200平成18  1123 木曜日

宮古島市/赤字総額の9割超/05年度地方公営企業決算
下水道事業は99% 市総額42億円

 【那覇支局】県企画部(上原良幸部長)は二十二日、水道や病院など地方公営企業における二〇〇五年度決算概要を公表した。それによると、宮古島市の赤字額は四十二億四千万円で県内十一市のうち唯一の赤字自治体で、さらに県全体の同企業における赤字額の九三・四%を占めていることも分かった。特に下水道事業については宮古島市の赤字で県全体の九九・四%を占めている。

 市町村および一部組合が経営する地方公営企業の数は現在、法適用企業三十二事業(五業種・上水道、交通、病院など)、法非適用企業が八十七事業(七業種・簡易水道、下水道、港湾、地域開発など)で合計百十九事業となり、〇五年度の決算では十四億四千八十四万円の赤字となった。
 同年度決算では、県全体で上水道事業における黒字が大幅に伸びたにもかかわらず宮古島市の下水道事業、港湾整備事業、地域開発事業の多額の赤字が最大の要因となり、十四億円の赤字決算となった。
 宮古島市の下水道事業の赤字は、九億七千七百二十五万四千円で、これは県全体の下水道事業赤字九億八千三百十万八千円の九九・四%となっている。
 また、港湾整備事業は一億九千百十五万三千円でこれは全額宮古島市、地域開発事業の赤字三十億五千八百八十四万一千円も宮古島市(トゥリバー地区)が全額を占めている。
 この宮古島市の三事業は県全体でも赤字額が大きな事業の一−三位となっているほか、赤字が大きな自治体でも宮古島市は一位で二位の伊是名村とも四十一億円以上の開きがある。
 下水道事業については、宮古島市(旧平良市)が〇一年度から五年間一般会計からの繰り入れがなかったことや接続率も四二・七%(県平均八七・九%)と低いことも影響して、約十億円の赤字を抱える現状に至っている。
 県では、宮古島市に対して八月に一般会計からの繰り入れについて、十二月補正で補てんするよう助言しているが、市の財政は厳しい状況で下水道事業への繰り入れについては近年行っているものの、必要とされる年間二億円には届いていない。
 そのほか、トゥリバー地区については売却に向けて、現在市当局が積極的に動いており、売却価格について調整に入っている。
 地方公営企業の提供するサービスは、住民生活に重要な役割を果たしている一方で、宮古島市においてはその運営が厳しさを増している。
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雨漏り体育館補修へ/西辺小
市、12月補正に2400万円計上


雨天時には使用中止になる体育館、西辺小学校

 宮古島市立西辺小学校(前泊宣夫校長)から体育館が雨漏れし体育授業に支障を来しているとして、早期の補修工事の要請を受けていた市(伊志嶺亮市長)は二十一日までに、補修工事を実施する方針を固めた。十二月議会定例会に補正予算二千四百万円を上程し、工事に着手する。前泊校長は「子どもたちが、雨天時でも伸び伸びとスポーツができるよう、早めに補修工事を完了してほしい」と訴える。
 体育館は、一九九五年七月に完成した。その後、鉄製屋根の数カ所に穴ができ、雨天時には雨漏れし、木製の床は水浸しになっている。鉄製屋根の断面はM字状になっていることから、一般にM屋根と呼ばれている。
 教諭や児童たちは、好天時に体育館を清掃して使用するなど、清掃作業を頻繁に繰り返してきた。
 数年前に数カ所の穴は補修されたが、再び同じ個所から雨漏れ。補修のめどは立っていなかった。
 前泊校長は、子どもたちの安全面を重視し、今年九月から雨天時の体育館使用を禁止する措置に踏み切った。体育館が使用できないことから、雨天時の体育授業のスポーツなどは中止している。
 雨が降った二十二日、体育館で予定していた音楽朝礼は中止に追い込まれた。園児十一人、児童八十一の計九十二人をがっかりさせた。教諭や子どもたちは、床にバケツを置いたり、新聞紙を敷いたりの対応策を取ったが、午後からの激しい雨で床は水浸しとなった。
 今月二十五、二十六の両日は第二十四回ミニバスケットボール冬季大会が開催される。同校から男女チームが出場するが、体育館が自由に使えないため、両チームとも練習不足の状態だ。
 前泊校長は「体育館使用の中止は、子どもたちに与える影響が大きい」と話し「早めに補修し、子どもたちを喜ばせてほしい」と訴えた。
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自主防犯パトロールの拠点に/深夜スーパー連絡協
都市型犯罪発生を懸念/コンビニ店長らが意見交換


コンビニエンスストアの店長らが深夜の防犯態勢について意見を交換した=22日、宮古島警察署

 宮古島地区深夜スーパー連絡協議会が二十二日、宮古島警察署で開かれた。深夜に営業する市内のコンビニエンスストアの店長ら約二十人が集まり、犯罪防止について意見を交わした。自主防犯パトロールの集合・解散場所として利用するなど連携を深めることや警察のパトロール強化などを確認した。

 同署によると、全刑法犯の認知件数と窃盗犯件数はともに二〇〇三年から減少している。しかし、今年三月にコンビニ強盗事件、十月にはコンビニの駐車場で殺人および同未遂事件が発生するなど、凶悪化、都市型犯罪が増えているなど依然として厳しい状況。「体感治安」は悪化しているという。
 深夜の警察官の立ち寄りに関して店長らの約半分が「回数が少ない」と考えており、午前三−同六時の時間帯が客の出入りが少なくなるため不安が大きいことも挙げられた。警察側は指定された時間帯での立ち寄りを約束した。
 会議では、防犯面の現状や課題、狙われる理由などが説明された。また、地域の安心・安全に貢献することとして▽犯罪情報の積極的発信▽犯罪が起こりにくい環境づくり▽防犯ボランティアの拠点化−が挙げられた。
 また、犯人に投げ付けて逮捕に役立つカラーボールの設置なども警察側から提案された。
 冒頭、同署の岸本亮署長は「警察と連携を密にして地域の安全・安心を守ろう。深夜のスーパーでの犯罪防止のために共に考えよう」とあいさつした。深夜スーパーを狙った強盗事件は県内で〇五年以降に八件発生。宮古でも今年三月に一件発生したが、犯人は逮捕されている。
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藤本さん(城辺遺族会)厚労相表彰/「戦争起こしてはならない」


伊志嶺市長(左)に表彰を報告した藤本さん(中央)と関係者=21日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市城辺地域遺族会会長の藤本栄一さん(78)=城辺比嘉=はその功績が認められ今月十七日、東京都内で柳沢伯夫厚生労働大臣の表彰を受けた。
 藤本さんは二十一日、宮古島市役所平良庁舎に伊志嶺亮市長を訪ねて報告。「二度と戦争を起こしてはならないという世界の恒久平和を祈念し、二十八年間英霊の顕彰と戦死者の供養を続けたことが認められたと思う」と喜びを語った。
 藤本さんは戦時中、兄が中国の満州で戦死。自らは兵隊にこそならなかったが、大阪の軍需工場で働き、空襲も経験したという。
 旧城辺町役場勤務の一九七八年に旧城辺町遺族会長に就任。毎年六月二十三日の「慰霊の日」には慰霊祭を主催しているほか、終戦直後から戦没者遺族の遺骨収集に協力したり、小・中学校の平和教育授業の講師として平和の尊さを講話するなどの活動を続けている。
 伊志嶺市長は表彰をたたえ、「これからも体を大事にして、平和教育に活躍してほしい。生涯現役で頑張って」と激励した。
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投棄未遂男性に始末書/不法処理防止ネットワークで報告
死亡牛処理費に県助成を


不適正処理事例が報告された会議=22日、宮古福祉保健所

 第二回宮古保健所管内廃棄物不法処理防止ネットワーク会議(議長・金城康政宮古福祉保健所保健総括兼生活環境班長)が二十二日、同所で開かれた。宮古島警察署や平良海上保安署、宮古島市の関係者ら多数が出席。保健所側は今年十月に発生した建築廃材不適正処理事案を発表し「不法投棄を未遂で終わった男性に対し、始末書を提出させ厳重注意処分とした」と報告した。
 この日の会議は、不適正処理事例報告を中心に行われた。
 市側は「死亡牛の処理を宮古島市だけでするのは無理。県の補助が必要だが、現在県には補助メニューがないという。離島振興を図る上から、県は補助すべき」と強調した。
 また、平良の池間島のユニムイ広場に一時保管されている一般廃棄物の経緯と処理状況を説明。その上で「今月八日、池間自治会長は『対応策は何もなく行政で検討してほしい。処理可能物については協力しているが追い付かない状況。処理は産廃ごみや廃家電などが多いため、処理費用捻出は難しい』と話していた」と説明した。
 同会議は、廃棄物の不適正処理の防止およびこれらの事犯に迅速かつ的確な対応を行い、生活環境の保全および公衆衛生の向上を資する目的で、今年七月に設置された。
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中学生と交流深める/アメリカの教師ら
琉球舞踊や空手に感激


文化交流を深めた平良中の生徒と{人のアメリカの教師たち=22日、平良中学校体育館
 宮古島市立平良中学校(平良正校長)は二十二日、「米国教育者招聘事業」で来島しているアメリカの教師らの歓迎レセプションを開いた。生徒たちは琉球舞踊や空手などを披露。地域の文化を伝えるとともに交流を深めた。
 同事業は日米教育委員会が運営する「日本フルブライトメモリアル基金(JFMF)」が毎年行っている。宮古地区が事業対象になるのは初めて。
 歓迎レセプションでははじめに、アメリカの教師らが自己紹介し「皆さんからいろんなことを教えてもらいたい」などと英語で呼び掛けた。
 生徒たちは琉球舞踊「かぎやで風」やエイサー演舞、空手の形など地域に伝わる文化を披露。また物語「かぐや姫」を英語で発表し、教師らは「英語がとても上手ですね」と驚いていた。
 最後に生徒代表のハードマン七菜さん(三年)が「たくさんの触れ合いを楽しみにしています。きょう一日平良中で楽しんでください」と英語で歓迎の言葉を述べた。
 この日、アメリカの教師らは同校の授業を視察したほか、同校教諭らとの情報交換会も行った。あす二十四日は、県立宮古高校を訪問する。
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