200平成18  12 金曜日

学校統廃合の意見集約/市教育委員会
今月中に「考える会」発足/小規模校の将来像検討へ

 宮古島市教育委員会(久貝勝盛教育長)は、複式学級制を導入している小規模校の将来像を検討する「宮古島市立小規模校の教育を考える会」(仮称)を今月中にも設置する。小、中学校や地域代表者ら十二人の委員構成を予定。小規模校の利点と欠点を整理し意見を集約した上で、将来における学校統廃合の必要性の有無について、中・長期的課題として論議を深めていく方針だ。

 宮古島市では、三十七の市立小、中学校のうち、小学校では池間、宮島、狩俣、宮原、福嶺、来間の六校、中学校では池間、来間、大神の三校の計九校で、異学年の児童・生徒が教室を共にする複式学級制を導入している。
 同会では、これらの小規模校のメリット、デメリットを整理し、地域ぐるみでより効果的な学校支援の在り方を探る。その上で、中・長期的な見地に立ち、学校統廃合の論議に移る計画だ。市教育委員会によると、同会の方向性について原案は用意せず、発足後に学校現場を視察するなどして理解を深めながら、委員の意見に沿って進めていくという。
 委員は、複式学級実施校、所在自治会、PTAの代表者のほか、学識経験者や行政職員を交えて選定する予定。任期は二年。
 市教育委員会学校教育課の島袋正彦課長は「児童生徒数は頭打ちの状況にあり、今後数年で急激な増減は考えられない」と、学校統廃合に係る課題解決に緊急性がないことを強調し「各小規模校の歴史的、地理的な事情にも配慮した上でさまざまな意見をまとめ、焦らずに方向性を見いだしていきたい」と慎重に話した。
 複式学級のメリットは、家族的な雰囲気や、人数が少ないためよりきめ細やかな指導ができる点などがある。デメリットとしては、スポーツ・文化活動で必要人数がそろわない、異なる教育課程の授業が一つの教室の中で行われることの難しさなどが挙げられるという。
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ガチュンを一網打尽/下里船だまりで2d水揚げ

ガチュン2dを一網打尽した佐良浜の漁師ら=7日、平良の布干し堂入り口
ガチュンを水揚げする漁師ら=7日、宮古島漁協

 伊良部の佐良浜漁師が七日午前、平良の布干し堂(下里船だまり)入り口から、網漁でガチュン(メアジ)二dを水揚げした。リーダーの浜川啓二さん(65)は「久しぶりの大漁だ」とえびす顔で話した。
 浜川さんらは六日、ガチュンの大群が港内に入っている情報を入手。この日の夕方、港入り口に網を仕掛けた。ガチュンは夕日が沈むと、沖合に出て行く習性があり、その習性を利用して網を敷設した。
 大群は予想通り、袋網に入り、一網打尽。七日午前、引き揚げた。引き揚げ作業を見守っていた伊良部に住む男性らは、船を繰り出し、買い物袋五袋分のガチュンを買い上げた。
 キロ単価二百五十円で、一・五dは販売済み。残り五百`cは、きょう八日午前九時から、宮古島漁業協同組合前で販売する。
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不動産売払収入で紛糾/市議会総務財政委
市の当初予算見込みを批判


補正予算案などを審議した市議会総務財政委=7日、宮古島市役所平良庁舎

 開会中の宮古島市議会は七日、常任委員会を開いた。総務財政委員会では二〇〇六年度一般会計補正予算案に計上されている不動産売払収入をめぐり一時紛糾。市が〇六年度当初予算で東平安名崎周辺の土地売却に伴う二億二千万円の収入を見込みながら、現段階で売却が決まっていないことなどを挙げ、市側の対応に不手際があるとして追及した。市は「相手方とよく話し合い(売却に向けて)努力を続けていきたい」と理解を求めた。
 委員らは「当初予算では契約できると豪語していたではないか」「このままでは通せない」「臨時議会を開いてでも歳入を減額修正しなければならない」「二億円もの財源をどこから持ってくるんだ」などと指摘。これに市側は普通交付税が当初見込みよりも七億円多く入ったことを挙げ「交付税などで対応していきたい」と答えた。
 しかし委員らは、当初予算を可決した自らの責任を認めながらも「その方法がおかしい。市民をばかにしている」と追及を続け、明確な説明責任を求めた。
 総務財政委はきょう八日も委員会を開き、引き続き補正予算について審議する。当局提出の各議案審議も行う予定。
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多彩な創作舞踊を披露/地区老人クラブ大会
全員が若々しく/生涯学習の素晴らしさ実感


息の合った創作舞踊などを披露した芸能大会=7日、マティダ市民劇場

 「創造と連帯の輪を広げて 心豊かなz世紀を」をスローガンに掲げた宮古地区老人クラブ連合会(新里盛繁会長、会員四千人余)主催の第四十一回宮古地区老人クラブ大会が七日、宮古島市平良のマティダ市民劇場で開かれた。大勢の会員らが参加。舞台では、各単位クラブで日ごろ学習した多彩な創作舞踊などの成果を発表した。会場を埋めた大勢の観客らは、改めて生涯学習の素晴らしさを実感し、大きな拍手を送った。「活力ある長寿社会を築く『健康・友愛・奉仕』活動の充実−などを盛り込んだ大会宣言を採択した。  同大会は、同連合会の仲間が一堂に集まり活動の実績を発表しながら、高齢者社会に向けて社会参加活動を広げ、真に地域社会から喜ばれる活動の実践を誓い合うことを目的に開催された。
 開会式で、新里会長は「今後ともより一層努力し、微力ながら老人クラブ活動と老人福祉向上に積極的に取り組んでいく」と決意を新たにした。同市の伊志嶺亮市長は、会員らの活動をたたえた上で「今後とも社会福祉に貢献されることに期待する」と述べた。次いで同市社会福祉協議会の奥平玄孝会長、県老人クラブ連合会の花城清善会長が祝辞。意見発表では平良支部の下地シズエさん、大浦ヒデさんの二人が、堂々と熱弁を振るい感動を与えた。
 芸能大会では各単位クラブの代表らが息の合った華やかな踊りや躍動感あふれる踊りなどを披露し、観客らを魅了した。
 会場のロビーでは、手作り手芸品や工芸品などの秀作がずらり。観客らは、感心した様子で見入っていた。
 大会では、老人クラブ育成功労者十二人、優良老人クラブ二団体、手芸品など入賞者九人が表彰された。
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「島おこし奨励賞」を報告/クイチャーフェス実行委
市長 「伝統守る姿勢素晴らしい」


「島おこし奨励賞」の受賞を報告した実行委の下地委員長(左から2人目)と粟国事務局長(同3人目)。左は伊志嶺市長=7日、宮古島市役所平良庁舎

 今月一日に宜野湾市で開催された「離島フェア2006」の表彰式団体の部において、「島おこし奨励賞」に輝いたクイチャーフェスティバル実行委員会の下地暁委員長らが七日午前、宮古島市役所平良庁舎に伊志嶺亮市長を訪ね、受賞の報告を行った。受賞について伊志嶺市長は「伝統のクイチャーを守り通すという姿勢が素晴らしい」と話し、クイチャーフェス実行委の取り組みを手放しでたたえた。
 島おこし奨励賞は、伝統文化を守りながら観光イベントを実行し、島の発展に貢献していることが認められての受賞。クイチャーフェスティバルそのものは、同実行委員会と宮古毎日新聞社の共催で開催されており、今年五回目となる。
 受賞報告で下地委員長は「このイベントに参加してくれているみんなの賞と思っている。受賞を謙虚に受け止め、これからも伝統芸能クイチャー発展のために取り組んでいきたい」と話した。
 同行した粟国和伸事務局長は「伝統を守りたいという多くの方々の後押しで支えられてきた。これからも心が一つになるクイチャーを積極的にアピールしていきたい」と決意を話した。
 伊志嶺市長は「受賞おめでとう。ユニークな催しであり、行政の力も借りず自分たちで取り組んでいる姿勢が大変素晴らしいと思う。これからも島おこしのために、島全体でやるんだという気持ちで頑張ってほしい」と祝福と激励の言葉を述べた。
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「地域づくりは住民の力で」/農村振興整備支援研修会
エコツーリズム実践者が講演


大勢の地域住民が出席し、地域おこしについて知識を深めた=6日、西城中学校体育館

 二〇〇六年度農村振興整備支援先島ブロック研修会IN宮古島「みんなで取り組もう 地域づくり」(主催・県宮古支庁、宮古島市)が六日夜、宮古島市立西城中学校(川上哲也校長)体育館で行われた。
 沖縄本島でエコツーリズムなどを実践している講師二人を招いて講話。参加者らは住民主体となって行われる地域おこしについて知識を深めた。
 研修会は、来年度から城辺吉田地区で実施される「村づくり交付金事業」に先立ち、住民主体となって運営管理できるよう行政側が支援しようと、地域づくりの啓発活動として、地域住民らを対象に実施された。
 講師は▽恩納村商工会の名城一幸さん▽東村ふるさと振興の山城定雄さん−の二人。それぞれが村で取り組んでいる地域活性化の状況について説明した。
 名城さんは、「恩納村ふれあい体験学習」と題して受け入れネットワークの取り組み事例を紹介した。商工会が窓口となり、学校や旅行会社、地域の青年会、一般家庭とのやりとりで運営体系を確立しながら、昨年受け入れた約二万人の体験学習の実績を報告。「地元の人が主体となって、事務局の運営や指導をすべて携わるものが本当の体験学習であり、地域にお金が落ち、活性化にもつながる。県外や部外者がやるのは本当の地域活性化ではない。地域の人が中心となってやろう」と呼び掛けた。
 また、東村で体験型観光などを実施している山城さんは村の特徴などに触れながら、これまでの活動取り組みを発表。▽身の丈にあった地域づくり▽地域資源の付加価値を高めること▽ネットワーク−などの重要性を強調した。
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