200平成18  12 水曜日

海底の特殊地盤調査へ/伊良部大橋
基礎工検討委が発足
/くい打ちの安全性に反映


今後の調査などについて確認した委員会=5日、ホテルアトールエメラルド宮古島

 伊良部大橋基礎工検討委員会がこのほど立ち上げされ、五日午後、第一回委員会が宮古島市内のホテルで開かれた。委員長に琉球大学名誉教授で上原地盤工学研究所主宰の上原方成氏が就任した。委員会では今後、 大橋が架かる海底の支持層が泥岩層あるいは砂岩層としていることから、打込み鋼管杭の荷重負担の安全性を確認する載荷試験を実施する。来年九月に開かれる最終委員会でくいの施行管理(打ち止め管理)方法の提言をまとめて工事に反映させる。

 委員会は、伊良部大橋の載荷試験の実施および設計・施工への反映方法について事業実施者に適切な技術的指導・提言を行うことが目的で設置された。
 この日の委員会では▽審議事項とスケジュール▽伊良部大橋架橋地点の地質状況、設計状況▽伊良部大橋基礎工設計・施工上の課題とそれを踏まえた載荷試験実施方針−について確認した。
 伊良部大橋は、宮古本島と伊良部島を結ぶ、海上部延長約四・三`の離島架橋で、その橋梁部の基礎工はN値五十以上(30cm打ち込むのに打撃回数が50回以上)の島尻層泥岩および島尻砂岩を支持基盤としたくい基礎。その設計における支持力推定式の根拠となる試験データの蓄積はまだ十分とはいえないとしている。
 このため、橋梁計画位置において、載荷試験を実施してくいの支持力特性を検討し、橋梁基礎の安全性および設計施工の合理化について検討する必要があると説明している。
 委員は次の通り。(敬称略)
 【委員長】上原方成(琉球大学名誉教授、上原地盤工学研究所主宰)【副委員長】新城俊也(琉球大学名誉教授)【委員】黒田登美雄(琉球大学農学部生産環境学科教授)▽前田良刀(九州共立大学工学部都市システム工学科教授)▽中谷昌一(独立行政法人土木研究所構造物研究グループ基礎チーム上席研究員)▽大下武志(同所技術推進本部施工技術チーム主席研究員)▽松井謙二(同本部招聘研究員)▽山下久男(鋼管杭協会道路・橋梁委員会委員長)
top.gif (811 バイト)

「飲酒運転撲滅」を決議/宮古島市議会12月定例会開会
一般質問12日から


12月定例会が開会し市当局から補正予算案など38議案が上程された=5日、宮古島市議会議場

 宮古島市議会(友利恵一議長)の十二月定例会が五日開会し、市当局から二〇〇六年度一般会計補正予算案など計三十八議案が上程された。議案上程前には「飲酒運転撲滅に関する宣言決議」を全会一致で採択した。同定例会の会期は、十八日までの十四日間。一般質問は十二日から十五日までの四日間行われる。
 定例会は午前十時に開会。はじめに飲酒運転撲滅に関する宣言決議が豊見山恵栄氏から提出され全会一致で採択した。重大事故に直結する飲酒運転を撲滅し、安全で安心して暮らせる社会の確立を提案理由とした。その上で▽運転するなら酒を飲まない▽酒を飲んだら運転しない▽運転する人には酒をすすめない▽酒を飲んだ人には運転させない−の実践を誓った。
 この後、市当局から提出議案の説明があった。〇六年度一般会計補正予算案は既定の歳入歳出予算の総額に歳入歳出それぞれ五億九百八十五万七千円を追加し、歳入歳出予算の総額を三百三十四億一千七百八十四万三千円とするもの。
 そのほか「副市長」の定数を定める条例など改正地方自治法に伴う条例改正案も提出されており審議が注目される。副市長は今の助役を副市長とするものだが、その定数を「一人」としているため、一部市議が反発する可能性もある。
top.gif (811 バイト)

1000作品を一堂展示/真太陽国際書道展が開幕
9日に表彰式と交流会


真太陽国際書道展が開幕し、初日から多くの市民らが訪れた=5日、宮古島市城辺農村環境改善センター

 国を超え世代を超えた書道交流祭、第三回真太陽国際書道展(主催・同実行委員会、共催・宮古島市、市教育委員会)が五日、宮古島市城辺農村環境改善センターと隣接する同市城辺トレーニングセンターで始まった。十日まで。入場無料。日本をはじめ、中国、韓国、台湾の四カ国から集まった約二千作品のうち、展示された約千作品を、初日から来場した多くの市民が鑑賞した。

 今回は書道だけでなく、水墨画も新たに募集。ジュニアの部(幼稚園−大学)で書道千五百一点、水墨画九十七点、社会人の部で書道百六十五点、水墨画二十七点、六十歳以上のシニアの部で書道百六十三点、水墨画十五点の、計千九百二十七点に上る応募があった。審査の結果、ジュニアから四人、社会人とシニアからそれぞれ一人、真太陽大賞が選ばれた。
 午後二時から行われたオープニングセレモニーで、実行委員長の伊志嶺亮市長は「回を重ねるごとに内容が充実し、今回も二千余りの大変素晴らしい作品が集まっている」とあいさつし、多数の来場を呼び掛け。来賓で市教育委員会の濱川隆教育委員が「作品に触れる機会が少ない私たちにとっては非常に大きな刺激になる」と祝辞を述べた。
 引き続き、伊志嶺市長をはじめ、地元・宮古から真太陽大賞に輝いた上地貴大君(城辺小五年)、渡久山あかねさん(北中一年)ら、関係者のテープカットで開幕した。
 真太陽大賞に決まった上地君は、自分の作品を前に、「第一回、第二回は準大賞だったので、今度こそ大賞しかないと思って練習した。頑張ったかいがあった」と、念願の大賞に満面の笑みを浮かべた。
 渡久山さんは「受賞を聞いたときは、(賞を)取れると思っていなかったのでまさかと思った」と感想。今後の目標として、「半紙だけではなく、条幅の作品も書いてみたい」と意欲を見せた。
 表彰式と交流会は九日、午後四時から、城辺の「海宝」レストランで開かれる。また同日は、午後一時から、韓国宗教書藝人協會会長で同書道展審査員の李始珪(リ シーケイ)さんの「書道実技講演会−漢字とハングル文字を書く−」が、展示会場の城辺農村環境改善センター会議室で行われる。問い合わせは同書道展事務局(電話74・2085)まで。
top.gif (811 バイト)

テロ対策で総合訓練/平良港
船舶爆破を想定 陸海空で70人参加


警察官らがテロリストを押さえ付けて逮捕した=5日、平良港第一埠頭

 平良港テロ対策総合訓練が五日午後、平良港で行われた。訓練は同港に入港予定の船舶がテロリスト二人に乗っ取られ、巡視艇が接近すると人質を殺し船舶を爆発させようとすることなどを想定。宮古島警察署や平良海上保安署、宮古島市などの機関・団体から総勢七十人が参加し、迫真の訓練を展開した。
 訓練開始の合図とともに、厳戒態勢が敷かれた。空中からヘリ一機、海上から巡視艇が、平良港沖合でテロリストに乗っ取られた船舶を監視しながら同港へ入港させた。船舶が接岸すると、海上保安署と宮古島署の警察官らが連携しながらテロリスト二人を逮捕。負傷した乗組員一人を救助し、救急車で病院へ搬送した。 厳戒態勢を解除した後、宮古島署の岸本亮署長は「関係機関の適切かつ迅速な連携で、所期の目的を達成できた」と総評した。
 同訓練は、テロなどによる各種災害の発生を想定し、関係機関相互の緊密な連携、協力の下に実践的な総合訓練を行い、連絡・協調態勢を確立し、迅速な対応活動を実施するとともに、広く保安対策の普及・啓発を図る目的で実施された。
top.gif (811 バイト)

最高賞に「ただまつ5」/宮古地区子牛共進会
団体の部は城辺支部が1位


改良の成果を競った宮古地区子牛共進会=5日、JAおきなわ宮古家畜市場

 宮古地区子牛共進会(主催・宮古和牛改良組合)が五日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれた。審査の結果、最高賞に当たる県畜産振興基金公社理事長賞は砂川博一さん(平良)所有の「ただまつ5」が受賞。団体は城辺支部が一位、平良支部が二位だった。
 和牛改良の成果を競う共進会には各支部大会で上位に入った子牛計五十九頭が出品された。厳しい審査の結果、各賞受賞牛や第一類から第六類までの順位を決めた。
 最高賞に次ぐ県牛削蹄師協会宮古支部長賞は佐和田博さん(城辺)所有の「さわこ」が受賞。団体は城辺支部が一位となり平良支部が二位、三位上野支部、四位下地支部、五位伊良部支部の順だった。
 結果は次の通り。
 【第一類】▽優等賞=下地邦宏(城辺)みれいゆ▽一等一席=友利清秀(同)あきこ▽一等二席=西里ヨシ子(平良)きらり▽二等一席=新城建(城辺)あさみ▽二等二席=佐久田寛勇(平良)かつみ▽二等三席=上地秀一(上野)きよみ
 【第二類】▽優等賞=松原清英(城辺)あおい▽一等一席=砂川寛長(上野)なかまゆきえ▽一等二席=新里仁栄(同)ゆき▽二等一席=佐久川恵伴(城辺)ちゃき▽二等二席=与那覇哲雄(平良)あいこちゃん▽二等三席=来間辰夫(下地)たかほ
 【第三類】▽優等賞=池城富雄(城辺)とみやす▽一等一席=友利和夫(同)かずふく▽一等二席=与那覇勝利(上野)つきがた▽二等一席=西里宣夫(平良)ももみ▽二等二席=伊良部勝一(同)ちひろ▽二等三席=武富博幸(伊良部)ゆかり
 【第四類】▽優等賞=砂川博一(城辺)ただまつ5▽一等一席=根間貞勝(平良)はるみ▽一等二席=宮国光雄(城辺)ゆうこりん▽二等一席=佐久川孝一(平良)みよし▽二等二席=荷川取繁(下地)かえで▽二等三席=佐久川文雄(城辺)あやこ
 【第五類】▽優等賞=佐和田博(城辺)さわこ▽一等一席=平良恵俊(同)さちこ▽一等二席=村吉順栄(下地)やすさかえ▽二等一席=仲地昭仁(同)しゃらぽあ▽二等二席=奥原金一(平良)ここみ▽二等三席=仲宗根玄俊(同)みずき
 【第六類】▽優等賞=砂川恵徳(平良)なな▽一等一席=新城健(城辺)ひらの▽一等二席=与那覇勝利(上野)あぱらぎ▽二等一席=石川洋子(平良)かつこ▽二等二席=砂川玄一(城辺)はるか▽二等三席=渡真利弓子(上野)ゆみかつ
 【県畜産振興基金公社理事長賞】▽砂川博一(平良)ただまつ5
 【県牛削蹄師協会宮古支部長賞】▽佐和田博(城辺)さわこ
 【団体賞】▽一位=城辺支部▽二位=平良支部▽三位=上野支部▽四位=下地支部▽五位=伊良部支部
top.gif (811 バイト)

豊作願い種まき/葉タバコ
今期収量目標 反収220`


各地で葉タバコの種まきが行われた=5日、下地地区育苗施設

 二〇〇七年産宮古地区の葉タバコの種まきが、全国のトップを切って始まっている。五日は下地地区の葉タバコ生産農家が〇七年産葉タバコの種まきを行い、四年ぶりの豊作に期待を込めた。播種式には生産農家と農協関係者ら二十五人が集まり種をまいた。収穫は三月末から四月を予定している。
 県たばこ耕作組合によると、宮古地区の〇七年産葉タバコの栽培面積は合計六万三千二百七十四eで、前期と比べ六十一eの増加。地区別に見ると▽平良八千六百二十e▽城辺二万三千e▽下地一万四千六十e▽上野一万一千六百三十四e▽伊良部三千六百五十e▽多良間村二千三百十e−となっている。農家戸数は▽平良二十五戸▽城辺四十九戸▽下地三十七戸▽上野三十一戸▽伊良部十五戸▽多良間村十一戸−で計百六十八戸。
 下地地区の農家は同日午前八時三十分からツノジ神社に集合し、播種する種を供えて〇七年産葉タバコの豊作を祈願した。
 この後、同地区内にあるJAおきなわの葉タバコ育苗ハウスに移動し、播種式を行った。県たばこ耕作組合下地支部の与那覇正明支部長は「昨年は品質は良かったが収量が若干落ち込んだ。今年は十e当たり二百二十`を目標に頑張ろう」と、収量、品質面ともに向上させるよう生産農家に呼び掛けた。
 この後、種まきが行われ、生産農家一人ひとりが〇七年産葉タバコの豊作に期待を込め、小さな種を丁寧にまく作業に精を出していた。
 宮古地区の〇六年産葉タバコの販売重量は千六十二d、販売金額は十九億七千五十六万八千百五十五円と、十四年ぶりに二十億円を下回った。栽培面積の減少などで収量、販売金額ともに減少。生産農家にとっては三年連続で厳しい実績となった。宮古地区は三日に上野、四日に平良、城辺の播種式が行われた。
top.gif (811 バイト)