200平成18  1229 金曜日

08年までにめど付け/先島民放地デジ放送
仲井真知事 「確実にやれる」と意欲

 【那覇支局】仲井真弘多知事は二十七日に行われた県内外のマスコミ各社合同インタビューで、先島地区における県内民放三社の地上デジタル放送実現について「二〇〇八年までには、めど付けしたい」との見解を示し、「放送実現は確実にやれる」と意気込みを示した。

 宮古を含む先島地区の地上デジタル放送については、NHKが〇八年から放送を開始する予定だが、琉球放送、沖縄テレビ、琉球朝日放送の民放三社については総務省のロードマップで現在も「検討中」となっている。
 これまでにも、民放三社や県議会の与野党議員で構成する県離島振興議員連盟、宮古島市議会の保守系市議団などが放送実現に向け、県に支援要請を行ってきた。
 放送実現に向けた取り組みについて、仲井真知事は「現在のアナログ放送が二〇一一年に終了することを考えても、その二、三年前にはいろいろな形で準備万端に整えたい。そのためにも来年か再来年までにはなんとか経費を調達し、民間放送事業者ともどういう割合であれば放送が可能なのかを協議し、市町村を含めて放送実現に頑張りたい」と述べた。
 沖縄における地上デジタル放送は、沖縄本島の一部で今年四月にNHKが開始し、十二月には民放三社が放送をスタートさせている。
 総務省のロードマップによると、宮古など先島地区におけるデジタル置局の開設時期はNHKが〇八年。民放三社が一〇年を予定に「検討中」となっているが、民放三社だけでは放送は困難として、支援要請が各方面から行われている。
 地上デジタル放送に伴い、現在のアナログ放送は一一年七月で放送停止となり、このまま民放三社のデジタル放送が先島で実現できない場合は、アナログ放送が終了するとNHKのみの受信となる。
 地上波デジタル放送とは、デジタルハイビジョン放送に代表される高画質・高音質に加え、双方向番組や暮らしに役立つ最新情報サービスなどが予定されている。
 BSデジタル放送などが全国一律の番組を放送しているのに対し、地上波デジタル放送では、ローカル色豊かな地域密着型の番組も放送され、より視聴者のニーズに合ったサービスが提供できるようになる。
 テレビで地上波デジタル放送を視聴するには、デジタル放送のチャンネルに対応したUHFアンテナと、地上波デジタル放送対応のデジタルチューナーが必要。また、地上波デジタル放送対応のデジタルチューナーを搭載したテレビの場合は、UHFアンテナからの信号を直接テレビに接続すれば地上波デジタル放送を見ることができる。
top.gif (811 バイト)

2006年回顧/宮古の出来事
見えぬ合併効果/ごみ処理建設など課題山積
改革へ市民の協力不可欠

 宮古島市が誕生して一年が過ぎた。市は厳しい財政状況を立て直そうと集中改革プランを立ち上げ、財政の健全化を目指している。しかし、市民に見える形での効果は、まだ表れてこない。葬祭場やごみ処理場の建設問題など、全市民で考え解決していくべき課題も山積している。
◇ ◇ ◇
 新しい葬祭場やごみ処理施設は、新市の最重要課題の一つだ。
 ごみ処理施設は、これまで候補地が決まると周辺住民から反対運動が起こり、市はやむを得ず白紙の状態に追い込まれてきた。
 地域住民にとって、ごみ処理施設は環境問題など負のイメージが強い。市はそれを払しょくさせるための粘り強い姿勢が必要となる。
 伊志嶺亮市長は、市議会十二月定例会一般質問で、対象となる一軒一軒を回り理解を求めていく、と答弁。地域住民の合意形成へ意欲を示した。
 しかし、地元では反対運動の兆しもあり、取り巻く状況は極めて厳しいものがある。
 解決は来年に持ち越しとなるが、市は成果が出るよう何らかの足掛かりを見いだしていく必要がある。
◇ ◇ ◇
 市町村合併の効果を引き出すために市は、市民の声を取り入れた「集中改革プラン」を策定。自主財源の確保に努めながら、歳出全般を徹底的に見直し「最小の経費で最大の効果」を目指している。
 市民に対しても、各団体への補助金カットや一般家庭ごみの有料化など、市の財源確保への負担を求めている。
 改革を進めるには、市民や市職員一人ひとりの意識がそれに向かって高まることも欠かせない要素だ。ともに痛みを分かち合い、未来を担う子どもたちのためにも、より良い島を創出することに全市民が義務感をもって望まなければならない。
◇ ◇ ◇
 今年は、宮古の子どもたちがあらゆる面で活躍した一年として記憶されそうだ。
 宮工高は全国エコデンレース(ワイパーモーター部門)で三連覇を達成。狩俣小ジュニアゴルフクラブは全国優勝した。
 また、北中野球部と下地小男子ミニバスケット部は県を制覇。池間中の環境美化教育優良校表彰で環境大臣賞受賞は、宮古の環境問題に一石を投じる形となった。
 子どもたちの活躍は、未来への期待につながる。伸びる要素は無限大で、それを引き出してやることや良い環境づくりなど、大人の果たす役割は大きい。
◇ ◇ ◇
 「いじめを本当に減らしたいなら『大勢で一人をやっつけることは文句なしに卑怯である』ということを、叩き込まないといけない」。今年ベストセラーとなった「国家の品格」で著者の藤原正彦氏が記している。
 いじめ問題は今や全国に広がっており、市教育委員会は、全国都市教育長協議会が決議した緊急アピールを発表。子どもたちと保護者や地域、教員に向けたメッセージで、いじめ問題への取り組みを徹底する方針を示した。
 また、市立小、中学校に通う全児童と全生徒を対象にしたいじめに関するアンケート調査を実施。宮古の教育界でも「対岸の火事」とは言っておれない状況だ。
 いじめ撲滅に向け、学校や家庭、地域が一丸となって取り組むことは言うまでもない。
◇ ◇ ◇
 今年一年の世相を漢字一文字で表す「今年の漢字」に「命」が選ばれた。いじめや自殺で断たれる命、飲酒運転による交通事故死、秋篠宮家の悠仁さま誕生で生まれる命などを反映。喜びと悲しみ両面で生命の重みを改めて感じる一年だった。
 宮古では、伊良部大橋の着工や、E3実証実験の本格化、通り池や東平安名崎が国指定の名勝に指定されるなど、明るい話題の半面、コンビニ強盗や殺人事件など犯罪の凶悪化や市職員の飲酒運転よる不祥事が相次いだ。
 自分の住む地域をより良い地域にしたい、という考えは市民全員が一致して考えるところだ。
 市民に未来を描かせ、合併効果を示せるような強いリーダーシップの発揮が伊志嶺市長には求められている。
(平良幹雄)
top.gif (811 バイト)

官公庁で仕事納め/今年振り返り明るい新年願う


1年間の仕事納めを迎え乾杯する伊志嶺市長(右)と職員ら=28日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は二十八日、市町村合併後二年目の仕事納めを迎えた。職員は業務の合間に身の回りを整理整頓し、課内を清掃するなどして、新年に備えた。伊志嶺市長は、集中改革プランを策定するなど、厳しい財政状況を打開すべく取り組んだ一年を振り返り、「課題は多くあるが、良い正月を迎え、さらに宮古島市にとって明るい年になることを願う」と述べ、職員らの労をねぎらった。
 多良間村や県宮古支庁、国の出先機関など官公庁はこの日、一斉に仕事納めを迎え、きょう二十九日から来年一月三日までは年末年始の休みとなる。
 宮古島市の各庁舎では、通常業務の傍ら、職員が掃除機をかけたり窓ガラスをふいたりする光景が見られたが、合併直後の昨年のような慌ただしい雰囲気はなく、静かな仕事納めとなった。
 伊志嶺市長はこの日、各庁舎を訪れ、職員に言葉を掛けて回った。終業時刻の午後五時以降は各部署ごとに小宴となり、職員らが一年間を振り返りながら、和やかなひとときを過ごした。
 このうち、新設された納税課、税務課などのある同庁舎一階で伊志嶺市長は「財政状況が大変厳しい中で、宮古島市をしっかり支えているのが皆さんの仕事。心から感謝したい。皆さんにとっても宮古島市にとっても新年がいい年であるよう期待したい」と述べた。
top.gif (811 バイト)

歳末商戦で大にぎわい/歳暮や正月用品買い求め
買い物客ピークは30、31日


歳暮コーナーでは買い物客でにぎわった=28日、市内の大型スーパー

 今年も残りわずか−。大手スーパーなどでは歳暮や正月用品のコーナーが設けられ、歳末商戦のピークを迎えている。買い物客で連日にぎわいを見せている。これから大みそかの三十一日にかけて、正月料理用の生鮮食品などに客足が移行し、さらに慌ただしくなる。各店ともスタッフ総出で対応に当たるという。

 宮古島市内のある大手スーパーでは十二月上旬ごろから歳暮の特設コーナーを設置。毎年人気の米や乾物類、調味料セットなど百種類以上の商品を取りそろえた。二十日ごろから買い求める客が増え始め、三十、三十一日に最もピークを迎えるという。
 歳暮コーナーでは、親せきや世話になった知人への贈り物を吟味する客が足を運んだ。一番人気はお米。食用油や洗剤のセットなども人気があるという。県外から移り住んでいるIターン者は泡盛など地元特産品を郵送する客が多いという。
 米はコシヒカリなどブランド米の新米が飛ぶように売れている。中には一日百個以上売れるものもある。担当者は「安いものでも高いものでもない中間的な価格の米に人気がある」と話す。
 正月用品のコーナーでは、「歳末準備セール」としてしめ縄や鏡もちに加え、おせち料理などに欠かせない縁起物の黒豆や昆布などを豊富に品ぞろえし、客の購買意欲を刺激していた。
 買い物客らはカートがいっぱいになるほど歳暮や食料品を買い込み、正月に備えていた。
 平良地区に住む知念貞吉さん(67)は「お米は毎日食べるもの。気楽に誰にでも贈れる。親せきらに贈りたい」と述べた。
top.gif (811 バイト)

上地君(佐良浜中3年)が最優秀選手賞/都道府県対抗中学バレー
中学最後の大会「悔いなし」


上地将貴君

 大阪府で開催された全国都道府県対抗中学バレーボール大会に、沖縄県選抜として出場した宮古島市立佐良浜中学校三年の上地将貴君が最優秀選手賞に輝いた。二十八日に帰島した上地君は「試合には負けたけど、中学校生活最後の大会で、最優秀選手になれて良かったと思う。悔いはない」と笑顔で話した。
 都道府県大会に県選抜として出場したのは上地君をはじめ、同校の久貝恭平君(三年)と川満謙太君(同)の三人。女子は北中学校の小禄美鈴さん(三年)が出場し活躍した。大会は二十四日に開幕した。男子県選抜は予選リーグを勝ち上がり、決勝トーナメント二回戦で敗退し、八強進出はならなかった。
 そんな中で、上地君は最優秀選手賞を県内でただ一人受賞。全出場チームの受賞者十二、三人のうちの一人に選ばれた。
 上地君は「チームが優勝できなかったのは残念だけど、こうして最優秀に選ばれたことは本当にうれしい。四月からは高校でバレーを続け、今と同じメンバーで県制覇を狙いたい」と、力強く話していた。
top.gif (811 バイト)

帰省ラッシュ始まる/お正月はふるさとで


帰省ラッシュを迎え、到着ロビーは多くの人でにぎわいを見せている=28日、宮古空港

 大みそかや正月を故郷で過ごそうという人たちの帰省ラッシュが始まった。二十八日、宮古空港ロビーでは家族や孫、友人、知人などを出迎える人々でごった返し、「ただいま」「お帰り」などの会話と笑顔が広がっていた。暖かい宮古島で年末年始を過ごそうという観光客も多く訪れ、到着ロビーはにぎわいを見せている。
 一年ぶりに故郷宮古島へ家族四人で里帰りしたという佐久田秀夫さん・ア=糸満市在=は、「今回は三日間しかいられないので、家族で親せき回りをするつもり。久しぶりに会う兄弟といろいろな話がしたい」と話した。
 日本トランスオーシャン航空によると、きょう二十九日から三十一日までが下りのピークを迎え、那覇−宮古、羽田−宮古はほぼ満席。上り便のUターンラッシュのピークは一月二−四、七、八日となっている。
top.gif (811 バイト)