200平成18  1117 金曜日

クイチャーフェス実行委が島おこし奨励賞/本社主催
伝統文化の発展に貢献/来月の離島フェアで表彰


年々盛り上がりを見せるクイチャーフェスティバル。地域の伝統文化の発展や観光イベントとして「島おこし奨励賞」の受賞が決まった。(写真は11月5日に行われた第5回クイチャーフェスティバルのフィナーレ)

 離島フェア2006「島おこし奨励賞」の団体の部にクイチャーフェスティバル実行委員会(下地暁委員長)が選ばれた。伝統文化の発展や観光イベントとして貢献していることが認められた。同フェスティバルは、実行委員会と宮古毎日新聞社が共催で開催。今年で五回目を迎えた。表彰式は同フェア開幕の十二月一日に、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで行われる。

 クイチャーフェスティバルは「温故知新」「大切なものは身近な所にある」をコンセプトに、二〇〇二年から開催。本社は第二回の〇三年から実行委員会とともに主催者となった。
 今年のクイチャーフェスティバルは十一月五日に、宮古島市平良のカママ嶺公園多目的広場で開催され、伝統・創作クイチャーの各部門に合わせて過去最高の二十七団体約千四百人が出演した。各地域で受け継がれてきたクイチャーを踊り、会場を埋め尽くした約五千人の観衆とともに宮古島の伝統文化の継承を改めて確認した。
 離島フェア開催実行委員会(仲村三雄委員長)は選考理由として「祖先から受け継がれた伝統芸能のクイチャーの継承が愛好会から保存会へと目に見える形で先輩から後輩へと受け継がれ、地域発展に大きく寄与している」と評価。年々参加団体も増え、地域文化の発展や観光イベントとしても地域おこしに貢献しているとしている。
 フェスティバル実行委員長の下地暁さんは「宮古島イコールクイチャーということが認知されたのがうれしい。これまで参加してくれた団体や側面から支えてくれたボランティア、また会場に足を運んで盛り上げてくれた市民や観光客など、すべての人たちと一緒に頂ける賞だと思う」と話した。
 大会長を務めた伊志嶺亮市長は「クイチャーフェスは地元や観光客も共に楽しめる素晴らしいイベント。今回の受賞は島に勇気を与える。次回のクイチャー大会につなげていきたい」と喜んでいる。
 表彰式にはクイチャーフェス実行委員会のほか、市長賞に耀いた「新羅」(前里昌吾代表)も参加し、創作クイチャーを披露する予定。
 過去の島おこし奨励賞受賞者は次の通り。
 【個人】▽佐渡山正光さん(みやこ焼陶工)▽川満信子さん(袋物技術指導者)▽上地安規さん(菓子製造業)▽平良栄康さん(食肉製品製造業)▽平良正吉さん(海産物加工販売)▽平良清子さん(宮古上布製織・染色講師)▽久高照子さん(特産品による地域活性)▽與儀栄功さん(手作り三線)
 【団体】▽宮古島物産振興会▽伊良部町商工会青年部▽手づくりでいご館▽宮古農林高校環境工学科環境班▽宮古サッカー協会
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宮古からアニマトーレ≠/目指せワクワクの達人
多田さんが子育て講演会


ユーモアたっぷりに講演した多田さん

 芸術教育研究所長でおもちゃ美術館館長の多田千尋さんを招いての子育て講演会(主催・同講演会実行委員会)が十五日夜、宮古島市中央公民館で開かれた。多田さんは子どもとお年寄りはユーモアの達人だと話し、「アニマトーレ(ドキドキワクワクをプレゼントする達人)が宮古に一人でも多く生まれることを期待したい」と呼び掛けた。

 「こころを育む子育て支援−遊びをとおして学ぶ三世代交流−」と題して行われた講演会で多田さんは、子どもとお年寄りは▽繰り返して物事を楽しめる天才▽ユーモアの天才−などと共通点を挙げながら、天才同士が共に感動し合える環境づくりが必要だと指摘した。

保育士や父母らが大勢詰め掛け多田さんの講演に聞き入った=15日、宮古島市中央公民館

 「子どもたちは、絶妙のタイミングで大人たちを笑わすことができる」と言い、それを「宝石の言葉」だと表現。「天皇陛下はなぜ偉いの?」「なぜオリンピックは四年に一回ですか?」など、大人がハッとするような質問を投げ掛ける子どもたちも紹介し、「聞きたがり屋の天才でもある」と説明した。
 百二十歳まで生きた泉重千代さんが好みの女性を聞かれた時「年上の女性」と話したことや、きんさんぎんさんが「テレビ出演などでもうけたお金は老後の蓄えにする」などと周囲の人を元気にさせるユーモアぶりも紹介し、会場を笑いの渦に包み込んだ。
 多田さんは祖父母と孫の関係を表現する沖縄方言「ファーカンダ」を例に挙げ、「昔は、親子のきずなと同じくらい祖父母と孫の関係は強かったのでは」と持論を展開。「保育園と老人ホームがそれぞれ専用施設にならないように、日常的な交流の場をつくることが必要だ」と話した。
 「お年寄りたちは赤ちゃんを見ると笑顔と会話が増える。泣き声を聞くとベッドから起き上がろうとする。何かしてあげたくなるという感情がわく」と話し、お年寄りたちの機能回復には「赤ちゃん力」が何らかの役割を果たしていることを紹介し、「赤ちゃんを連れて老人ホームへ行く母親はそれだけで最高のボランティアをしている」と語り掛けた。
 出席した保育士たちに「絵本や沖縄のわらべ歌などを死にものぐるいで学んでほしい。そうしないと遊びの達人である子どもたちに申し訳ない」「家庭への連絡帳に、その日の子どもたちの様子をエッセーのように書いてくれる保育士がいる。それは一つの精力剤のようだ。保育士は執筆力も求められる」と呼び掛けた。
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川田建設、平良土建に県知事賞/06年度県建設雇用改善推進大会
優良若年従事者に山里さん(共和産業)


県知事表彰を受けた川田建設の川田社長(左)と平良土建の豊見山社長=16日、パシフィックホテル沖縄

 【那覇支局】「よりよい現場(しょくば)で働きたい!」をスローガンに「二〇〇六年度県建設雇用改善推進大会」(主催・県、沖縄労働局など)が十六日、那覇市内のホテルで行われ、表彰式では県知事賞に宮古から川田建設(川田和彦代表取締役社長)と平良土建(豊見山景順代表取締役社長)の二社が選ばれ表彰された。また、優良若年建設従事者として共和産業の山里洋樹さんが表彰を受けた。

優良若年建設従事者表彰を受けた共和産業の山里洋樹さん=16日、パシフィックホテル沖縄

 県知事賞の賞状を牧野浩隆副知事から受け取った川田社長は、「素晴らしい賞を受けてありがたい。これからも宮古島の地域発展とより良い雇用環境のために頑張りたい」と述べた。
 また、豊見山社長も、「受賞をうれしく思う。大変良い賞をもらったので、これからも雇用環境の充実に力を入れて取り組みたい」と意欲を示した。
 そのほか、優良若年建設従事者に選ばれた山里さんも、「受賞できてうれしい。これからも頑張っていきたい」と感想を述べた。
 大会では、稲嶺恵一知事に代わり牧野副知事が、「県内の社会資本整備が充実したのも建設業界のおかげ。これからも快適な職場環境づくりや雇用環境の充実に向けて頑張ってほしい」とあいさつした。 
 会場では、柳澤伯夫厚生労働大臣からのメッセージも披露されたほか、参加者たちは建設労働者の雇用改善や労働福祉のさらなる向上に向け決意を新たにした。
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滞納額は1500万円/農業用水農家賦課金
土地改良区 給水停止措置も実施

 宮古土地改良区(仲間克理事長)の二〇〇六年度第三回理事会が行われ、〇六年度一般会計補正予算案など計七議案を審議、全会一致で承認した。この中で、農業用水の農家賦課金滞納金額が、昨年度までに累積で約千五百万円に上っており、このうち連続滞納者二百四十七人(未徴収額約六百万円)に対し、給水停止措置を実施していることが報告された。
 給水停止措置を実施したのは今回が初めて。対象者は、農業用水の受給時から〇四年度までに一度も賦課金を払っていない連続滞納者。土地改良区では、十月中旬から給水栓を閉める措置を開始しており、対象筆数千二百十八筆のうち、十一月九日現在で三百三十二筆を停止している。
 このうち、滞納が改善され、停止を解除した筆数は百二十筆。これまでに約九十万円を回収した。
 宮古土地改良区の座喜味一幸事務局長は「滞納者について、これまでわれわれが指導的な立場で厳しく措置してこなかったのも滞納金増大の要因の一つ。今後も、しっかりとした農家との関係を築きたい」と話した。
 今年度九月末までの中間決算は、収入総額が六千八百二十九万三千五十九円、支出総額が四千八百三万一千六百四十円で、差引残高二千二十六万一千四百十九円。
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サトウキビ 生産振興へ情報共有/06年度宮古地区協議会
新価格制度で意見交換


サトウキビの生産振興について意見交換した宮古地区協議会=16日、平良地方合同庁舎

 宮古地区におけるサトウキビの生産振興に向けて、情報を共有するための二〇〇六年度宮古地区協議会が十六日、平良地方合同庁舎で開催された。国、県、市の行政機関をはじめ、一般の農家らが参加し、サトウキビの生産振興に向けた提言や〇七年産から適用されるキビ新価格制度への取り組みなどについて活発な意見を交わした。
 会議は午後一時三十分から開かれた。沖縄総合事務局農林水産部の備瀬和夫総務調整官があいさつし「サトウキビの価格制度は大きな変革を迎えるが、きょうはこれまでの取り組みの状況をそれぞれの立場から話していただき、情報を共有したい。そしてその情報を今後の取り組みに生かしていただきたい」などと話し、積極的な意見交換を求めた。
 この後、サトウキビ生産振興の取り組みについて関係機関の代表が報告した。
 市経済部農政課はキビ新価格制度に対応するため、旧市町村単位で生産組合を立ち上げ、生産農家の加入手続きを準備していると強調。振興策についてはハーベスターなど農業機械の導入、地力増進を図るための緑肥作物の栽培、アオドウガネ防除用の誘殺灯の設置などを挙げた。
 宮古製糖は、農家の高齢化に伴う後継者不足を挙げ、遊休地が増えることを懸念。
 その上で集約営農が重要な課題であることを報告した。沖縄製糖は防風垣の植栽普及活動や土作り対策、優良種苗の生産確保、サトウキビの栽培講習会の実施など独自の生産振興策を挙げていた。
 生産者代表としては農業生産法人アグリパートナー来間やサトウキビ専業農家らが現状を報告するなどして、関係機関との情報共有に努めた。
 最後は意見交換が行われ、参加者それぞれが意見を交わし、サトウキビの生産振興に向けて決意を新たにした。
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合唱や演奏で交流/西辺中・たまうつ音楽祭
地域住民やゲストも出演


全校生徒による「マイバラード」でオープニングを飾った=16日、西原公民館
 宮古島市立西辺中学校(平良勝也校長)の第五回たまうつ音楽祭が十六日、西原公民館で開催された。生徒たちによる合唱や楽器演奏を披露。子どもからお年寄りまで地域住民らも多数出演し、音楽を通して学校と地域の交流を深めた。
 開会を前に、生徒会長の与那原寿志君(三年)が「この日のために昼休みも合同練習に取り組んできました。きょうは地域の方々と楽しい時間を過ごせれば」とあいさつし、ゲスト出演者たちに感謝の言葉を贈った。
 幕開けは、全校生徒による「マイバラード」。生徒四十九人のハーモニーで来場者を盛り上げた。
 第一部は、地域の人々による発表が行われた。ひよどり保育園の園児たちが「風よふけふけ」など二曲を手話を交えながら合唱したほか、地域グループによる大正琴も披露された。
 第二部では同校生徒がリコーダーやピアノなどの楽器を演奏。また、三年生は体をたたいて音楽をつくり出すボディーパーカッションに挑戦し、会場を沸かせた。
 第三部では生徒たちによる合唱のほか、宮古高校吹奏楽部による金管アンサンブルとバイオリニスト天野誠さんのバイオリン演奏も披露され、幅広い内容で音楽の世界を演出した。
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