200平成19  10 水曜日

乗降客数 初の110万人台/06年宮古空港
修学旅行がけん引/スポーツ、各イベントも好調

 宮古空港管理事務所は九日までに、二〇〇六年の同空港利用状況をまとめた。乗客、降客を合わせた乗降客数は百十一万九千百二十人で、初めて百十万人台を達成、八年連続で過去最高客数を更新した。増加の要因には関西圏の高校を中心とする修学旅行をはじめスポーツキャンプ、各種イベントの充実ほか、本土から訪れる年配者の長期滞在などが挙げられる。「沖縄ブーム」の定着に伴い宮古島観光も上昇傾向にあり、今後も堅調な伸びが期待されている。

 同事務所のまとめによると、一月から五月まではほぼ前年を上回り、六月から九月にかけての夏場は前年より減少傾向にある。十月と十一月は再び増加。夏場に比べ秋口から冬にかけての伸び率が高い。
 前年と比べて最も伸びたのが三月で、一五・九%の増。この月の乗降客数は十一万四千七百九十八人だった。同月の末に八重干瀬まつりが開催されたことが乗降客数の増加につながったものとみられる。次いで伸びたのが十月で同一一・一%の増加。高校の修学旅行が五校あったことなどが要因。このほか多良間の八月踊りなどの開催がけん引した。同月の乗降客数は九万四千五百十七人。
 十一月も伸び、前年比で五・五%の増。この月も高校の修学旅行生の利用があったほか、島尻のパーントゥやサントピア沖縄グラウンドゴルフ宮古島大会などの開催が乗降客数を押し上げたものとみられる。
 冬場の一、二月は約五%の伸び。両月合わせての乗降客数は十九万四千二百五人。この時期はオリックスの春季宮古島キャンプがあった。清原和博選手やイチローの来島もあり、乗降客数も大いに伸びた。そのほか大学野球キャンプをはじめとする各競技のスポーツキャンプも奏功、これらスポーツキャンプは定着化する傾向で、今後の乗降客数の増加に大きな期待が持てる。
 一方で、夏場に当たる六月から九月にかけては軒並み減少傾向。要因は夏場の観光に比べて冬場の観光が好調に推移していることなどが挙げられそうだ。冬場に出される旅行会社のツアー商品との兼ね合いもあり、特に年配者が石垣島を含む周遊ツアーで来島しているとみられる。これらを背景に夏は減少、冬は増加という傾向になっているようだ。
 宮古空港における乗降客数は一九九九年から八年連続の増加。これに伴い観光客数も右肩上がりで推移しており、今後の離島振興を担う観光産業が注目を集めそうだ。
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ヤギの赤ちゃん誕生/多良間
導入後初、生産拡大へ弾み


事業を活用して初めて導入したヤギに、第1号となる赤ちゃん(右)が誕生した=8日、多良間村字塩川

 【多良間】多良間山羊生産組合(諸見里朝仁会長)が昨年下旬に導入したヤギに、このたび第一号となる赤ちゃんが誕生した。諸見里会長は「導入して初めての赤ちゃん出産なだけに、組合員一同喜んでいる。今後も繁殖させていきたい」と述べて期待を寄せ、地域ブランド「多良間ピンダ」の生産確立および繁殖に向けて意気込みを見せた。
 昨年十一月ごろ、沖縄離島活性化特別事業の一環で島独自の特産品開発や観光資源を探る「一島一物語事業」を活用し、雌二十頭、雄三頭のヤギを組合に導入した。ヤギは組合員にそれぞれ配分され、乳用・繁殖用にと飼養されている。
 赤ちゃんが誕生したのは、二頭が導入された同組合員の西平郁夫さん(55)=仲筋=で飼養しているアルパイン種の雌ヤギ一頭。昨年十二月二十四日に子ヤギを出産した。西平さんは「導入されて一週間ぐらいから、おっぱいが大きくなり妊娠しているとは感じたが、まだ先のことだと思っていたので産まれてびっくりした」と振り返った。「でも初めての導入で、第一号の赤ちゃんが元気に誕生してくれてとてもうれしい。乳用の品種なだけにおっぱいもよく出るようで、子どももすくすく育っています」と声を弾ませた。
 同組合では今月末、沖縄本島から二十二頭の肉用ヤギを導入する予定。諸見里会長は「乳用、肉用と繁殖させブランド化に拍車を掛けていきたい」と話した。
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半数以上が「緊急性ない」/宮古島署 昨年110番受理状況
いたずら電話も多く/きょう「110番の日」


110番の正しい利用を呼び掛けている=9日、宮古島警察署通信室

 きょう十日は「一一〇番の日」−。宮古島警察署がまとめた二〇〇六年一一〇番受理状況によると、二〇〇六年の一一〇番通報は千八百七十七件で、このうち五九・六%を占める千百二十件は要望、相談や各種照会であることが分かった。無言電話などのいたずら電話も多く、同署では「一一〇番は事件事故に遭遇し、真に困っている場合に警察がいち早く現場に駆け付けるための緊急制度。急ぎでない事案は警察相談専用電話(♯9110)へお願いしたい」と呼び掛けている。

 〇六年、同署に寄せられた通報受理件数は一一〇番通報と同署代表番号を合わせて五千八百四十五件。〇五年に比べ九百六十七件増加した。
 同署に寄せられた一一〇番通報で最多件数だったのは、拾得照会などの各種照会で六百六十一件。事故や事件に比べ、緊急性が低いにもかかわらず、問い合わせのほとんどが一一〇番を利用しており、正しい利用法が浸透していないことが浮き彫りとなった。また、いたずら電話が多いときは一日十件以上もあるという現状があり、緊急時のみの利用に理解を求めている。
 次いで、保護・救護関係の二百五十九件。このうち八九%を占める二百三十一件が泥酔者の保護などによる通報だった。特に路上寝込みによる通報が後を絶たず、同署代表番号も含めて四百十四件(前年比百二十七件減)。同署は節度ある飲酒を呼び掛けている。
 「一一〇番の日」にちなみ、同署ではきょう十日、下地暁さんに一日警察署長の委嘱状を交付。市内小学校などで一一〇番通報要領訓練と不審者侵入避難訓練を実施する。
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植物園のデイゴ被害/ヒメコバチが原因
県、農薬指定を検討へ


枯死状態のデイゴ=9日、宮古島市熱帯植物園

 デイゴ(マメ科)の葉の裏にこぶを作り、葉の成育を阻害して立ち枯れ・枯死状態にさせるヒメコバチの異常発生を受け、県は九日までに、ヒメコバチを駆除する農薬指定の検討に入った。デイゴは沖縄県の県花で、宮古島市の市花木。
 宮古島市熱帯植物園のデイゴ並木も、ヒメコバチによる被害が目立つ。既に立ち枯れや枯死状態のデイゴが見られる。最近葉っぱの落下が多くなり、そのまま続くと大半のデイゴの枯死は避けられない。
 一方、平良港第三埠頭に生えるデイゴでも立ち枯れが見られる。すべての葉っぱが落ちたものもあり、樹勢の回復は厳しい状況。
 行政関係者らは「腐りかけたデイゴのそばは通らないように。万が一デイゴが倒れた場合に危険」と語る。ヒメコバチは春ごろから活動が活発になることから、宮古全域に育つデイゴの存続が心配されている。
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ゴーヤーで県内初認証/特別栽培農産物
与那覇さんらが市長に報告


伊志嶺市長(左)に特別栽培農産物認証を報告した与那覇さん(中央)と新垣さん=9日、宮古島市役所平良庁舎

 農業生産法人宮古島プラス(与那覇晃規代表)の生産するゴーヤーがこのほど、県の特別栽培農産物に認証され九日、代表の与那覇さんらが宮古島市の伊志嶺亮市長に報告した。特別栽培農産物は、昨年四月に県が制定したもので、ゴーヤーの認証は県内初。与那覇さんは「地元の人にたくさん食べてほしい。特別栽培農産物が広がれば、消費者も安心して食べられると思う」と話した。
 市平良庁舎に伊志嶺市長を訪ねたのは、特別栽培農産物栽培責任者の与那覇さんと、確認責任者で「元氣はうす」代表の新垣圭子さん。
 認証されたゴーヤーは、苗の段階で一度だけ農薬が使用されているが、その後は無農薬で、有機肥料のみを使用。商品の袋には、県の認証シールが張られる。与那覇さんは五十九eのハウスで昨年十月から栽培を行い、今期は三十二dの収穫を見込んでいる。島内にはすでに昨年十二月から出荷され、今月中旬からは東京、大阪の市場にも出荷される予定。
 新垣さんは「宮古には地下水の問題もあり、できるだけ農薬や化学肥料を使わず、土壌管理をしたい。トウガンやカボチャでも取り組み、宮古ブランドの信頼性を高めたい」と説明した。
 伊志嶺市長は「全国で健康食指向が広がっており、購買者は多いのでは。行政としても輸送コストなどの課題に取り組みたい」と話し、今後の生産拡大に期待を込めた。
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「気候も人もあたたかい」/田中内野手(日ハム)ら自主トレ
宮古で23日まで


自主トレのため来島している(左から)佐藤外野手、田中内野手、鎌倉投手、實松捕手=8日、平良バッティングセンター

 昨季、日本一に貢献したプロ野球・北海道日本ハムファイターズの田中賢介内野手ら四選手が五日から、宮古島で自主トレーニングを行っている。二十三日まで、市内のバッティングセンターや陸上競技場などで体力づくりに励み、来月一日のキャンプインに備える。田中内野手は「昨年は宮古島に自主トレに来て、良いシーズンを送ることができた」と今年も縁起の良い宮古島で始動した。
 来島しているのは日本ハムファイターズの田中内野手、鎌倉健投手、佐藤吉宏外野手、読売ジャイアンツの實松(さねまつ)一成捕手。田中内野手、鎌倉投手、實松捕手は、昨年の自主トレに続き二度目の来島となる。
 四選手はキャンプインに向け、基礎的なトレーニングに時間を費やし、八日はバッティング練習などで汗を流した。
 昨季日本ハムの二番打者に定着し、最多犠打、ベストナイン(二塁手部門)、ゴールデングラブ賞(同部門)を獲得した田中内野手は「宮古島は気候も人もあたたかい場所なので今年も来ようと思っていた。ダイビングや釣りなどもしながら、オンオフを使い分けて楽しみたい」と意欲を見せた。今期五年目を迎え、一軍での活躍が期待される鎌倉投手は「この三週間、みっちり走り込んで、今季の活躍につなげたい」と抱負を語った。
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