200平成18  1227 水曜日

市有地売買契約を解除/市、歳入4000万円を減額へ

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が沖縄本島の民間会社と交わした市有地の土地売買契約を解除したことが、二十六日までに分かった。同土地は、市が地方自治法などで定められた議会議決を経ずに契約を交わしたことは違法だとして市議会から厳しく追及されていた。売買契約額は三千八百九万四千円で、市の二〇〇六年度一般会計当初予算に歳入として計上されていた。市はこの歳入を減額し、新たに普通交付税を充てる修正案を臨時議会に提案するが、市の事務手続き上の違法性や議会が追認という手法を取らなかったことなど、今後に波紋を広げそうだ。
 売買契約が解除になった土地は、平良字荷川取(下崎)地区にある面積七千六百十九平方bの市有地。地方自治法などでは、土地売買契約は面積が五千平方b以上、売買金が二千万円以上については、議会議決に付すことが明記されている。
 市は二筆に分かれていた土地を、本来は一件として契約すべきだったが、これを二件に分割して契約したことから、地方自治法に抵触したとして市議会総務財政委員会(前川尚誼委員長)が、事務手続き上の問題点などを厳しく追及。伊志嶺市長は、市議会十二月定例会本会議で契約の違法性を認め謝罪した。
 さらに、売買契約に至った一連の事務手続きを調査する特別委員会も設置。議会に提案された〇六年度一般会計補正予算案も否決されるなど、波紋が広がっている。
 市によると、総務財政委員会から指摘された売買契約は違法性があることから無効とし、再契約をお願いしたが、契約相手側は「会社の信用にかかわる問題」として解約するとした。ただ、市に対しては賠償金などの法的手段は求めないという。
 市は、契約相手側から受け取った前払金八百万円も二十七日付で返納する。
 売買契約が解除になったことで伊志嶺市長は二十六日、「(土地売買契約に至る事務手続きなどを調査する)調査特別委員会が設置されており、その結果が出てからコメントしたい」と話した。宮川耕次総務部長は「売買契約が解除になったことは本当に残念」と述べるにとどまった。


市民の不利益にならないか/市有地売買契約解除

 宮古島市が沖縄本島の民間会社と市有地の土地売買契約を解除したことで、同市は二〇〇六年度一般会計予算で歳入として見込んだ約四千万円を減額せざるを得ない状況となった。
 問題の土地は、市が地方自治法などで定められた議会の議決を経ずに、売買契約を交わした市有地で、市議会総務財政委員会は契約を無効とし、再契約するよう市に要求した。
 伊志嶺亮市長は、違法性を認め議会で謝罪。事後に議決できる「追認」を議会に求めたが「違法性ある契約を追認すると、議会が違法を認めたことになる」という理由で突っぱねられた。
 結局、市は契約相手側に議会が求めていた再契約を提案したが、相手側がこれを拒んだことから、契約は解除となった。
 市の事務手続き上の違法性を指摘し、打開策を示した議会側は、行政をチェックするという使命を果たしたとは言える。
 しかし、行政をスムーズに進めるために必要な「追認」という手法を無視したことには首をかしげざるを得ない。
 二十六日には、同売買契約の事務手続きを調べる特別調査委員会が開かれた。今後、調査を進め事実が明らかにされるが、歳入として見込んだ売買金額約四千万円の破棄は市民に不利益とはならないのか。同委員会は示すべきだ。   (平良幹雄)
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違法性指摘の土地視察/市有地売買
市議会 特別委員会が調査開始

 宮古島市議会(友利恵一議長)の「二〇〇六年度予算に伴う公有財産取扱いの調査」に関する初めての特別委員会が二十六日行われ、同委員会の委員長に前川尚誼氏、副委員長に山里雅彦氏を選任したほか、土地売買契約で違法性が指摘された平良字荷川取(下崎)地区の市有地も視察した。
 同委員会では▽平良字荷川取(下崎)地区土地売買に関する調査▽城辺字保良(東平安名崎)地区土地売却予定に関する調査−の二項目について、同市が民間企業と交わした売買契約の事務手続きなどを調査する。
 このうち平良字荷川取(下崎)地区の市有地売買契約については、宮古島市が地方自治法などで定められた議会議決を経ずに沖縄本島の民間会社と売買契約を交わしたことは違法だとして、市議会総務財政委員会で市の責任が厳しく問われた。
 委員長に選任された前川氏は「早急に調査を行い、良い悪いを決めなければならない。委員の皆さんの積極的な意見を期待する」と述べた。
 同委員会を招集した市議会の友利議長は「事実、真実を取りまとめ、市民にも理解できるようしてほしい」と慎重な審議を求めた。調査特別委員会の構成メンバーは次の通り。(敬称略)
 【委員長】前川尚誼【副委員長】山里雅彦【委員】▽富浜浩▽新城啓世▽真栄城徳彦▽池間雅昭▽新里聡▽仲間明典▽池間健栄▽嘉手納学
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さあ猪突猛進!/亥年目前
城辺新城/イノブタの赤ちゃん5匹誕生


愛らしいしま模様が特徴のイノブタの赤ちゃん=25日、城辺字新城

 城辺字新城にある宮古島きのこ生産加工組合(新城元吉組合長)の敷地内で飼育している「イノブタ(猪豚)」に、今月初旬、五匹の赤ちゃんが誕生した。来年の亥年を前に生まれた小さな命を、周囲は温かなまなざしで見守っている。
 イノブタは、イノシシと豚を交配して作られる一代雑種。食用とするために飼育され、両者の長所を受け継ぐ味はまろやかだという。
 新城組合長は、今年五月ごろ、沖縄本島に住む知人からオスとメスの二匹を購入。施設内で飼養していたところ、今月四日、五匹の赤ちゃんが誕生していたことが分かったという。「木の下で枯れ葉などを集めて巣を作っているようだと思っていたら赤ちゃんがいた。妊娠しているとは分からなかった」と当時を振り返った。
 誕生時、一〇aにも満たなかった赤ちゃんたちも、現在では約三〇aぐらいにまで成長。愛らしいしま模様の体を元気いっぱいに動かし、お母さんイノブタの後ろにくっついていた。
 新城組合長は「オスも育児にとても協力的。おっぱいを飲む子どもたちを守ったり、面倒を見たりと人間と変わりない」と話した上で「亥年を迎えるに当たりにぎやかな話題で喜ばしい。喜びを将来につなげ、ゆくゆくは増産し、食用にしたり観光に寄与したりと考えていきたい」と話した。
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中高校生3人逮捕/高校生集団暴行
容疑認める 動機など追及/宮古島署

 今月二十日、宮古島市内の県立高校に通う男子生徒(一年)が集団暴行を受け、全治二週間のけがを負った傷害事件で、宮古島署は二十六日午後八時三十分から同四十七分にかけて傷害の疑いで男子高校生二人と女子中学生一人を逮捕した。三人は容疑を認めており、宮古島署は動機などについて調べを進める方針。

 暴行は被害に遭った男子生徒の弟(中学二年)も受けており、頭や顔に傷を負った。被害者の家族から通報を受けた宮古島署が捜査を始め、加害者の特定や暴行に至った経緯を調べていた。
 調べによると逮捕された男子高校生は二十日午後四時ごろ、市内の公園で、男子生徒に対し殴打や足げりなどの暴行を加えた。その後同日午後七時四十分ごろ、市内の駐車場で別の男子高校生と女子中学生と共謀し、男子生徒とその弟に対して殴るけるなどした上、いすなどでも暴行を加え、二人に加療二週間を要する全身打撲の傷害を負わせた疑い。
 集団暴行を受けた兄弟の母親は逮捕の報を受け、本紙の取材に対し「多分、知っている子どもたちだけに複雑な心境です」と明かした。暴行については「今まで新聞の中だけのことだと思っていたことが、まさか自分の子どもに降り掛かるとは思ってもいなかった」と話した。その上で「やり切れない思いでいっぱいです。ただ、このような事件は絶対にあってはいけないこと」と話す言葉に力を込めた。
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砂川さん(平一小5年)が最高賞/愛鳥週間ポスター原画コン
来年のポスターに採用 県内初


県内から初めて日本鳥類保護連盟会長賞を受賞した砂川莉夏さん(右)と母親の久美子さん=26日、県庁

 【那覇支局】二〇〇七年度愛鳥週間用ポスター原画コンクール(主催・財団法人日本鳥類保護連盟、後援・林野庁)で同連盟会長賞を受賞した宮古島市立平良第一小学校五年の砂川莉夏さんに対する賞状の伝達式が二十六日、県庁で行われ県の伊佐嘉一郎文化環境部長から賞状が伝達された。
 笑顔で賞状を受け取った砂川さんは「会長賞に選ばれたと聞いたときはびっくりしたけど、うれしかった」と感想を述べた。同連盟会長賞の県内からの受賞は今回が初めて。
 同原画コンクールには、全国から七万七千六百九十九点(県内百九十八作品)の応募があり、その中から砂川さんのヤンバルクイナの絵が同連盟会長賞に選ばれた。同会長賞は、総裁賞、環境大臣賞、文部科学大臣奨励賞、林野庁長官賞に次ぐ賞となっている。
 賞状と記念の盾、さらに県からの記念品を受け取った砂川さんは「七万点以上の作品の中から選ばれたと聞いて驚いた。絵を描くことは好きなので今回のこの絵も夏休みの宿題として三日間かけて描いた。友達も『上手に描けているね』と褒めてくれた」と笑顔で話した。
 伊佐部長は「素晴らしい賞を受賞し、県としても本当にうれしい。来年の愛鳥週間で県のポスターにすることも検討している。これからも頑張ってほしい」と激励した。砂川さんの作品は、青空をバックに木の枝には特徴をとらえた二匹のヤンバルクイナが描かれている。受賞作品について、砂川さんは「おなかの部分の模様が一番難しかった。描いているうちにヤンバルクイナはぽっちゃりしたかわいい鳥なんだなと思ってきた」と述べた。
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新規高卒内定70・8%/学校の早期取り組みが奏功

 宮古公共職業安定所(ハローワーク宮古、山岡真也所長)は二十六日、十一月期の「雇用の動き」を発表した。来年三月の新規高卒予定の就職希望者は百六十八人、うち就職内定者は百十九人で、前年同期比三六・八%(三十二人)増の七〇・八%と高率となった。県内内定は同比七一・四%(十人)の増、県外内定は同比三〇・一%(二十二人)の大幅増で、同所では、都市圏の景気回復の好影響、学校の早い取り組みなどを要因に挙げた。
 一般職業紹介の求職者一人当たりの求人件数を示す有効求人倍率は〇・二七倍で前年同月比〇・〇五]の上昇、前月比では〇・〇二]の減少となった。新規求職申込件数は二百六十四件で前年同月比八・六%(二十一件)の増だが、前月比では二・九%(八件)減少した。
 新規求人数は百十人で、前年同月比〇・九%(一人)の増。前月比では一九・七%(二十七人)の減少となった。産業別には▽医療・福祉二十九人(前年同月比二〇・八%増)▽サービス業二十人(同二五・九%減)▽飲食店・宿泊業十八人(同三八・五%増)▽卸売、小売業十四人(同五五・六%増)▽製造業十一人(同五七・一%増)だった。
 県外からの連絡求人数は三百二十五人で、前年同月比一・六%(五人)の増となり、前月比では二三・二%(九十八人)の減となった。
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