2007年(平成19年)
1月9日 火曜日
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「広げよう! 福祉の輪」/社会福祉資金協力芸能公演
14団体が出演、福祉向上に期待
14団体約280人が出演し観衆を魅了した=7日、マティダ市民劇場 |
第十一回宮古島市平良社会福祉資金協力芸能チャリティー公演(主催・市社会福祉協議会平良支所、同公演実行委)が七日夜、マティダ市民劇場で開催された。十四団体約二百八十人が出演し華やかな舞を披露。出演者、観衆が共に地域福祉の充実と「福祉の輪」の広がりに期待を込めた。
同公演は、住民福祉の向上を図るとともに、社会福祉資金を増強することが目的。今年は、琉舞や日舞のほか、フラダンスや太極拳、フォークダンスやエアロビクスなどの団体も出演し、公演を盛り上げた。
公演は午後六時半に開演。野村流伝統音楽協会宮古支部の琉球古典音楽斉唱と、市社協平良支所職員による「かぎやで風」で幕を開けた。
あいさつで、宮古島市社協の奥平玄孝会長は「社会福祉協議会は、誰もが豊かで快適に暮らせる街づくり、健康で明るく、安心・安全な街づくり、『ふだんのくらしのしあわせづくり』に職員一丸となって取り組む」と強調。その上で「福祉の輪を広げ、共に生きる地域づくりを推進する」などと述べ、造成資金の有効活用を約束した。
この後、琉球箏曲斉唱や日舞、琉舞などが次々と披露された。出演者はそれぞれ華やかな衣装を身に付け、日ごろの練習の成果を発揮、会場に詰め掛けた大勢の市民を魅了した。また、この日はフラダンスやエアロビクスなどといったプログラムもあり、観衆は琉舞や日舞とは違った雰囲気の舞台を満喫していた。
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泡盛2万6000g初出荷/菊之露
「今期も増量体制目指す」
泡盛を積んだトラックを見送る関係者ら=8日、菊之露酒造第2工場 |
菊之露酒造(下地博社長)の二〇〇七年初荷式が八日、同酒造第二工場で開かれ、関係者らがより高品質の泡盛酒造に意気込みを新たにした。昨年は四百七万五千七百八十四gの泡盛を製造(三十度換算)。〇五年に比べ約四十一万g増加した。同酒造は「今年度も製造高を維持し、さらなる増量体制を目指す」と目標を掲げている。
初荷式には同酒造の従業員八十人と沖縄銀行宮古支店長、琉球銀行宮古支店長ら関係者が出席。同酒造の泡盛を酌み交わしながら、初荷を祝った。初荷出荷数量は、一升瓶、VIPゴールド、古酒など十一の銘柄の計二万五千六百八十八g(三十度換算)ともろみ酢二万g。八台のコンテナに積み込み、本島や全国各地へ送り出された。
冒頭あいさつを述べた下地社長は「一昨年の増築から生産が増え、現在は県内最大級の六百五十万gの泡盛を貯蔵している。今年もプライドを高く持ち、また一歩前進していきたい」と決意を示した。
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「一生書き続けたい」/仲本勇光さん
82歳、新年に決意新た/書に懸ける熱意衰えず
新年に気持ちを新たにして書に励む仲本勇光さん=8日、宮古島市平良字西原の自宅で |
七十歳から書道を始め、八十二歳の現在まで作品を書き続けている元気なお年寄りが周囲の話題になっている。仲本勇光さん=宮古島市平良字西原=がその人で、全宮古書道展にも毎年応募、数々の賞を受賞した。「書道は精神を集中しなければ書けない。筆が持てる限り書き続けたい」。新年を迎えて、書に懸ける熱意はますます高まるばかりだ。
孫が誕生したある日、命名用紙に筆で孫の名前を書こうとした時にうまく書けなかった。その悔しい思いが、書道を始めるきっかけとなった。
今では、近所の人たちやうわさを聞いた人たちが、命名用紙に名前を書いてくれないかと訪れることも多い。
隣に住む若い女性が、米国の男性と結婚し出産した時も、米国から「ぜひおじいちゃんに書いてほしい」と連絡があったという。
「自分が書いた命名用紙がアメリカの自宅に張られていると思うと、不思議な気持ちになるね」
座卓の足に材木を継ぎ足した書道専用の机に毎日のように向かう。天気が悪く、畑仕事に行けない時には、それこそ朝から晩まで書き続けるという。
七十二歳の時には漢字を千文字並べた「千字文」に挑戦。約三カ月間かけて大作を仕上げた。
その作品は全宮古書道展で「平良市長賞」を受賞。当時は一般作品と老人クラブ会員の作品は別々に審査していたが「自分の作品は一般と一緒に審査してくれた」と胸を張った。
一生懸命に書いた作品より、肩の力を抜いた自然体の作品の方が出来は良いというのを最近知ったという。
しかし「まだ納得した作品はない。書の達人でもそうだと思う。だからこそ一生かけて書を追究するのではないか。私もそうありたい」
十五人いる孫にも、会うたびに書道を勧めるという。「『バスケが忙しいから』なんて言うけど、時間がないというのは言い訳にしかすぎない。続けることに意義がある」と話す。
新年早々から筆を握った。毎年出品し続けている書道展に今年も出品するつもりだ。「これは私の年一回の挑戦。元気なうちはずっと挑戦し続けます」と笑顔を見せた。
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イーストボーイズ(高学年)優勝/友利電気・学童野球
低学年は平一、低学年Jrは東リトルY
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池間湿原で野鳥観察/新春探鳥会
親子連れら40人参加
水鳥を観察する参加者ら=8日、宮古島市平良の池間湿原 |
宮古野鳥の会(岡徹会長)主催の二○○七年新春探鳥会が八日、宮古島市池間島の池間湿原で行われ、親子連れら約四十人が水鳥などの野鳥を観察した。親子連れらは、白い鳥を見つけると「あっ、サギだ」と歓声を上げ、野鳥図鑑を開いてサギの種類を確認した。
探鳥会を通し、野鳥が安心して繁殖できる環境を保つために何ができるかを考えてもらうことなどが目的で、毎年一月に開催されている。この日はコサギ、ムラサキサギなど二十八種類を観察した。
池間島灯台前の出発式で、岡会長は「野鳥が少ないので不安。楽しく観察できればよいと思う」とあいさつ。同会の仲地邦博副会長は「池間湿原の面積はおよそ三十八f。県内最大の湿原だ。環境省は池間湿原は『希少種、固有種などが生育・生息している』などとして、日本の重要湿地五百に選定している」と説明した。池間湿原の野鳥観察小屋に立った参加者らは、「野鳥が少ない」とがっくり。最近まで実施された水草除去作業の要因が大きいとして「水草除去作業は九月ごろに実施すべき」と訴えた。
同市下地から親子で参加した砂川明子さん(35)は「初めての参加。サギとカモ、モズが見られたので良かった」と語った。
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キビにネズミ食害/一部農家「こんなひどい被害初めて」
野ネズミの食害があったサトウキビ=8日、下地地区
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製糖期を迎え、サトウキビの収穫作業を開始した農家の一部から、野ネズミによる食害が目立つとの声が上がっている。地域によって被害状況にばらつきがあるものの「こんなにひどい被害は初めて」とショックを隠せない農家も。旧町村の農家からは「市町村合併後、行政の農業施策は後退しているように感じる。農家にとっては死活問題」と不安の声が漏れている。
下地地区でキビ作二十年になる六十代の農家は「成育は良いのに野ネズミにかじられたため品質が落ち商品にならないキビが多い。これまでで最悪」と肩を落とす。「殺そ剤を空中散布する時期やヘリコプターの飛行ルートを工夫することで、より有効性を高められるのでは」と指摘。昨年、市民団体が市に求めたヘリによる殺そ剤散布中止要請に対し、伊志嶺亮市長が駆除剤を配る形式に見直す意向を示していることについて「成育したキビの畑の中は歩くことさえ難しい。ただでさえも農家には高齢者が多いのに、どうやってキビ畑の中に駆除剤をまくのか。その方法は現実的でない」と怒りを露わにした。
城辺地区の農家は「キビ新価格制度と合わせダブルショック。これから製糖シーズン終了ぎりぎりまでキビ刈りを行うが、他の畑の状態が気になる」と出はなをくじかれた格好の農繁期開始となった。
市農政課の長間健二課長は「昨年の散布時期は、例年より一週間ほど遅くなった程度で大した遅れはない。駆除剤の空中散布は環境保全への配慮と同時に農家にとっては生活に直結する重要な問題であり慎重に妥協点を見極めたい」と話した。また、「駆除剤を農家に配布する案もあるが、ネズミは移動するので、薬をまいた畑にまいていない畑からネズミが入り込むことも考えられる。実際に数年前、旧平良市が駆除剤散布を実施しない時期があり、同市との境界に位置する旧下地町の農家から苦情が相次いだ経緯がある」とし、次年度の散布方法については明言を避け検討課題とした。
また「今のところ農家の被害状況は聞いていない」と前置きした上で、今後製糖シーズンが進む中で被害問題があれば関係機関と連携して対策調査を行う考えがあることを示した。
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