200平成18  1212 火曜日

市有地分筆売買/市、違法性認める
現契約破棄し再契約へ

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が所有する市有地の土地売買契約で、地方自治法では議会議決に付すべきだった売買金額と土地面積を有する案件について、市議会総務財政委員会(前川尚誼委員長)はこの契約に違法性があると認め、売買契約を無効とすることを決定。新たに売買契約を結ぶよう市側に求めた。市側も売買契約の手続きに違法性を認めた上で、二〇〇六年度の補正予算も修正し再提案する方針。伊志嶺市長らの責任問題にも発展するなど、今後に波紋を広げた。

 同問題は、平良字荷川取(下崎)にある市有地で、市は那覇市に本社のある不動産会社と土地売買契約を結んだ。
 土地の面積は七千六百十九平方bだったが、これを二筆に分割し、二件の売買契約を締結した。
 地方自治法に基づく市条例では、土地売買契約は面積が五千平方b以上で売買金が二千万円以上については、議会議決に付すことが明記されているが、市側は土地を二筆に分けたことから議会議決に付さなくてもよいと判断したとされる。
 同委員会では、市側のこの対応が「議会議決をわざと避けるような工作が見え隠れする」として、八日の委員会で厳しく追及。十一日の委員会では、市の契約相手側の責任者を参考人として呼び、契約するまでの経緯をただした。
 これについて、契約相手側の不動産会社は、地方自治法で議会議決に付す事項や、一筆の土地を二筆として契約するのは地方自治法に抵触することは知らなかったと説明。土地を分割して購入する方が会社の利益につながると判断したことで、市側が二筆で契約するよう求めたのではないと答弁した。
 市側は、顧問弁護士の意見書を提出。売買契約は無効であるとして、同委員会での売買契約の追認を要望した。
 しかし、委員からは「違法性のある契約を追認すると、議会が違法性を認めることになる」として契約相手側との再契約を提案。三年前の土地評価額で契約したことも問題視し、新しい評価額で再契約することを求めた。
 さらには、違法性のある契約書にサインをした伊志嶺市長ら市幹部に対しても責任の取り方を明確した上で、再契約するよう要求した。
 市側は、売買契約の違法性を認めた上で、あらかじめ歳入として見込んでいた「財産売り払い収入」を減額とし、確実に歳入が見込める地方交付税を増額して新たな予算修正案を十八日までに提案する方針を示した。


事務手続きのずさんさ露呈/市の対応、議会に不信感

 宮古島市の市有地の土地売買契約で、市側は契約の違法性を認めた。さらには総務財政委員会が求めた契約の無効ものまざるを得ず、事務手続きのずさんさを露呈した。野党側の厳しい追及で市側の対応も後手後手に回り、ついには伊志嶺亮市長への責任問題へと発展。議会との溝をさらに深めることになった。
 問題の土地売買契約は、本来なら議会議決に付さなければならなかった契約だった。しかし、市側はこの土地を二つに分割、同委員会で「議会議決を付さないよう工作したようにみえる」と指摘された。
 市側と契約した不動産会社は、「自社の利益になるよう市側に要望したことで、市側から二筆にして契約するよう求められたのではない」と会社側の正当性を主張。しかし、委員からはあくまで市側が画策したようにみえる、とした意見が大半を占めるなど、理解は得られないままだ。
 また、契約時の売買金額が三年前の土地評価額を適用、さらには、十月三十一日までに契約金額の入金がなかったことから、「変更契約書」を交わしたことや、これまで延滞金を取らなかったことなども疑問視。問題が重なったことで、市側の事務手続きに不信感を募らせたのは否めない。
 市側は、売買契約は無効であるとして「事後に議会の議決があった場合は追認されたことになり、その瑕疵は治癒され有効となる」とした顧問弁護士の意見書を提出したが、委員からは「議会が違法性を認める形になる」と突っぱねられた。市側は改めて契約相手側と再契約を結ぶ方針だが、契約相手側が再契約に応ぜず、逆に賠償金を求められる可能性もある。
 市側は「真摯におわびして議会の理解を得て処理したい」(宮川耕次総務部長)と話しているが、市幹部の責任問題にも発展するなど、議会との溝を埋めるにはかなりの時間がかかりそうだ。        (平良幹雄)
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世代超え触れ合い/かりゆし県民フェス
5年ぶりの宮古開催/芸能、展示、スポーツに1万人


ステージでは子どもからお年寄りまでが参加しさまざまな芸能を披露した=10日、宮古島市中央公民館

 「みんなで築こう豊かな長寿社会」をテーマに、第十八回かりゆし県民フェスティバルin宮古島(主催・県、県社会福祉協議会、宮古島市)が十日、同市中央公民館などで開催された。各会場では長寿社会パネル展や健康相談コーナー、青年や婦人による芸能、スポーツ交流大会などさまざまイベントが行われた。宮古での開催は二〇〇一年以来、五年ぶりで子どもからお年寄りまで地域住民らが約一万人来場(主催者発表)し、世代を超えた交流を深めた。
 このフェスティバルは若者と高齢者がともに考え、ともに楽しむ世代交流の機会と場を設け、長寿県沖縄にふさわしい潤いと活力ある長寿社会づくりに寄与することが目的。
 オープニングセレモニーは午前十時から同公民館前で行われた。仲井真弘多知事(代読・兼城克夫宮古支庁長)は「すべての県民が長寿の喜びを実感できる社会の実現に向け、県民の温かい支援と協力をお願いしたい」とあいさつした。関係者がテープカットを行いフェスティバルの幕を開けた。
 同公民館の大ホールでは▽長寿社会パネル展▽高齢者作品展▽福祉機器展示▽健康相談▽栄養相談▽押し花展示・体験▽伝統玩具作り−などが実施された。伝統玩具作りコーナーでは宮古だこの製作が実演された。
 屋外ステージでは子どもたちに大人気の「ボウケンジャー」ショーが大盛況。ステージ前はこどもたちでいっぱい。悪と戦うヒーローに「頑張れー」と何度も声援を送っていた。
 沖縄を中心に活躍するTRIPLE−Pのライブではパワフルなサウンドと伸びやかな歌声で若者らを熱狂させた。また、子ども、青年、婦人、高齢者がそれぞれ自慢の踊りや芸能を披露し、大きな拍手を受けていた。
 スポーツ交流大会は、県立宮古農林高校グラウンドで親子サッカー、カママ嶺公園噴水広場はグラウンドゴルフ、パニパニコートでテニスやソフトテニスがそれぞれ行われた。
 風船アートに挑戦した玉城道子さん=那覇市=は「犬を作ろうとしたが難しい。二回失敗した。子どもたちの方が上手」と感想を語った。また、久貝碧さん(鏡原小五年)は「しっぽが長くなったけど、かわいく作れた」と満面の笑みを見せた。
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市職員 また酒気帯び運転/宮古島市
公務員のモラルどこへ/相次ぐ不祥事 市長「申し訳ない」

 飲酒運転や無免許運転などの不祥事を受け、職員の資質向上に取り組む宮古島市で、再び男性職員が七日夜、飲酒後に車を運転し酒気帯び運転で検挙されていたことが十一日までに分かった。今年十月に消防職員、十一月にも一般職員が飲酒運転で処分を受けた矢先の不祥事。伊志嶺亮市長は「非常に残念で、市長として恥ずかしく思う。市民に申し訳ない」と陳謝した。

 相次ぐ不祥事で、市の綱紀粛正が浸透していない現状は明らか。開会中の市議会十二月定例会一般質問でも同問題についての質問が通告されており、市側の対応の甘さが厳しく問われそうだ。
 関係者によると、この男性職員は七日午後九時二十分ごろ、伊良部地区の路上で検挙された。飲酒後の帰宅時に酒気帯びの状態で車を運転していたという。市側に検挙の事実は伝わっており、相次ぐ不祥事に市の幹部らも頭を痛めている。
 市が飲酒運転の懲戒処分に関する指針を改正したのは先月一日。消防職員による酒気帯び運転ならびに無免許運転を受けての厳罰化だった。
 それまで酒気帯び運転は事故などと合わせた処分規定だったが「酒気帯び運転した場合」という項目を新たに追加。「無免許運転をした場合」との項目も加えた。酒気帯び運転をした場合の処分内容は、「免職、または停職」となっている。
 しかし、この見直しを実施した十日後には男性職員が酒気帯び運転で検挙されるという不祥事が発生。伊志嶺市長は直ちに各庁舎を回り、訓示の中で二度とこのようなことがないよう強く指示していたが、訓示から一カ月もたたないうちに、今回の飲酒運転が発覚している。十一日、本紙の取材に応じた伊志嶺市長は「非常に残念。これだけ注意してきても効き目がないのか。どうして分からないんだ」と憤った。その上で「市長として恥ずかしいこと。市民に対して本当に申し訳なく思っている」と述べた。今後の対応を問うと、しばらく言葉が出ず「さらに綱紀粛正に努めていくしかないと思う」と話した。
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環境大臣賞受賞を報告/池間中
市長「他の学校の模範」と祝福


「環境大臣賞」の受賞を報告した(右から)池間中の野原校長、宮良さん、仲原君=11日、宮古島市役所平良庁舎

 社団法人食品容器環境美化協会の第七回環境美化教育優良校表彰の散乱防止活動部門で、最優秀校(環境大臣賞)を受賞した宮古島市立池間中学校の野原敏之校長と生徒二人が十一日午後、宮古島市役所に伊志嶺亮市長らを訪ね、受賞の喜びを報告した。同賞は日ごろの環境美化活動が認められての賞。生徒二人はそれぞれ「この活動を後輩や地域にそのまま伝え続けたい」と話した。
 県内初で最優秀校に選ばれた池間中は、二〇〇一年度から池間島北海岸(カギンミ浜)の清掃活動に取り組んでいる。〇二年度からは清掃以外に海岸漂着ごみの調査を実施。同調査は平良海上保安署のほか地域のNPO、保護者らとともに行い、そのごみを清掃、分別しながら種類ごとに統計を取るなどして日々の学習にも生かしている。
 受賞報告を受け伊志嶺市長は「皆さんの普段の活動が認められた。学校ならではの環境を守る活動は素晴らしい。他の学校の模範になる」とたたえた。
 同席した久貝勝盛教育長は、「環境が良いということはその地域に住む生物を最高に作り上げる。今回の受賞の重みは大変大きい。これからも自然、街の環境を守ってほしい」と呼び掛けていた。
 受賞報告に訪れた仲原和希君(三年)は「全国的に認められたことがうれしい」と笑顔。宮良希望さん(三年)は「後輩や地域の方に、環境を守ることの大切さを伝え続けたい」と話した。
 今回の表彰事業には散乱防止活動部門とリサイクル活動部門があり、全国各地から散乱防止部門に三十七校、リサイクル部門に三十五校が全国から推薦されていた。審査の結果、散乱防止部門では池間中を含む四校が最優秀校に選ばれた。
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美しく安心・安全な海を/海保に「うみまる」看板寄贈
海上保安協


海上保安協会沖縄宮古支部の塩川支部長(中央)が立て看板を寄贈した=11日、平良港湾合同庁舎

 海上保安協会沖縄宮古支部(塩川博司支部長)は十一日、平良海上保安署(上鵜瀬啓二署長)に対し、海上保安庁のマスコット「うみまる」「うーみん」が宮古の安全な海づくりを呼び掛ける立て看板を寄贈した。同署が主催する各種行事、海難防止講習会、海びらきや全日本トライアスロン宮古島大会など宮古地区の行事などで登場する予定。
 看板になったマスコットはタテゴトアザラシをモチーフにしたもの。今回の看板は、「うみまる」が同庁の制服、「うーみん」は琉装。「宮古の美しく、安全・安心な海づくりを応援します」とのメッセージが添えられている。さまざまなイベントで使えるよう、日付と行事名が入れ替えられるようになっている。
 平良港湾合同庁舎で行われた贈呈式で、塩川支部長は「会員一同のメッセージを添えた。海上保安署が行う各種行事で積極的に活用して」とあいさつ。
 上鵜瀬署長は活用を約束し、「宮古の美しく安全な海づくりに、今後も職員一同励んでいきたい」と謝辞を述べた。
 寄贈した海上保安協会沖縄宮古支部は海運業や港湾土木、海のレジャーなどにかかわる六十七法人と、十二人の個人会員が加盟。年間を通して海上保安思想の普及、海洋汚染防止事業などを実施している。
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元日本代表選手と親善試合/はつらつママさんバレーボール
「うれしい 夢みたい」


参加者らは元日本代表選手と試合ができ感激していた=10日、宮古島市総合体育館

 二〇〇六年度宝くじスポーツフェア宮古島市誕生記念「はつらつママさんバレーボール・イン・宮古島」(主催・県、宮古島市、自治総合センター)が十日、同市総合体育館で開催された。元日本代表の吉原知子選手ら十二人の有名選手らで結成するドリームチームと同市のママさんバレーチームが親善試合を行った。参加したママさんらは「うれしい。夢みたい」と感激していた。
 午前は有名選手らによるバレーボール教室が行われ、ママさんチームと市内の小学生を対象に、パスやトスなどの基本的な練習を中心に指導が行われた。その中で元オリンピック選手(アメリカ代表)のゼッターランドヨーコ選手は「人の練習を見ることも練習の一つ」と呼び掛けた。
 友利夏奈さん(東小六年)は「きょうの練習までずっと緊張してドキドキしていた。選手たちから教えてもらったことを自分たちのチームでも実践したい」とうれしそうに話した。
 親善試合にはたいようママ、てぃだしもじ、KARIMATAクラブの三チームが出場。有名選手陣から繰り出される強烈なスパイクに必至に飛び付いていた。
 たいようママの下地玉江キャプテンは「選手たちのフェイントはスパイクのように速かった。きゃしゃな体なのにパワーがすごい」と驚いていた。
KARIMATAクラブの上里由利子さんは「同じコートで戦えただけで幸せ」と喜んでいた。
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