200平成18  1122 水曜日

宮古島市/税徴収 上半期前年並み
滞納整理は上回る実績

 宮古島市納税課(友利克課長)は二十一日までに、二〇〇六年度の上半期(四−九月)市税徴収実績をまとめた。今年度課税分の六六・六%に当たる二十六億二千四百十五万三千円を徴収、滞納繰越分は六千八百八十七万九千円の徴収実績を残した。今年度課税分、滞納繰越分を合わせた徴収実績は前年度に比べて率で〇・七二%減となっているが、旧町村部で慣例化していた区長徴収制度の廃止で懸念された大幅減少は見られず、納税課としては「まずますの徴収実績」と総括した。滞納分は十月末現在で、前年に比べ一千万円多く徴収しており、新設された納税課による財産差し押さえなどの徴収強化活動が功を奏している。

 上半期の徴収実績を税目別に見ると、今年度課税分で固定資産税は前年度を上回った。ただ、住民税をはじめとする他の税目が低調で、全体として前年値を下回る徴収状況となった。合併前、伊良部を除く旧町村部で行われていた区長徴収制度の廃止に伴う税収減も予想されたが、わずかの減少で抑えている。
 今年度当初で八億七千万円あった滞納繰越分の収納額は前年度を四百万円上回った。十月には約五百五十万円を徴収しており、前年度の同時期と比較すると約一千万円収納額が上回っている。
 納税課では滞納分の調停率に着目。那覇市や浦添市が一〇%以下であるのに対し、宮古島市は一七%を超えている。仮に調停率を一〇%に置き換えると宮古島市は四億五千万円程度に収まるという計算だ。しかし、宮古島市は八億七千万円も抱えており、「これを解消することが徴収率向上の鉄則だ」(友利課長)として滞納繰越分の徴収を強化してきた。
 具体的な活動として休日納税相談を実施、月に二回のペースで開催しており、相談者数も増加傾向にある。さらに百五十万円以上の高額滞納者に対応する高額担当職員二人を配置。財産差し押さえの実施など、滞納整理強化策を次々と打ち出して処分を進めた結果、前年度の同時期に比べて一千万円多く徴収する実績を残している。
 納税課では下半期行動計画方針を確定。堅調な固定資産税の徴収体制をさらに強化し、全体の底上げを図る。一方で住民税が個人および法人ともに前年度を下回っていることは大きな懸念材料として新たな対応策を講じる方針だ。さらに徴収率向上の鉄則として▽滞納分の圧縮▽次年度繰越の抑制−を着実に実行、単年度の新たな目標に「滞納額一億円圧縮」を掲げて徴収に取り組み、現年度課税分、滞納繰越分を合わせた徴収率で県平均の八六%を目指す。
 上半期の実績について友利課長は「差し押さえなどの滞納処分を強化したこともあり、市民の納税意識の改善が図られている。今後も滞納整理の強化に努め、納税相談など誠意ある徴収行動を続けていく」と話した。
top.gif (811 バイト)

JFMF招聘事業/米国教育者22人が来島
市内学校で1週間研修/知識深め 帰国後活用


伊志嶺市長、久貝勝盛教育長らの歓迎を受けた研修生ら=21日、宮古島市役所平良庁舎

 日米教育委員会が運営する「日本フルブライトメモリアル基金(JFMF)」の「米国教育者招聘(しょうへい)事業」で二十日、アメリカの幼稚園から高校までの教師二十二人が研修のため来島した。滞在中、宮古島市内の小・中・高校を訪問して授業参観や子どもたちとの交流を行うほか、子どもを抱える親との意見を交換する。教師らは二十六日までの研修期間で得た知識をアメリカに持ち帰り、リポートにまとめ発表するとともに、それぞれの学校や地域の教育に生かす。

 二十一日、宮古島市役所平良庁舎で歓迎セレモニーが開かれ、研修生のうちスティーブン・スミスさんが「宮古島に行けるのは本当にラッキーだと言われた。宮古島の人たち、子どもたちからいろいろなことを学ぶのを心待ちにしていた。タンディガータンディ」と感謝。伊志嶺亮市長は「心からんみゃーち(ようこそ)と言いたい。思い出に残る研修になることを祈っている」と笑顔で歓迎した。
 研修生らは二十一日、宮古島市立北小学校を訪ね、授業参観などを行ったほか、児童らとの給食時間も楽しんだ。きょう二十二日は同市立平良中学校、二十四日は県立宮古高校を訪問する。二十五日にはホームステイで地元の家庭とも交流する予定。
 日米教育委員会は教育交流計画の企画、管理、実施を通し、日米間の相互理解を増進することを目的とし、アメリカ人教育者が日本で研修するJFMFや、日本人のアメリカへの留学のための「フルブライト奨学金」を運営。JFMFでは毎年約六百人のアメリカ人教育者が日本各地で研修している。宮古への来島は初めて。県内では糸満市や名護市で受け入れたことがある。
◆◆ことば◆◆
 日本フルブライトメモリアル基金 故J・ウィリアム・フルブライト米国上院議員が提唱し、一九四六年にアメリカ議会に承認された「フルブライト教育交流計画」が始まり。同計画では現在までに約五千九百人の日本人がアメリカへ留学。九七年にアメリカの教育者が日本で研修を行う同基金が創設された。
 日米教育委員会 「フルブライト教育交流計画」に関して一九五二年、アメリカが「在日合衆国教育委員会」を日本に設立。七九年に日本政府がその運営基金をアメリカと折半することを決め、日米教育委員会が設立された。
top.gif (811 バイト)

議長「残念」有権者「ショック」/公選法違反市議逮捕
市長「市民を裏切る行為」

 十九日に投開票された県知事選で現職宮古島市議の友利光徳容疑者(56)が公職選挙法違反(詐偽投票)容疑で逮捕されたことを受け二十一日、宮古島市議会の友利恵一議長は「残念の一言に尽きる。模範であるべき議会議員にあってはならないこと」と肩を落とした。有権者も「ショック、残念」と、驚きを隠せない。
 友利議長は今後について、「本人はこの件をどう反省し、どうしようと思っているのか。本人に接見し、気持ちを聞いてみたい」と述べた。
 糸数慶子候補の後援会宮古総支部長である伊志嶺亮宮古島市長は「極めて残念。公正な選挙運動をしてきた市民の皆さんを裏切るような違反者が出たことに、申し訳ない気持ちでいっぱい」とコメント。「県内で悪評されていた宮古の選挙もクリーン選挙が定着してきただけに、今回のことは遺憾。再びこのようなことが起こらないよう今後とも『公正な選挙』の社会環境づくりを進める」とした。
 臨時職員の二十代女性は「市議という立場上、一番気を付けて市民に模範を示さなければならないはず。ショックの一言」と目を伏せた。
 自営業の五十代男性は「市民を代表する人であるだけに、裏切られたような気持ちはある」と非難する一方、「本人はただ一生懸命やっただけなのだろう。そんなに責められない気持ちもある。手段を間違えただけでは」と複雑な心境ものぞかせた。

容疑者を送検/県知事選公選法違反容疑


那覇地検平良支部に向かう捜査車=21日午後3時ごろ、宮古島警察署前

 十九日に投開票された県知事選で、宮古島署は二十一日午後、公職選挙法違反(詐偽投票)の容疑で、宮古島市議会の現職市議、友利光徳容疑者(56)=宮古島市城辺福里=と自営業の男(54)=同=を那覇地方検察庁平良支部に送致した。
 これまでの調べによると、両容疑者は知事選告示後の六日、他人の投票所入場券を使用して投票用紙の交付を受け、同用紙で詐偽投票をした疑い。両容疑者ともに容疑を大筋で認めているという。
top.gif (811 バイト)

伊藤さんに全国表彰/福里さん(磯亭)は優良施設で
食品衛生協会全国大会


食品衛生功労賞を受賞した伊藤さん(右)と、食品優良施設の表彰を受けた福里さん(左)=20日、宮古福祉保健所

 日本食品衛生協会が主催する第五十一回全国大会がこのほど、東京都日本橋浜町の明治座で開催され、食品衛生功労賞に伊藤明美さんが、食品優良施設に福里俊和さんがそれぞれ表彰を受けた。二十日、二人は宮古福祉保健所(上原真理子所長)を訪れて受賞の報告を行い、さらなる食品衛生の構築や施設管理に取り組むことを決意した。
 全国大会で同協会長から表彰される食品衛生功労賞と食品優良施設は、宮古と県で支部長賞と会長賞を受賞していなければ推薦できないという。表彰歴のある伊藤さんと福里さんが同協会宮古支部(立津進支部長)から推薦を受け、今回の受賞となった。
 伊藤さんは伊良部で「和食処ふじよし」を経営する傍ら、食品衛生指導員を十一年務める。「周囲の方々の協力を得て、このような賞を頂くことができた。これからも先輩方の世話になりながら頑張っていきたい」と話した。
 平良字久貝で割烹レストラン「磯亭」を経営する福里さんは「店を始めて二十年。会長賞を受賞でき本当にうれしい。賞に恥じぬようこれからも施設の管理、衛生構築のため頑張りたい」と述べた。上原所長は「食品は毎日口から入るものであり、衛生に関する努力はとても大事。表彰を機会に、一層精進し、他の施設の指導や模範となるよう頑張ってほしい」と期待を寄せた。
 県食品衛生協会の今年度受賞は、▽厚生労働大臣賞食品衛生功労賞=一人▽日本食品衛生協会会長賞食品衛生功労賞=四人▽同食品衛生優良施設=四施設▽同行政担当官への感謝状=二人▽同協会理事長賞食品衛生優良指導員=四人−となっている。宮古支部においては、一九八五年度から述べ十六人、十二施設が表彰を受けた。
top.gif (811 バイト)

一針に愛情込めて/母子手帳入れを手作り
伊良部地域子育て支援セ


参加したお母さんたちは一針一針に愛情込めて縫った=21日、伊良部地域子育て支援センター「おひさま」

 伊良部地域子育て支援センター「おひさま」(金村栄子所長)は二十一日、同センターで育児講座を開いた。今年で五回目となる今回のテーマは「母子手帳入れを手作りしよう」。参加したお母さんたちは、一針一針、わが子を思いながら愛情込めて手帳入れを縫った。
 今回の育児講座は、日々の子育ての様子や成長を記入したり、健診や病院などで赤ちゃんと一緒に持ち歩く母子手帳を大事にすることで、初めて母親になったときの喜びを大切にしてほしいという願いを込めて実施。お母さんたちはアニメキャラクターやかわいらしい図柄の布を使って思い思いに手帳入れを作った。
 金村所長は「いつか子どもたちが大きくなったとき、お母さんはこんな思いであなたを育てたんだよと伝える意味でも、また子育てで悩んだ時期や過去を振り返る意味でも、母子手帳はとても大切なもの。そのときの気持ちを何年後にでも共有できるものとして、手帳入れを作って大切にしたい」と話した。
 同センターは、伊良部地区に住む妊産婦や乳幼児を持つ保護者を対象に利用でき、随時受け付けする。問い合わせは同センター(電話78・4451)まで。
top.gif (811 バイト)

県文化協会記念誌を寄贈/宮古島市文化協会が本社に


友利会長(左)から真栄城社長に記念誌が寄贈された。同席した立津元会長(右)=21日、本社
 宮古島市文化協会の友利吉博会長らが二十一日、宮古毎日新聞社(真栄城宏社長)を訪ね、これまで多額の賛助金を支援した礼として、真栄城社長に県文化協会発刊の「沖縄県文化協会創立十周年記念誌」を寄贈した。併せて友利会長は、県文化協会から宮古島市文化協会が表彰されたことを報告した。
 友利会長は「宮古毎日新聞社は旧平良市文化協会の特別賛助会員。多大な協力があったので活動できた」と感謝の意を表した。同席した旧平良市文化協会の立津精一会長は「各種イベントが成功できたのは、多額の賛助金支援のおかげ」と礼を述べた。
 真栄城社長は「多くの先輩たちが宮古の文化を継承・発展させてきた。微力ながら旧平良市文化協会の手伝いができた。またお手伝いができるよう頑張りたい」と述べた。
 友利会長と真栄城社長らは終始、和やかな雰囲気で歓談した。
top.gif (811 バイト)