200平成18  1118 土曜日

東平安名崎/国の「名勝」に指定
文化審議会が決定/観賞・学術上の価値評価
県内で8件、宮古で2件目


国の名勝に指定された東平安名崎

 【那覇支局】宮古を代表する観光地であり、景勝地でもある「東平安名崎」が国の名勝に指定された。今回の指定は十七日に行われた国の文化審議会(阿刀田高会長)で決定した。宮古地区の国指定名勝については今年の七月に「下地島の通り池」が名勝、天然記念物に重複指定されており、今回の指定で二カ所目となった。今回指定された「東平安名崎」は宮古島の風土的特色を代表する景勝地として観賞上、学術上の価値が評価された。県内における国の名勝指定は今回で八件目となる。

 これまで「東平安名崎」は、▽週刊読売主催の日本観光地百選読者コンクール日本百景(一九八〇年)▽日本公園緑地協会公募の「日本の都市公園百選」(九五年)−などにも選ばれている。
 「東平安名崎」は、宮古島の東端に細長く突き出た全長約二`、幅百二十−二百五十bの岬で、琉球石灰岩のカルスト地形に固有の海岸性植物群落が展開する独自の自然環境とともに、島に特有の伝承を持つ美しい景観地。
 周辺を琉球石灰岩の海食がけに囲まれ、標高約二十bの平たん面は全体として海側に向かってせり出しているが、海食がけの随所には凹地形が形成されている。
 海岸近くに発達したサンゴ礁の上面には、琉球石灰岩の岩魂が散在するほか、東方海域の離礁上には「パナリ」と呼ばれている巨大な岩魂が点在する。
 通年の強風により、高木は育たず亜熱帯地方の風衝地に特有の植物群落が見られる。とりわけ、テンノウメ群落の分布面積は他に類例を見ないほど大規模である。また、宮古島における按司と美しい娘との恋にまつわる悲しい伝承(マムヤ伝説)を生み、彼女を祭ったといわれる岩陰墓なども残っている。
 宮古地区では、「下地島の通り池」が今年七月国の名勝、天然記念物に指定された。宮古では国の名勝、天然記念物ともこのときが初めての指定で、今回の「東平安名崎」で二例目。
 今回の指定の概要は、名称が「東平安名崎」、所在地は宮古島市城辺字保良平安名一二二一の二、ほか六筆、指定面積は三十万五百四十・九〇平方b。所有者は宮古島市。
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「名勝」指定 HPでPRへ/東平安名崎
植生・岩礁「自然博物館的」/観光誘客にも大きな弾み


記者会見する(左から)久貝教育長、伊志嶺市長、安谷屋委員=17日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市城辺の東平安名崎が国の史跡名勝天然記念物に指定されたのを受け、伊志嶺亮市長は十七日、市役所平良庁舎で記者会見を行い、「東平安名崎は国指定によって価値が上がった。市民や観光客らに愛される史跡になってほしい」と述べた。市では今後、動植物学・地形地質学、観賞上の価値に加え学術上価値の高い東平安名崎とその周辺海域に点在する岩塊(転石ノッチ)、沖合のパナリ岩礁を含めた全体をホームページに掲載し、国内外へPRする。国指定により、観光誘客に一弾と弾みがついた。

 会見で、伊志嶺市長は、東平安名崎の地形や動植物、按司と絶世の美女との悲恋の民間伝承などを説明。その上で「これから自然の保全・活用について、しっかりと考えていきたい」と述べた。
 同市の久貝勝盛教育長は、動植物学の立場から述べた。「東平安名崎には、宮古の希少種の植物がたくさん見られる。県の天然記念物に指定されているテンノウメ(バラ科)もその一つ。小さな地形だが、自然博物館的な要素がある」と高く評価した。
 海鳥の飛来地であるパナリ岩礁について、久貝教育長は「マミジロアジサシ(カモメ科)の繁殖地で、日本の北限地だ」と強調した。
 同市文化財保護審議会の安谷屋昭委員は、地形地質学の立場から見解を示した。「宮古島が隆起し始めたのは、今からおよそ二十万年と推定される。その後、氷河性海水変動や地殻変動、地震などで地形が出来上がった」などと説明。
 その上で「東平安名崎の北側海域で見られる転石ノッチは、明和の津波(一七七一年)によって打ち上げられたものもあるが、二千年前の大津波による転石ノッチもあるのでは」と推測し「東平安名崎は、宮古島の成り立ちを考える上で貴重な場所。優れた景観に、見る人は感動を覚えるものと思う」と語った。
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特産品を一堂に/きょうから産業まつり
ドイツ文化村


産業まつり会場のうえのドイツ文化村=17日、上野地区

 「つながろう、みんなで。生み出そう、新たな島おこし!」をテーマにした第二十九回宮古の産業まつりがきょう十八日、うえのドイツ文化村で開幕する。十九日まで。
 まつりでは▽県産品展示即売会▽サトウキビに関する生産加工品および奨励品種展▽研究開発・技術開発事業展▽宮古の織物展▽宮古の織物ファッションショー▽Tシャツデザインコンテスト▽みゃーくの味郷土料理フェア▽ロボット展−のほか、バンド演奏、ダンスパフォーマンス、民謡ショー、伝統芸能など多彩な催しが準備されている。
 産業まつりは、宮古圏域の景気の維持・拡大を図るため、新しい産業創出への研究開発・技術開発展や地域特性を生かした新たな産業に取り組む企業などを紹介するとともに、伝統工芸や地場産業の育成・振興を目指し、宮古圏域の新たな魅力を創出することが狙い。
 まつり開催時間は二日間とも午前十時−午後五時まで。
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消費税/期限内納付を宣言/「税を考えるつどい」
税作文入賞の中高生表彰も


納税に関する社会貢献が顕著な人と中高生の税についての作文の入賞者らが表彰された=17日、ホテルアトールエメラルド宮古島

 「税を考えるつどい」(主催・平良税務署、消費税期限内納付推進運動協力会)が十七日、宮古島市内のホテルで開かれた。関係団体の代表者らが出席。消費税の期限内納付の実行を宣言するとともに、課税に関する認識を新たにした。納税に関する社会貢献が顕著として、沖縄宮古法人会の下地栄一さんらが表彰されたほか、税に関する作文で入賞した中高生らの表彰も行われた。
 同式典は十一月十一−十七日までの「税を考える週間」の一環として毎年開催されている。一般消費者からの預かり金的な性格を有する消費税の滞納が社会的な問題として注目されているとして、期限内納付の実行を宣誓し、広く呼び掛けることが目的。
 式典は三部構成で行われ、第一部は平良税務署の小山富万署長が「税務行政を取り巻く環境の変化と国税庁の対応について」を演目に講話。
 第二部は二〇〇六年度消費税期限内納付推進大会が開かれた。その中で宮古青色申告会の下地信輔会長が「私たちは消費税の期限内納付、納税準備預金の備蓄、便利な口座振替の普及活動を積極的に行う」と大会宣言を述べ、増加傾向にある税の滞納に歯止めを促した。また、沖縄宮古法人会の座喜味弘二会長から消費税期限内納付推進運動協力会の加盟団体へ消費税の期限内完納を促すステッカーを配布。各団体への周知を促した。
 第三部では納税においての功績が顕著な人たちに表彰状と感謝状が贈られた。税に関する作文では市内の中高生六人が表彰を受けた。
 被表彰者は次の通り。(敬称略)
 【納税表彰】▽下地栄一(沖縄宮古法人会)▽天久孝輝(宮古青色申告納税貯蓄組合)▽平良滋之(同)
 【納税貯蓄組合法施行五十五周年記念税務署長感謝状】▽渡久山和子(宮古青色申告納税貯蓄組合)
 【税務功労等(e−Tax)署長感謝状】▽下地博(沖縄宮古法人会)
 【税に関する高校生の作文】▽沖縄国税事務所長賞=友利いつき(宮高三年)「税の大切さ」▽平良税務署長賞=平良舞(同一年)「税の重み」、松岡愛美(同)「税について」
 【中学生の税についての作文】▽平良税務署長賞=佐和田絢香(砂川三年)「税の大切さ」▽県納税貯蓄組合連合会優秀賞=与那覇詩子(西辺一年)「税について考えること」▽宮古青色申告納税貯蓄組合長賞=前泊春菜(同三年)「豊かな国を守ろう」
 【租税教育推進校感謝状】▽宮島小学校
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萬古山御嶽を再建/下崎地区
砂山開発予定会社が改修


再建された萬古山御嶽の御宮

 下崎地区にある萬古山(ばんくやま)御嶽(ウタキ)の再建落成式が十七日、同御嶽で行われた。不動産関連会社ゼファー(本社・東京都、飯岡隆夫社長)が今年八月から改修工事を行った。同社や地元関係者らが集い再建を盛大に祝った。同御嶽再建期成会の与那覇重夫会長は「心に言い尽くせない喜び。立派な御宮が建立されてうれしい」と完成を喜んだ。
 同御嶽は砂山ビーチの近くにあり一九三〇(昭和五)年に与那覇メガさんが開創。五穀豊穣や子孫繁栄の祈願所として知られているが、台風などの被害で老朽化が進んでいた。
 同社は砂山周辺でリゾート開発を計画している宮古島砂山リゾートの事業スポンサーで、開発を行う前に御嶽周辺を整備することを決定。改修では御宮や控室などが整備された。
 飯岡社長は「以前の御嶽を見たときに一日も早く再建したい思いに駆られた。宮古島市で事業をさせていただくがまず最初にやるべきことだと感じた。今後は砂山リゾート開発を成し遂げたい」とあいさつした。
 落成式では「トーガニアヤグ」「砂山音頭」などの踊りが次々に披露され、御嶽の再建を共に喜んだ。再建を記念して石碑の除幕式も行われた。
 飯岡社長らは落成式前に伊志嶺亮市長を表敬訪問し、御嶽再建などを報告。伊志嶺市長は「対応が早いので驚いた。砂山だけでなく宮古島のスポーツ・文化の振興に協力していただきたい」と感謝した。
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朝食レシピに挑戦/PTA連合会
手軽においしく栄養満点


試食で審査する参加者ら=15日、ゆいみなぁ
 宮古地区PTA連合会(奈良俊一郎会長)主催の「我が家の簡単朝食レシピ」審査会が十五日夜、ゆいみなぁ(宮古島市働く女性の家)で開かれた。母親らが、愛情いっぱいの料理に腕を振るった。宮古で開かれたのは今回が初めて。
 試食の結果、手軽に、おいしく、栄養満点の朝食レシピ五点が選ばれた。来年一月二十日に開かれる県PTA研究大会特別分科会2で展示される。朝食レシピについては、甲乙の評価はしない。
 この日は宮古島市立小・中学校の七校から母親らが参加し、朝食レシピ十四点を作った。
 結果は次の通り。(敬称略)
 ▽奥平千秋(平一小)=豆乳スープ▽根間一美(北中)=もりもりトースト▽勝連真由美(上野小)=巻き巻きなべぱんびんと卵スープ▽小笠原恵子(来間小中)=サッとしっかりスープご飯▽屋宜征子(久松小)=お好みにのっけてクレープ
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