵まれて品質面が好転、生産量こそ前期並みだが、品質面では前期を大きく上回ることが予想されている。
 宮古製糖
 宮糖に搬入された原料の糖度内訳は基準糖度帯内が一三・九三%、基準以上は八五・四八%に達した。基準以下はわずか〇・五九%で、高品質取引となった。最高の糖度は一七度、最低は一三度だった。トン当たり農家手取額は二万一千六百二十四円(対策費除く)。
 宮糖の製糖開始式は午前十一時から行われ、はじめに新里光男社長や伊志嶺亮市長、宮古島市議ら関係者が工場内の機械にキビの束を投げ込み操業をスタートさせた。
 新里社長は「今期の生産量は八万九千dを予想している。これは台風r号や九、十月の干ばつが伸張率に大きな影響を与えた結果。ただ、品質はかなり良い。農家の肥培管理に感謝し、操業期間中の無事故無災害に万全を期したい」と述べた。
 同糖の操業日数は六十日前後を予定。砂糖生産量は歩留まり一三・一%の約一万一千七百dを目標とする。
 沖縄製糖
 沖糖に搬入された原料の糖度内訳は、基準帯内が一四・三八%、基準以上が八三・〇三%、基準以下が二・五九%。最高糖度は一九・一度、最低は一二度だった。宮糖と同様に今期は最高の形でスタートを切った。農家手取額は二万一千七百六十八円(対策費除く)。
 操業開始式は午前九時から行われた。砂川玄悠常務取締役工場長は「今期は三個の台風と九、十月の干ばつが影響したが農家の一生懸命な肥培管理で十一万d台は確保できる見込み。品質は前期を上回る数字が大いに期待できる。農家の熱心な取り組みの成果で、感謝したい。今後の一連の作業すべてにおける安全操業に万全を尽くす」と操業開始に伴うあいさつを力強く述べた。
 操業期間は六十二−六十三日間に設定。砂糖生産は一万四千五百d、歩留まりは一三・一二%を目指す。
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業務日誌など提出要求/市議会特別委
市有地売買契約の事実関係調査

 宮古島市議会の「二〇〇六年度予算に伴う公有財産取扱の調査」に関する特別委員会(前川尚誼委員長)は十日、委員会を開いた。平良字荷川取(下崎)地区土地売買に関し、関係各課の起案文書や業務日誌などの調査資料を市当局に要求した。同委員会では、これらの資料を調査し、議会議決を経ずに交わされた市有地の売買契約の事実関係を明らかにする方針。
 委員会が求めた資料は@荷川取地区の土地分筆に至る理由書、協議書、回数、分筆費用A市有地の登記簿謄本、地積図、公図B市有地の登記前と登記後の航空写真−ほか、市有地の土地売買などにかかわった市財政課や土地対策室、道路建設課など、関係各課の起案文書や業務日誌なども含まれている。
 さらには、沖縄本島の民間会社と土地売買契約を交わした契約書やその後、契約破棄となった理由書、それにかかわった人数や費用も調査資料として求めた。
 この土地売買契約と関連するとして砂山リゾート開発協定書、協定業者登記簿謄本も要求。また、城辺字保良(東平安名崎)地区土地売却予定に関する業務日誌なども加えた。
 同委員会は、これらの資料を今月十八日までに提出するよう市当局に求める。
 同問題は、宮古島市が地方自治法などで定められた議会議決を経ずに沖縄本島の民間会社と市有地の売買契約を交わしたことは違法だとして、売買契約に至った経緯などを調査する特別委員会の設置が本会議で可決された。その後、この土地売買契約は契約相手側から解約するとの申し出があり、市は昨年十二月に契約を解除している。
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18、19日に先進地視察/新ごみ施設
沖縄本島内の3施設で/地元住民13人参加

 宮古島市の新ごみ処理施設建設で同市は今月十八、十九の両日に沖縄本島内にある三カ所のごみ処理施設の「先進地視察」を実施する。同市が建設を計画している現施設に隣接する地域住民ら十三人も参加する。同市では、地域住民らに先進地を視察させ建設に向け理解と協力を求める考えだが、一部住民らが建設反対の声を上げており、合意形成は難航も予想される。
 視察先は浦添市にあるリサイクルプラザと南風原町にある那覇・南風原クリーンセンター、糸満市にある糸満・豊見城環境美化センターの三施設。浦添リサイクルプラザは工業地に建設されているが、ほかの二施設は住宅地に建設されている。
 先進地視察では「環境に優しい資源・エネルギー関連施設」といわれる処理方法や処理能力などを施設職員から説明を受けるほか、施設周辺の住民らから環境問題などについての意見も聴取する予定。
 同市ではこれまでに建設に向け、地域住民らに説明会を開催。その中でも、住民らから先進地視察の声が上がったという。
 視察するメンバーは十三人で、現施設の宮古島市クリーンセンターの半径五百b以内の六十六世帯を対象に公募したという。視察後は、視察したメンバーらと意見交換しながら、建設に向けての合意形成を図っていく方針。
 同市によると現施設西隣を候補地に選定した理由として@ごみの排出量が多い市街地に近いため、ごみ搬入の経費軽減が図れるA施設の北側に取り付け道路を整備し、ごみ搬入路を二つにすることで危険個所を分散できるB将来のリサイクルセンターの建設計画にも対応できる−の三点を挙げている。
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災害防止に決意新た/市消防本部出初め式
放水で訓練の成果披露


一斉放水を行う消防職員ら=10日、宮古島市消防本部

 宮古島市消防本部(伊舎堂勇消防長)の二〇〇七年消防出初め式(主催・宮古島市)が十日、同本部で行われた。職員九十七人と団員百六十七人が参加し、火災や災害から市民の命と財産を守る決意を新たにした。職員らが一斉放水を披露し、市民に防災意識の高揚を呼び掛けた。式典では優良職員・団員として十八人が表彰を受けた。

 出初め式は、消防職員や団員が新たな決意の下、圏域住民の防災意識を啓発し、災害防止に努めることが目的。
 式典で伊志嶺亮市長は「災害を教訓としてあらゆる災害に備え精強な消防部隊の強化、消防装備の充実に努めたい。圏域住民の負託に応えられるよう頑張ろう」と式辞を述べた。
 一日消防長を務めたミス宮古の兼浜洋美さんは「消防施設および人員の効率化、重点的な整備充実に配慮し消防力の整備を進め、宮古島から災害ゼロを目指してほしい」と激励した。
 仲井真弘多知事(代読・兼城克夫県宮古支庁長)は「消防の任務は社会の根幹を支える大きな力。今後も職責を全うしてください」と奮起を促した。また、宮古島市議会の友利恵一議長、県消防協会の松田進会長(代読)も来賓祝辞を述べた。
 式典に先立ち、伊志嶺市長や兼浜さんらが特別点検を実施した。職員の服装や消防車両の機材をチェックした。
 幼年・少年防火クラブに所属するひばり保育園やあけぼの幼稚園の園児計三十九人もかわいらしいアトラクションを披露し、式典を盛り上げた。
 最後には、職員による一斉放水訓練が実施された。赤や青、黄などに着色された色鮮やかな水を放水し、虹を描いていた。
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殺菌・消毒など強調/ノロウイルス対策で講習会
宮古福祉保健所


ノロウイルス予防について180人が知識を深めた=9日、県宮古支庁

 今冬、全国で猛威を振るっているノロウイルスの感染を未然に防ごうと、宮古福祉保健所(上原真理子所長)は九日夜、県宮古支庁で保育所や学校給食施設、老人福祉施設などの職員らを対象にした現場対策講習会を開いた。説明した保健所の職員は、感染予防の基本対策として、「うがいして、洗って、ふいて、殺菌・消毒」を強調。すべての感染症予防の基本である手洗い・うがいのみならず、感染経路と思われる施設の殺菌・消毒や、調理器具類の洗浄・殺菌など、常に対策を怠らないよう促した。
 ノロウイルスは、感染性胃腸炎の主な原因の一つ。感染力が強いため、集団発生を引き起こすことがある。主な症状は嘔吐や下痢、腹痛など。感染源は汚染された貝類などの食品を食べたり、患者の便や吐物から二次感染するケースの二通りがある。昨年十二月には、県立宮古病院でも入院患者ら二十三人が集団感染していたことが分かり、予防対策が不可欠。講習会には約百八十人が詰め掛け、関心の高さをうかがわせた。
 松野朝之健康推進班長は、チェックポイントとして▽利用者(園児や入所者)、職員の健康管理▽日々の保育・介護での手洗いやおむつ管理など▽施設・設備の衛生管理▽組織としての感染症対策−の四点を列挙。「健康管理では園児や入所者の体調を把握し、記録すること。また、職員が感染症を持ち込むことを防ぐこと。おむつ交換や嘔吐物処理後の手洗いを徹底すること」などと促した。ノロウイルスによる食中毒予防の原則として笠原文子主任は、▽食材由来のウイルスを殺菌する▽調理器具類などからの汚染防止▽調理従事者からの食品汚染の防止−に注意するよう重ねて強調した。
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前市議に懲役10月求刑/知事選替え玉投票裁判
判決は今月24日

 【那覇支局】昨年十一月の県知事選挙における公職選挙法違反の罪に問われた前宮古島市議会議員の友利光徳被告に対する第一回公判が十日、那覇地裁(吉井広幸裁判長)で行われ、検察側は友利被告に対して懲役十月を求刑し結審した。判決公判は今月二十四日に行われる。
 検察側が読み上げた起訴状について、友利被告は「間違いない」と認め、求刑を受けて「市議会議員として市民を代表する立場でありながらこのようなこととなり反省している。これからは社会のため貢献していきたい」と反省の弁を述べた。
 当時、宮古島市議会議員だった友利被告は、自営業の知人男性とともに、県知事選告示後の昨年十一月六日に宮古島市役所第一期日前投票所内で、同被告の弟の入場券を弟名で偽造した期日前投票宣言書を使って、投票用紙の交付を受け、知人の男性が替え玉で投票を行ったことから同月二十日に公職選挙法違反の容疑で逮捕された。
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