200平成18  118 水曜日

宮古島市/来年10月 家庭ごみ有料化
ごみ袋1枚15円〜30円/検討委が市長に答申


伊志嶺市長に答申した下地委員長(中央)=7日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市(伊志嶺亮市長)から「指定ごみ袋の種類および価格」と「粗大ごみステッカーの価格」「指定袋の減免措置」などについて諮問を受け、二回にわたって検討してきた同市指定ごみ袋制検討委員会(下地正子委員長)は七日午後、審議の結果の意見をとりまとめ答申した。伊志嶺市長は「市民にごみの減量化の浸透を図り、住みやすい美しい宮古島づくりに向け取り組んでいく」と決意を新たにした。市では、来年三月の市議会定例会に条例改正議案を上程する。可決された場合は、来年十月一日から家庭ごみの有料化を実施する方針。

 有料化による歳入は年間八千万−一億円を見込む。この財源は、ごみ処理施設の維持・管理、不法投棄対策、リサイクル促進、環境ボランティアへの支援、環境保全事業などに活用していく。答申で、下地委員長は「来年度の指定ごみ袋制導入に際しては、施策に十分反映するように」と理解を求め、答申書を手渡した。
 これに対し、伊志嶺市長は「実施に当たっては、市民への啓発活動の徹底や不法投棄防止に力を入れたい」と強調した。
 指定ごみ袋価格などの制度導入目的の三本柱は、「ごみ減量・資源化意識の高揚」「ごみ処理費用に対する市民負担の公平化」「市の財政負担の軽減化」を図ること。この三本柱の目的を達成するため、指定対象を「燃やせるごみ」「粗大ごみ」に限定することを前提に提案した。
 指定ごみ袋の種類は、大袋(四`入り)、中袋(二`入り)、小袋(一・五`入り)、ボランティア袋(四`入り)の四種類。指定ごみ袋の一枚当たりの価格は、大袋が三十円、中袋が二十円、小袋が十五円。ボランティア袋は無料。
 生活保護世帯を対象に、制度導入に伴う負担分については減免措置を講じる。その方法については、申請により「指定袋」の給付を行う予定。付帯意見書では、高齢者世帯、要介護者、乳幼児を抱える低所得世帯などへの配慮も検討するよう求めている。
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下地島使わず帰還/米軍ヘリ
伊志嶺市長 「市民を愚弄」

 フィリピンで合同軍事演習を終えた米軍普天間飛行場所属のCH46中型輸送ヘリ八機が七日、下地島空港を使用せずに同飛行場に帰還したことが宜野湾市などの調べで分かった。米軍が同空港を使用する際の目的が給油であったため、この事実を知った宮古島市の伊志嶺亮市長は反発。「非常に怒っている。下地島空港を使用しなくても帰れるなら、フィリピンに向かうときもそのルートで行けばいい。市民を愚弄している」などと強い口調で批判した。
 宜野湾市基地渉外課の調べでは、普天間飛行場に六日まで二機だったCH46中型輸送ヘリが、七日には十機に増えていたためフィリピンの演習に参加していたヘリが帰還したものとみられる。米軍は当初、帰還時にも下地島空港を使用する旨を県に伝えていた。
 この事実を知った伊志嶺市長は「(下地島空港を使用した場合の)われわれ市民の反応を見ているのではないか。絶対に許せない。下地島空港を使用しなくても帰れるのなら、もう下地島は使わなくていい。市民は反対している」と抗議の姿勢を示した。
 普天間飛行場所属のヘリは十月十一日に下地島空港を使用。今月二日にも帰還のための給油を目的に使用することを通告していたが、悪天候を理由に三日に延期していた。結局、下地島空港を使用せずに帰還したことになる。
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民間3社が開発意向/下地島残地利用
優先課題は市の都市計画策定


民間企業3社が開発の意向を示していることが報告された下地島空港残地有効利用連絡会議の第2回会合=7日、県庁
 【那覇支局】宮古島市や県の担当者で構成される「下地島空港残地有効利用連絡会議」の第二回会合が七日、県庁で行われた。同市の担当からは下地島残地利用について、国内企業三社が売却を含めた開発の意向を示していることが報告された。また、そのうちの一社から示されている開発計画についても市側から県に説明された。
 下地島空港残地について県側は、下地島と伊良部島については現在も都市計画プランが策定されていないことを指摘し「民間企業への残地売却よりも先に市としての都市計画を策定した上で開発を求める企業と協議することが重要」との見解が示された。
 これについて宮古島市の狩俣照雄土地対策局長は「企業からの土地売却のオファーがある中で、市としては早急に残地利用を進めたい。県が指摘する市としての都市計画づくりについては開発に興味を示している企業との協議を並行しながら、進めていきたい」との見解を示した。
 県地域・離島課の長濱政治課長は「企業の開発計画と売却が先走るのはよくない。まずは市が下地島、伊良部島を含めた圏域全体の都市計画を策定することがベターな進め方。売却が優先されることなく、まずは市が圏域住民の合意を得た計画を作り、その上で企業の計画と調整してからの話になると思う」と述べた。
 県によると、下地島空港残地については県有地が約七五%、残りの約二五%が国、市、私有地となっている。次回の協議は年明けの一月ごろを予定しており、早急に売却に向けた作業を進めたいとする市側と、まずは市としての都市計画プランの策定を求める県側の協議が行われる予定となっている。
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金属類の盗難相次ぐ/アルミ材や銅線をごっそり


宮古島署は6日午後から現場検証を行っている=7日、停止中の上野ごみ処理施設
 宮古島市内で金属類の盗難が相次いでいる。停止している上野のごみ処理施設では、今夏ごろから十月下旬までの間に、アルミ材や銅線などの金属類が盗まれていたことが宮古島市の調べで分かった。六日に同市が宮古島署に被害届を提出した。旧郡部では同じ金属類となる農機具部品の盗難が、十月中に四件発生したことも宮古島署の調べで判明。清掃施設内の金属類盗難について市環境保全課は「金属類を売るためではないか」と推測、値上がり傾向にある金属の売買が絡む盗難の可能性を指摘した。宮古島署は六日午後から現場を検証している。

 上野のごみ処理施設は二〇〇二年十一月に運転停止。市環境保全課によると、今回のような大きな被害は初めてで、敷地内に建つ工場と管理棟のアルミサッシ約十八枠とエアコン四台、配線などが盗まれた。犯人は正面玄関や窓ガラスを割って進入したものとみられ、工場一階部分の盗難被害が大きい。パイプの中の配線も専用ののこぎりを使って銅線だけ抜き取られていた。現場には被疑者らのものと思われる弁当箱やたばこの吸い殻が残され、数カ月の間に複数回の犯行が行われた可能性もある。
 同課では、金属類が高値で販売されている現状を踏まえ「売るためではないか」と推測。「電気に詳しいプロの仕業ではないか」とも指摘した。
 金属買い取り業者によると、アルミは半年前まで一`八十−百円の相場だったが、現在は約百二十円と値上がりの傾向にあるという。ある業者は「銅線などは特に高く買い取られるので、うちも盗難に遭ったことがある。こちらもビジネスなのでモラルを守った取引をしたい」と話した。
 一方、農機具の盗難は今年十月から今月七日現在で五件の盗難が発生。このうち四件は耕運機やトラクターの部品のみが盗まれている。盗難に遭った農業関係者は「大変困っている。返してほしい」と憤っている。捜査に当たっている宮古島署は「農業機具は畑に置いていかず、持ち帰り管理するようにしてほしい」などと呼び掛けている。
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仲田さんに勲記・勲章を伝達/秋の叙勲
稲嶺知事が功績たたえる


稲嶺知事から勲記と勲章を受け取った仲田さん=7日、知事公舎

 【那覇支局】二〇〇六年秋の叙勲伝達式が七日、那覇市の知事公舎で行われ、瑞宝単光章(へき地保健衛生功労)の仲田八重子さん(73)に稲嶺恵一知事から勲記と勲章が手渡された。
 仲田さんは「とても感激しており、私は幸せ者だと思う。自分が評価されたのも周りの方々の温かい支えや協力のおかげで本当に感謝している」と、改めて叙勲受章を喜んだ。
 あいさつで、稲嶺知事は「皆さんの功績は平和で豊かな県を希求する県民の模範であり未来に夢と希望を託す若い世代に確かな指針となると確信している。県民を代表して敬意を表したい」と述べた。今回知事伝達を受けたのは、秋の叙勲受章者のうち、総務省分野の小綬章・双光章受章者、厚生労働省分野の双光章・単光章受章者となっている。
 仲田 八重子(なかだ・やえこ)1933(昭和8)年11月2日生まれ。平良狩俣出身。51年に宮古女子高等学校を卒業。54年から当時の宮古保健所に勤務し、63年から看護課長に。94年に退職。現在は社会保険健康事業財団沖縄県支部の保健師として活躍。
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「頑張って」の気持ち込め/八重山台風被害に義援金
県退職教職員会宮古支部


上地支部長(右)が真栄城社長に義援金を託した=7日、本社
 県退職教職員会宮古支部(上地照子支部長)は七日、今年九月の台風13号で被害を受けた八重山地区の復旧に役立ててと、宮古毎日新聞社を訪れ、真栄城宏社長に義援金を託した。義援金は本社を通して八重山毎日新聞社へ届けられる。
 上地支部長と池間キヨ副支部長、安谷屋豪一事務局長の三人が本社を訪ね、先月二十日から三十一日にかけて会員らに呼び掛け、義援金を募った経緯を説明。会員以外の人も含め五十六人から協力があったという。
 上地支部長は「台風13号による被害で苦しんだ八重山の皆さんに、頑張ってくださいという気持ちを込めた」と述べ、一日も早い復旧を祈った。真栄城社長は「気持ちを頂き、うれしく思う。しっかりお預かりし、その思いを八重山まで伝えたい」と感謝した。
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