200平成18  1224 日曜日

売上げ堅調 登録農家2.6倍に/JAあたらす市
「地産地消」さらに充実へ/オープン1周年誕生祭盛況


宮古産をはじめとする新鮮な野菜や果物を買い求める来店者ら=23日、JAおきなわ宮古地区本部あたらす市場

 JAおきなわ宮古地区本部(下地隆弘本部長)が運営する「JAファーマーズマーケット宮古 あたらす市場」が二十三日、昨年のオープンから一周年を迎えた。同日は関係者によるセレモニーと「誕生祭」が行われ、さらなる発展を願った。この一年間で、野菜などの作物を提供する生産農家の登録者数は約二・六倍に増え、売り上げも徐々に伸びているが、下地本部長は「さらに会員登録を増やし、安心・安全で新鮮な農作物を提供して、消費者にアピールしていきたい」と強調し、「地産地消」の充実に意欲を見せた。

 オープン当初の生産農家登録数は百十人だったが、一年間で二百八十二人に増え、売り上げも徐々に伸びているという。同市場では安定した商品供給を課題に掲げ、会員の増加を促進させ、さらに「安心・安全・新鮮」な食材を、消費者に安定して届ける方針だ。
 セレモニーにはJAおきなわから赤嶺勇代表理事理事長も駆け付けた。「昨年は『暫定オープン』で一年間の慣らし運転を経てきょう、リニューアルと同時に本格オープンを迎えたと言える」と前置きし、「さらに質を良くしていけると確信しており、自ら作った作物を自ら売るという喜びを味わってもらい、生産者と消費者が交流する場になってほしい」と述べ、関係者の協力を求めた。
 生産者協議会を代表して福原貞雄会長(代読・川満康男さん)が、「この一年はチャレンジの一年だった。この間、消費者の地元産品への関心が高まり、生産者も生きがいが増えた。扱う品目も着実に増えており、充実した商品提供でさらに努力してもらえるよう努力したい」とあいさつ。関係者代表のテープカットでリニューアルオープンとなった。
 ファーマーズ・マーケット前には新たに駐車場を整備。入り口の階段の段差を低く、幅を広くして、スロープも設け、お年寄りや足の不自由な人でも出入りしやすいバリアフリーにも気を配った。新鮮野菜をイメージした「ファーマーズマーケット」の真新しい看板も設置され、イメージを一新している。店内には精米器や水の販売機も備える。
 生産者の一人、下地吉郎さん=城辺=は「お客さんの反応が直接聞けるし、交流もできるのでとても良い」と話し、今後も良い作物を提供したいと決意を新たにしていた。
 同日は、新鮮野菜のタイムサービスをはじめ、宮古牛そば、てんぷら、石焼き芋などの販売などを展開。きょう二十四日も、クリスマス記念フリーマーケットをはじめ、タイムサービスなどさまざまな催しが行われる。
 市場や生産者登録に関する問い合わせは同市場(電話72・2972)まで。
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宮古島市/「エコアイランド」構築へ
「市民参加型」でプロジェクト/年度内に推進委立ち上げ

 「市民参加でエコアイランド構築を」−。環境政策を重視する宮古島市が、「宮古島エコアイランド」の実現に向け二〇〇七年度にエコアイランド推進委員会(仮称)を立ち上げる。プロジェクトに市民の声を反映させるため、委員は行政職だけでなく企業や団体、学校関係などの代表で構成する方針。同委で具体的なプロジェクトを練り、市民が実践できる計画を策定する。次年度早々にも伊志嶺市長が「宮古島エコアイランド宣言」を行う予定で、広く市民に「環境の島」構築を呼び掛ける。

 今後の具体的な活動としては、まず市内部にエコアラインド推進準備会を立ち上げ。予定されているエコアイランド宣言の準備を進めるほか、エコアイランド基準の骨子(案)などを策定する。
 その後に推進委員会を設置。官民一体型の戦略的実行委員会となる。委員は市民で構成され、市は事務局的な立場で市民の意見を集約。エコアイランド実現に向け、どのような活動が良いのか具体的なプロジェクトの策定作業を行う。
 具体的な活動については環境に対する学校教育などが挙げられる。子どもたちに環境を守ることの大切さを呼び掛け、長期的な視野に立った環境の島づくりを実践する。
 地域社会においては、個人だけでなく企業、団体単位で実践できるプロジェクトを構築していくことも推進委の中で議論される。
 そのほか、地下水保全活動や節電運動、ごみ問題における市民の意識向上など、各種分野において市民参加の活動を呼び掛けていく方針だ。
 市エコタウン推進室の洲鎌善充室長は「世界に誇れるエコアイランドを目指したい」と強調。「そうすることで、世界中から環境に興味を持つ人が宮古島を訪れる。バイオエタノールなどで注目を浴びている今こそ、環境の島づくりを進めていくことが大切」と話し、着実に実行できるプロジェクトの策定に向け取り組む姿勢を示した。
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事件事故なく新年を/宮古島署
年末年始警戒取り締まり/検問では19件検挙


出発式では署員や防犯ボランティアら約150人が集まった=22日、宮古島警察署

 宮古島警察署(岸本亮署長)は二十二日夜、年末・年始における犯罪や事故を防止しようと総合警戒取り締まりをスタートした。署員や防犯ボランティアら約百五十人が参加。市内繁華街などを歩きながらパトロールし、犯罪や事故の未然防止に努めた。検問では酒気帯び運転一件、無免許運転二件を含む十九件を検挙した。
 実施期間は来年一月三日までの十三日間。▽地域安全広報啓発活動▽多発が予想される犯罪および少年非行(被害)防止▽雑踏事故の防止−などが重点目標。署員をはじめ宮古島地区防犯協会、同市青少年育成市民会議、東川根自治会パトロール隊、学校教員らが参加した。
 出発式であいさつに立った岸本署長は「事件・事故がなく新年を迎えることは非常に喜ばしいこと。住民が安心して暮らせるように事件・事故のないように頑張ろう」と協力を求めた。
 参加者たちは三班に分かれパトロールへ出発。飲食店街や公園、コンビニエンスストアなど少年のたまり場を巡回した。
 検問は市内の交通量の多い場所で行われた。検挙した十九件の内訳は、酒気帯び一件、無免許二件、整備不良三件、携帯電話違反四件、シートベルト無着用九件だった。
 総合警戒は伊良部島でも行われ、伊良部交番をはじめ、防犯指導員や少年補導員、佐良浜子供を守り隊など十四人が参加し、少年の集まる場所をパトロールした。
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調査団、最終調査に着手/城辺アラフ遺跡
第7層で魚の骨、サザエ確認


アラフ遺跡の第8次調査を行う調査団のメンバー=22日、城辺新城のアラフ遺跡

 城辺新城海岸近くのアラフ遺跡を調査している調査団(団長・江上幹幸沖縄国際大学教授)の同遺跡における第一区最終調査(第八次)が今月十五日から行われている。今回は人が生活していたとされる最下層の地表七番目(二千九百年前ごろ)の層の調査を実施。魚の骨やチョウセンサザエの殻が出土したほか、石を使って食べ物を蒸し焼きにしたような痕跡が見つかったという。
 ただ、第五層(二千五百年前ごろ)から発見されたイノシシの骨は発見されておらず、千年足らずで食に関する人の生活様式の変化を裏付けている。この調査は今月二十八日まで。
 最終調査は沖縄国際大学の大学院生や学生ら総勢九人の調査団で実施。今月二十八日まで調査を続け、第一区の調査を終える予定だ。
 第七層の調査について江上団長は「特徴としては、現在、魚の骨しか出ていない。五層にはイノシシの骨も出ていた」と話し、二千九百年前から二千五百年前の間における食べ物の変化を強調した。また、江上団長は「貝の種類が少なく、そのほとんどがチョウセンサザエ」と説明。さらに第七層の様子から「台所のような場所があったのではないか」などと推測した。
 アラフ遺跡の調査は五年以上続けられており、今回の調査で第一区の調査は終了するが、調査団は遺跡東側の第二区の発掘調査も実施する方針。二十八日午後には、江上団長が第一区調査の総括を行う予定。
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ヤブツバキなど1650本/美ぎ島グリーンネット
下地地区に初めて植樹


道路沿いにヤブツバキの苗などを植樹した=23日、宮古島市下地

 美ぎ島 宮古グリーンネット(会長・伊志嶺亮宮古島市長)の第十回植樹活動が二十三日、宮古島市下地字川満の積間地区で行われた。百一人が参加し、ヤブツバキなど計千六百五十八本を植樹した。植樹活動は今年度三回目。下地地区では初めての植樹となる。
 この日植えられた樹種は▽ヤブツバキ(二百七十七本)▽シマヤマヒハツ(二百四十本)▽フヨウ(六十本)▽タブノキ(三百三本)▽テリハボク(二百七十二本)▽フクギ(二百五十四本)▽イヌマキ(二百五十二本)の七種類。行政職員、地域住民、下地小学校緑の少年団の児童らが参加し、県道上野線沿いの市有地約三百bの範囲に、農地防風林の造成を目指して植え付けた。
 開会式で伊志嶺会長は「植樹によって宮古の自然と水を守り、住民が暮らしやすく、観光客に喜ばれる島づくりをしていこう」とあいさつした。
 また、高千穂部落会長の石嶺元秀さんは「きょう植える木が地域の農業、環境保全に役立つことを願う」と述べた。
 植樹では、花を楽しむことができるヤブツバキの苗を道路沿いに植え、周辺ほ場のサトウキビの成育を邪魔しないイヌマキを奥側に植えた。参加者らは、竹の支柱を使って苗を固定し、一本ずつ丁寧に植え付けた。
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街路樹18本折られる/平良松原の下地線
業者、行政は怒りをあらわ


何者かによって折られたとみられる街路樹=23日、平良松原

 平良松原の国道390号(通称下地線)の街路樹十八本が何者かによって折られていることが二十三日、分かった。植栽した業者や発注した県宮古支庁は「せっかく植えた街路樹を折るなんて許せない」として憤りをあらわにする。
 場所は松が原ゴルフ場付近の歩道。切断されたのは昨年二月に植えられたフクギ。街路樹は高さ約一・四bで幹の太さは直径一−二a。一つの升に三十aほどの間隔で三本ずつ植えられており、六つの升で計十八本が折られていた。
 植栽した業者が同日昼ごろに見つけ、宮古島署と県宮古支庁に届け出た。警察は何者かが歩道を歩きながら手で折ったものとみている。
 業者によると、午前八時ごろに現場を見たときには異常はなかったが、正午ごろに街路樹が折られていたという。業者は「植え付けから管理まで手を掛けて育てた。強い憤りを感じる。折る人の気持ちが分からない」と語った。
 同支庁の土木建築課の職員は「以前にも街路樹が切られることがあった。本当に人為的にやられたものならば住民のモラルの低さを残念に思う」と述べた。
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