200平成18  117 火曜日

家畜ふん尿・生ごみを堆肥化/市資源リサイクルセンター
試験稼働を開始/年度内にも指定管理者制へ


自動混合堆積機に原料を入れる作業を行い試験稼働を開始した=6日、資源リサイクルセンター

 資源循環型社会づくりの一環として宮古島市(伊志嶺亮市長)が整備している上野地区の市資源リサイクルセンターが六日、試験稼働を開始した。牛ふんなどを約四カ月かけて堆肥化する。今年度中の指定管理者制度への移行を目指す。同市むらづくり課は「この施設は市民の関心も高い。ようやく稼働にこぎ着けた。早い時期に指定管理者制度を導入したい」としている。

 同事業は家畜ふん尿をはじめバガスや生ごみなどを堆肥化し、農地に還元することで資源循環を進めることが目的。農産物の品質向上や農家所得の向上、地下水などの汚染防止などの相乗効果があるという。
 この日は自動混合堆積機を使用して、原料を一次発酵させる発酵槽に積み上げていた。
 同課によると、指定管理者制度の募集の問い合わせは多く、十七日の締め切り後に管理者を決定。十二月の定例議会に提案し、議会の承認を受ければ来年一月に指定管理者制度の導入となる。
 先月四日から、堆肥の原料となる牛ふんやバガスなどを運搬し、今月六日までに約二百dが搬入されている。
 設置事業は旧上野村が二〇〇三年度に導入。現在は市町村合併で宮古島市に引き継がれている。総事業費は八億二千万円。堆肥化処理施設、製品加工施設などで発酵を促進させ、約四カ月かけて商品化する。生産量は一日十一dを見込んでいる。
 同市は、資源の有効活用を推進するバイオマスタウン構想を掲げ、資源循環型社会の確立を目指している。将来的には宮古地区の一般・事業系の生ごみを集め、堆肥化する予定。
 市では十月末まで市民らに生ごみ堆肥化のモデル地区を募集したが応募がなかったため、団地など約千世帯をモデル地区に指定することを検討している。
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漁協の未納計960万円/栽培漁業推進協への負担金
伊架橋補償金での拠出求める

 池間漁業協同組合、伊良部漁業協同組合、宮古島漁業協同組合の三漁協が、宮古地区栽培漁業推進協議会(会長・伊志嶺亮宮古島市長)に未納している負担金・分担金の合計額が九百六十万円に上っていることが六日、分かった。池間漁協は過去二十一年間も未納を続けている。同日開かれた同協議会の幹事会・委員会で明らかになった。
 協議会では、伊良部大橋に伴う漁業補償金五千万円余が三漁協に配分された場合、未納額を納付するよう早急に三漁協と確約書を交わす方針。
 協議会は、宮古地区における栽培漁業の構想および栽培計画の策定を行い、栽培漁業の円滑なる推進および漁場の管理方式の確立を図り、もって宮古地区の漁業生産の安定および増産を図る目的で設立され、その運営には、負担金・分担金が欠かせない。宮古島市、多良間村、三漁協で負担金・分担金は持つ。
 このうち、三漁協の毎年度負担金は十万円ずつ、分担金はそれぞれ二十万円。三漁協の負担金・分担金未納状況は、池間漁協が過去二十一年間で合計五百三十万円で最多。伊良部漁協が過去十四年間で合計四百万円。宮古島漁協は二○○二年度に合計三十万円を未納しており、今年度中に納付する見通し。
 漁業補償金配分については、三漁協の歩み寄りが見られないため、配分は長期化しそうだ。
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泥塗られて厄払い/パーントゥ始まる/平良字島尻


パーントゥに襲われ泣き叫ぶ子ども。親たちは厄払いのため子どもを差し出す=6日、平良字島尻
 宮古島市平良字島尻の伝統行事で国の重要無形民俗文化財に指定されている「パーントゥ」が六日から始まった。体中に泥を塗ったパーントゥ三匹が島尻部落内を駆け巡り、子どもや大人、民家、自動車などにべっとりと泥を塗り付け、厄を払った。きょう七日まで。
 「パーントゥ」は百数十年前、島尻元島の西海岸(クバマ)に漂着した黒と赤の仮面がきっかけとなった。この仮面を世持神の来訪としてあがめた村人が、仮面をかぶって駆け回ったことが始まりとされる。
 夕暮れ時になると右手につえ、左手に面を持ったウヤ(親)パーントゥ、ナカ(中)パーントゥ、フファ(子)パーントゥが部落内に出没。悲鳴を上げながら逃げ回る子どもたちや観光客らに容赦なく泥をべっとり。新築の窓や壁にも体をこすりつけながら泥を塗りたくった。塗られた人たちの中には泥で真っ黒の顔になりながらも、伝統行事の奥深さに感嘆の声を上げている人もいた。
 

写真スケッチ/島尻のパーントゥ


厄払いのため新築の家も泥だらけ。家主は真っ黒になりながらパーントゥに酒を振る舞う=平良字島尻


子どもにも容赦なく泥を塗りたくるパーントゥ。お母さんはゴーグルを付け、完全防備。


追い詰められて泥を塗られる男性

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宮古島市/省エネ診断実施へ/ESCO診断モデル事業
国が指定「無駄遣い」徹底調査

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の五庁舎で、国の省エネルギー診断が実施されることが六日までに分かった。国が簡易ESCO診断モデル事業で同市を指定、県内の自治体では唯一の省エネ診断となる。診断の結果は国の外郭団体・省エネルギーセンターが取りまとめて提言。この提言を受け、市が効率的なエネルギー使用方法の構築を図る。さらにエネルギーの「無駄遣い」も判明するため、診断は財政改革の一端を担う事業としても注目を集めそうだ。

 簡易ESCO診断モデル事業は国の二〇〇六年単年度事業。二酸化炭素の排出量削減が期待されている。
 事業では、全国各地の計十施設で省エネ診断を実施する。市の関係者によると、宮古島市指定の理由は、ガソリンの代替燃料として注目されている「E3」事業の推進や市資源リサイクルセンターの導入、バイオマス構想など、資源循環型社会の構築に向けて取り組んでいる姿勢が評価されての指定だという。
 省エネ診断は市の五庁舎で実施。各庁舎内の電気の使い方を徹底的に調査・分析し、どこに無駄があるかということを具体的にまとめる。診断の結果は宮古島市に報告され、市はこの診断結果を基に「できるものから始めていく」(市幹部)としており、歳出削減の観点からも積極的に改善を図る方針だ。
 また、今回の省エネ診断が、「どのエネルギーを無駄に使っているかが分かるだけでなく、職員の意識を変えていくためにも良い」として、その事業効果に期待している。
 省エネ診断は今年中にも実施され、来年三月までには結果が出る。
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秋風の中、笑顔の親睦/沖縄伊良部島郷友会
運動会で心地よい汗


郷友たちが親睦を深めながら楽しいひとときを過ごした運動会=5日、浦添市陸上競技場

 【那覇支局】「感動の五十周年・未来へ翔く伊良部島」をスローガンに、沖縄伊良部島郷友会(伊計高秋会長)の第四十八回大運動会が五日、浦添市の浦添市陸上競技場で開催された。たくさんの郷友たちが参加し、秋風の中で各種競技を楽しみながら心地よい汗を流した。
 開会式で伊計会長は「先輩方が培ってきた半世紀の実績と伝統を誇りにこれからも発展に向けた取り組みを展開したい。今回は、楽しく参加できるようにプログラムも工夫してあるので、有意義に楽しいひとときを過ごしてほしい」とあいさつした。
 また、宮古島市議会の友利恵一議長も出席し、「伊良部架橋の工事も着工し、もうすぐ供用開始となる。架橋開通で多大な経済効果が見込まれ、ふるさと伊良部地区の飛躍発展は目前となっている。きょうの運動会では郷土を同じくする皆さんが交流をさらに深めて楽しんでほしい」と祝辞を述べた。
 運動会は▽伊良部▽仲地▽長浜▽国仲▽佐和田▽池間添▽前里添−七支部対抗で行われ、百b走、俵かつぎ、ぞうり飛ばし、各種リレーなどの競技を行い会場には郷友たちの笑い声が響いた。
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清掃用具一式を寄贈/サンゴの会が佐良浜小に


掃除道具を寄贈した関係者ら=6日、伊良部の佐良浜小学校体育館
 宮古島市伊良部の佐良浜地区の一九六○(昭和三十五)年生まれで結成された、「サンゴの会」(久高明人会長)の西原豪さん(46)らが六日午後、母校の同市立佐良浜小学校(小川進校長、児童数百七十人)を訪ね、清掃用具一式とじょうろ七つを寄贈した。
 サンゴの会の会員は、今年数えで四十七歳を迎え、男性は今月行われた伝統行事「ミャークヅツ」のミーウヤ(新しい親)として新加入した。同窓生らは新加入を記念して同窓会を開催。男女百五十六人から善意の浄財を集め、母校に清掃道具一式を贈ることを決めた。
 清掃道具一式は、一輪車三台、竹ぼうき十本、熊手四本。
 同校体育館で行われた贈呈式では、全児童が参加した。
 西原さんは「清掃道具を使って学校をきれいにしてください」と述べた。
 児童会書記の仲宗根愛さんは「掃除道具は、全員で大切に使っていきます」と礼を述べた。
 小川校長は「学校をきれいにすることに合わせて、心もきれいにしてください。ミャークヅツに、先輩を尊敬し、敬うことはとっても大切なこと」と児童たちに話し、清掃道具を大切に使うよう強調した。
 西原さんらは、同小学校に先立って、母校の佐良浜中学校に竹ぼうき十本、熊手四本、マリーゴールドなど二百十本を寄贈した。
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