200平成18  1210 日曜日

過去最高の29億5000万円/06年肉用牛競り販売実績
前年実績を1億円上回る

 二〇〇六年の最後となる十二月肉用牛競り(宮古本島、多良間島)が九日、各競り市場で開かれた。〇六年の販売実績がまとまり、販売額は二十九億五千百三十七万三千六百円で過去最高価格を更新、前年実績を一億七百九十二万五千三百円上回った。JAなど関係機関が目標とする三十億円突破は果たせなかったものの、今後の上場頭数の増加によっては来年三月の年度末累計で三十億円に達する可能性は十分ある。子牛(生後十二カ月以内)一頭平均価格は四十四万五千二百七十九円で前年比二万一千六百三十六円の増。平均キロ単価も前年比七十一円増の千七百十二円という高値が付いた。

 〇六年競りは初競りから二億円を売り上げる好調な滑り出し。子牛平均価格も四十万円以上をキープするなど、高値販売が続いた。
 要因について、JAおきなわ宮古地区営農センターは「枝肉の価格が高く推移しているため」と分析。枝肉価格の高値が素牛(子牛)価格にも反映されていることを強調した。さらには生産履歴を表示するトレーサビリティーにより、和牛の安全性が消費者の間で認知されたことも挙げた。
 宮古本島、多良間島ともに競りに出される牛はほとんどが子牛。年間を通じて上場された子牛は計六千五百十三頭(宮古五千百四十七頭、多良間千三百六十六頭)で前年に比べ百十九頭減少しているが、高値販売の傾向が頭数の減少をカバーした格好だ。子牛のみの販売額は二十八億七千二百四万九千二百五十円(前年比九千三百八十万七百円増)だった。
 成牛を含めた全体の上場頭数は六千八百七十六頭で、うち競り落とされた牛は六千七百九十二頭となった。一頭当たりの平均価格は四十三万四千五百三十七円で、前年に比べると二万一千四百八十五円の増。平均のキロ単価も千六百十七円を付けており、〇六年の高値を印象付けた。
 初競りから続く高値販売に、当初は年間三十億円の突破が期待されたが約五千万円届かず。ただ上場頭数の減少を考えると「上出来」と関係者は見ている。年明け一−三月にかけて上場頭数が上向けば三十億円の大台が見えてくるとあって、JAなど関係機関は期待を膨らませている。
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沖縄開催が正式決定/10年高校総体
宮古では男子バレーボール競技

 【那覇支局】県教育委員会の仲宗根用英教育長は八日、臨時記者会見を開き「二〇一〇年度全国高等学校総合体育大会」の沖縄開催が正式に決定したことを発表した。
 今回の決定は、同日に行われた全国高等学校体育連盟の理事会において、同年度の高校総体を沖縄県で開催することが承認されたことから正式に決定となった。県内では二十八競技、三十二種目が行われ、宮古島市は、男子バレーボール競技の主会場となっている。
 同大会は、高等学校教育の一環として、高校生に広くスポーツの実践の機会を与え、技能の向上とスポーツ精神の高揚を図り、心身ともに健全な高校生を育成するとともに高校生相互の親睦を図る目的で開催している。
 県開催について、県教育委員会は「本大会を成功に導くため、九月に『県準備委員会』を設立し、開催準備に取り組んでいたところであり、各地の厳しい予選を勝ち抜いたスポーツを愛するたくましい選手、監督、役員等約六万二千人を万全の体制で迎えたい。今後は、関係機関、団体、競技会場地市町村と連携し、広く県民の理解と協力を頂いて沖縄らしい大会にしたい」としている。 
 今後の取り組みとしては、〇七年に「県高校生推進委員会」(一人一役活動)を設立、〇八年に「県実行委」「市町村実行委」を設立、〇九年に競技種目別リハーサル大会を実施する計画となっている。
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地域の祭祀継承など研究/伝承文化研究センター設立
谷川さんら民俗学者が参加


多数の民俗学者らが出席した設立総会=9日、県立図書館宮古分館

 「宮古伝承文化研究センター」の設立総会が九日午後、県立図書館宮古分館で開かれた。日本地名研究所所長の谷川健一さんら民俗学者ら多数が出席し、全会一致で設立を承認した。所長に宮古島市上野に住む陶芸家の佐渡山安公さんが就任した。同センターでは今後、定期的に活動内容を報告する会誌、研究誌を発行する。

 設立趣意書では、「宮古はこれまで本土や沖縄の中でも伝承文化の豊かな地域として内外から研究者の絶えないところであった。しかし近年、社会構造の変化、人々の意識の変化に伴い伝統文化が軽視され形骸化の一途をたどっている。多くの語り部たちがいなくなっていく中で、その継承は困難な状況に直面している」と説明。
 その上で「かつて豊かに継承されてきた伝承の世界が消えかかろうとしている現実に直面して『宮古伝承文化研究センター』を設立し、伝承世界の調査、記録、継承を模索し研究しようとするものである」と設立意義を強調している。
 佐渡山さんは、「今後の宮古の伝承世界の調査などでは、皆さんの協力が必要」と述べた。
 設立総会前には、シンポジウムが開かれた。この中で、谷川さんが「宮古島旧記」にある大鮫を退治した話の中の「ウズの主」について考察。その「ウズ」の語源について説明した。「万葉集のムナギ(munagi)のム(mu)の子音のmが落ちてウナギ(unagi)になったという説がある。それに従えば、虹(ニジ)の古語のヌジのヌ(nu)のnの音が落ちてウジ(uji)になったと考えられる。つまりウジ(ウズ)の語源はヌジであると考えられる。ウツボを指す方言では、八重山のほんどが『ウジ』、宮古は『ウズ』と呼んでいる」などと語った。
 役員・研究員は次の通り。(敬称略)
 【顧問】▽谷川健一(日本地名研究所所長)【所長】▽佐渡山安公(民俗・陶芸家)【副所長】▽狩俣恵一(沖縄国際大学教授)、居駒永幸(明治大学教授)【研究員】▽山下欣一(鹿児島経済大学名誉教授)、佐渡山正吉(元宮古郷土史研究会会長)、仲宗根將二(同)、岡谷公二(跡見学園女子大学名誉教授)、古橋信孝(武蔵大学教授)、真下厚(立命館大学教授)、渡辺哲夫(いずみ病院精神科医師)、加藤彰彦(沖縄大学教授)、須藤義人(沖縄大学講師)、伊良波盛男(池間郷土史研究家)、エフゲーニ・パクシェエフ(国立ロシア文化研究所)【研究員兼事務局】▽久留ひろみ(民俗・料理研究家)、芦川剛(写真家)、福嶺牧子(民俗・いずみ病院検査技師)
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大賞の上地君ら表彰/真太陽国際書道展 きょうまで展示


真太陽大賞に輝いた(左から)上地君、渡久山さん、赤沼さん、カンヨンスクさん(左から7人目)、林煌徳さん(右)=9日、宮古島市城辺のレストラン海宝

 第三回真太陽国際書道展(主催・同実行委員会)の授賞式が九日、宮古島市城辺のレストランで行われ、グランプリの真太陽大賞受賞者六人をはじめ、各部門の受賞者に表彰状が授与された。同展の開催は、きょう十日まで。入場無料。
 同書道展では、日本のほか、中国、台湾、韓国から書道と水墨画の計千九百二十七点の応募があり、今回初めて水墨画の部門を実施した。
 授賞式で、実行委員長の伊志嶺亮市長は「たくさんの応募があり、大変にぎやかな書道展になった。漢字文化圏の交流と親交を深めることは、アジア、世界の平和につながると確信している」とあいさつを述べ、受賞者らの今後ますますの活躍を期待した。
 加藤東陽審査委員長は「志を共にする四カ国の人たちが技と心を競う有意義な展覧会となった。作品からは、作者の書の楽しむ姿や努力する姿、書へのパワーが伝わってきた」と述べた。
 グランプリに輝いたのは、市立城辺小学校五年の上地貴大君、同北中学校一年の渡久山あかねさん、埼玉県立川口高等学校二年の赤沼祥江さん、中国・杭州市小学校六年の方瑋さん、韓国のカンヨンスクさん(社会人)、台湾の林煌徳さん(シニア)の六人。
 授賞式の後には、引き続き交流会が行われ、受賞者らが書を通して出会いの輪を広げた。
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「たらまピンダ」をPR/島の特産品 人気上々


島の特産品を市民らが買い求めていた=9日、JAおきなわ宮古地区本部

 たらまピンダ祭り(主催・多良間村)が九日、JAおきなわ宮古地区本部駐車場で開かれた。
 同村の特産品の黒糖やパナパンビン、ヤギ料理が販売された。地域住民らが来場し、買い求めていた。この祭りは「たらまピンダ」のブランド化に向け、ヤギ肉料理を中心に多良間島の特産品を展示、販売し広く宮古島市民、観光客にPRし「たらまピンダ」の販売促進を図ることが目的。
 参加したのは同村山羊生産組合、同村婦人会、同村農漁業生活研究会、同村青年会、中城村の農業生産法人「はごろも牧場」、海秀が参加。黒糖やパナパンビン、海ブドウなどがテーブルにずらりと並び村自慢の味をアピールした。
 はごろも牧場はヤギの乳を原料にミルクやヨーグルト、アイスクリーム、チーズなどの加工品を販売。物珍しさもあってか飛ぶように売れていた。
 家族で訪れた親泊七美さん(久松小四年)は「パナパンビンがおいしかった。ヤギのアイスクリームは初めて食べた。独特の味だった」と笑顔で話した。
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野菜即売で大にぎわい/青潮園まつり


安値のダイコンや手作りしたバッグ、ぞうりなど住民らの感心を集め、にぎわいを見せていた=8日、青潮園

 身体障害者療護施設「青潮園」(下地徹施設長、施設利用者九十人)は八日、同園内で青潮園まつりを開催した。
 野菜即売や作品展示、民謡ライブなどが繰り広げられ、訪れた人たちは楽しいひとときを過ごした。
 この催しは、今月三日から九日までの障害者福祉週間にちなみ行われたもの。障害者への理解を深め、共に生きる社会づくり、開かれた施設づくりが目的。
 この日のためにと収穫されたダイコンが安値で販売。授産施設利用者が手作りしたバッグやぞうりなどもずらりと並べられ、訪れた地域住民で大にぎわい。また、家族会による民謡ショーや、アイランダーアーティストの下地暁さんによるライブなども盛り上がりを見せた。
 下地施設長は「地域住民の皆様が、園の活動に理解を示していただき感謝している。利用者と住民が心から楽しめる時間を過ごしてほしい」と話した。
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