200平成18  1128 火曜日

下地島でデイゴ枯死/ヒメコバチの成育阻害原因?

ヒメコバチの被害を受け、完全に枯死状態となったデイゴ=27日、伊良部のさしばの里


         
             こぶがついた葉 

 県花で宮古島市の市花木に指定されているデイゴ(マメ科)が二十七日、同市伊良部の下地島で枯死状態になっているのが確認された。ヒメコバチによる成育阻害が原因とみられるが、デイゴをヒメコバチから守る方法はないらしい。ヒメコバチは今後世代交代を繰り返しながら、宮古全域に広がるものと予想され、デイゴの危機が憂慮されている。
 ヒメコバチによってデイゴの葉にこぶがつくられると、葉の成育が悪化し落葉する。樹冠から落葉は目立つようになり、次第に下部の葉も落下していく。全体的に丸裸にされると、立ち枯れし枯死状態になるが、枯死の大きな原因はまだ分かっていない。
 ヒメコバチは、二○○三−○四年に台湾のほぼ全域で発生し、デイゴに大きな被害を与えたという。○五年には石垣島で葉にこぶのあるデイゴが見つかった。今年に入ってから、小中学校の校庭に生える大木デイゴに被害が多くなっているようだ。
 下地島で、デイゴが枯死しているのは、さしばの里の街路樹。枝打ちされていた大木のうち、三本は完全に枯死している。そばのデイゴの樹冠も枯れ始め、残っている葉にはこぶがいくつも見られる。デイゴは数十本生えているが、ほとんどのデイゴにこぶのある葉が確認された。
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優勝旗を手に凱旋/初優勝のバスケ男子帰島
県民体育大会


優勝旗を手に帰島したバスケットボール男子の選手ら=27日、宮古空港

 第五十八回県民体育大会のバスケットボール男子で初優勝した宮古島市のメンバーが二十七日、優勝旗を手に凱旋した。濱川匡主将は「ディフェンスで自分たちの流れにできた。今までこれほどできたか、というくらい良い出来だった。最後まで走り切れたのも大きい」と声を弾ませた。
 バスケットボール男子は、沖縄本島在住のメンバーを中心に、地元・宮古と県外在住の二十−二十七歳の選手で構成。堅いディフェンスから攻撃に持ち込みリズムをつかんだ。四試合でいずれも八十点以上を奪う破壊力を見せ、すべての試合で二ケタ得点差以上をつけ、念願の初優勝を飾った。
 関係者らの出迎えに下地秀隆監督は「試合では感激を味わった。今は帰って来てほっとしている」と笑顔。「勝因はディフェンスに尽きる。試合ごとに精神的にも技術的にも成長があり、選手が頼もしく見えた」と振り返った。
 濱川主将は「もともと宮古は得点能力が高いので、相手の攻撃を抑えられれば大きい。みんなが今回のように守ることができれば、来年も優勝できると思う。地元でチャンピオンになりたい」と語り、宮古開催となる来年の県民体育大会での連覇を誓った。
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飲酒運転撲滅を宣言へ/市議会
来月5日から12月定例会

 宮古島市議会(友利恵一議長)の議会運営委員会が二十七日開かれ、十二月定例会の会期を十二月五日から十八日までの十四日間と決めた。同定例会では、交通事故を無くし安心して住みよい暮らしができる社会の構築を目指すため「飲酒運転撲滅に関する宣言」を決議する。一般質問は十二日から十五日までの四日間。
 飲酒運転撲滅に関する宣言決議(案)では「沖縄県の飲酒運転による交通事故は全国に比べて高い比率の中、宮古島管内は事故総数、死亡事故ともに県平均のおよそ倍となっている」と指摘。「交通事故に直結する飲酒運転を排除し、市民を交通事故から守ることは、われわれの重大な責務である」としている。
 その上で、安全で安心して暮らせる社会を確立するために、本市議会をはじめ、関係機関、団体、家庭、職場、地域において@運転するなら酒を飲まないA酒を飲んだら運転しないB運転する人には酒を勧めないC酒を飲んだ人には運転させない−とした諸施策を強力に実践することを宣言する。
 そのほか同定例会には▽二〇〇六年度同市一般会計補正予算▽国民健康保険事業特別会計補正予算▽港湾事業特別会計補正予算−など四十一議案と報告二件、諮問、同意案のそれぞれ一件が提案される。
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城辺字友利 27年ぶりに村芝居復活/地域芸能の伝承誓う
ミルク口説保存会発足/初代会長に下里栄作さん


発足を祝い自治会員らが力強い「ミルク口説」を披露した=26日、友利公民館

 一九四〇年ごろから、城辺の友利部落で農家繁栄を願い踊っていたとされる芸能「ミルク口説(クドゥチ)」を復活させ、継承する「友利ミルク口説保存会」の発足会が二十六日夜、友利公民館で開かれた。役員選出が行われ、初代会長は下里栄作さんに決定。自治会員らがミルク口説を披露し、友利部落は発足の喜びに沸いた。


下里栄作さん

 ミルク口説は一九四〇年、旧友利公民館の設立とともに、友利出身の故下里英雄さんによって制作された。当時は、地域の若者たちが機会あるごとに集まり、村芝居を開催して交流を深めていた。英雄さんは農家繁栄を願い、地域を盛り上げようと、農民の生活を描いた「ミルク口説」を制作。しかし、ラジオやテレビなどの娯楽文化が普及するにつれ、村芝居の人気は衰え、二十七年前、現友利公民館の設立祝いでの舞台を最後に「ミルク口説」を見ることはなくなった。
 初代会長に就任した下里栄作さんは、作者の英雄さんの弟に当たる。九月に友利で開催された「なりやまあやぐ大会」で自治会員らが二十七年ぶりに披露したところ、部落内や他地域からも大好評。栄作さんは「友利にしかない踊りを継承、発展させたい」と自治会に呼び掛け、保存会が発足した。
 栄作さんは「ミルク口説は保存する価値のある歌。先輩からもらった素晴らしい芸能を後世にも伝えていこう」と呼び掛けた。また、「兄が残してくれた口説を皆が踊ってくれてうれしい」と笑顔を見せていた。
 役員選出後には、発足を祝い、自治会員十二人がミルク口説を披露。法被とねじり鉢巻きに身を包み、威勢の良い声を上げながら力強い芸を見せた。
 今後は、同部落の催しなどで披露していく予定。
 役員は次の通り。(敬称略)
 【会長】下里栄作【副会長】砂川武次郎【会計】浜元宏昇【事務局長】友利隆雄
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初のいじめ実態調査/宮古島市教委
来月には取りまとめ/全児童生徒対象

 宮古島市教育委員会(久貝勝盛教育長)は、宮古島市立小、中学校に通う全児童と全生徒を対象にしたいじめに関するアンケート調査を実施している。来月までには取りまとめる方針だが、これまでに同市教委に届いたアンケート調査にはいじめとみられる事例が数件あるという。
 宮古島市が独自の方法でいじめに絞ったアンケートを実施するのは今回が初めて。全国で相次ぐいじめによる自殺など問題が深刻化する中、同市でも実態把握のために動き出した。
 アンケートでは▽あなたは、いじめを受けたことがありますか▽受けたいじめはどのような内容のものですか−などと被害の実態を把握する項目のほか▽あなたはいじめをしたことがありますか▽していたいじめはどのような内容ですか−といじめをしたことの質問も設けた。
 各質問には答えをあらかじめ設けてあり、該当項目を○で囲むように作成。いじめを受けたときの心境やいじめをした理由を具体的に書く項目もある。
 市では、アンケートが寄せられた後、いじめの実態があればその学校を訪問し実態をより詳細に調査。深刻なケースと判断すれば、児童家庭課など関係機関と連携し解消に向けた指導や助言を早急に実施していく方針だ。
 同市教委学校教育課の島袋正彦課長は「児童、生徒たちから上がってきた数字はすべて真実ととらえ対処する。学校や家庭、行政が手を結んで取り組めばいじめは撲滅できる」と話した。
 同市教委は今月二十四日に、全国都市教育長協議会が決議した緊急アピール(一人一人の命の尊厳を守るために)を発表。子どもたちと保護者や地域、教員に向けたメッセージで、いじめ問題への取り組みを徹底する方針を示している。
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久々に活気/宮古島漁協競り市
アカジン`1910円


久しぶりに大量の魚が上場された競り市=27日、宮古島漁協

 宮古島漁業協同組合(儀保正司組合長)の早朝競り市が二十七日、同漁協の魚卸市場で開かれた。久しぶりに総重量で九百六十七`の魚が上場され活気づいた。
 この日の早朝競り市では、アカジンやアカマチ、アイゴ、タイの仲間のアマクサ、ガーラ、ブダイなど他種類の魚が所狭しと並ぶ。一匹ないし数匹の魚が別々に配置され、それぞれを山と呼ぶ。山の数は六十七山。
 仲買人らは、あらかじめキロ単価の競り価格を漁協職員に提出。仲買人や漁師らが見守る中、職員がキロ単価の最高価格をマイクを通して伝えると、次々と山は競り落とされた。
 アカジンの最高キロ単価は、千九百十円の値が付いた。自身の魚が競り落とされた漁師は、「二千円を割ったが、うれしい。これからの操業にも力が入る」と笑顔で語った。
 一方、重さ七・五`のガーラを上場していた漁師は、キロ単価が二百五十円の安値が付いたため、びっくり。競り値に「待った」を掛けてガーラを持ち帰った。
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