200平成18  1129 水曜日

議会内勢力 再編の可能性/宮古島市議会
知事選影響し複雑化/与党に足並みの乱れ

 今月十九日に施行された知事選の影響を受け、宮古島市議会内の勢力図が変わる可能性が出てきた。与党、与党寄りのスタンスを取るそうぞう、野党の三大勢力に変わりはないが、知事選の支持態勢をめぐり与党側の足並みは乱れ、野党側が勢力を強めそうな情勢だ。

 保革一騎打ちとなった知事選では、友利恵一議長と共産党の上里樹氏を含む与党勢力が県内の野党各党が推した革新系の糸数慶子氏を支持。保守層の支持者が多いそうぞう六人も追随した。一方で公明を含む野党勢力は保守系の仲井真弘多氏を全面的に支援。議会内会派に属していない真栄城徳彦氏も仲井真氏の支持に回った。
 この支持態勢で、足並みの乱れを露呈したのが与党。これまで与党と行動を共にしてきた佐久本洋介氏が仲井真氏の支持に回ったためだ。さらに後援会伊良部支部の支部長を務めるなど、内外に仲井真氏支持の姿勢を明確に示してみせた。
 与党は佐久本氏の行動に憤慨。処分をめぐり対応を協議したが、佐久本氏自身がもともと保守のスタンスで、宮古島市長選で革新系の伊志嶺亮氏を支持した背景には、同氏を支持する支持者の意向を踏まえた政治的判断があることなどを加味。今は佐久本氏を与党系会派から外す方向のみで協議を進めている。
 知事選での行動について本紙取材に応じた佐久本氏は「保守に戻れという声が多かった。もともとは保守の姿勢」と強調。今後の動きについては「しばらくは一人。保守だからといって、野党と行動はできない」などと慎重に言葉を選んだ。与党と行動を共にするかの質問には「それはない」と明確に答えた。ただ、野党側は今後の議会活動において「行動を共にしてくれるという認識だ」(池間雅昭会長)という見解を示しており、市議会で与野党が対立する議案審議の場において、佐久本氏の姿勢は与野党双方から問われそうだ。
 議会内勢力をめぐる攻防では、佐久本氏だけでなく真栄城氏の動きも影響しそうだ。真栄城氏は県知事選で仲井真氏を支持、野党と行動を共にしたという事実があり、野党側に真栄城氏、保守系の佐久本氏が加われば野党の勢力は確実に増す。与党寄りのスタンスを取るそうぞうを加えて与党十四(議長を除く)、野党十三で、与党優位の勢力図は変わらないが、知事選勝利の勢いもあり野党の主張と発言力が強まることは必至。来月五日開会の十二月定例会では、勢力の維持と拡大をめぐる与野党双方の駆け引きが注目を集めそうだ。
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沖縄新エネ開発/風車4基を建設へ
14号の被害受け、総事業費10億円


(左から)伊志嶺市長、小野社長ら関係者らが出席した安全祈願式=28日、平良の大和電工

 沖縄新エネ開発(小野英三郎社長)は二十八日午後、宮古島市平良の大和電工で、同市平良狩俣地区の西平安名崎と同市城辺福東地区のサデフネに風車計四基を建設する風力発電事業の安全祈願式を実施した。小野社長をはじめ同市の伊志嶺亮市長ら関係者多数が出席し、工期中の無事故・無災害を祈願した。総事業費は約十億円。来年八月に完成し、九月から本格的に供用開始する。二〇〇三年九月の台風14号の影響で、壊滅的な被害を受けた風車が、再び宮古島の観光シンボルとしてよみがえる。 
 沖縄電力が西平安名崎に設置した風車四基とサデフネに建てた風車二基は、台風14号で甚大な被害を受けた。西平安名崎の四基のうち、三基は使用不能、残り一基は羽根が破損。サデフネの二基は、一基が使用不能、もう一基は羽根が破損して撤去された。
 今回は、新たに沖縄新エネ開発が設置する。西平安名崎とサデフネにそれぞれ九○○`hの二基を建設し、計四基の電力は三六○○`hになる。電力は沖縄電力に売電され、すべて島内で消費するシステム。
 風車は、ドイツのエネルコン社製。風車の高さは五十五b、羽根の直径は四十四b。
 請負業者は、日立製作所、日立エンジニアリング・アンド・サービス、大和電工、環境設計国建。
 祈願式後、小野社長は「地球環境の世紀と言われる二十一世紀において、当社では、人や地球に優しい自然エネルギーの導入を果たす地域に密着した事業を進めている」と強調。
 その上で「宮古島地域の産業の発展はもとより、環境負荷の低減に貢献していくものと期待する」と述べた。
 伊志嶺市長は「風力発電整備は、来年八月の運転開始により、電力の安定供給と合わせて、宮古島のシンボルとして観光振興が図られるとともに、地域活性化となる風力発電事業の展開が期待される」と祝辞を述べた。
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多良間山羊生産組合/子ヤギ23頭を入荷
乳・肉用として繁殖へ/「たらまピンダ」に確立強化
来月はシンポジウムも開催


乳用・繁殖用として多良間島に入荷されたヤギ=28日、平良港

 多良間山羊生産組合(諸見里朝仁会長)は二十八日、うるま市のはごろも牧場から生後約六−七カ月の子ヤギ二十三頭を入荷した。入荷されたヤギは地域ブランド「たらまピンダ(ヤギ)」の生産確立へ向け、乳用、肉用として繁殖される。

 諸見里会長は「全国で『ピンダと言えば多良間』と言われるよう、大事に繁殖させ全国にたらまピンダを発信していきたい」と期待を込めた。「ピンダ」とは多良間方言でヤギの意味。来月八、九の両日には、宮古島市のJAおきなわ宮古地区本部大ホールなどで「シンポジウム及びたらまピンダ祭り」を開催する。
 多良間村は島が誇るピンダの肉の供給拡大や乳製品開発を目指し、国が島の活性化を目的に進めている事業「一島一物語」の一環として、「多良間ピンダ島興し事業」を展開している。
 今回入荷したヤギは▽ザーネン種▽ヌビアン種▽トッケンブルク種▽アルパイン種−の四種で、乳が多く出ることが特徴の乳用ヤギ。ヤギの肉だけでなく、ヤギ乳のヨーグルトやチーズなどの乳製品の生産を進めるため、雌二十頭、雄三頭を入荷した。雌は乳用、雄は繁殖用として飼育する。
 たらまピンダは、海に囲まれた多良間島のミネラルを多く含む草を食べていることで、肉質にヤギ特有の臭みが少なく、あっさりとした味わいが特徴。繁殖したヤギは「たらまピンダ」として、雌は繁殖・乳用、雄は肉用として各地に出荷される。諸見里会長は「肉用、乳用のヤギを大型化したい」と考えており、品種改良も視野に入れ、多良間ブランドの確立を目指している。
 来月開催される「シンポジウム及びたらまピンダ祭り」は、「たらまピンダ」のブランド化に向け、広く宮古島市民、観光客にPRを行い、販売促進を図ることが狙い。ヤギ汁やヤギカレーのほか、ヤギ乳のチーズなどを販売する。十二月八日はJAおきなわ宮古地区本部でシンポジウムとピンダ会、同九日はあたらす市広場前でたらまピンダ祭りが開かれる。
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100人の参加目指す/全国Jrゴルフ、来年1月に開催
市、宮古ゴルフ連盟が会見


会見で全国ジュニアゴルフ選手権大会をPRした(左から)上地会長、伊志嶺市長、野津武彦副会長=28日、宮古島市役所平良庁舎

 第三回全国ジュニアゴルフ選手権沖縄宮古島大会を主催する宮古島市(伊志嶺亮市長)と宮古ゴルフ連盟(上地安増会長)は二十八日午前、宮古島市役所平良庁舎で会見を開き、同大会の実施要項報告や参加募集を呼び掛けた。開催日は来年一月六、七の両日、会場はオーシャンリンクス宮古島。今大会から主催する宮古島市の伊志嶺市長は「ゴルフを通して宮古観光のPRにもなる。ぜひ成功させたい」と決意。ゴルフ連盟の上地会長は「少なくとも百人の参加を目指す。多くのジュニアに参加してほしい」と呼び掛けた。
 大会は小・中、高校生の各部があり、競技方法は潟zールのストロークプレー、募集定員を百人に設定している。申し込み締め切りは来月二十二日までとなっている。
 会見で伊志嶺市長は「市としても、ゴルフ連盟とともに、ジュニアゴルファーの育成に努めていきたい。それはスポーツアイランドとしても喜ばしいことで、ゴルフを通して宮古の観光PRにもつながる」などと話した。ゴルフ連盟の上地会長は「前回は五十九人の参加だったが、今回は最低百人の参加を目指している。全国各地に呼び掛けていきたい」と決意を示した。
 宮古島ではここ数年、ジュニアゴルファーや大学のゴルフクラブによる合宿が行われており、ゴルフ環境が少しずつ向上している。
 今年九月には狩俣小学校が全国小学校ゴルフトーナメント決勝大会のスナッグクラス団体で優勝するなど、ジュニアゴルフ育成活動も盛んになりつつあり、市やゴルフ連盟が企画している大会の趣旨が宮古全域に浸透している。
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先島本因坊に知念6段/仲間6段を下し初優勝


優勝盾を手にする知念正夫6段=27日、こすみ囲碁教室

 第三十四回先島親善囲碁大会個人の部の優勝決定戦(先島本因坊決定戦)が二十七日、宮古島市内のこすみ囲碁教室で行われ、知念正夫6段が仲間勝之6段を下し、初優勝した。今年の先島親善囲碁大会は十八日に石垣市で行われ、団体戦は宮古が三十六勝三十一敗で八重山に勝ち十三連覇。個人戦は池間博美6段、知念6段、仲間6段の三人が四戦全勝で並び優勝決定戦は後日に持ち越されていた。三人のうち池間6段は決定戦進出を辞退。このため決定戦は知念、仲間の両6段で行われた。
 決定戦は知念6段の白、仲間6段の黒番。序盤は白が、相手の地模様を荒らし白が地合で先行した。黒は中盤から挽回を期して白を攻めたが、うまくしのがれた。白は終盤のヨセで損したものの、序盤のリードが大きく、白番の知念6段が七目半差で勝った。
 知念6段は「まさかと思っていたけど、勝てた。細かい碁で、ひやひやしていた。これからも(各大会で)頑張りたい」と笑顔いっぱいに話した。
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創作芸能など披露/城辺老人芸能大会
17団体150人が参加


ステージでは伝統芸能から創作芸能まで多彩な演目が次々と披露された=28日、城辺農村環境改善センター

 「長寿の秘訣(ひけつ)芸能 踊る者に病なし」をスローガンに、第一回城辺老人芸能大会(主催・宮古島市老人クラブ連合会城辺支部)が二十八日、城辺農村環境改善センターで開かれた。同支部の各老人クラブなど十七団体百五十人が華やかに伝統芸能や創作芸能を披露した。会場には地域住民や家族らが駆け付け、出演者に温かい拍手を送った。
 この大会は、活動の中で学習した芸能を発表し、会員相互の交流を深めることと、心身の健康や郷土芸能の振興発展に寄与することが目的。
 幕開けは舞踊同好会の「トーガニアヤグ」。その後、十六クラブのメンバーらが女性を中心に続々と舞台に登場し、活動の成果を堂々と発表した。「根間の主」や「ミルク口説」など地域に根差す民謡や芸能から、歌謡曲に合わせた軽快な創作舞踊まで、多彩な演目を披露した。
 参加団体は次の通り。
 ▽舞踊同好会▽福東▽加治道▽福西▽上区▽西東▽比嘉▽長北▽砂川▽友利▽吉野▽長中▽西中▽福北▽西西▽長南▽高齢者大学
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