200平成18  12 土曜日

島々の特産品一堂に/離島フェア06開幕
離島ファンら多数来場


宮古を含む県内離島市町村の特産品が展示即売され、好評を博している離島フェア=1日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター展示棟

 【那覇支局】「行こう!味わおう!知ろう!『島々の宝』」をキャッチフレーズに「離島フェア2006」(主催・同実行委員会)が一日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開幕した。日程は三日までの三日間。今回は、十八の離島市町村と鹿児島県奄美市を含め九十八の個人・団体が参加し、会場には各離島の自慢の特産品が展示販売された。会場には初日から大勢の離島ファンが押し掛け、目当ての品を買い求めていた。

 同フェアは、各離島の特産品販売や伝統芸能紹介など多彩なイベントを通し、産業振興や相互交流、地域づくりを支援するのが目的。一九八九年から始まり、今回で十八回目。
 開会式で実行委員長の仲村三雄県離島振興協議会長は「十八回目となった離島フェアは県内外に広く知られたイベントとして定着し、離島地域の活性化にも大きく寄与している。今回も多くの離島ファンの皆さんが会場に訪れて島々の魅力と元気に触れ、その魅力を感じてほしい」とあいさつした。
 また、稲嶺恵一知事も「人々を魅了している沖縄の島々を構成する人や物すべてが『島の宝』。この機会に多くの皆さんに会場に来てもらい魅力あふれる沖縄の宝を楽しんでほしい」と述べた。
 そのほか、竹林義久内閣府沖縄総合事務局長も離島フェアが島々の特産物販売促進に寄与するとともに地域の活性化につながることに期待を寄せた。
 宮古地区の業者が入ったブースには、農産物の加工品、牛肉、泡盛、宮古みそ、かつお節、油みそ、宮古上布、三線など、島の香りが漂う特産品が並び、どの品も売れ行き好調。売り子たちは「おいしいから食べてみて」などと島の味と文化をPRした。
 そのほか、伝統芸能公演、アトラクションでは、在沖宮古民謡協会や今回のフェアで、奨励賞を受賞した「クイチャーフェスティバル」などが宮古の芸能を披露したほか、会場に設置された離島食堂では、Aコープ城辺店が自慢の味を提供した。
 きょう二日とあす三日は、伝統芸能公演や中央広場でのアトラクション、離島クイズスタンプラリーなども開催される。
top.gif (811 バイト)

教育長「大きな衝撃」/校長の生徒暴力
市教委臨時校長会/現場での冷静対応求める

 宮古島市内の中学校の校長が今年九月、二年生の男子生徒がいじめに加わっているものと勘違いし、男子生徒を床に倒してけがを負わせた問題で宮古島市教育委員会(久貝勝盛教育長)は一日、臨時の校長会を宮古教育事務所で開いた。久貝教育長は、学校の最高責任者である校長の立場を述べた上で「暴力行為はいかなる場合であろうと許されない行為」と述べ、学校現場では冷静な対応が重要だと呼び掛けた。
 久貝教育長は冒頭、同問題を「大きな衝撃を持って受け止めている。子どもを病院で治療させるようなけがを負わせたのは大きな問題」だと指摘。個人プレーの多い学校は事件や事故が起きやすい環境にあるとし、「いま一度、自分自身の教育に懸ける信念や哲学を全職員や子どもたちに示してほしい」と力説した。
 いじめについても述べ、「子どもたちがふざけているのか、本当にいじめているのか判断は難しい」と述べ、校長の発する一言は、学校の最終判断だとして冷静に物事を見極める判断力が必要だと促した。
 「教育の基本は愛である」「教育への情熱と子どもたちへの深い思いやりを持て」など良い管理者としての定義を挙げ、「どの学級にもいじめは起こり得るとの危機意識を強く持ち、学校が組織的にいじめの早期発見や早期対応、未然防止に努力すべきだ」と強調した。
 また「十種類の食材を使ったら、その食材の味を失わないように料理する」などと教育を一流のシェフの料理方法に例え「子どもたちの個性を引き出す学校づくりを」と訴えた。
 宮古教育事務所の新崎治所長は「暴力には社会の厳しい目が向けられている」として信頼される学校づくりに努力するよう校長らに求めた。
 出席した校長(男性)は「どこにでも起こり得るような問題で、対岸の火事ではない。宮古の学校現場も危機的状況に陥っているのではないか」と話した。
 校長会の冒頭、問題のあった中学校の教頭から暴力行為の概要説明があり、事の発端や生徒にけがを負わせた後の学校側の対応などが報告された。それによると、今年九月中旬、体育館で行われた運動会の組体操の練習前に、二年生の男子生徒が同学年の男子生徒三人に手足を押さえられ、胸を圧迫されていた。校長は「やめなさい」と注意しながら男子生徒を押し倒し、さらにその場にいた別の男子生徒も押し倒した。
 その後、この生徒は腕のしびれを訴えた。
 校長は、その日の晩にけがを負わせた生徒の自宅に出向いて謝罪したが、生徒の母親らから「誠意が見られなかった」と言われたという。
 男子生徒はその後、学校を休みがちになり、早退も増えた。母親らによるとしびれの症状がなかなか治らず、腕から首に広がっていることから沖縄本島の病院でも診察をさせたという。
 また、一日には宮古島警察署が傷害事件の事前調査を行ったという。県教育委員会も調査を進める方針で、宮古島市教育委員会は「暴力行為と、それにかかわる前後の問題については分けて報告したい」と話した。
top.gif (811 バイト)

上地廣敏氏に辞令/宮古島市の新福祉保健部長


福祉保健部長としての辞令交付を受けた上地廣敏氏=1日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は一日、二日付で福祉保健部長に就任する上地廣敏氏ら三人の職員に辞令を交付した。上地氏は「市長の施策に沿った福祉行政に努めていきたい」と決意を語った。
 辞令交付式は午前八時四十分から宮古島市役所平良庁舎で行われた。出張中の伊志嶺市長の代理で下地学助役が上地氏ら三人に辞令を手渡した。
 下地助役は「新しい部署でもこれまで通り頑張ってほしい」と激励。良い職場環境づくりに取り組むよう指示した。
 辞令交付を受けた上地氏は、これまで下地支所長として同支所の機能充実に努めてきた経緯から「複雑な気持ちではあったが、異動は公務員の使命。市長の施策に沿った池村前部長の福祉行政をしっかりと引き継ぎ、チームワーク、横の連携を取りながら頑張っていきたい」などと話した。
top.gif (811 バイト)

奨励賞に「クイチャーフェス」/離島フェア表彰式
文化継承など取り組み評価/会場で「新羅」が演舞披露


「島おこし奨励賞」の表彰を受けたクイチャーフェスティバル実行委の下地委員長(中央)と粟国事務局長(右)=1日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

 【那覇支局】一日に開幕した「離島フェア2006」(主催・同実行委員会)の表彰式が同日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで行われ、団体の部で「島おこし奨励賞」に輝いたクイチャーフェスティバル実行委員会(下地暁委員長)に仲村三雄離島フェア実行委員長から賞状が贈られた。今回の表彰は、クイチャーフェス実行委の地域における伝統文化の発展や観光イベントとして貢献していることが認められた。同フェスティバルは、実行委員会と宮古毎日新聞社が共催で開催し、今年で五回目となる。

 賞状を受け取った下地委員長は「この受賞はボランティア、フェスティバル参加者らみんなのおかげでもらえたもの。賞状を受け取って改めて実感した。これからも足元の文化を見詰めながら百年、二百年とフェスティバルがクイチャーとともに継承されてさらに発展してほしいと思う」と述べ、今後の活動に意気込みを示した。
 また、粟国和伸事務局長も「五回の歴史を刻み、クイチャーで地域を活性化させるとの目的が着実に前に進んでいると思う。伝統のクイチャーを継承発展させ、創作クイチャーでその文化を広げてさらには地域のクイチャーも掘り起こすことができた」と受賞を喜んだ。
 また、今回は「フォトコンテスト」の部で宮古島市立池間小学校校長・儀間裕芳さんが優秀賞に、同市の濱川教子さんが特別賞に選ばれている。
 仲村委員長は表彰式で「皆さんはそれぞれの分野で地域の活性化に取り組んだことが認められて表彰された。これからも地域を盛り上げるリーダーとして頑張ってほしい」と激励した。
 表彰式後には、クイチャーフェス実行委員会のほか、今年、市長賞に輝いた「新羅」(前里昌吾代表)が会場の会議棟ステージで創作クイチャーを披露した。
 クイチャーフェスティバルは「温故知新」「大切なものは身近な所にある」をコンセプトに、二〇〇二年から開催。宮古毎日新聞社は第二回の〇三年から実行委員会とともに主催者となった。
 今年のフェスティバルは十一月五日に、宮古島市平良のカママ嶺公園多目的広場で開催され、伝統・創作の各部門に合わせて過去最高の二十七団体約千四百人が出演。各地域で受け継がれてきたクイチャーを踊り、会場を埋め尽くした約五千人の観衆とともに宮古島の伝統文化の継承を改めて確認した。
top.gif (811 バイト)

万一に備え連携確認/不審者侵入に備え訓練
宮古空港


各関係機関が連携を取り、エプロン内に侵入した犯人を取り押さえた=1日、宮古空港

 宮古空港保安委員会(委員長・伊志嶺亮宮古島市長)の不法侵入事案緊急対処訓練が一日、同空港滑走路脇のエプロンで行われた。空港管理事務所をはじめ、警察、消防、航空各社など関係する十二団体が、通報連絡態勢や制限区域内での警察活動などの手順を、本番さながらに確認した。
 この訓練は、二〇〇六年四月に神戸空港のエプロン進入事案や〇五年四月の羽田空港制限区域内への不法侵入事案など、空港を狙った不法侵入が相次いでいることなどから実施した。
 宮古空港においても、同様の事案の発生を想定し、空港に対する脅威に迅速、的確に対応し、空港の安全性、定時制および効率性に寄与することが目的。
 今回の訓練は、平良で車両強奪事件が発生し、犯人が空港方面に逃走。ゲートを乗り越え、エプロン内に侵入したことを想定して行われた。
 通報を受けて空港管理事務所はゲートの警備を強化、場内巡回を実施した。犯人が空港内に侵入すると、追跡捕獲班が滑走路などに入らないよう車両で封鎖し、逃走経路を限定。駆け付けた警察署員が身柄を拘束した。
 訓練を終え大阪航空局宮古空港・航空路監視レーダ事務所の内藤一夫所長は「関係機関との連携ができた。頭ではなく体で覚えることができた。良い訓練だった」と講評した。また、宮古島警察署の比嘉文雄副署長は「今後はより実践的な訓練を行い保安対策強化を図ることが大事」と述べた。
top.gif (811 バイト)

長距離走を紹介/佐良浜中
スポーツ推進校指定で研究発表


長距離走・ミニ駅伝を紹介した生徒たち=11月30日、佐良浜中学校グラウンド

 二○○六−○八年度の三年間、県教育委員会から体育・スポーツ推進校の指定を受けている宮古島市立佐良浜中学校(平敷善盛校長、生徒数百三十五人)は三十日、同校で○六年度(一年次)研究発表会を開いた。運動場での公開授業では、一年生四十一人の長距離走・ミニ駅伝が行われ、生徒一人ひとりが体力に合わせて快走した。
 研究主題は「主体的に体育・健康づくりに取り組み、生涯スポーツを目指すための学習指導の工夫−基礎・基本を確実に身につける学習指導の工夫−」。
 主題は、生涯スポーツを志向する保健体育科では「一人ひとりの運動有能感」を把握し、どの生徒も「運動に親しむ資質や能力」を身に付け、自己の運動課題を知り、自己に適した体力を高める運動を進んで行い、生涯スポーツを目指す生徒を育成できるよう設定された。
 研究の成果として、体力や健康について意識付けを行うことにより、自ら進んで部活動やスポーツを行うようになった−などが挙げられた。今後の課題は、体育学習における指導法の改善−など。
top.gif (811 バイト)