200平成18  1114 火曜日

船長と住民の子孫が対面/1873年宮国沖座礁「ロベルトソン号」
130年の時を超え
/ゴスタ・ガールトン氏 来島し直接感謝の言葉


左からアストリッドさんとガールトンさん(ロベルトソン号船長の子孫)、先祖が救助した垣花栄実さん、宮国敏博さん=12日、上野のホテルブリーズベイマリーナ

 宮古島の上野地区の宮国住民と伊良部島の佐良浜地区の漁師らが、今から百三十三年前の一八七三(明治六)年七月、ドイツ商船「ロベルトソン号」(エドヴァルド・ヘルンツハイム船長)が宮国沖のサンゴ礁で座礁難破した際、身の危険を顧みずにヘルンツハイム船長ら乗組員八人を救助した。その船長から四代目に当たる子孫のゴスタ・ガールトン氏が妻アストリッドさんと一緒に十二日、当時救助した漁師らの子孫に直接感謝の意を表すために来島した。

 夫妻は、救助から百三十三年の時空を超えて、宮国在の子孫三人と初めて対面。上野のホテルで開かれた歓迎懇親会(沖縄日独協会主催)では救助した垣花真津さんから五代目の栄実さん(54)と宮国坊さんから五代目の敏博さん(56)、砂川蒲戸さんから五代目の元さん(41)と初対面。夫妻は二人とがっちり握手を交わし「先祖を助けていただき、心からありがとう」と礼を述べ、ほっと肩の荷が下りた様子で明るい表情を見せた。
 「ロベルソン号」は七三年七月、中国福洲から豪州へ向かう途中、突然の台風に遭い、漂流中に宮国沖で遭難した。宮国の住民と佐良浜の漁師らは一致協力し、荒波が狂う中、ヘルンツハイム船長ら乗組員八人を救助した。船長らは住民らの手厚い介護や温かいもてなしを三十四日間にわたって受けた後、島役人が与えた官船で帰国した。
 ドイツ皇帝は、船長らから太平山(宮古島の古い島名)の救助活動を聞いた。救助から三年後の七六年、皇帝は、宮古島に軍艦を派遣。宮古島民の勇気と博愛をたたえたドイツ皇帝博愛記念碑を建立した。
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平一FC(高学年)が優勝/宮古毎日杯全宮古少年サッカー
低・平一レッズ、中・南コンサドーレ


低学年の部で優勝した平良第一レッズのメンバー=12日、宮古島市陸上競技場

中学年の部で優勝した宮古南コンサドーレのメンバー


高学年の部で優勝した平良第一FCのメンバー

 第十四回宮古毎日新聞社杯全宮古少年サッカー大会(主催・宮古毎日新聞社、主管・宮古サッカー協会)は十二日、宮古島市陸上競技場で、低、中、高学年ともに決勝までを行った。低学年は平良第一レッズが優勝、中学年は宮古南コンサドーレ、高学年は平良第一FCが制した。MVP(最優秀選手賞)は、低学年が平一レッズの善平輔君(六つ)、中学年が南コンサドーレの茂野晃大君(四年)、高学年は平一FCの新城幸佑君(六年)がそれぞれ受賞した。
 この日は各部門とも準決勝から行われた。低学年はこの準決勝を勝ち上がった平一レッズと宮古南ジュニアが決勝で対戦。平一は序盤から攻め続けて得点を重ね、結局4−0で圧勝した。
 中学年は総合力に勝る宮古南コンサドーレと宮古北34クラブが決勝で対戦した。北が先制したが、その後は南コンサドーレが試合を優位に進めて前半は3−1、後半に入っても勢いに乗る南コンサドーレが攻めの手を緩めず、4点を奪取して試合を決めた。
 高学年の部決勝は「平良第一」勢となるFCとSCが対戦。FCが終始ゲームを支配し、前半に2点、後半に入るとさらに猛攻を仕掛けてSCの守備陣を切り崩して7点を奪い、前評判通りの強さを見せて優勝した。
 競技終了後は閉会式が行われ、優勝、準優勝チームや各部個人賞に賞状や記念品が贈られた。
 今大会は十一日に開幕。低、中、高学年の各部に合わせて二十三チームが出場し、二日間にわたる熱戦を繰り広げた。
 結果は次の通り。
 ▼団体成績
 【低学年】▽優勝=平良第一レッズ▽準優勝=宮古南ジュニア
 【中学年】▽優勝=宮古南コンサドーレ▽準優勝=宮古北クラブ
 【高学年】▽優勝=平良第一FC▽準優勝=平良第一SC
 ▼個人賞
 【低学年】▽最優秀選手賞=善平輔(平良第一レッズ)▽優秀選手賞=中山大輝(平良第一レッズ)、与那覇龍大(宮古南ジュニア)、友利瑞希(同)▽敢闘賞=嵩原太一(久松FCジュニア)、関翔海太郎(マティダ東FC幼)、下里大輝(マティダ東FC1年)、宮里宙夢(マティダ東FC2年)、富浜浩夢(宮古北qクラブ)
 【中学年】▽最優秀選手賞=茂野晃大(宮古南コンサドーレ)▽優秀選手賞=上田大樹(宮古南コンサドーレ)、平良恵泰(宮古北クラブ)、新里遼(同)▽敢闘賞=仲里弘雄(マティダ東FC4年B)、神里未智也(平良第一Jr)、関海知瑠(マティダ東FC3年)、友利基紀(マティダ東FC4年A)、下地修一(宮古南FCグランパス)
 【高学年】▽最優秀選手賞=新城幸佑(平良第一FC)▽優秀選手賞=洲鎌勝汰(平良第一FC)、仲地祐輔(平良第一SC)、友利諒平(同)▽敢闘賞=下地和也(宮古南FC)、神里美勇士(宮古南SC)、親泊慎太郎(宮古北サッカークラブ)、長嶺雄斗(マティダ東FC6年A)、狩俣拓海(久松FC)、国吉勇希(マティダ東FC5年A)、與那原健太朗(マティダ東FC6年・5年B)
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新組合長に儀保正司氏/宮古島漁協
理事会で全会一致の互選


儀保正司氏
 宮古島漁業協同組合の理事会が十三日、同組合で開かれた。全理事九人が出席。新組合長選出で、正組合員の儀保正司氏(59)=同市字久貝=が全会一致の互選で代表理事の新組合長に選ばれた。任期は三年。
 儀保組合長は「みんなと頑張って、借金(赤字)を出さない組合運営に力を入れたい」と抱負を語った。
 固定化債権などについては「早めに回収したい」と意欲を示した。
 また同組合が経営するクルマエビ養殖場についは、儀保組合長は「砂の入れ替えを行い、クルマエビの生産向上を図りたい。ただ、大雨の時などに養殖場の上部の嶺から水が養殖場に流れ、養殖場の砂が海に流されたりする。水流入の対策にも力を入れたい」と、今後クルマエビ養殖場の健全な運営に向けての考えを示した。
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宮古島市/職員が酒気帯びで検挙/綱紀粛正カラ回り
「厳罰化」効き目なし!?

 消防職員による酒気帯び運転ならびに無免許運転など、宮古島市職員の不祥事が相次ぐ中、同市の男性職員が十日未明、酒気帯び運転で検挙されていたことが十三日までに分かった。市が交通法規に関する懲戒処分を厳罰化してわずか十日後の飲酒運転。市の綱紀粛正を呼び掛ける声が全職員に浸透していない現状が浮き彫りとなった。職員管理のあり方について、市の対応が問われそうだ。市は十三日午後、この職員の処分を決する分限審査委員会を開き、停職処分の判断を下した。

 市が飲酒運転の懲戒処分に関する指針を改正したのは今月一日。消防職員による酒気帯び運転ならびに無免許運転を受けての厳罰化だった。
 それまで酒気帯び運転は事故などと合わせた処分規定だったが「酒気帯び運転した場合」という項目を新たに追加。「無免許運転をした場合」との項目も加えた。酒気帯び運転をした場合の処分内容は、「免職、または停職」となっている。
 改正した懲戒処分の指針について、伊志嶺亮市長は「所属長を通して全職員に必読させ、襟を正すとともに、市民の疑惑や不信を招くような行為は厳に慎むよう職場において徹底する」とのコメントを出していた。この市長コメントに従い、各部各課では同指針を全職員に供覧させている。
 このような取り組みをしている中での飲酒運転に市幹部は頭を抱えている。下地学助役は「市民にとって模範であるべき職員による酒気帯び運転はあってはならない」などと強調。懲戒処分の厳罰化が浸透していない現状については「職員の意識が低い。飲酒運転に関しては全国的に問題視されている。厳しく対応していく」と述べた。
 酒気帯び運転した男性職員に、停職の処分を下した分限審査委はきょう十四日、伊志嶺市長に答申する。
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トゥリバーで爬龍舟レース/みゃーくハーリ大会
初イベントに3000人来場


接戦を展開した爬龍舟レース=12日、平良トゥリバー地区の宮古サンセットビーチ

 2006みゃーくハーリー大会(主催・同大会実行委員会、後援・県宮古支庁、県建設業協会宮古支部、協賛・宮古毎日新聞社ほか)が十二日、宮古島市平良トゥリバー地区の宮古サンセットビーチで行われた。さわやかな海風が吹く中、爬龍舟レースで熱闘を展開。宮古の秋口の初めてのイベントを約三千人(主催者発表)が心行くまで満喫した。レースは、男子の部で伊良部の総合シークレット、混成の部で昭和三十二年佐良浜友愛会、学校対抗の部で佐良浜中学校三年B組が初優勝の栄冠に輝いた。伊良部勢はトリプルを制し、歓声に沸いていた。
 開会式で、実行委員長の伊志嶺亮市長は「みゃーくハーリー大会は、宮古の新たな観光となる。勝利の栄冠を目指して頑張ってください」とあいさつ。県宮古支庁の兼城克夫支庁長は「先人の久松五勇士に負けないように力漕を期待する」と激励した。
 今大会には爬龍舟の男子の部に十六チーム、混成の部に九チーム、学校対抗の部に四チームの計二十九チームが出場。シーカヤックの親子の部には七ペアが参加。子ども図画コンテストには八十四点の応募があった。
 会場の一角の特設販売コーナーでは、みゃーくの味加工推進協議会と同市農漁村生活研究会らが自慢の料理や特産品を即売し大好評だった。
 結果は次の通り。(敬称略)
 【爬龍舟レース・男子の部】▽優勝=総合シークレット▽準優勝=ビッグウエーブ南楽越之門▽三位=丸宮建設【同混成の部】▽優勝=昭和三十二年佐良浜友愛会▽準優勝=狩俣青年会▽三位=アイランド・インターナショナル【同学校対抗の部】▽優勝=佐良浜中学校三年B組▽準優勝=佐良浜中学校三年A組▽三位=下地中学校三年A組
 【シーカヤックの部】▽優勝=平良吉嗣・晃嗣(池間小六年)▽準優勝=仲田貴昭・貴和(平良第一小六年)▽橋本優人・佳(西辺小四年)
 【図画の部】▽最優秀賞=すだまり▽優秀賞=平良桃勢▽優良賞=下里いっけい
 【ユニホーム賞】宮!SOSO(みや!そー・そー)
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豊かな個性一堂に/宮古地区中学校総合文化祭
学習の成果伸び伸び披露


宮古地区の中学生が一堂に会し学習の成果を披露した。(写真はフィナーレを飾った平良・北中吹奏楽部の合同演奏)=12日、マティダ市民劇場
 「伝統は続く。過去・現在・そして未来へ」をテーマとした第十二回宮古地区中学校総合文化祭(主催・宮古地区中学校文化連盟)が十二日、マティダ市民劇場と平良港ターミナルビルで開かれた。宮古地区の中学生が展示・舞台に日ごろの学習の成果を披露。訪れた大勢の市民たちに豊かな個性や感性をアピールした。
 舞台発表では三線演奏や郷土芸能、日本舞踊、アンサンブルなど十九のプログラムで構成し、訪れた市民を魅了した。
 このうち、平良、下地、砂川の三校による空手演武では「スーパーリンペイ」などの形を迫力ある演武で披露。平良、北の吹奏楽部はフルート五重奏や金管八重奏など息の合ったアンサンブルを聞かせた。
 舞台発表のオープニングを飾った三線演奏(大神、下地、来間、砂川、伊良部、西城、城辺合同)では「豊年の歌」と「なりやまあやぐ」を三線を奏でながら朗々と歌い上げ。城辺の「西東の棒振り」では、威勢の良い掛け声を響かせながら、郷土の伝統をしっかりと受け継いでいく姿勢をアピールした。
 平良港ターミナルビルで行われた展示の部には、書道や美術、工芸など文化の秋にふさわしい力作をずらり展示。訪れた市民たちも中学生ならではの作品に関心を示していた。
 舞台発表の冒頭、宮古地区十八中学校を代表してあいさつした大神中三年の根間紗弥花さんは「若い私たちが郷土の文化をしっかりと受け継ぎ、未来へ引き継いでいく」と同文化祭開催の意義を強調した。
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