200平成18  119 木曜日

県知事選/仲井真氏 失業率改善を強調
告示後初の宮古入り/街頭演説で支持訴え


市民らに支援を求める仲井真氏=8日、まてぃだ通り

 十一月十九日に投開票される県知事選に立候補した前県商工会議所連合会長の仲井真弘多氏(67)=自民、公明推薦=が八日、告示後初めて宮古入りした。島内各地や市街地などで街頭演説し、市民に支持を訴えた。稲嶺恵一県政の継承発展を前面に押し出した仲井真氏は「宮古圏域を含め沖縄は島で成り立っている。島が自立し発展していく仕組みをしっかりつくる」と全国平均を上回る失業率の改善などを強調した。

 仲井真氏は同日朝に来島。午前は伊良部島で、午後から宮古本島各地で精力的に遊説を行った。午後三時すぎには北市場交差点とまてぃだ通り交差点で街頭演説を行い、多くの支持者が仲井真氏の演説に聞き入った。
 仲井真氏は「農業、漁業、ものづくり、観光などあらゆる産業を徹底して応援したい。社会福祉、医療介護を日本一にしたい。宮古の発展のために貴重な一票を私に入れてもらいたい。期待に応えるよう頑張りたい」と訴えた。
 遊説には、宮古選出の県議会議員の砂川佳一氏、自民党県連会長で参院議員の西銘順志郎氏、自民党第4区総支部長で衆院議員の西銘恒三郎氏、参院議員の大仁田厚氏らが同行した。
 西銘順志郎氏は「宮古で抱えている問題は多くある。その問題を一つ一つ解決していくために最後の最後まで応援していこう」、西銘恒三郎氏は「能力、実行力、構想力どれをとっても仲井真氏が知事にふさわしい」とそれぞれ支持を呼び掛けた。
 演説の最後には支持者らとともにガンバロー三唱を行い、稲嶺県政の継承に向け気勢を上げた。
 

県知事選前半戦/「自公」対「反自公」鮮明
「そうぞう」、「公明党」が活発な動き


支持者で会場を埋め尽くした公明党の「なかいま必勝!県民総決起大会」=5日、那覇市の県立武道館

糸数陣営の出発式を上回る人員を動員した「そうぞう」の出陣式=2日、那覇市おもろまちの下地氏後援会事務所

 【那覇支局】三人が立候補した第十回県知事選は、事実上の保革一騎打ちの様相で激しい選挙戦が展開されている。革新陣営の新人、無所属で前参院議員の糸数慶子氏(59)=社民、社大、共産、民主、自由連合、新党日本、国民新党推薦、そうぞう支持=と保守陣営の無所属で前県商工会議所連合会長の仲井真弘多氏(67)=自民、公明推薦=は告示からこれまで、各地での遊説や決起集会などを開催し支援を呼び掛けている。告示から一週間が経過し、選挙の前半戦を振り返る。
 ◇「そうぞう」と「公明党」
 今回知事選の前半戦で目立つのは、糸数陣営の政党「そうぞう」の動きと仲井真陣営の「公明党県本部」の動きだ。
 衆議院議員の下地幹郎氏が代表を務める「そうぞう」側は今回の知事選では独自の選挙運動を展開。告示の日も下地氏の後援会事務所前で行われた出陣式は、糸数陣営の出発式に動員された人数を大きく上回る支持者を集めた。六日に行われた下地氏の出版祝賀会では糸数氏を招き会場からあふれ出た支持者に糸数氏当選へ向け支援を求めた。
 一方の仲井真陣営は、公明党の動き出しが早い。五日には那覇市と名護市で総決起大会を開催。特に県立武道館は支持者で満杯となった。
 会場には、太田昭宏公明党代表も駆け付け、仲井真氏の当選に向け気勢を上げた。今後も浜四津敏子代表代行らが来県を予定し、自公協力を強調しながら、活発な取り組みを展開する予定となっている。
 ◇対決の構図
 下地氏と公明党の対立は、現在の沖縄政局の象徴とも言える。二〇〇〇年の衆院選で当時、自民党だった下地氏が沖縄1区からの出馬を求めたが自公協力の下、公明党の白保台一氏が選挙区で出馬、下地氏は九州比例へ回った。
 〇三年の衆院選で再び選挙区からの出馬を求めた下地氏だったが、自公協力が確立していた1区では、再び白保氏の選挙区出馬が決定し、下地氏は自民党を離党。無所属で白保氏と対決するも敗れた。しかし、昨年の衆院選では下地氏が民主党など野党の支持を得て白保氏を敗り、初めて選挙区からの当選を果たした。
 この一連の経緯が「下地」対「公明」の対立構図をつくり出し、今回も下地氏が糸数氏支持となったことで、「自公」対「反自公」が成立。前半戦は、この構図が際立つ展開で、両者とも次回衆院選もにらんだ激しい動きとなっている。
 ◇「自公」対「反自公」
 自民党県連、公明党県本部とも今回の知事選は、昨年の衆院選で「反自公勢力」に敗れたダメージを取り戻すチャンスであり、さらに来年の参院選と次の衆院選に向けても大きな意味を持つ選挙と位置付けていることから、公明党県本部も早々と動き出しているようだ。
 一方、「反自公」を掲げ、昨年の衆院選で勝利した下地氏もこの選挙で「自公勢力」に敗れることは、「反自公」の動きに大きな影響を与えることや、自らが目指す「保革を超えた沖縄の政治」の実現も遠のくことから、糸数氏の勝利は今後を見据えても絶対条件となっている。
 ◇後半勝負
 今回の知事選は、米軍再編に伴う基地問題や自立に向けた経済振興が争点となり、各陣営ともそれぞれの政策を示して支持を訴えている。基地問題を含んでいる今回の選挙結果は国内政局にも影響を与えることから、中央政界からの注目を集めている。しかし、有権者となる県民の関心は今ひとつだ。
 勝負のカギを握るのは有権者の多数を占める無党派層の動向であり、両陣営とも後半戦で無党派層への支持浸透を図る動きと、期日前投票に力を入れる。 
 いまひとつ盛り上がりに欠ける今回の知事選は、後半戦に勢いを見せ付けた陣営が、優位に選挙戦を進めることが予想されている。糸数陣営は知名度と「初の女性知事誕生」を強調した無党派層へのアピールを展開し、仲井真陣営は経済界などを中心に企業の組織票をしっかりまとめて、さらに無党派層への浸透を図っていく。
 そのほか、琉球独立党党首で会社経営の屋良朝助氏(54)、は沖縄の独立を目指した政策を掲げて、独自の活動を展開している。 (垣花尚)

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「決意と闘志燃やせ」/宮古選手団が結団式
県民体育大会


安谷屋会長(左)から新垣さんに団旗が授与された=8日夜、レストランクール新館

 宮古島市体育協会(安谷屋豪一会長)は八日夜、宮古島市内のレストランで、第五十八回県民体育大会に宮古代表で出場する選手団の結団式を行った。十一日から沖縄本島で開催される県民体育大会には、十五競技に三百十人の選手が参加する。安谷屋会長は「目標は総合八位と躍進賞の獲得。決意と闘志を燃やしてともども頑張ろう」と期待を寄せた。大会は二十六日までの二週間にわたり、県内各地で各競技が行われる。

 参加選手団の紹介後、開会式で旗手を務めるバドミントン競技の新垣正貴選手に団旗が授与された。安谷屋会長は「結団式は晴れの舞台に向けての戦いへのスタート。連日厳しい練習を重ねる選手には、自己の健康管理に留意して持てる力を発揮してほしい。自覚と連帯の意識を持ち、鍛え積んだ実力とアララガマ精神をもって頑張ってほしい」とあいさつした。
 結団式には、宮古島市の伊志嶺亮市長、県宮古支庁の兼城克夫支庁長も駆け付けて激励。市議会の友利恵一議長が乾杯の音頭を取り、選手と役員らの士気を鼓舞した。
 宮古代表選手団は前年度総合成績で第十一位、女子総合成績第十二位と低迷。今大会は総合、女子総合とも八位と躍進賞獲得を目標に掲げている。有望種目は▽バレーボール男子▽卓球女子▽野球▽剣道▽バスケットボール男子−。
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防犯ボランティアが犯罪抑止に/宮古島警察署長
結成支援で協力求める/市長に治安情勢を報告


伊志嶺市長(左)に自主防犯パトロール隊の結成で協力を求める岸本署長(中央)、右は前川会長=8日、市長室
 宮古島警察署の岸本亮署長と宮古島地区防犯協会の前川尚誼会長は八日、宮古島市役所平良庁舎に伊志嶺亮市長を訪ね、管内の治安情勢について報告した。平良地区飲食店街(イーザト)を中心とした周辺地域に犯罪が多発している状況を説明し、自主防犯ボランティア団体の結成に行政側の協力を求めた。

 自主防犯ボランティアは、自治会単位などで構成され、定期的に地域をパトロールしながら通学路における子どもたちの安全を見守っている。
 宮古島署によると、今年七月末現在で十団体二百五十一人が活動している。三年前に比べて団体、人数とも約三倍に増えているが、これらの団体は、平良地区飲食店街以外の地区に限られているという。
 今年九月までに管内で起きた犯罪被害件数(速報値)は四百四十七件で、このうちの約九十件(二〇%)が同飲食店街を中心とした周辺地域で発生している。
 同署では、防犯ボランティア団体の活動が、犯罪の抑止効果につながるとみて、同飲食店街を中心とした地域での結成を呼び掛けている。
 岸本署長は、今後も防犯ボランティア団体は増える傾向にあることから、警察だけでは予算面などで限界があると説明。「子どもたちや地域の人たちから認知されると、安心してパトロールができる」として団体結成で団員らに支給するジャンパーや腕章、帽子、懐中電灯などいわゆる「防犯七つ道具」や看板設置などに予算措置の支援を依頼した。
 これに対し伊志嶺市長は「犯罪が無いということも健康都市のあり方の一つ。市としてもしっかりと対応していきたい」と話し、来年度予算に反映させていく姿勢を示した。
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農家の生活を満喫/大阪府立大冠高校「修学旅行民泊」
ドラゴンフルーツ植え付けも体験


松原さん宅で農業体験を満喫した生徒たち=8日、城辺字友利の松原さん宅
 宮古島で「修学旅行民泊」を行っている大阪府立大冠高校(井上正英校長)の二年生は八日、各民泊施設で農業体験を行った。このうち城辺字友利の松原敬子さん宅で民泊した生徒六人は八日、ドラゴンフルーツの植え付けなどを行い、宮古の一般的な農家の生活を体験。生徒たちは「楽しかった。また遊びに来たい」と感想を話していた。
 生徒たちは一泊二日の日程で、七人ほどのグループで城辺地区を中心とした三十一戸の農家に分かれ宿泊。郷土料理やハーブ茶を作ったり、畑で農作業体験などを行った。
 趣味で作物を栽培している松原さん宅に民泊した生徒たちは、ドラゴンフルーツの植え付けに挑戦。松原さんに教わりながら、家の裏庭にスコップで深い穴を掘り、つるを巻くための支柱には、生徒それぞれの名前や宮古の思い出などの言葉を書き込んだ。民泊体験を行った田中太一郎君は「宮古の人たちはみんな親切で楽しかった。農業体験はとても勉強になった」と話した。
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2期連続で黒字決算/コーラル社第7期実績
純利益587万円を計上


第7期の実績が報告された株主総会=8日、コーラル・ベジタブル社

 宮古島市や民間企業の数社が出資する第三セクター「コーラル・ベジタブル社」の定時株主総会が八日午後、同社で開かれ、第七期(二〇〇五年九月一日−〇六年八月三十一日)の実績が報告された。売上高は一億二千三百七十九万二千百八十二円を計上、当期の純利益は五百八十七万七千百八十六円となり二期連続の黒字決算となった。総会では第八期の事業方針なども確認。同期は売上高一億八千万円、純利益を千百六十万円に設定し安定経営を図る。
 第七期は主力商品のアロエベラのジュースをはじめ、化粧品原料としての活用が功を奏した。同期は、商品開発による営業面の強化と地元農産物の拡大による市場開拓に重点を置いて、宮古島ブランドの商品開発に取り組んできた。新たに六品目の商品化を行うなど積極的な経営手法が黒字決算となって表れた。
 売上高そのものは前期と比べて二千三百六十万円(一四%)減少しているが、製造原価や販売管理費を徹底的に見直し支出を大幅に抑えたことも黒字決算につながった。
 一時は六千万円に膨らんだ累積赤字も年々圧縮しており、現在は四千数百万円となっている。
 第八期に向けた事業方針では「六、七期と利益が計上できる体制づくりが見えてきたが、売上高が減少していることから営業体制の強化を重点に売上高増進に努める」としている。そのために「価値ある農業と豊かな食文化の創造を通して、地域産業の育成・活性化に貢献する」という同社の理念に沿った経営を実践していくことを記した。
 部門ごとの方針で、営業、開発部門は▽食品製造業および化粧品製造業との連携による市場開拓▽島内、県内、本土への青果流通の道筋づくり▽営業と開発がリンクした製品づくり−などを挙げている。原料生産部門では▽アロエベラを基幹とした農業生産基盤を生かし原料の安定供給が確保できる態勢づくり▽供給先に安心を与えられる栽培指針、栽培履歴、原料規格の統一−などを積極的に推進する。
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池間のクイチャー披露/かりゆし文化講座
「うちなーSong のルーツを追う」


池間郷友会有志による池間島のクイチャーが披露された=7日、国立劇場おきなわ小劇場
 【那覇支局】二〇〇六年度かりゆし文化講座「うちなーSongのルーツを追う」(主催・財団法人県文化振興会、後援・宮古毎日新聞社など)が七日夜、国立劇場おきなわ小劇場で行われ、古謡実演の部で池間郷友会有志による「池間島のクイチャー」が披露された。伝統の奥深い島の踊りに会場に訪れた人たちは真剣な表情で見入り、クイチャーの奥深さを堪能した。
 池間島のクイチャーは、毎年旧暦の八、九月の甲午の日から三日間行われる伝統行事「ミャークヅツ」で何時間も踊られる。
 今回は▽ンナマ マツタニ(今まく種子)▽ミャークヅツのクイチャーアーグ▽アニガマ ヤ(娘の家)−の三曲で踊り、それぞれ特徴のある舞を披露した。
 そのほか、講座では民族芸術交流財団の三隅治雄理事長が「おきなわの古謡をたずねて」のテーマで講話した。
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