200平成18  1121 火曜日

池間中が環境大臣賞/環境美化教育優良校表彰
海浜清掃で県内初の最優秀校に
校長「今後も活動を継続」


環境美化活動の推進で環境大臣賞に当たる最優秀校に選ばれた池間中学校の活動の様子=2005年5月30日、池間島

 社団法人食品容器環境美化協会の第七回環境美化教育優良校表彰で、宮古島市立池間中学校(野原敏之校長)が散乱防止活動部門で最優秀校(環境大臣賞)を受賞。二十日午後、県文化環境部が発表した。この表彰は環境美化の推進に努めている学校を表彰する全国的な事業。池間中学校は県内で初の最優秀校の受賞となった。受賞報告を受け野原校長は「今までの活動が認められ率直にうれしい。今後もこの活動を継続していきたい」と喜びを話した。

 この表彰事業を主催する同協会は一九七三年に設立されて以来、飲料容器の散乱防止を中心とした環境美化に努めている公益法人。事業目的に向けて「環境教育支援」をはじめ「ポイ捨て防止の啓発」などの各種事業を展開している。今回の表彰事業は「新しいまち美化手法=アダプト・プログラムの提案」という事業の一環で実施。散乱防止活動部門とリサイクル活動部門があり、今回は散乱防止に三十七校、リサイクルに三十五校が全国から推薦された。
 審査の結果、散乱防止は池間中を含む四校が最優秀校に選ばれた。リサイクルでも四校が最優秀校。以下、優秀校は両部門とも六校で、優良校は散乱防止が二十七校、リサイクルが二十五校だった。
 県内初で最優秀校(環境大臣賞)に選ばれた池間中は、二〇〇一年度から池間島北海岸(カギンミ浜)の清掃活動に取り組んでいる。〇二年度からは清掃以外に海岸漂着ごみの調査を実施。同調査は平良海上保安署のほか地域のNPO、保護者らとともに行い、そのごみを清掃、分別しながら種類ごとに統計を取るなどして日々の学習にも生かしている。
 さらに同校は「池間中環境保全宣言」を採択しているほか、環境に関するカルタを作り、啓蒙活動に努めている。学校全体で節水・節電活動をはじめとするさまざまな環境保全活動も実施しており、これらの活動が審査委に高く評価されての受賞となった。
 受賞を受け、同校の野原校長は「今回の取り組みの中で、子どもたち自身も変わってきた。自ら地域をきれいにしようという意識が芽生え、それが島の住民へも広がって住民の意識も変化させたと思う。この活動は、学校だけではいけない。地域にも呼び掛けながら続けていきたい。子どもが頑張っていると親も清掃活動に参加する。特に老人クラブの方々からは島がきれいになったと評価をいただいている。この受賞をうれしく思う」と活動の意義と受賞の喜びを話していた。
 最優秀校受賞の表彰式は来月九日、東京都港区で行われる。
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本紙がインタビュー/知事当選の仲井真弘多氏
「伊良部架橋 完成急ぐ」/2年前倒しで国と調整

先島振興が県経済をけん引


宮古地区の振興策について本紙のインタビューに応えた仲井真氏=20日、那覇市久茂地の稲嶺後援会事務所

 【那覇支局】十九日に即日開票された第十回県知事選挙で、初当選した仲井真弘多氏(67)は一夜明けた二十日、宮古毎日新聞社のインタビューに答え宮古、八重山を中心とした離島振興策について見解を示した。仲井真氏は現在建設中の伊良部架橋について「予定よりも早く完成させて次の展開に進めたい。めどとしては二〇一〇年完成を目指し、国とも調整したい」と述べ、予定の二〇一二年度の完成よりも約二年前倒しで取り組むとの方針を示した。そのほか、仲井真氏は先島地区の振興が県経済全体のけん引力となる可能性を示唆し、全力で取り組む姿勢を示した。

 伊良部架橋を含めた下地島空港残地利用について、仲井真氏は「軍事利用だけが話題になるが、下地島空港の潜在的な力は大きい。土地も県有地が多いのでいろいろな意味で取り組みやすい。新しい宮古圏域発展のプランはいくらでも作れる。しかし、宮古本島と橋でつながっていることが条件としても良いことから伊良部架橋建設を早めていく必要がある」との見解を示した。
 先島地域全体の振興については「今回選挙のあいさつ回りで感じたのは宮古地域、八重山地域での取り組みは沖縄経済のけん引力となる可能性があるということ。そういった意味で基本の部分である『橋』『空港』をしっかり整備して県全体のけん引力になり得るプロジェクトを動かしていきたい」と述べた。
 仲井真氏は、ユニバーサルサービス(すべての地域と人に一律に提供されるサービス)を基本とした県政運営に取り組むとした上で「沖縄本島も実際は小さな島であり、島で成り立っている県として人口の大小などで公益的なサービスに差があることはおかしい。県民は同じサービスを受ける権利があり、行政としても工夫して同様のサービスを提供する義務がある」と述べた。
 そのほか、ユニバーサルサービスを基本に宮古、八重山における専門医の確保や先島地区における地上デジタル放送の実現についても積極的に取り組む考えを示した。
◆◆ことば◆◆
 伊良部架橋 平良字久貝と伊良部字池間添をつなぐ県道で、四`の長さは離島架橋としては国内最長となる。全体事業費は約三百二十億円を見込み、二〇一二年度の完成を目指している。
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「地域の安全は地域で守る」/伊良部/「佐良浜子供を守り隊」結成
隊長に前泊繁夫さん選任


岸本署長が隊員らを激励した結成式=20日、伊良部の前里添多目的施設

 地域の安全は地域で守ろうと、宮古島市伊良部の自主防犯ボランティア団体「佐良浜子供を守り隊」が二十日、佐良浜地区の前里添多目的施設で開かれた。宮古島警察署の岸本亮署長をはじめ隊員多数が出席。隊長に前泊繁夫さんが就任した。結成後、パトカーなどによる車両パレードが行われ、犯罪のない安全・安心な地域社会の実現をアピールした。伊良部での結成は初めてで、同署管内では十二番目。


前泊繁夫さん

 守り隊は、佐良浜における、子どもたちの事件、事故を未然に防止し、安心・安全な地域づくりに貢献することが目的。目的に賛同する人は隊員になれる。
 県では犯罪のない安全・安心な地域社会を実現するため、県民ぐるみによる「ちゅらさん運動」を推進している。宮古圏域では、二○○二年は七百九十二件の刑法犯を認知したが、同運動などの取り組みを推進した結果、認知は年々減少し、昨年は六百五十八件と、○二年から百三十四件、約一六%減少した。
 結成式で、岸本署長は「六年後には、伊良部島住民が待ち望んでいる伊良部大橋が完成し、生活の利便性が向上するとともに、事件・事故の増加も予想される」と説明。
 その上で「子どもたちの安全のために、息の長い活動を続けてほしい」と激励した。
 宮古島地区防犯協会の前川尚誼会長も積極的に参加した隊員らを励ました。
 同市役所伊良部総合支所の長浜光雄所長(代読)は「明るい住みやすい社会の実現に向け頑張ろう」とあいさつ。前泊隊長(代読)は「子どもは地域の宝。みんなで声を掛け合い、手を取り合って頑張ろう」と決意を新たにした。
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知事選で替え玉投票/公選法違反で現職市議ら逮捕
県警2課 宮古島署


友利光徳容疑者

 十九日投開票の県知事選で、県警捜査第二課と宮古島署は二十日、宮古島市議会の現職市議、友利光徳容疑者(56)=宮古島市城辺福里=と自営業の男(54)=宮古島市城辺福里=を公職選挙法違反(詐偽投票)の容疑で逮捕した。両容疑者は知事選告示後の六日、他人の投票所入場券を使用して投票用紙の交付を受け、同用紙で詐偽投票をした疑い。両容疑者ともに大筋で容疑を認めているという。
 調べでは、両容疑者は今月六日午後、宮古島市役所第一期日前投票所内で、他人の投票入場券を使って替え玉による期日前投票をしたという。県警捜査第二課の調べなどによると、自営業の男が投票所入場券を直接的に使用し、友利容疑者はこの男の詐偽投票の様子を見ていたという。
 この容疑を固めるため県警二課と宮古島署は二十日、同署内で任意の取り調べを行い、両容疑者とも容疑を大筋で認めたため、同日午後六時二十分、公職選挙法違反(詐偽投票)の容疑で通常逮捕した。
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友利さん、区間賞獲得/九州マスターズ駅伝
県代表の一員で 2年連続


友利ヨシ子さん

 第十七回九州各県対抗マスターズ駅伝競走大会(主催・九州マスターズ陸上競技連盟など)が十九日、大分県日田市で開催され、沖縄県チームの一員として参加した友利ヨシ子さん(51)=上野=が、七区(二`)で区間賞を獲得した。沖縄県は十一チーム中四位の好成績を残した。友利さんは「一分、一秒でも速く走ってたすきをつなごうと思った。調子はよくなかったが、何とか区間賞をもらえた」と喜びを語った。
 同大会は八区間三十`で、男女年齢別に各区間の距離が設定されている。友利さんが出場したのは女子五十歳以上の七区。友利さんは昨年に続いて、二年連続出場で二年連続の区間賞となった。
 友利さんは「今回はひざを痛めたために、二週間しか調整の時間がなかったが、何とか走れた。一区で三位、二区で二位と来たので、とても緊張した」と振り返った。
 沖縄県は、1時間48分17秒で四位。三位の長崎県Aとは1分57秒差。チームメートで男子五十歳以上の四区(四`)を走った城間哲夫さん=沖縄市=は、「来年はレベルアップして表彰台も狙える」と声を弾ませていた。
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21世紀枠′補に/宮高/春のセンバツ高校野球

 来年三月二十三日から、兵庫県の甲子園球場で開催される第七十九回選抜高等学校野球大会(通称・春のセンバツ)の「二十一世紀枠」の候補校に県立宮古高校が選ばれた。このほど、県高校野球連盟が推薦し、日本高校野球連盟が発表した。
 宮古高校野球部の川満亨監督は「子どもたちに、やればできるという意識が生まれている。最終的に選ばれる確率は少ないと思うが、非常にうれしい」と喜んだ。宮高は九−十月に行われた県秋季高校野球でベスト4に進出する健闘。準決勝で八重山商工に敗れ、惜しくも九州大会出場は逃した。
 二十一世紀枠は各都道府県の高野連が一校ずつを推薦し、そのうちの二校が出場権を得る。二〇〇一年から、「困難の克服」や「模範的マナー」などを指針に新設された。県勢では同年に宜野座が選ばれ、ベスト4に進む活躍で沸かせた。
 春のセンバツには一般選考の二十八校と二十一世紀枠二校、希望枠一校、明治神宮大会枠一校の計三十二校が出場できる。北海道から九州まで八ブロックの地区大会や県大会などの成績を加味し、日本高野連が決定する。
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