200平成18  1116 木曜日

下地さん名誉生活指導士に/県青年農業士など認定式
砂川さん(指導農業士)、奥原さん(女性漁業士)を認定


(左から)指導農業士の砂川さん、名誉生活指導士の下地さん、女性漁業士の奥原さん=15日、那覇市の八汐荘

 【那覇支局】二〇〇六年度県青年農業士・指導農業士・女性農林漁業士認定式が十五日、那覇市の八汐荘で開催され、四十三年にわたって生活指導士として活動した功績で下地初枝さん(68)=宮古島城辺=が、名誉生活指導士として感謝状を贈られた。宮古地区からは、施設野菜を手掛ける砂川寛裕さん(52)=同平良=が指導農業士に、カツオ漁業の奥原初枝さん(56)=同伊良部=が女性漁業士に、それぞれ認定された。
 下地さんは、旧城辺町で、泉生活改善グループを一九五八年に結成したのを皮切りに、城辺町農漁村生活研究会や宮古地区農漁村生活研究会長などを務めた。また共同販売施設「ふるさとショップぐすくべ」の代表として、リーダー的役割を果たしてきた。下地さんは「活動が認められ、感無量。これからも体の続く限り、精いっぱい頑張りたい」と喜びを語った。
 砂川さんは平良西原で、ゴーヤーやキュウリ、ナスなどの施設園芸に取り組み、地域の小・中・高校生の農業体験学習の受け入れなども積極的に行っている。「土の上で後継者と語り合いながら、使命感を持ってやっていきたい」と決意を新たにした。
 奥原さんは漁業とカツオ加工業を営みながら、「大漁生活改善グループ」の会長などを務め、「海の学校伊良部分校」との連携で体験学習などの活動にも携わっている。「認定を頂いたからには、これまで以上に一生懸命頑張りたい」と話した。
 指導農業士や女性農林漁業士などは、農林水産業の分野で地域のリーダーとして地域発展に向けた活動を推進するのが主な役割。宮古地区は二〇〇五年度までに、▽指導農業士四十八人▽生活指導士十一人▽女性農林漁業士五人▽青年農業士二十五人−が認定されている。
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児童虐待防止推進月間/管内でも内容深刻化
経済的理由でネグレクトも

 全国的に児童虐待の相談件数が増加傾向にあり相談内容が複雑になる中、宮古島管内でも虐待に関する相談内容が深刻化していることが分かった。相談に当たる宮古島市児童家庭課と宮古島警察署では相談内容に注意を払い、住民らに対し「子どもの幸せのために、少しの疑いでもぜひ気軽に情報を提供してほしい。児童虐待の早期発見に協力を」と呼び掛けている。

 児童虐待の相談件数は近年、増加傾向にある。〇五年度の県内における相談件数は四百五十一件となり、〇四年度三百五十八件に比べ九十三件の増加となっている。それに伴い、相談する内容が深刻化。これまで最も多かった身体的虐待に加え、保護者の経済的不安定によるネグレクト(育児放棄)が最近のケースとして多く見られるという。
 宮古島市の児童家庭課のまとめによると、昨年度の相談件数は延べ百五十六件。今年は六十一件(十月末現在)と昨年よりも若干件数として少ないものの、相談内容が複雑になり深刻化しているという。また、子どもの保護が必要となったケースは昨年、今年とも一件ずつとなり、両事案とも児童養護施設への入所措置となった。
 同課では「もしやという小さな疑いでもすぐに相談、通報してほしい。児童虐待は、長期にわたって子どもの心身に深刻な影響を与えるものであり、早期発見が何よりも重要。通報者のプライバシーも完全に守られる」と協力を呼び掛けた。
 宮古島警察署の比嘉文雄副署長は「家族間だけの問題としてとらえず、地域で子どもを守り育てていこう。そのために虐待は防がなければならない。地域の子どもを地域で守っていくのが大人の責務」と話した。
 問い合わせは宮古島市役所家庭児童相談室(電話77・4913)、宮古島警察署(電話72・0110)まで。
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福祉施設に大型助成/琉球銀行と丸紅基金


琉球銀行宮古支店の伊芸支店長(右)が前泊代表に助成金を贈呈した=15日「いけま福祉支援センター」


琉銀宮古支店の伊芸支店長(右から3人目)が長嶋代表理事らに認定状と助成金を贈った=15日、特定非営利活動法人「萌え」


丸紅九州支社長・那覇支店長の太田さん(右)が前泊代表理事に助成金を贈呈した=15日、「いけま福祉支援センター」

 琉球銀行(大城勇夫頭取)は社会福祉活動を高く評価し十五日、宮古島市池間島の「NPO(特定非営利活動)法人いけま福祉支援センター」(前泊博美代表)に認定状と助成金五十万円、同市平良字西里のNPO法人「萌え」(長嶋敏子代表理事)に認定状と助成金三十万円を贈呈した。二団体とも今後の活動展開に弾みがついたとして喜びに沸き返っていた。
 また同日、社会福祉法人丸紅基金(理事長・勝俣宣夫丸紅社長)は、同センターに送迎・移動用ワゴン車一台の購入費として助成金二百万円を贈った。お年寄りらは踊りを披露し感謝した。
 同センターの贈呈式で、同行宮古支店の伊芸弘光支店長は「六年間、池間島でこつこつと活動していることは素晴らしい。今後とも池間の皆さんに喜ばれる活動に頑張ってください」と激励した。
 前泊代表は「お年寄りの会員は六十人。お年寄りたちが『もっと生きたい』と思えるように頑張りたい。助成金を頂き、とてもうれしい」と礼を述べた。同センターは、小規模多機能型居宅介護事業所「きゅーぬふから舎」を運営する。
 「萌え」の贈呈式で、伊芸支店長は「福祉発展のために、有効活用してください」と述べた。長嶋代表理事は「今後とも利用者増をアピールしたい。心身ともに元気になれる住宅も兼ねている」と感謝の意を表した。「萌え」は、小規模多機能型居宅介護事業所「ともの家」を運営している。
 同行は、県内の地域社会の福祉増進に寄与することを目的に、一九九八年に公益信託「源河朝明記念那覇市社会福祉基金」を設立。同基金は、県外在住で宮古島出身の源河朝明氏が、故郷沖縄の福祉活動に役立てるため私財を那覇市へ寄贈し、その売却代金を原資に設立したもの。信託代理店である同行が運営に携わっている。 
 福祉団体への助成金交付は今回で九回目。今回は十三団体に計四百九十万円の助成金を贈呈。今回の助成金を含むと累計で八十九法人・団体、計四千四百七万円を助成した。
 一方、丸紅の贈呈式で、九州支社長・那覇支店長の太田俊一さんは「お年寄りたちの送迎用に使用し、今後とも地域の福祉発展に頑張ってください」と励ました。
 前泊代表は「今でもお年寄りの送迎には、仲間の自家用車を使っている。送迎用ワゴン車の贈呈は、とてもうれしい」と笑顔で礼を語った。
 丸紅基金は、国の社会福祉に関する民間助成団体として、一九七四年に丸紅の出損金二十億円により設立。七五年から全国の福祉施設が必要とする車両や設備などのほか、各種団体が行う・調査・研究活動などの資金援助として、毎年一億円の助成を継続。宮古ではこれまで旧平良市、旧伊良部町、多良間村の福祉団体に助成しており、今回の助成で四回目。
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EM農法でゴーヤー/宮古初認定の与那覇さん
特別栽培農産物の栽培開始


県特別栽培農産物の認定を受けた与那覇代表(左)と新垣さん=15日、平良地区の腰原

 環境保全型農業の推進を目的にした「県特別栽培農産物」にこのほど、平良地区の腰原にある農業生産法人宮古島プラス(与那覇晃規代表取締役)が認定された。与那覇代表が栽培責任者、EM普及店元氣はうすの新垣圭子さんが確認責任者として、二人三脚で栽培期間に化学合成農薬を使用しない完全EM農法でゴーヤーを栽培する。同ほ場で十五日、栽培が開始され与那覇代表は「安心・安全なゴーヤーを作る。多くの人に食べて喜んでもらいたい」と述べた。同認定は県内で四番目、宮古では初めて。
 特別栽培農産物は、化学合成農薬を減らして栽培するなど特色ある生産方法で生産された農産物。
 品質と信頼性を確保することにより県産農産物の生産振興および流通の円滑化を図ることなどを目的に、県は今年四月から国の施策を受け独自の「県特別栽培農産物認証要綱」を施行している。
 与那覇代表は今年約五九eのハウスを建設。「自分の子どもに安心・安全な食べ物を作りたい」と登録を決め、七日に県知事から生産登録書が交付されたという。
 EM有機肥料を使用し、定植後は農薬をまったく使わない完全EM農法で栽培する。新垣さんが栽培コンサルタントとして生産計画通りに栽培しているか指導する。
 新垣さんは「このような農業が増えれば宮古ブランドも確立される。安全に対する信頼も増す」と期待した。栽培されたゴーヤーは十二月に県の出荷認証を経て出荷される予定。出荷量は三十二d以上を目標にしている。島内を中心に流通させ、今後は島外への出荷を目指している。
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飼育、加工方法など実習へ/たらまピンダ℃幕ニで研修会
村の生産組合員らが参加


ヤギの飼育方法などを学ぶ研修会が沖縄本島で始まった=15日、南風原町の土地改良会館

 【那覇支局】多良間村がヤギを使って地域活性化を目指す「たらまピンダ島興し事業」の山羊試作品現地研修会が十五日から始まり、その開講校式が同日、南風原町の土地改良会館で行われた。地元から、多良間村山羊生産組合の諸見里朝仁会長をはじめ組合員が参加。
 組合員らは二十二日まで、中城村でヤギを生産するはごろも牧場で飼育、搾乳、ヤギ乳を使ったチーズやヨーグルトなどの加工方法について実習を受ける。
 冒頭あいさつした「たらまピンダ島興し事業検討委員会」の多良間朝時委員長は「多良間の皆さんが主体的に、自信を持って取り組んでいくことが大事。この研修会で視野を広げ、学んだことを持ち帰り、多良間でその効果を発揮し頑張ってほしい」と期待を込めた。
 開講式では、水土里ネットおきなわ(県土地改良事業団体連合会)の来間玄次事業部長が事業概要と研修会の概要を説明した後、琉球大学農学部の砂川勝徳教授、沖縄山羊文化振興会の平川宗隆会長らがヤギの飼育やヤギによる製品について講話した。
 十二月八日には、宮古島市で、料理研究家の岸朝子さんらが参加しての「たらまピンダシンポジウム」が、ホテル共和で午後一時三十分から開催される予定となっている。
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五穀豊穣を祈願/伊良部で「ユークイ」


笑顔でクイチャーを奉納する女性たち=15日、伊良部の仲間根と呼ばれる聖地
 伝統の祭祀「ユークイ(富をこう)」が十五日、宮古島市伊良部で執り行われた。旧年中の豊作・大漁などに感謝するとともに、向こう一年間の五穀豊穣を祈願した。各聖地では全員が歓喜のクイチャーを奉納。全地域で神歌の「ヨーンティル(富よ、満ちてください)」を唱和する声が響き、祈りと喜び一色に包まれていた。
 「ユークイ」は、北区(前里添、池間添)と南区(伊良部、仲地、国仲、長浜、佐和田)で行われた。
 北区では、二つの集落の女性たちがともに参加。ナカマニー(仲間根)と呼ばれる聖地で神女役のツカサンマ(司母)を中心にクイチャーを奉納した。
 今回でユークインマを「インギョウ(卒業)」する数え五十七歳の女性たちは、クイチャーを踊り体いっぱいに喜びを表していた。平良から参加した羽地喜美代さんは「感動的だった。久しぶりに同年の友人に会えた。元気にインギョウを迎えられてとてもうれしい」と感無量の表情で話した。
 南区では、各集落がそれぞれの御嶽でユークイを執り行った。
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