200平成18  1115 水曜日

市職員酒気帯び/「綱紀粛正」全職員に訴え
伊志嶺市長が各庁舎で訓示/市民の信頼回復を強調


伊志嶺市長が各庁舎を回り、全職員に対して綱紀粛正を求める訓示を行った=14日、宮古島市役所下地庁舎

 酒気帯びや無免許運転など宮古島市職員の相次ぐ不祥事を受け、同市の伊志嶺亮市長は十四日午後、各庁舎を回り全職員に綱紀粛正を訴える訓示を行った。九日未明、酒気帯び運転で検挙された男性職員の不祥事について伊志嶺市長は「飲酒運転に対する厳罰化を見直したばかり」と職員の意識の低さを指摘。その上で「市民に対して申し訳ない。職員一丸となって信頼回復に向けて取り組まなければならない」などと述べ、再発防止に向けて職員の意識向上を強く訴えた。

 消防職員による酒気帯び運転ならびに無免許運転など市職員の不祥事が相次ぐ中、同市の男性職員(25)が九日未明、酒気帯び運転で検挙された。市は交通法規に関する懲戒処分規定を今月一日に改正し、懲戒処分を厳罰化したばかり。厳しい綱紀粛正が求められる矢先の摘発だった。
 伊志嶺市長は、市職員の不祥事に関して「酒気帯び運転で検挙されたことに対し心からおわび申し上げる」と陳謝した上で「指導の不十分さとともに公務員としての自覚の無さに強い憤りを感じる。公務員規律保持について十分な認識を持つよう指導してきたつもりではあった」と説明。「職員で確認し合い(飲酒運転を)止める勇気をもって互いにもう一度心に留め、徹底した規律保持と交通ルール順守による再発防止を図りたい」と呼び掛けた。
 伊志嶺市長の訓示を受け平良庁舎の四十代男性職員は「飲酒運転の撲滅が叫ばれている中で、飲酒運転するということはもってのほか。職員は市民の模範であるべきだと思う。一人ひとりが自ら襟を正す必要がある」と表情を引き締めた。
top.gif (811 バイト)

検挙の職員、停職3カ月/市長「市民に心からおわびしたい」
宮古島市

 宮古島市の男性職員(25)が酒気帯び運転で検挙されたことを受け、同市は十四日、この職員を停職三カ月とする懲戒処分を決定した。同日会見した伊志嶺亮市長は「市民に心からおわびしたい」と陳謝。飲酒運転に関する懲戒処分を見直した矢先の不祥事に「指導の不十分さとともに、公務員としての自覚の無さに強い憤りを感じている」などと話し、今後さらに職員の綱紀粛正に努めることを強調した。
 酒気帯び運転で検挙された男性職員に対する処分内容は十三日に市分限審査委員会が協議。相次ぐ不祥事を受け見直した指針に沿って停職三カ月と決め、十四日午前、伊志嶺市長に答申した。
 これを受け伊志嶺市長らが記者会見を開き、この職員が酒気帯び運転に至った経緯と処分内容を説明。市によると、職員は八日午後八時三十分ごろから市内西里の居酒屋で飲酒。同日午後十一時ごろには帰宅のため、飲酒していたスナックを出ている。その後、車内で仮眠を取り、午前零時ごろから車両を運転したところ、県道190号線で検挙されたという。
 停職三カ月とする処分については「過去の事例からすると大変厳しい処分を下した」と述べ、厳罰化した飲酒運転に関する指針に沿った処分であることを強調した。その上で「市民の信頼を損い残念でならない。今後さらに徹底した規律保持と交通ルール順守による再発防止を図り、職員一丸となり市民の信頼回復に向けて取り組む」などと話した。市が飲酒運転の懲戒処分に関する指針を改正したのは今月一日。消防職員による酒気帯び運転ならびに無免許運転を受けての厳罰化だった。
 それまで酒気帯び運転は事故などと合わせた処分規定だったが「酒気帯び運転した場合」という項目を新たに追加。「無免許運転をした場合」との項目も加えた。酒気帯び運転をした場合の処分内容は、「免職、または停職」となっている。
top.gif (811 バイト)

生産量26万4000dを予想/06−07年産サトウキビ
前年並みも少雨傾向懸念/葉のロール現象、害虫被害も


前年並みの生産量が見込まれる06−07年産サトウキビ=14日、下地地区川満

 宮古各地の製糖工場は十四日、二〇〇六−〇七年産サトウキビの生産見込み量をまとめた。四工場を合わせた生産見込みは二十六万四千九十八dで前年並み。ただ、九月中旬から続く少雨の影響を受け、各地で葉のロール現象やアオドウガネとみられる害虫被害が発生しており、今後の天候次第ではこの生産量を下回る可能性もある。

 〇六−〇七年の四工場合計の生産見込み量は前年比六千百六十一d減少している。
 製糖工場別の生産見込み量を見ると、沖縄製糖宮古工場の生産見込み量は前年に比べて千五百二十八d減の十万九千八百dとなっている。反収は六・九d。収穫面積は前年の千五百五十fから千六百二fと増加しているものの、生産量は減少を見込んでいる。
 宮古製糖城辺工場の予想は八万八千五百二十九dで、前年を約四千五百d上回る見込み。収穫する面積は前年とほぼ同じ。反収は六・二dとなった。
 宮古製糖伊良部工場は四千五百d減の四万六千五百六十九dを見込む。反収は六・三d。多良間工場の見込みも前年に比べると減少。一万九千二百dを予想しているが、前年の二万三千八百六十七dに比べると四千六百六十七d減少となる。反収は七・一dと四工場の中では最も多い。
 この生産量予想について各工場関係者は「少雨傾向の影響が大」と口をそろえる。九月中旬から少雨の影響をもろに受けており、各地で葉のロール現象が発生。立ち枯れも目立ち始めており、今後の生育にもたらす悪影響を懸念している。少雨の影響は伊良部地区で最も大きく、日々懸命な潅水作業でしのいでいるのが現状だ。
 さらにアオドウガネとみられる害虫被害も各地で拡大傾向にあり、「前年より被害の度合いは大きいかもしれない」などと話す関係者もいる。
 現在、宮古地区ではかんがい施設がフル稼働しているが、施設が整備されていない地域における生育を懸念し、積極的な潅水を呼び掛けている。
top.gif (811 バイト)

下地君(上野中3年)県教育長賞/県青少年育成大会標語の部
前川、平良さんは功労表彰


表彰を受けた下地君(左)、前川さん=14日、那覇市の県女性総合センターてぃるる

 【那覇支局】県青少年育成大会(主催・県、県教育委員会、県警察本部、県青少年育成県民会議)が十四日、那覇市の県女性総合センターてぃるるで行われ、「青少年の深夜はいかい防止県民一斉行動」実施に伴う作文、標語、ポスターコンクールの標語の部で、上野中学校三年の下地匡君が県教育長賞を受賞した。また青少年育成功労者として、宮古島市から、宮古島地区防犯協会長の前川尚誼さん(53)、少年補導員平良恵子さん(55)の二人が表彰された。
 下地君の標語は「『おかえり』が家族みんなの合い言葉」。受賞について「先生に言われたときはびっくりした。『おかえり』という言葉で、家族が一つになれると思って考えた」と話した。
 宮古地区高等学校PTA連合会長や旧平良市青少年育成市民会議会長などを歴任し、二十八年にわたる育成活動が認められた前川さんは「いずれも団体活動で、みんなで取り組んだからこその表彰」と多くの人の協力に感謝し、決意を新たにしていた。平良さんは欠席だった。
 主催者を代表して稲嶺恵一知事(代読・嘉数昇明副知事)は「二十一世紀を担う青少年が個性を発揮し、たくましく育っていくことは県民すべての願い」と述べ、大人の協力を呼び掛け、受賞者を祝福。少年の主張最優秀賞者の意見発表や、青少年問題に関する講演もあった。
top.gif (811 バイト)

貴重な植物群落削る/県指定天然記念物
伊良部字国仲・県道工事/専門家「自然保全に配慮を」 


来年度の道路工事で影響が予測されている県指定天然記念物「国仲御嶽の植物群落」=下地島空港佐良浜線

 宮古島市伊良部国仲で進められている県道改修工事は、県指定天然記念物の「国仲御嶽の植物群落」の一部に影響することがこのほど分かった。当該区域の工事は来年度に実施。今後、工事のあり方について県宮古支庁土木建築課と県教育庁文化課で調整が詰められる。市民や植物生態専門家からは「昔から守られてきた場所。開発は悪いことではないが自然保全に十分な配慮を」と注文の声もある。

 この工事は「下地島空港佐良浜線道路改修工事」で、事業年度は二〇〇一年から〇八年度まで。総事業費は約七億円。伊良部中学校南側の交差点から松風園前までの約一`で、同校、伊良部高校付近の通学路であることから、歩道を整備するとともに、従来の道路の曲線を緩やかにする。
 植物群落に掛かる工事部分は、来年度の実施分。改修する道路そのものは指定区域に入らないが、歩道を設置するための構造物を埋設する際、延長十b、幅員五十aほどの範囲に影響があるという。現段階の計画では、この範囲の植物を刈り取って穴を掘り、作業後は覆土することになっている。天然記念物指定区域内の工事であっても、現状変更届けを教育庁文化課に提出し、許可されれば法的な問題はない。
 しかし、植物生態に詳しい沖縄国際大学の仲田栄二非常勤講師は「この場所は伊良部で最大のまとまった生態系であることから森の形や生き物の一つのモデルになるため、歴史的にも将来的にも大変重要な場所。森林生態的にも、御嶽に寄せる人々の精神世界としても地域の核になっている場所であり、たとえ狭い範囲であっても安易に開発するのは問題」と指摘。市民からは「道路から文化財の森を眺めることのできるポイントとしても良い場所であり、道路事情が改善されるのは良いことだと思うが、地域の貴重な場所は守ってほしい」という声もある。
 県宮古支庁土木建築課維持管理班の上地一史班長は「他部分へ影響を及ぼすため当該地の路線計画は変更できないが、今後、工法などでなるべく植物に悪影響のない方法を調整したい」と説明した。
 文化課では「今年度中に現地を視察した上で規模を把握し、植物を伐採する範囲を小さくしたり森の空気を乾燥させなように工夫するなど今後検討を深めたい」と話した。 国仲御嶽の植物群落は、一九七四年に県天然記念物に指定。拝所として昔から守られてきたため、宮古で最も自然の状態に近い貴重な森とされている。区域内には六十種類以上の植物が見られるほか、サシバの休息地となっている。
top.gif (811 バイト)

マリーゴールド2000本植え付け
来年1月のフラワーフェスト向け


2000本のマリーゴールドの苗を鉢に植え付けた=14日、うえのドイツ文化村
 来年一月十四日からうえのドイツ文化村で開催される「第五回フラワーフェストin宮古島・うえの」(主催・宮古島市上野観光振興協議会)へ向け、花苗育成が始まった。十四日、同協議会員らは育成担当を務めるユートピアファーム宮古島の小沢孝明さんの指導の下、マリーゴールドの苗約二千本を鉢へ植え付けた。フェスト期間中は約二万本の花が開く予定。
 今回は第一回の「みんなで作ろう。花の宮古島」の原点に戻り、協議会員らが自らの手で種から育成。全員ボランティアで作業を行っている。会員らは「島を花でいっぱいに」と願いを込め、一本一本丁寧に植え付けていた。今後は▽サルビア▽インパチェンス▽ペチュニア−の種まきが行われる。
 同フェストは宮古島の地域特性である「暖かい冬」「花の咲く冬」を県内外にアピールし、年間を通じて花であふれる宮古島を実現することが目的。
 来年一月十四日に開催される宮古島100qワイドーマラソン会場(うえのドイツ文化村)のフラワーアレンジを皮切りに、ユートピアファーム宮古島など上野地区の各所に展示。▽花メッセージコンテスト(小中学校対象)▽フラワーアレンジメント展▽フラワーフェスト−などの各種イベントも予定されている。二月十四日まで。
top.gif (811 バイト)