200平成18  1223 土曜日

ノロウイルスに集団感染/宮古病院/患者・職員計23人
重症者はなし 感染ルート不明


会見を開きノロウイルスの集団発生を明らかにする安谷屋院長=22日、宮古病院

 全国でノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行する中、県立宮古病院(安谷屋正明院長)で入院患者ら二十三人が集団感染していたことが二十二日、分かった。感染者に重症者はいない。症状も軽く、快方に向かっており、新たな感染者はいないという。安谷屋院長は「感染ルートは不明だが、病院で発生したことは反省すべきこと。感染を早期に収束できたことは良かった」と述べた。同病院が同日会見を開き、集団発生を明らかにした。

 ノロウイルスは、感染性胃腸炎の主な原因の一つ。感染力が強いため、集団発生を引き起こすことがある。主な症状は嘔吐(おうと)や下痢、腹痛など。感染源は汚染された貝類などの食品を食べたり、患者の便や吐物から二次感染するケースの二通りがある。
 感染者は、同病院の一般病棟の患者八人と職員二人、精神病棟の患者十人と職員三人の計二十三人。二十代から九十代までの男女だった。患者の家族などに感染は今のところないという。
 同病院によると、今月四日から一般病棟で散発的に下痢の症状を訴える患者が出始め、十四日からは精神病棟でも下痢の症状を訴える患者が出たという。
 同病院は十五日、感染症委員会で院内感染症予防マニュアルに沿った対策を実施。院内の便座、便器内、ドアノブやベッドなどの消毒、患者の隔離、患者や職員の手洗いの徹底を行ったという。
 検査の結果、患者二人からノロウイルスを検出。同病院では、集団発生と確定して感染症マニュアルに沿って感染対策を取っており、二十日以降に新規患者は発生していない。
 二十日には宮古福祉保健所の職員とともに現場視察を行ったが、感染ルートは特定できていない。
 安谷屋院長は「一、二日で治るケースがほとんどなので、ノロウイルスにあまり過敏になる必要はない。高齢者や免疫力が低下している場合は重症化することもあるので気を付けること」と呼び掛けた。
 県内では、二十一日現在で北部保健所管内で十七人、中央保健所管内で二十二人の感染が報告されている。
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新図書館建設委が発足/市長が計画案を諮問
来年度に用地選定へ


新しい図書館基本計画案を知念委員長(右)に諮問する伊志嶺市長=22日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市の新しい図書館の建設委員会が二十二日発足し、伊志嶺亮市長が同市の図書館像などが盛り込まれた基本計画案を諮問した。委員は、知識経験者と市職員の計十四人で、新環境創造研究所長の知念信正氏を委員長に選出した。委員会では、建設の基本的事項に関することなどを審議し、来年三月までに市長に答申する。二〇〇七年度からは用地選定を行う予定。

 伊志嶺市長は、委員らに委嘱状と辞令を交付した後、図書館建設の基本計画案を諮問。「夢であった新図書館を実現できるようしっかりと審議してほしい」とあいさつした。
 この後、第一回委員会が開かれ、伊志嶺市長が諮問した基本計画案の説明があった。
 同案では新図書館を「すべての市民に開かれた情報センター」として位置付け。@すべての市民にサービスを提供するA市民生活に役立つB市民に日常的な学習・交流・活動の場を提供するC情報センターとしての地域活力の源とする−の基本方針などが示されている。
 委員は次の通り。(敬称略)
 【委員長】知念信正(新環境創造研究所長)【副委員長】下地学(宮古島市助役)【委員(知識経験者)】宮城保(元県公文書館長)▽島崎早恵子(県立図書館宮古分館長)▽東風平紀子(市立図書館協議会長)▽池間太郎(市身体障害者福祉協会長)▽狩俣康子(新しい図書館つくろう会)▽田場秀樹(宮古教育事務所指導課長)【委員(市職員)】久貝勝盛(教育長)▽久貝智子(企画政策部長)▽宮川耕次(総務部長)▽平良富男(建設部長)▽二木哲(生涯学習部長)▽奥平知恵美(北中学校図書館司書)
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監視徹底を強調/伊良部漁協
年末年始のダイビング船/組合長「正当な巡回監視」


記者会見する奥原組合長=22日、伊良部漁協

 年末年始のダイビング船の監視を控え、伊良部漁業協同組合(奥原隆治組合長)は二十二日午後、理事会開催前に記者会見を行った。奥原組合長は「伊良部漁協と海面利用の協定を結んでいないダイビング船については監視を徹底したい。漁業法で認められている正当な巡回監視を実施する」と重ねて強調した。
 同漁協は、伊良部島・下地島周辺海域でダイビングする場合は、海面利用協定を締結しているダイビング業者のみを認めている。ダイビング船は、同漁協らが指定したアンカーブイを使用し、サンゴ保護・保全に協力しているという。
 一方、協定を締結しないダイビング船について、奥原組合長は「勝手にアンカーを投げ入れ、サンゴを破壊する。水産動植物の繁殖にも大きな影響を与えている」と話す。また「平良海上保安署は、私たちが協定を結ばないダイビング船に接近しようとすると『ダイビング船から離れろ』と言う。ダイビング船に向かって『ここではダイビングはできない』と指導すべきではないか」と語った。
 漁業法で定めている入漁権について、奥原組合長は「入漁権は物件と見なされている。漁業権と同様に、入漁権が妨害され、あるいは侵害される恐れがある場合は、妨害者に対して妨害の排除または妨害の予防を請求できる」と強調した。
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解体報告書を住民提供/産廃焼却炉撤去で方針
宮古福祉保健所


会見を開き方針を示す上原所長(右)と金城康政保健総括兼生活環境班長=22日、宮古福祉保健所

 平良西原の産業廃棄物最終処分場の焼却炉撤去作業終了を受け、宮古福祉保健所(上原真理子所長)は二十二日、会見を開き、大浦住民らが求めていた住民説明会などについて「開催の予定はないが、解体作業の報告書の情報提供を行いたい」と方針を示した。
 住民説明会は住民らが求めていたもの。同保健所は「説明責任はあくまでも事業者である。事業者や本庁が開催を予定していない限り、行うことはできない」と理由を述べた。
 解体した焼却炉や燃えがらなどの特別管理産業廃棄物については、すでに島外に搬送されている。保健所は業者らが適切な処理を行ったか報告書を求め、報告書がまとまり次第、大浦自治会や宮古島市、マスコミなどに情報提供する。報告書には解体作業中のサンプリング調査の結果なども盛り込むよう求めるという。
 住民側が強く要望しているダイオキシン濃度の調査については「基本的には事業者が実施すべきこと。県としては実施する予定はない」と実施しないことを明らかにした。
 解体作業は十四日に着手され、養生作業などが行われた。十五日には宮古労働基準監督署の立ち会いの下で最終確認された。十六日から焼却炉の解体作業が本格的に始まり、十九日午前に作業を終了した。
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全国大会に出発/佐良浜の上地君ら県選抜の4人
中学バレー


全国都道府県対抗中学バレーに出場する(左から)川満君、久貝君、上地君=21日、宮古空港

 二十四日に開幕する全国都道府県中学バレーボール大会に、県選抜として出場する佐良浜中学校の上地将貴君(三年)ら宮古から選ばれた県選抜四人の生徒が二十一日、大会の会場となる大阪府に向けて出発した。出場選手らはそれぞれ「上位入賞目指して頑張る」と決意を話した。
 県選抜として出場するのは男子が佐良浜中学校の上地君をはじめ、同校の久貝恭平君、川満謙太君の三人。女子は北中学校の小禄美鈴さんが出場する。
 佐良浜中の生徒は二十一日午後二時すぎに出発。空港で上地君は「県代表として各県の代表チームと戦うが、沖縄は佐良浜の三人が中心のチーム。三人でしっかりと引っ張り、ベスト4を狙う」と自信を見せた。久貝君は「大会を楽しみ、一つでも多く勝つ」と強調。川満君は「自分たちが引っ張るんだという気持ちで頑張りたい。優勝を目指す」と力強く話した。
 大会は二十四日から二十七日まで大阪府内で開催され、各都道府県代表が全国一を懸けて熱戦を展開する。
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サシバも絶滅危惧種に/環境省レッドリスト見直し
宮古固有種のヘビも追加


サシバ

 【那覇支局】環境省那覇自然環境事務所(中島慶二所長)は二十二日、同省がまとめたレッドリスト(絶滅の恐れのある野生生物の種のリスト)の見直しについて発表した。
 今回発表されたのは鳥類、爬虫(はちゅう)類、両生類およびその他無脊椎(せきつい)動物についてで、宮古にも越冬で訪れるサシバが全国的にも減少傾向で今回初めてリストに載った。
 また、宮古固有種のヘビ「ミヤコヒバァ」(宮古島と伊良部島に生息)「ミヤコカナヘビ」(宮古島、伊良部島、池間島に生息)も絶滅危惧(きぐ)種としてランクが上がった。
 今回の見直しでは、鳥類が八十九種から九十二種に、爬虫類が十八種から三十一種に、両生類が十四種から二十一種にその他無脊椎が三十三種から五十六種にそれぞれ増加している。
 そのうち、同所管内(奄美大島以南)については、鳥類四十八種、爬虫類三十種、両生類九種、その他無脊椎が二十二種となっている。
 沖縄の鳥類に関しては、ヤンバルクイナのランクが上がり、絶滅の恐れがさらに高まっていることが示されたほか、宮古に生息するヘビなど爬虫類については、イタチ、クジャクなど外来生物による影響などが示唆されている。
 環境省ではこのレッドリストに基づいて「レッドデータブック」を作成している。今回は前回の公表から一定期間が経過したことから二〇〇二年度より見直し作業に着手し、検討を行ってきた。今後も本年度内に哺乳類、汽水・淡水魚類、昆虫類、貝類の公表を予定している。 
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