200平成18  1215 金曜日

分庁方式 見直しか/市長が可能性示唆
市議会一般質問/「地域の活性化」前提


6氏が登壇し当局をただした=14日、宮古島市議会議場

 開会中の宮古島市議会十二月定例会一般質問は十四日も行われた。合併時に、五つの部・支所を旧市町村の庁舎に配置した分庁方式について、伊志嶺亮市長は「見直して地域が活性化するのであれば」と述べ、現行の分庁から五つの部をまとめる総合庁舎に切り替える可能性を示唆。分庁が合併協議会の確認事項であることを強調しながらも検討課題に挙げた。総合庁舎にした場合の旧市町村庁舎については議員提案に関心を示し「ある庁舎に図書館、ある庁舎にコールセンター、サイバー大学もある」などと有効活用例を述べた。池間健栄氏への答弁。

 分庁方式について伊志嶺市長は「合併協議会の中で、すべての部を一カ所に集めると、地域がさびれてしまうという懸念があった」と述べ、同協議会で取り決めた分庁方式であることの重要性を強調した。ただ総合庁舎制を導入し、空いた旧市町村の庁舎は別の用途での活用を求める池間氏の提案に理解を示し「見直して地域が活性化するのであれば良い。地域が活性化すれば市民にも納得してもらえる。しっかりと検討していきたい」などと述べ、総合庁舎制の導入を視野に入れて検討する方針を示した。
 分庁方式に関し、池間氏とは別提案を示したのが真栄城徳彦氏。分庁が合併協議会での決定事項であることを踏まえ、即時移行の難しさを指摘しながら効率的な行政運営を求めた。例えば城辺庁舎内にある環境保全課、上野庁舎内にある水産課などを平良庁舎に配置することを促し、位置的な関係も考慮して効率的に業務が行えるような課の配置を提案した。これに対し宮川耕次総務部長は「弾力的とは言っても、やはり分庁方式がある。状況を見ながら話し合い、対応していきたい」と答えるにとどめた。
 分庁方式は伊志嶺市長が言うように合併協議会での確認事項。合併により地域格差が生まれないよう取り決められた。合併後は福祉保健部が城辺庁舎にあることで市民の利便性が問題視され、平良庁舎への移転も検討された。だが、市当局は合併協議会の確認事項であることを強調し、移転を見送っている。
 この日の一般質問には池間氏、真栄城氏のほか四氏が登壇。市長の政治姿勢をはじめ、農業や福祉の分野で市当局の考えをただした。一般質問はきょう十五日まで。
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配分率で三漁協対立
伊良部大橋の漁業補償金

 伊良部漁業協同組合(奥原隆治組合長)、宮古島漁業協同組合(儀保正司組合長)、池間漁業協同組合(勝連智組合長)の三漁協はこのほど、伊良部漁協で伊良部大橋橋梁整備事業に伴う漁業損失補償金五千十一万円の配分率に向けての事前会議を開いた。伊良部漁協側が「取り分は七割」と要求したため、配分についての話し合いは再び決裂した。
 事前会議には、三漁協の関係者ら十人余が出席した。
 この日出席した関係者によると、宮古島漁協は、漁業補償金は三等分すべきとの前提で「資金繰りで経営が厳しいので、千五百万円を使わせてほしい」と要望。これに対し、伊良部漁協側は、七割の配分率を前提に「三千万円使わせてほしい」と要望。両者の要望は認められなかったという。
 その後、伊良部漁業側が「伊良部漁協の配分率は七割、宮古島漁協は三割、池間漁協は無し」と主張したため、配分についての話し合いは決裂した。
 昨年七月、県は伊良部大橋橋梁整備事業に伴う漁業損失補償金五千十一万円で三漁協と合意し締結した。締結後、三漁協は配分率をめぐって再三にわたって話し合いを持った。しかし、三漁協の言い分はまとまらず物別れとなった。
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焼却炉撤去作業始まる/西原産廃
行政命令から5年目で着手/住民への連絡なし


焼却炉にビニールシートをかぶせて養生し、撤去に向けて作業を行った=14日、平良西原

 二〇〇一年十一月に発生した旧平良市西原の産業廃棄物最終処分場火災で、営業停止となっている同処分場焼却炉二基の撤去作業が十四日、始まった。委託を受けた業者などが施設内に入って焼却炉にビニールシートをかぶせて養生した。あす十六日から十八日まで解体・撤去に向けて本格的に着手する。同火災で被害を受け、焼却炉の撤去を求め続けていた大浦自治会の下地博和さんは「作業を開始するという事前説明もなく、その後の処理方法の説明も全くない。県や業者もわれわれに説明があってしかるべき。住民を無視し、何よりも非常に残念」と憤った。

 処分場では、マスクと防護服に身を包んだ業者ら数人が作業に着手。ビニールシートをかぶせるなどして焼却炉を養生し、解体・撤去に向けての取り組みを始めた。きょう十五日まで準備作業に取り組み、夕方にも宮古労働基準監督署の立ち会いの下で最終確認が行われる。
 宮古福祉保健所によると、〇二年四月九日に元事業者に対して撤去命令を出したが、資金の問題などもあり問題解決に向けての作業進展はなかった。今年六月には、元事業者側から撤去費用に必要な資金面で条件が整いつつあるとの報告が県にあり、先月下旬には解体作業の計画書が宮古労働基準監督署に提出された。ダイオキシンなどのレベル測定も実施した上で、今回の作業に取り掛かった。
 同所の金城康政保健総括兼生活環境班長は焼却炉撤去の概要について説明した。作業について「ダイオキシンが飛散しないよう養生し、周辺への影響は問題ないと理解している。元事業者が提出した書類の範囲内で作業できれば問題ない」と安全性を強調。ダイオキシン濃度レベルに応じた作業をしてもらうと話した。
 大浦自治会の下地さんは「解体作業について全く知らなかった。知人から連絡が来るまで何も分からなかった」と、作業が住民を無視した形で行われたことに憤慨。「高濃度のダイオキシンを排出し、大惨事を招いた産廃問題。住民の声は届かない。不信感が募るばかりだ。悲しくてしょうがない」と声を震わせた。
 同焼却炉は一九九九年から〇一年にかけて環境基準値を大きく上回るダイオキシン類を排出していた。〇一年十一月には火災が発生し、健康被害を訴えた地域住民が県と元業者を相手に損害賠償を求めている。
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八重干瀬の魅力紹介
韓国のダイビング専門誌が特集


宮古の海の生き物などを紹介する韓国の「アンダーシートラベル」

 韓国のダイビング専門誌「アンダーシートラベル」(十一・十二月号)がこのほど発行され、宮古のサンゴ礁群、八重干瀬(やびじ)を中心とした特集と海の生き物を撮影したフォト特集が掲載された。韓国のダイビング専門誌に宮古のダイビングスポットが紹介されたのは今回が初めて。来年、韓国からダイバーらが宮古島に訪れる可能性が高く、ダイビングを通しての民間レベルの交流が幕開けしそうだ。
 今年九月、「アンダーシートラベル」の編集員で慶北大学教授の金聖勳さんら四人が、宮古島市池間島北方に広がる八重干瀬を取材するために訪れていた。平良でダイビングショップを経営するダイバーの渡真利将博さん(57)が案内した。
 新刊の「アンダーシートラベル」では、八重干瀬の複雑な海底地形や生き物の魅力をたっぷり紹介。陸上の観光スポットなどにも光をあて、異国情緒の世界をアピールする。カラー写真をふんだんに使った二十八nの特集。
 一方、水中フォトでは、渡真利さんが撮影した十点を六nにわたって紹介している。渡真利さんの水中カメラの腕前はプロ並み。
 色鮮やかな生き物は、南方系生物を象徴。韓国のダイバーらは、初めて見る生態写真という。また、強い日差しが水中に降り注ぐ光のシャワーは、幻想的で神秘的な世界としてダイバーらの間で話題になっているという。
 渡真利さんは「来年、韓国から何人のダイバーが、宮古に訪れるかは分からないが、楽しみに待っています」と語った。
 「アンダーシートラベル」は、二カ月に一回、年六回発行。一回の発行部数は二万部。
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8`の大物も一撃
タコ漁歴55年の宮国文一さん


タコ捕り名人の宮国文一さん=伊良部の佐良浜漁港

 宮古島市伊良部の佐良浜地区で、タコ捕り名人の一人、宮国文一(ぶんいち)さん(71)が、今年でタコ漁を始めてから五十五年の節目を迎え話題となっている。地域住民らは「佐良浜漁師の誇り」と、宮国さんの活躍をたたえている。
 宮国さんは、十五歳の春、もり突きタコ漁の道に入った。来間島周辺海域がタコ漁のポイント。ウエットスーツに身を包み、水深七bまで潜水する。
 宮国さんは「これまで仕留めたタコの中で、一番重かったタコは八`の大物だった」と、誇らしげに語る。
 これまでの中で一日に大小のタコ二十匹を水揚げしたのが最も多かったという。年間平均の水揚げ量は約二d。すべて仲買人に引き取られ完売される。 
 タコを見つけた時は、長いもりでタコの目を一撃。次いで「つ」の字状のもりで引っ掛けてサバニに揚げる。
 宮国さんは「健康であれば、七十七歳までタコ捕りをしたい」と意欲を示した。
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コウライキジ散歩?/野鳥の会、野生化を警戒


雄のコウライキジ=13日、宮古島市下地

 島外から持ち込まれたと見られる雄のコウライキジ(キジ科)一羽が十三日、宮古島市下地で見つかった。放し飼いか放鳥なのか分かっていない。雌は確認されなかった。宮古野鳥の会の岡徹会長は「飼い主は、責任を持って飼うように」と飼い主に促し、コウライキジが放鳥された場合の野生化を警戒している。
 近年、宮古島にはもともと生息しない小動物のカメや小鳥などがペットとして飼育されている。ペットとして飼育するには問題はないが、野外に放った場合は生態系をかく乱する恐れがある。このため、自然保護団体などでは野外に捨てたり、放ったりしないよう訴えている。
 コウライキジは、白い首輪があるのが特徴。植物の芽、葉、種子のほかに、昆虫、クモ類などを食べる。全長は雄が八○a、雌が六○a。本亜種のコウライキジは朝鮮半島産。本土の一部では、放鳥され野生化しているという。
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