200平成18  112 木曜日

宮古島市/財政危機浮き彫り
経常収支比率 県11市平均上回る
05年度市町村決算概要

 【那覇支局】県企画部市町村課は一日、二〇〇五年度市町村決算の概要(普通会計)を発表した。県内全市町村の財政指標で、宮古島市は県内十一市のうちでも財政の弾力性を示す経常収支比率と公債費負担比率は両方とも高い数値で、県全体で見ても財政状況が厳しい状況であることが分かった。また、経常収支比率に占める人件費も四三・一%で県内十一市で唯一、四〇%を超えている。

 九九・一%となっている宮古島市の経常収支比率は、数値が高くなるほど、新たな財政需要に対応できる余地が少なくなり、「市」では七五%程度、町村では七〇%程度が妥当とされる。その数値が高いほど自治体の財政は弾力性を失うと言われる。
 県内の十一市の経常収支比率平均は九一・五%、町村を加えた県全体の平均は九一・九%で、宮古島市の九九・一%は両方の数値を大きく上回っている。
 また、経常収支比率に占める人件費についても、市区の平均が三四・五%、県全体の平均が三六・一%に対して、宮古島市は四三・一%と高い数値となっている。
 一般財源に対して、どの程度の割合を公債費(借金)に充当しているのかを示した指標である公債費負担比率(一般に一五%を超えると警戒ラインとされる)も宮古島市は二〇・五%。十一市のうち二〇%を超えているのは石垣市(二三・一%)と宮古島市だけとなっている。
 十一市平均の公債費負担比率は、一六・二%、町村を含めた県全体の平均は一七・二%で、公債費負担比率をみても宮古島市の財政状況はかなり厳しいと言える。
 また、多良間村の経常収支比率は九〇・六%で公債費負担比率は二一・四%となっている。
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クイチャーで大漁祈願/伝統の「ミャークヅツ」始まる
池間、西原、佐良浜の3地区


クイチャーを豪快に踊る参加者たち=1日、平良の池間島

 宮古島市平良の池間島と西原、伊良部の佐良浜の三地区で、旧暦九月十一日の甲午に当たる一日、伝統行事「ミャークヅツ(宮古節)」が始まった。旧年中の大漁・豊作に感謝し、向こう一年間の五穀豊穣、大漁などを祈願した。池間島と佐良浜では、大勢の男女が輪をつくり、「ヒヤサッサ」の掛け声とともに躍動感あふれるクイチャーを繰り広げ歓喜一色に包まれた。西原ではきょう二日、集団パレードでクイチャーを踊り最高潮に達する。
 ミャークヅツは、池間と西原が三日までの三日間、佐良浜が四日までの四日間行われる。
 西原と佐良浜は、池間島の分村。元島と呼ばれる池間島では、真謝、上げ桝、前ぬ屋(家)、前里の四元の男性らが、水浜広場に集まった。神女役のツカサンマ(司母)による踊り儀式の後、全員参加のクイチャーを開始。男性らは「ヒヤサッサ」の掛け声で豪快に踊った。
 一方、佐良浜では旧池間村(現池間添)と旧前里村(現前里添)の聖地でそれぞれ行われた。大勢の参加者らは大きな掛け声と笑顔でクイチャーを踊った。
◆◆ことば◆◆
 ミャークヅツ 「ミャーク」は宮古、この世「ヅツ」は季節の節目を表す節の意味。「こうしているうちが浮き世だ、現世だ」ということから現世を大いに楽しむという意味。池間島では、十八世紀に始まったとの一説があるが、定かでない。分村の佐良浜、西原にも継承され発展した。毎年旧暦八月、九月、十月のいずれかの月に訪れる最初の「甲午の日」に行うのが昔からの習わし。
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瑞光王朝華翁が受賞/泡盛鑑評会で沖縄国税事務所長表彰


沖縄国税事務所長表彰を受賞した(左から)池間酒造の「瑞光」、多良川の「琉球王朝」、宮の華の「華翁」


左から)多良川の砂川拓也代表、池間酒造の池間太郎代表、宮の華の下地さおり代表=1日、沖縄ハーバービューホテル
 【那覇支局】泡盛製造業の発達に資することを目的とする二〇〇六年度泡盛鑑評会の表彰式が一日午後、沖縄ハーバービューホテルで開催された。宮古の酒造場では池間酒造の「瑞光」、多良川の「(特選古酒)琉球王朝」、宮の華の「華翁」が沖縄国税事務所長表彰を受賞した。
 鑑評会は、泡盛の品質評価を通じて酒造技術の進歩・発展を促すとともに品質の向上を図ることが狙い。本土復帰の一九七二年に始まり、今回で三十四回目の開催。沖縄国税事務所と県が共催している。今回の鑑評会には古酒の部に八十点、一般酒の部に五十六点が出品され、品質評価は十月十日に行われていた。
 この評価で宮古の三酒造場は、それぞれ沖縄国税事務所長表彰を受賞した。池間酒造の池間太郎代表は受賞を機に「優しくて口の中に広がる素晴らしい泡盛を造っていきたい」と決意。多良川の砂川拓也代表は「これからも味のうまい泡盛造りを肝に銘じて取り組んでいきたい」などと抱負を話した。宮の華の下地さおり代表も「酒がうれしく楽しく飲めるような商品造りに努める」と気持ちを引き締めた。
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空自・施設局/事前説明なし認める
自衛隊電波施設設置/伊志嶺市長、不快感示す


福岡司令(右から2人目)や枡賀課長(左から2人目)らが伊志嶺市長を訪ね新施設の概要などを説明した=1日、宮古島市役所平良庁舎
 防衛庁と航空自衛隊が宮古島市上野野原の航空自衛隊宮古島分屯基地内に新たな地上電波測定施設の建設に着手している問題で、同基地の福岡豊司令、那覇防衛施設局の枡賀政浩施設企画課長が一日、宮古島市役所平良庁舎に伊志嶺亮市長を訪ね、施設の概要や工事の進ちょく状況などを報告した。福岡司令、枡賀課長ともに事前説明を行わなかったことに対し非を認めたが、伊志嶺市長は「今ごろになって説明に来るというのは言語道断」などと述べ、強い不快感を示した。施設の建設については進ちょく状況などから「容認せざるを得ない」と話した。
 福岡司令は「本体工事の前に市長に説明する予定だった」と報告。しかし伊志嶺市長は「こういうことをやるんだという話があれば良かった」と指摘した。「人員は十人程度の整理員が増えるぐらい」とする福岡司令の発言にも「きっちり説明することが先になる」と繰り返した。
 枡賀課長は「今後も急患輸送など、皆さんのためにしっかりと頑張っていきたい」と話し、宮古島市との関係構築に最善を尽くす考えを表明。これに伊志嶺市長は「だからこそ説明が必要になるということ。分屯基地を排除しようということではない。急患輸送でもお世話になっている。そういう関係だからこそ先の説明があれば良かったと思う」と述べた。最後に伊志嶺市長は「これ以上の新しい施設は増やしてほしくない」などと注文を付けた。
 宮古島分屯基地に設置される地上電波測定施設の建設工事は着々と進められており、計画では○七年度内にも本体工事に入ることになっている。
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「誇り持って頑張って」/南小創立20周年で集会と植樹


創立y周年を記念して、児童会と期成会による植樹が行われた=1日、南小学校

 創立二十周年を迎える宮古島市立南小学校(與儀千寿子校長)は一日、同校体育館で創立を記念した児童集会を開いた。講話で與儀校長は「南小は三十、四十、百年と続いていきます。『南小の子どもだよ』と誇りを持って頑張ってほしい」と児童らを激励した。
 平良第一小学校の児童数増加に伴い、分離した南小は一九八七年四月に開校。当時、八百四十八人でスタートした同校は、これまで二千百三十八人の卒業生を送り出してきた。現在の児童数は五百五十三人。
 集会後に行われた記念植樹では、児童会の砂川旺広会長(六年)、伊良皆飛馬副会長(同)、奥原ひかる副会長(同)、記念事業期成会の瑞慶覧博良会長、與儀校長が出席。サクラの木を二本、クロキを四本の計六本を校内二カ所に植樹した。
 瑞慶覧会長は「記念樹には事業に携わるすべての人と子どもたちの心が込められている。順調に成長し、校内緑化に役立ててほしい」と話した。
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子孫繁栄を祈願/来間島で「ヤーマスプナカ」
きょうパレードで最高潮に


神酒を角皿で回し飲みし、子孫繁栄と豊作を祝った=1日、来間島の長間盛史さん宅
 宮古島市下地の来間島で、伝統行事「ヤーマスプナカ」が甲午(きのえうま)の日に当たる一日、二日間の日程で始まった。ヤームトゥ(家元)の三家では、昨年のヤーマスプナカ以降に生まれた赤ちゃんをお披露目する「マスムイ」と呼ばれる儀式が行われた。住民たちは「ヘーヤ」「ヘーヤカ」を唱和した後、神酒を角皿(ツヌザラ)で回し飲みし、島の豊作と子孫繁栄を祈った。行事はきょう二日、パレードでクライマックスを迎える。
 昔、来間島を救い島を繁栄させたと伝えられている三兄弟の長男家をスムリャーブナカ(長間盛史さん宅)、二男家をウプヤーブナカ(砂川輝夫さん宅)、三男家をヤーマスヤーブナカ(上地繁男さん宅)として、住民は三家の系統にそれぞれ属する。ヤーマスとは、ヤー(家)が、マス(増す)という子孫繁栄の意味。
 このうち、長男家では、具志堅善徳さん(77)と国仲昌仁さん(76)の二人が、神歌を歌う役と神酒を回す役を務めた。
 儀式の始まりで、具志堅さんは「一族一同が繁盛するよう願いを込め、神歌を歌って奉納したい」と述べ、国仲さんと一緒に神歌を歌い上げた。全出席者で神酒を回し飲みし、子孫繁栄と豊作を盛大に祝った。
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