200平成18  1111 土曜日

糸数氏 公共工事は自然重視で/告示後初の宮古入り
県知事選/雇用促進など街頭で訴え


市民らに支援を求める糸数氏=10日、まてぃだ通り

 十一月十九日に投開票される県知事選に立候補した糸数慶子氏(59)=社民、社大、共産、民主、自由連合、新党日本、国民新党推薦、そうぞう支持=が十日、告示後初めて宮古入りした。島内各地や市街地などを遊説し、市民に支持を訴えた。糸数氏は「市民の命と暮らしを守るということは、平和を前提にしなければ実現できない」と新基地建設への反対姿勢を示しながら、観光と連動した自然再生型の公共工事を進めていく考えを強調した。

 糸数氏は、同日朝に来島。宣伝カーで平良地区を中心に精力的に遊説を行ったほか、下里公設市場とまてぃだ通り交差点でポイント演説を行った。
 糸数氏は、伊良部大橋の建設や下地島残地の有効利用などに触れ、「自然景観や動植物の環境に配慮し、観光と連動した自然再生型の公共工事を導入していく。それを地元優先で実施し、地域の雇用につなげていきたい」と新たな公共工事のあり方を提言した。
 医療、福祉については、宮古病院の新築移転や脳神経外科医の確保に早急に取り組む考えを示した。
 同行して来島した前長野県知事で新党日本代表の田中康夫氏は「福祉や教育、医療など人が人を世話して成り立つことが二十一世紀の新しい雇用を生み出していく」と述べ、地元密着型の公共工事の導入を訴え。その上で、「国頼みではなく、地域の中でみんなで助け合うことが大切だ。糸数さんはそれを提案していける」と支持を訴えた。
 労組を代表して連合沖縄の狩俣吉正会長は「若者の雇用を広げるためにも糸数さんを知事にしてほしい」と呼び掛けた。
 演説の最後には、支持者らとともにガンバロー三唱を行い、沖縄初の女性知事誕生に向け気勢を上げた。
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新役員決まる/宮古島漁協/週明けに組合長選出

 宮古島漁業協同組合(渡真利将博暫定代表理事組合長)は十日、臨時総会を開き、役員総辞職に伴う役員選挙を行った。投票の結果、推薦会議から推薦された役員候補者の理事九人、監事三人が当選した。役員の任期は三年。来週中に理事会を開き、新代表理事組合長を選出する。
 前代表理事組合長は今年六月、前理事八人と前監事三人は八月にそれぞれ一身上の都合から辞任した。
 この日の選挙では、全役員を○×式で投票を行った結果、役員候補者全員が当選を果たした。
 新役員は次の通り(敬称略)=内は正・准組合員、地区名。
 【理事】友利哲雄(68)=正、平良字狩俣=▽島尻正雄(65)=正、同島尻=▽楚南聡(50)=正、同西原=▽儀保正司(59)=正、同久貝=▽松原幸夫(58)=准、同松原=▽仲宗根康浩(41)=正、同久貝=▽下地博44)=准、城辺字福里=▽上地博信(45)=正、上野字宮国=▽松村健裕(51)=正、下地字洲鎌=
 【監事】仲本博一(56)=正、平良字東仲宗根=▽根間功一郎(47)=正、同下里=▽松原森久(36)=正、同松原=
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宮古勢振るわず/長浜弘一さんが優秀賞
県畜産共進会


優秀賞(第二席)に輝いた「やすこのこ」と長浜さん=10日、八重瀬町の南部家畜市場
 【那覇支局】九日から始まった二〇〇六年度(第三十二回)県畜産共進会(主催・県畜産共進会協議会「地域肉用牛振興対策事業」)の各部門審査発表と表彰式が十日、八重瀬町の南部家畜市場で行われ、宮古から出品された四頭のうち、肉用牛・若雌第二類で長浜弘一さんの「やすこのこ」が見事、優秀賞(第二席)に輝いた。
 長浜さんは「牛が好きなので、育てている牛たちは自分たちの子どもだと思って大事に育てている。受賞できて、本当にうれしい」と笑顔で喜んだ。
 優秀賞(第二席)の「やすこのこ」は、そのほかにも特別賞として県家畜改良協会長賞、県牛削蹄師会長賞も受賞している。
 長浜さんは今回で八度目の出品で、二〇〇一年には農林水産大臣賞を受賞している。現在は子牛を含めて四十三頭を飼育している。
 閉会式では、主催者を代表して同協議会の平敷昌一会長が「受賞した皆さんは、これからも各地区のリーダーとして、ますます研さんを積んでその成果をほかの農家に普及させ畜産振興に貢献してほしい」とあいさつした。
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民放3社 県に財政支援要請/先島への地上デジタル放送
牧野副知事「検討したい」


左手前から奥に座安琉球放送社長、金城沖縄テレビ社長、平田琉球朝日放送社長の3人が県に先島地区での地上デジタル放送実現に向けて財政支援を要請した=10日、県庁

 【那覇支局】先島地区への地上デジタル放送の実現に向け、琉球放送(座安弘代表取締役社長)、沖縄テレビ放送(金城順一郎代表取締役社長)、琉球朝日放送(平田嗣弘代表取締役社長)の民放三社は十日、県庁に稲嶺恵一知事を訪ね宮古・八重山地区におけるデジタル放送設備整備に関する財政支援の要請を行った。稲嶺知事に代わり、要請を受けた、牧野浩隆副知事は「陳情の趣旨はよく分かった。地上デジタル放送は国策であり、内閣府、総務省とも相談しながら対応を検討したい」との見解を示した。

 琉球放送の座安社長は「宮古・八重山には県民の七%、十万人以上の県民がいる。先島のデジタル放送実現については事業社の自助努力だけでは困難な状況となっている。県としても放送実現に協力してほしい」と、財政支援を訴えた。
 これに牧野副知事は「情報化社会の中で情報が閉ざされるのは離島の大きな悩みであり、県としても地域の均衡ある発展との観点から、先島での地上デジタルの放送については国とも協議して対応を検討したい」と述べた。
 沖縄本島では、四月にNHKが地上デジタル放送をスタートさせ、十二月一日からは民放三社が放送をスタートさせる。先島地区に関しては、総務省のロードマップでNHKが二〇〇八年に放送を開始するが、民放三社は「検討中」となっている。
 現在のアナログ放送は二〇一一年七月に終了を予定しており、このまま民放の地上デジタルが先島で放送されない状況になれば、それ以降はNHKのみの放送となる。
 こうした状況から、宮古地区選出の県議会議員らで構成する県議会離島振興議員連盟(会長・仲里利信県議会議長)でも、県に対し先島での放送実現に向けた支援要請が七月に行われている。
 また、民放三社は先島での放送実現を目指しており現在、先島地区でアナログ放送も行われていない琉球朝日放送を含めた民放三社同時での放送開始を予定している。
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市長賞に下地徹さん/10周年記念展示会きょう開幕
日本盆栽協宮古島支部


開幕に向けて、厳正なる審査が行われた=10日、宮古島市中央公民館

 日本盆栽協会宮古島支部十周年記念盆栽展示会(主催・同支部)が十一、十二日の二日間、宮古島市中央公民館で開催される。同支部会員のほか一般の入賞作品など四十六点を展示。審査の結果、最高賞に当たる市長賞には、下地徹さんの「ガジュマル」が選ばれた。主催者側では多くの来場を呼び掛けている。展示時間は午前九時から午後五時まで。
 審査に当たった日本盆栽協会の竹山浩理事長は「十年ぶりに訪れたが、会員のレベルも向上しており、大変驚いている。盆栽にはよく手が入っている」と感想。下地さんのガジュマルを選出した理由について「基本にかなった作りができており、中央に出展しても十分に通用する。枝順や足下の立ち上がりなど、全体的にバランスの取れた作品。ガジュマルの持つ力強さを強調できている」と講評した。
 下地さんは「十周年という節目に最高賞を受賞でき大変うれしい限り。手をかえ品をかえて取り組んだ成果が実を結んだ」と笑みをこぼした。
 今回、入賞した作品の中から特に優れたものは、来年二月に東京上野で開催される国風盆栽展(主催・日本盆栽協会)に出展する予定だという。
 受賞者は次の皆さん。(敬称略、カッコ内は作品名)
 ▽市長賞=下地徹「ガジュマル」▽議会議会長賞=新城武一郎「ハマシタン」▽教育長賞=池間諄「イボタクサギ」▽文化協会長賞=砂川弘「ハリツルマサキ」▽特別賞=天久宏「ハリツルマサキ」、根間武次「ハマシタン」、池原一美「リュウキュウマツ」▽奨励賞=砂川辰夫「オオハマボウ」、下地幸勇「ガジュマル」、嘉手川清良「イボタクサギ」
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ユークイ始まる/平良西原地区/「卒業」胴上げで歓喜


今年卒業する女性たちは胴上げで喜びを爆発=10日、西原地区のナナムイ聖地
 宮古島市平良の西原地区で伝統行事「ユークイ(富をこう)」が十日、二日間の日程で始まった。ナナムイと呼ばれる聖地では、今年で大任を果たすインギョウ(卒業)ンマと呼ばれる女性たちが胴上げされ、満面の笑みで喜びを爆発させた。
 ユークイは、女性だけ参加する祭祀。今年は、集落の祭祀を仕切る神女役の最高位ツカサンマ(司神)を含めた女性二十二人が参加。このうち、数え四十五歳でユークインマとなり、今年卒業する女性は七人。
 ユークインマらは、ナナムイの聖地で祈願。この後、円陣をつくり、神歌を歌いながら舞った。大勢の一般女性たちは、円陣の外側で見守り、「美ぎ踊り」とたたえながら大きな拍手を送った。
 踊りの後、卒業する女性たちは胴上げされ、両手を高々と上げながら歓喜に満ちあふれていた。
 きょう十一日は、ユークインマたちは白装束に身を包み、集落内を練り歩きながら「ヨーンティル(富を満たしてください)」の神歌を唱える。集落内の聖地で踊り、再び胴上げの儀式が行われる。
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