200平成18  12 木曜日

新ごみ処理施設/現施設西側に建設へ
候補地選定難航で最終案/住民説明会で理解求める


宮古島市クリーンセンターと、候補地に絞り込まれた西(左)側に隣接する市有地=6日、平良字西仲宗根

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は、最重要課題としている新ごみ処理施設建設について、市クリーンセンターに隣接する西側の市有地を予定地に絞り込んだ。市は五日夕、あさつゆの里会館で候補地周辺の地域住民に対して住民説明会を開催。施設の必要性や安全性について説明した伊志嶺市長は「立地条件などから唯一無二の場所」と強調。一部住民らは「建設は住宅が少ない所に」と建設反対の声を上げた。市側は今月中に住民らとともに先進地視察を行う方針。

 市は今年七月に検討委員会を発足させ、建設候補地の絞り込み作業を進めていた。四カ所の候補地から現施設に隣接する市有地を選定したという。
 選定理由として▽現施設に隣接して施設建設計画や関連して行う環境整備計画の面積が確保できる市が所有する用地▽ごみの排出量が多い市街地に近いため、ごみ搬入の経費軽減が図れる▽施設の北側に取り付け道路を整備し搬入路を二つにすることも可能でごみ搬入車を分散できる−を挙げている。
 五日に行われた住民説明会は候補地に近い住民を対象に実施された。伊志嶺市長、下地学助役、環境施設整備局の平良哲則局長も同席。新ごみ処理施設の整備計画について説明し、住民の質問に答えた。
 住民側は「学校や老人施設の近くにあるのになぜ建てるのか」「百パーセント人体に影響がないのか」「搬入路は狭いが整備する計画はあるのか」などと質問。伊志嶺市長は「施設ができて環境が悪化するわけではない。一番大事なのは住民の安全。環境影響調査(アセスメント)を二年間行い問題があれば建設を中止する。先進地の視察に参加してもらいたい」と理解を求めた。また、地域住民が参加する委員会の設置も提案した。
 市は今月中に、候補地近隣の住民らを最優先に住民ら約十人と先進地視察したい考え。施設の周辺住民の声を直接聞き取ることも検討している。
 現在稼働中のクリーンセンターは老朽化が進み、処理能力も低下している。新ごみ処理施設建設は旧五市町村時代から議論され、複数の用地選定案が表面化すると、用地周辺の住民の間で反対運動が起こり、行政は撤回に追い込まれた。
 合併後の用地選定は宮古島市に引き継がれ、下地の川満地区で用地選定案が浮上したが、臨時総会で反対となり用地選定は振り出しとなっていた。
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「副市長2人 難しい」/市議会
条例改正案で市長が見解

 宮古島市議会(友利恵一議長)の十二月定例会は六日、本会議が開かれ、市当局から上程された議案の質疑が行われた。「副市長の定数を定める条例(案)」について、伊志嶺亮市長は、二人制が望ましいという見解を示しながらもこれまでの議会で三度も賛成少数で否決されている状況などを踏まえ、二人制は難しいとの考えを示した。池間健栄氏への答弁。
 同条例案は改正地方自治法に伴い、現在の助役を「副市長」とするもの。市が定数を「一」と定めているため、議会内で与党寄りのスタンスを取るそうぞうや一部与党は「二人制」にこだわる姿勢を見せている。
 宮川耕次総務部長は「副市長」の職務内容について、市長の補佐役と職員の監督、市長の職務代理などを挙げた。また、人事権などこれまで市長が担っていた一部を委任するこができると述べ、これまでの助役の権限より強化されるとの方針を示した。
 「収入役を置かない条例を廃止する条例(案)」については、収入役の代わりに「会計管理者」を新たに設置し、特別職ではなく一般職を充てる。ただ、部長級か、課長級かを充てるのかについては「検討中」とした。富永元順氏への答弁。
 本会議ではそのほかに、二〇〇五年度宮古島市一般会計歳入歳出決算認定や、同年度国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算についてなどの認定案件が各委員から報告され、原案通り認定された。
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友利容疑者、市議辞職へ/周辺関係者に伝える


友利光徳容疑者

 県知事選で、公職選挙法違反(詐偽投票)の容疑で逮捕された宮古島市議会の現職市議、友利光徳容疑者(56)は六日までに、市議会議員を辞職する意向を関係者に伝えた。近日中に担当弁護士が記者会見で明らかにするという。
 同容疑者は、十一月十九日投開票の県知事選で自営業の男(54)=宮古島市城辺福里=公職選挙法違反(詐偽投票)とともに知事選告示後の十一月六日、他人の投票所入場券を使用して投票用紙の交付を受け、同用紙で詐偽投票をした疑い。
 宮古島署の調べに対し、両容疑者とも大筋で容疑を認めていた。
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トウガン集荷始まる/今月9日に初出荷
平均`単価200円を計画


県外出荷に向けて箱詰めされるトウガン=6日、JAおきなわ下地支店集荷場

 冬春期野菜、トウガンの二〇〇六年度作県外初出荷を九日に控え、農家の作物搬入が始まっている。JAおきなわ下地支店、上野支店の両集荷場では、作業員らが箱詰め作業に大忙し。今シーズンの平均キロ単価は、前期比四十円増の二百円、販売総額は同比二千四百六十万九千円増の一億七千百万円を計画。JAおきなわ宮古地区営農センターでは、近年最低となった昨期販売額を平均値に戻したい考えだ。
 九日の初出荷では、二dの宮古産トウガンが県外に輸送される。出荷は来年一月にも本格化し、六月ごろまで続く。
 昨シーズンの販売実績は、県外産地の出し渋りで十一、十二月の市場量がだぶつき、平均キロ単価は近年で最も安値の百六十円と低迷。この影響で、宮古地区ではトウガン農家が栽培品目を変更し、百十八戸から百六戸までに減少。栽培面積も二百十eの減少となった。
 しかし、今期は他産地の市場操作が解消され、平年並みの動きに戻る見込み。単位収量は八・五dを計画している。
 現在は、下地、上野地区の農家が搬入しており、今月末から来月にかけては、各地区農家の作物が出そろう見込みだ。
 JAおきなわ宮古地区営農センター農産部の松原泰夫次長は「品質もまずまず。病害虫管理さえ失敗しなければ、出荷終了時まで期待が持てる。今期の販売実績は平年値に戻したい」と話した。
 下地地区のトウガン農家、根間秀勝さんは「今期は、植え付け時から苗の大きさにばらつきがあったが、これから十分調整できる。液肥注入の管理を徹底し、バイラスなどの病害を避けたい」と意欲を示した。
 昨期は、柔腐の発生があり、生産農家への指導と関係機関による調査などが行われた。
 トウガンについては、市下地地区が県の拠点産地に指定されている。
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校長の「寛大処分」嘆願へ/市内中学校
臨時保護者会開き事情説明

 宮古島市内の中学校の校長が、いじめの指導として生徒を倒した際、いじめに加わっていなかった男子生徒(二年)も倒してけがを負わせた問題で同校は五日、臨時全体保護者会を開き、寛大な処分を求めて嘆願書をまとめること、けがをした男子生徒やその家族の心のケアについてPTAとして、取り組んでいくことを確認した。
 PTA会長らは八日、県教育庁を訪ね、嘆願書を提出する。
 保護者会でははじめに、学校側が経緯を説明。PTA会長からは、臨時常任委員会で男子生徒の心のケアについて話し合ったことや、校長の処分に関する嘆願書をまとめることを保護者会に提案する旨が報告された。質疑の後、出席者の挙手で嘆願書の決を採り、ほぼ全員の賛成で決定された。
 質疑の中では校長の行為に関して、「暴力は絶対にいけないが、校長先生がいじめに対して敢然と立ち向かった態度は評価したい」、「男子生徒はいじめを止めようとしていたというし、校長先生も傷つけようとしてやったわけではない」、「男子生徒もそのお母さんも苦しいと思う。校長先生も針のむしろだと思う」など、集まった父母らがそれぞれの意見を述べた。
 父母らを前に校長は「子どもたちの安全と安心を充実すべき私が、生徒にけがをさせたことは謝っても謝り切れない」と謝罪した。
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英国トライ連合/合宿候補地視察で来島
北京五輪向け5カ所から決定


木多さん(左)に説明を受けるピアースさん(中央)、ウイリアムスさん=6日、前浜ビーチ

 イギリストライアスロン連合(BTU)のマネジメント・スタッフを務めるヒザー・ウイリアムスさんと、運動科学の専門家であるマーク・ピアースさんが六日、来島した。二〇〇八年の北京オリンピックに向けたアジアの合宿地選定のための視察が目的。海やプール、競技場、ランニングトレイル(林道)、宿泊施設など、合宿にかかわる環境を見極める。ウイリアムスさんは「美しい島。東京から来たばかりでとても暖かい」と印象を語った。
 宮古を皮切りに、八日に石垣島へ移動、その後沖縄本島、福岡県、韓国・済州島の五カ所を巡り、合宿地として適切な場所をチェックする。合宿地に決まった場合、イギリスナショナルチームの男女六人とトレーニングスタッフらが訪れる。来年九月に合宿、〇八年にはオリンピック直前の七月から八月にかけて最終調整を行い、直接北京へと出発する計画となっている。
 二人は日本トライアスロン連合(JTU)から情報を収集し、今回の視察に訪れた。バイク(自転車)も用意しており、試走して交通量や道路状況など自転車練習にふさわしいかを確認したり、海の泳ぎやすさなども調査する予定。
 また、宮古へ二度来島した経験を持つマーク・ジェンキンス選手から情報を得ているという。ウイリアムスさんは「ジェンキンス選手はしっかりトレーニングができ、アテネ五輪候補になることができてハッピーだったと言っていた」と説明した。
 現地ガイドを務める宮古トライアスロンスクールの木多伸行さんは、全日本トライアスロン宮古島大会を開催してきたこと、アテネオリンピックの日本ナショナルチームをはじめ、数々のプロトライアスロンチームの合宿を受け入れてきた実績を強調。「環境は抜群だとアピールしたい。食事面の配慮も必要なので、ホテルなどとも交渉したい」と話した。
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