200平成18  1130 木曜日

発泡トレー 燃やさず再利用/宮古島市
中間処理機を導入/ごみの減量図る
最終処分場で試験稼働


宮古島市が導入した発泡スチロールなどをリサイクルするための中間処理機械=29日、川満最終処分場

 宮古島市(伊志嶺亮市長)はごみとして回収した発泡スチロールなどを再利用するための中間処理機械を導入。二十九日、下地地区の川満最終処分場で試験稼働させた。食品用トレーなどを破砕・溶融し、ブロック状にする機械で、ごみのリサイクルにつながるほか燃やすごみが少なくなることで焼却炉の負担軽減が図られると期待されている。今週中にも供用開始の予定。

 導入された処理機械は、機械製作メーカーの山本製作所(本社山形県)が作製。一七〇度のヒーター熱で食品用トレーなどを溶かし、横五十a、縦十五aの板状にする。熱劣化が少なく、良質の再生原料として利用される。
 処理能力は一時間当たり二十`で、省エネルギー化も実現した。独自のシステムで、有害物質の排出基準値もクリアしているという。価格は三百万円。
 同市では、この機械で作られたブロックを、沖縄本島のリサイクル工場でプランターや駐車場の車止めなどの「廃プラ再生品」としての活用を模索。将来的には、スーパーなどが独自で回収している発泡トレーなども処理できるよう計画しているという。
 市民から分別され回収された食品用トレーなどは、これまで市のクリーンセンターで焼却していた。同センターは一日二十四時間、週六日のフル稼働状態で、焼却炉に大きな負担がかかっている。
 同市では、来年からのごみの有料化や資源リサイクルセンターの本格稼働などで、クリーンセンターでの燃やすごみの量を最大で一〇−一五%削減したい考え。資源リサイクルや焼却炉の負担軽減などを図る計画で、「この処理機械の導入は、その第一歩と言えるのではないか」(同市福祉保健部)と話している。
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観光振興で地元の声聞き取り/市関係者らと意見交換
県議会特別委


宮古の観光発展のために観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会と意見を交換した=29日、県宮古支庁

 県議会の観光振興・新石垣空港建設促進特別委員会(國場幸之助委員長)は二十九日、県宮古支庁で宮古圏域の観光施策概要説明および意見交換会を行った。宮古島市、県宮古支庁、宮古観光協会の関係者らが宮古の観光施策や現状を説明。委員らは、地元の声を直接聞き取り宮古観光の発展について意見を交わした。
 同委員会は國場委員長ら九人で構成。二十八日は石垣市を訪れ新石垣空港建設現場などを視察した。翌二十九日は宮古島に来島。観光農園の施設などを視察した後、意見交換会を開いた。宮古選出の奥平一夫、砂川佳一の両県議も同行した。
 意見交換会では県宮古支庁の兼城克夫支庁長、宮古島市の宮国泰男経済部長、宮古観光協会の藤村明憲会長がそれぞれ宮古圏域の観光現況や観光施策について説明した。
 委員からは下地島空港残地利活用や農業の担い手への支援、団塊の世代をターゲットにした長期滞在型施設に対する質問が挙がった。また「もっと情報発信する必要がある」との指摘もあった。
 宮古側からは、伊良部地区のマスタープラン作成の必要性や地元の特産品づくりについて課題が挙げられた。
 冒頭、國場委員長は「農業を中心とした産業を最大限発揮してもらいたい。地域が抱える課題を共有できるようにしたい」とあいさつ。宮古側を代表して藤村会長は「宮古の観光振興、産業振興のために、地元の意見を参考にし、県の事業推進を願いたい」と述べた。
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「副市長」で助役2人制再燃か/来春施行の改正地方自治法
「定数1」提案にそうぞう反発

 来月五日開会の宮古島市議会十二月定例会に「副市長の定数を定める条例(案)」が提出される。同条例は改正地方自治法に伴い、現在の助役を「副市長」とするもの。ただ、市が定数を「1」と定めているため、これまで助役二人を求めてきた伊志嶺亮市長が、これを断念したと受け取れるなどの理由から一部市議が反発。伊志嶺市長は「(与党は)理解してくれている」としているが、議会内で与党寄りのスタンスを取るそうぞうの豊見山恵栄氏は「二人制にはこだわっている」としており、一部与党やそうぞうの動きによっては二人制論議が再燃する可能性もある。
 改正地方自治法では今の助役を副市長とし、収入役を会計管理者に改めることを義務付け。副市長に関しては▽現行の助役職務に加え「普通地方公共団体の長の命を受け政策および企画をつかさどること」および「普通地方公共団体の長の権限に属する事務の一部について委任を受け、その事務を執行すること」が新たな規定となるため、権限が拡大することになる。会計管理職については特別職ではなく一般職を充てることが可能で、今は部長級か、課長級を配置するかで調整している。
 「副市長」に関して問題点を含んでいるのはその定数。同改正案を提出する際には定数を示さなければならない。これまで宮古島市議会では助役二人制をめぐり多くの議論を重ねてきた。これを踏まえると、市当局が定数を「一」と提出すれば二人制を求めてきた一部与党およびそうぞうの反発も予想される。
 定数「1」について本紙の取材に応じた伊志嶺市長は「今回は文言の書き換えだけ」とし、二人制については「将来的には考えている」と説明。これにそうぞうの豊見山氏は「こちらとしては、まだ二人制にこだわっている。市長は文言を書き換えるだけとしているが、もう少し話し合いは必要だ」との認識を示すなど両者の見解には微妙なずれがある。
 きょう三十日には市当局が議会議員を対象に議案説明会を開く。市議の質問内容と市の説明次第では、十二月定例会で助役二人制をめぐる議論が再燃する可能性もある。
 市の助役を二人とする条例改正案については昨年十二月、今年二月、同三月にも審議され、いずれも十対十七の賛成少数で否決されている。提出の理由について伊志嶺市長は「合併に伴う諸課題を迅速、かつ適正に対処できるよう機動性と効率性を兼ね備えた執行体制を確立するため」などと説明しているが、野党だけでなく、一部与党の理解すら得られていないのが現状だ。
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県体育大会で大活躍/宮古養護学校 43個のメダルを獲得
大会新に野ア高之君(中学部1年)/学校に戻り全校生徒で祝福


大会新記録を樹立した野ア高之君に玉元校長から賞状が改めて贈られた=29日、県立宮古養護学校

 第十八回県養護学校体育大会(主催・県養護学校体育連盟)が二十六日、うるま市総合陸上競技場で開催された。宮古、八重山を含む県内八校の中学部、高等部の生徒約九百人が参加し、日ごろの練習成果を存分に発揮。宮古養護学校(玉元江美子校長、児童生徒数五十九人)からは中学、高等部合わせて計三十七人の選手が出場し、金、銀、銅のメダル合わせて四十三個を獲得した。また、中学部一年男子百bに出場した野ア高之君が13秒46の大会新記録を樹立した。
 二十九日、同校で結果報告会が行われ、選手らの健闘をたたえるとともに、一人ひとりに対し改めて玉元校長から賞状とメダルが手渡された。
 前回の大会新記録よりも約二秒早い記録を出したという野ア君は「新記録だと聞いて最初はびっくりしたけど、頑張って一位になれたと思う。とてもうれしい。来年はソフトボールで一位になりたい」と喜びを話した。
 玉元校長は「宮古養護学校の頑張りがとても光っていた。素晴らしいファイトが、昨年の二十八個を上回る四十三個というメダルの数に表れている。来年もメダルを目指して自己ベストを目標に、校内に大きな喜びの声が広がることを期待しています」と激励した。
 高等部を代表して宮国秀昭君(三年)は「金銀銅合わせて四十三個のメダルを取れたのは、良い結果が出せたということ。皆さんの応援のおかげです、ありがとう」とあいさつした。
 冒頭、選手一人ひとりの競技の様子がスライドで紹介されると、先輩の活躍ぶりを全校生徒挙げて祝福。会場は拍手や歓声で喜びに包まれていた。この大会は、生徒一人ひとりの心身の発達と、情緒の安定、体力の向上を図り、力いっぱい競技する態度を養うことを目的に年に一度、開催されている。
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ノニジュース販売好調/100l多良間産使用


商品化されたノニジュースを手に笑顔を見せる美里会長=27日、多良間村字塩川

 【多良間】多良間産ノニ栽培研究会(美里泰秀会長)はこのほど、多良間産ノニ(ヤエヤマアオキ)を百l使用した「ノニジュース」を商品化した。東京のわしたショップでもすでに販売され、県内や島内における販路も確保。美里会長は「愛飲家から良い評判を頂いている。安定供給を目指し、一致団結して取り組みたい」と意気込んだ。
 昨年、ノニジュース商品化のため生産農家から約三dのノニを、加工および品質管理を行う海邦商事=うるま市=に出荷。同商事が九百_g入りで九百本製造し、販売元が東京や沖縄、島内で流通させているという。また、この商品化は、県産業振興公社が支援する二〇〇六年度地域資源発掘支援事業の協力を得て実施されている。
 美里会長は「輸入物が多いが消費者が求めているのは県産品。比べてみても内容や成分が全く違う。今は生産が追い付かない状態だが、植え付けを増やし二百d以上の出荷を目指したい。将来的には圧搾場も建設しようと希望を持っている」と笑顔を見せた。同研究会はノニによる島興しを目指し、ノニ栽培および生産技術の向上、品種改良増殖を図ることを目的に、今年八月一日に発足。会員は二十二人。ノニジュースに関する問い合わせは(電話79・2343)美里会長まで。
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バレーボール中学日本代表/上地(佐良浜中)全試合で先発出場
日韓交流試合から帰島


全日本の一員として日韓交流試合に出場した上地=29日、宮古空港

 バレーボールの中学校全日本代表に選ばれ、日韓交流試合に参加した上地将貴(佐良浜中三年)が二十九日、帰島した。東京で三試合、韓国・済州島で三試合の計六試合に、いずれも先発で出場し、試合結果は六戦全勝。上地は「相手はブロックが高くコンビバレーもあったが、勝てたのでうれしい。技術面・精神面とも成長できたと思う」と胸を張った。
 全日本は十一月十七日、十八日、二十日は東京都内で、同二十四−二十六日は韓国・済州島で、それぞれ三試合ずつを戦った。上地は六試合とも、ライトでスターティングメンバーに名を連ね、チームの全勝に貢献した。
 全日本での二週間を「長かった。体調も良かったり悪かったりと大変だった」と振り返った上地。「合宿前にはジャンピングサーブを練習していて、サービスエースも取れた。バックアタックも決められたし相手のスパイクを何本もレシーブできたのも良かった」と手応えを語った。今後の課題として「身長が高くないのでブロックは苦手。もっと練習して相手のスパイクを止められるように頑張りたい」と自己分析。「十二月には県選抜として都道府県対抗に出場するので、この経験を生かしたい」と話した。
 上地と、同じ佐良浜中の久貝恭平、川満謙太(いずれも三年)、女子で北中の小禄美鈴(三年)の四人は、県選抜の一員として、来月二十四日から大阪府で開催されるJOCジュニアオリンピックカップ第二十回全国都道府県対抗中学バレーボール大会に出場する。
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