200平成18  1219 火曜日

市議会/補正予算案を否決
市有地売買契約めぐり 長時間にわたり混乱
調査特別委設置は可決

 宮古島市議会(友利恵一議長)十二月定例会は十八日、最終本会議を開き、各委員会に付託された議案の審査結果を委員長が報告した。このうち、総務財政委員会に付託された二〇〇六年度宮古島市一般会計補正予算は、地方自治法などで定められた議会議決を経ずに沖縄本島の民間会社と市有地の売買契約を交わしたことは違法性が含まれている予算だとして賛成少数で否決された。補正予算が否決されるのは異例。同売買契約の経緯などを調査する「二〇〇六年度予算に伴う公有財産取扱いの調査に関する動議」は野党などの賛成多数で可決された。

 伊志嶺亮市長は予算執行の正常化を図るため、年内にも臨時議会を召集、同予算を調整、再提案し事態の打開を図る方針。午前十時から開会された本会議は、補正予算の可決をめぐり、休会をはさみながら長時間にわたり混乱。本会議から付託された補正予算は同日、総務財政委員会で再び審議されたが、否決。本会議でも追加議案として提案されたが、同様に否決された。
 補正予算の可決に反対姿勢を示した理由を会派そうぞうは記者会見で「市有地の土地売買契約に違法性が見られる」として、それに関連する補正予算にも賛同できないと述べた。
 また、当局に違法性のある売買契約について、契約相手側と再契約などの打開策を示したものの、それについて何ら是正しなかった対応も厳しく非難した。
 補正予算が否決されたことについて伊志嶺市長は「補正予算を調整し、早急に臨時議会を開き議会の理解を得たい」と話した。否決された補正予算の中に市介護職員の給与なども含まれていることについては、「可決された特別会計補正予算の中で対応していく」と述べた。
 総務財政委員会から動議として提出され、本会議で可決された「公有財産取扱い調査」は前川尚誼議員ら委員十人からなる特別委員会を設置。調査は▽平良字荷川取(下崎)地区土地売買に関する調査▽城辺字保良(東平安名崎)地区土地売却に関する調査−を行う。
 調査期間は次期市議会三月定例会までとなっている。


議会と当局、見解に相違/当局説明を議会突っぱねる

 市議会最終本会議が長時間にわたり混乱したのは、一般会計補正予算を付託された市議会総務財政委員会で同予算が否決され、新たな修正予算を同委員会が求めたからだ。「事務手続き上、違法性のある土地売買契約が含まれた補正予算は審議できない」とする議員と「違法性とする土地売買契約と、今回の補正予算は切り離して考えるべきだ」と主張する当局との見解が大きく食い違った。
 総務財政委員会は、当初予算で見込まれた土地売買契約四千万円は議会議決を経ずに地方自治法などに違反して契約されたことから、先に契約相手側から支払われた前払い金八百万円も違法性があると指摘。民間企業と結んだ土地売買契約は破棄し、さらには前払い金八百万円も返還した上で、契約相手側と再契約を結ぶよう求めた。
 これに対し市側は、事務手続きに瑕疵はあったとし、今議会で伊志嶺亮市長も認めて謝罪している。違法性と認められた土地売買契約は「特別調査委員会」に委ね、上程された補正予算を成立させるのが筋だと話す。
 本来、補正予算の修正は、付託された総務財政委員会が修正すべきだが、それを市側が修正すると応じたことも事態を複雑な方向に導いた。
 友利恵一議長は、「議会事務局からのサポートが十分でなかった」と混乱に至ったことを十八日の総務財政委で謝罪したが、「時すでに遅し」の感は否めない。当局が総務財政委の要求に対して後手後手に回ったことや、行政手続きなどの説明を明白にしなかったことも要因で、野党議員らの不信感を増幅させた。
 今回の土地売買契約をめぐり「市民に不利益を被らせたくない」とする議会側と市側の基本姿勢は一致しているのであれば、双方とも十分な意見を交わし市民に納得できるような答えを示すべきだ。(平良幹雄)
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鏡原父母会が初優勝/宮古毎日杯軟式野球
F与那覇の3連覇阻む


初優勝し、胴上げされる鏡原少年野球部父母会の我如古監督=17日、宮古島市営球場

 第四回宮古毎日新聞社杯軟式野球大会(第十五回全宮古軟式野球選手権大会)は十七日、宮古島市営球場で決勝まで行われた。鏡原少年野球部父母会がファミリー与那覇を2−0で下し、初優勝。ファミリー与那覇の三連覇を阻んだ。参加九十八チームの頂点に立ち、我如古常雄監督が高々と宙を舞った。
 同日行われた準決勝の結果、チーム結成二年の鏡原と二連覇中の王者、与那覇の対戦が決まった。鏡原は初回の二死一、三塁のピンチを三振で切り抜けると、三回に二死二、三塁から上原強史が右越二塁打で2点を先制。先発した仲宗根哲男が7回を3安打無失点に抑え完封し、初優勝を飾った。
 個人賞は、殊勲賞が上原強史(鏡原少年野球部父母会)、敢闘賞が浜川太(ファミリー与那覇)、打撃賞が狩俣勝彦(鏡原少年野球部父母会)が6割6分8厘、仲宗根哲男(同)が6割6分7厘でそれぞれ選ばれた。
 大会は十月に開幕。約二カ月間にわたり参加九十八チームが宮古一を懸けて熱戦を展開した。
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東学区 2年ぶりV/全宮古駅伝競走大会
2位は西辺、3位西城


笑顔でゴールする東学区のアンカー・友利誠=17日、宮古島市陸上競技場

 各学区の代表選手が「宮古一」を目指してたすきをつなぐ、第五十六回全宮古駅伝競走大会(主催・宮古陸上競技協会)が十七日、宮古島市陸上競技場を発着する同競技場公認マラソンコースで行われ、東学区が二年ぶり五度目の優勝を飾った。
 大会には十五学区が出場。宮古高校もオブザーバーとして参加した。レースは東と昨年優勝の西辺の争い。前半をリードした西辺に対し、東は六位スタートから徐々に順位を上げ、五区で西辺を逆転し、そのまま逃げ切った。前評判の高かった西城は前を行く東、西辺をとらえることができなかった。
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A組池田6段が優勝/市長杯囲碁大会
B組は新城4段、C組具志堅3級
愛好家63人参加でにぎわう


63人が参加し大にぎわいとなった囲碁大会=17日、こすみ囲碁教室

 今年最後の囲碁公式戦となる第二回宮古島市長杯争奪囲碁大会(主催・同実行委員会、宮古毎日新聞社、主管・日本棋院平良支部、協力・こすみ囲碁教室)が十七日、平良の同教室で開かれた。熱戦の結果、A組(5段以上)は池田友彦6段、B組(3−4段)は新城森彦4段、C組(2段以下)は具志堅秋作3級が優勝。新城4段と具志堅3級は実力が認められ、それぞれ5段と2級に昇段・昇級した。古希を過ぎて5段昇段を果たした新城さんは、多くの囲碁仲間から祝福を受けた。


具志堅秋作3級


新城森彦4段


池田友彦6段

 同大会は例年同様、会場いっぱいの参加者でにぎわった。対局に先立って開会式があり、黒島正夫実行委員長は「囲碁は素晴らしい趣味。私自身、囲碁のおかげで毎日を楽しく過ごせている。勝ち負けにこだわらず、一日を楽んでください」とあいさつした。
 宮古毎日新聞社の松原清吉編集局顧問は「楽しみながらも、持てる力を十分に発揮し、今年最後の大会を飾ってほしい」と参加者を激励。
 伊志嶺亮宮古島市長は「宮古からは、知念かおり本因坊が誕生した。参加者の顔を拝見すると、若者が多い。囲碁関係者の力でかおりさんに続く、若者を誕生させてほしい」と、宮古囲碁界の発展を祈念した。
 参加者はA組三十一人、B組二十人、C組十二人の合計六十三人。対局は手合割り方式で行われた。
 一回戦の組み合わせの後対局が始まり、盤上では強烈な攻め、際どいしのぎあいの熱戦が繰り広げられた。その中で池田6段、新城4段、具志堅3級の三人が、日ごろの実力を発揮し全勝で優勝した。
 池田6段は「久々に7段格で打ったけど、どの対局も厳しく逆転が多かった。勝ち運に恵まれた」と感想。
 新城4段は「昇段はうれしい。次は6段を目指して頑張る」と、喜色満面だった。
 初参加で初優勝の具志堅3級は「早くBチームに出場できるよう、しっかり勉強したい」と、抱負を語った。
 結果は次の通り。
 【A組】▽優勝=池田友彦6段(五勝)▽二位=知念一将6段(四勝一敗)▽三位=松原信勝6段(同)
 【B組】▽優勝=新城森彦4段(五勝)▽二位=仲地清成4段(四勝一敗)▽三位=下地盛一3段(三勝一敗)
 【C組】▽優勝=具志堅秋作3級(四勝)▽二位=下地恵治初段(三勝一敗)▽三位=大野雄一郎初段(同)
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下地君(東小3年)宮古最年少合格/暗算検定10段
兄一毅君も、珠算では砂川さん


宮古最年少で暗算検定10段を取得した下地智也君(左)、珠算10段の砂川さん(中)、暗算10段の下地一毅君=17日、宮古珠算学校

 宮古珠算学校(譜久村藤枝代表)で珠算を学ぶ下地智也君(東小三年)はこのほど、第三百十六回暗算検定試験(主催・全国珠算教育連盟)の十段に宮古最年少で合格した。関係者は「あきらめずに特訓した成果」と喜んでいる。十段は、同検定の最高位。
 宮古ではこれまで、十段の最年少有段者は小学六年生だったという。今回の試験では、智也君の兄、一毅君(同六年)も共に合格したほか、珠算検定では砂川由美子さん(翔南高校商業科二年)も合格した。砂川さんは今回の合格で、暗算、珠算の両方で十段を取得したという。
 智也君は、そろばん歴三年と二カ月。これまで順調に昇段してきたが、十段に関しては一年近く時間をかけ五回目の挑戦で合格を手にした。「割り算が難しかったが合格できてとてもうれしい。次は珠算の十段を目指したい」と喜びを語った。智也君は、今年十月に行われた全日本通信珠算競技大会低学年の部で全国八位の実績もある。
 一毅君は「いつも暗算と珠算を両方受験するが、今回は暗算に絞って集中したのが良かった」と感想を話した。
 砂川さんは「落ち着いて正確に回答するように心掛けた。合格できてほっとしている」と晴れやかな笑顔を見せた。
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冷たい風の中ゴール目指す/下地中 恒例の強歩大会開催


余裕の表情でゴールを目指す生徒たち=17日、下地嘉手苅

 宮古島市立下地中学校(亀浜敏郎校長)の第二十七回強歩大会が十七日、同校と東平安名崎を往復する47.4`のコースで行われた。全校生徒百二十二人と父母らや教職員が強風が吹き付ける中、「完歩」を目標に力強い足取りでゴール目指して歩き続けた。
 同大会のスローガンは「笑って一歩! 涙で一歩! 感動の一歩!」。粘り強い精神力と互いの和を深めていく態度を育てることや地域と親子のきずなを深めることなどが目的。同校の恒例行事として毎年この時期に実施している。
 午前八時に亀浜校長の号砲で同校を一斉にスタート。東平安名崎を折り返すコースを制限時間十時間以内で完歩しようと、歩みを進めた。
 生徒らは仲の良いグループや部活のメンバーらと会話を楽しみながら、走ったり歩いたりとそれぞれのペースでゴールを目指した。
 コースの途中には、教諭や父母らがエイドステーションを設け、水や食べ物などを手渡し「完走目指して頑張って」と声を掛けていた。
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