200平成18  1031 火曜日

宮古島市/特定高齢者率0.58%
想定の5分の1「一般」施策を強化

 宮古島市の特定高齢者率は〇・五八%で、市の想定の五分の一にとどまっていることがこのほど市地域包括支援センターの調べで分かった。市は、各地区で順次、各種介護予防教室を開催する予定だったが、人数の少なさを理由に「運動器機能」「口腔機能」向上に重点を絞って年明け後の一挙開催に見直した。特定高齢者事業の余剰費は一般高齢者事業に充て、介護予防の全般的な底上げを図る。特定高齢者については全国的に国の想定人数をはるかに下回っており、制度設計に疑問の声があがっている。

 特定高齢者の把握については、健康診断受診者を中心に、厚労省が作成した「基本チェックリスト」に基づいて調べる。国の想定と実態に差があることについて地域包括支援センターでは「そもそもある程度健康でなければ集団の場である健診会場に来られないし、チェック基準が厳しすぎるのでは」と把握システムを疑問視。今後は同センター職員や民生委員らによる家庭訪問での把握にも努めていく。
 ただし、豊見山京子介護長寿課長は「チェックリストで基準を満たす人は、すでに要支援、要介護認定を受けている層も多い」とし、「特定高齢者を何が何でも探し出す必要はない」と話す。「生きがいづくりや健康づくり、寝たきり予防などを含めて、高齢者の地域ケアをトータルに推進する」意向を示した。
 宮古島市は当初、今年度の高齢者総数一万二千人に対し、特定高齢者数を国の基準に基づいて三百六十七人(三%)と算出。四百五十万円の事業費を計上した。
 国が示す調査方法に基づき市内五地区の住民健診受診者を対象に調査。現在までに調査が終了している伊良部、下地、上野では、同三地区の高齢者数三千三百人に対し、十九人(〇・五八%)を把握。今後、城辺、平良の両地区でも実施した上で最終的な人数を確定するが、想定を大きく下回るのは必至だ。
◆◆ことば◆◆
 特定高齢者 生活機能の低下により要支援へ移行する危険性のある虚弱な高齢者。国は高齢者人口の五%程度が該当すると見込み、今年四月の改正介護保険法で状態を悪化させないための事業実施を市町村に義務付けた。介護給付費を抑制する狙いがある。
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大阪直行便あす廃止/ANA
那覇便は1往復増便に


大阪直行便は明日から廃止となる(写真は宮古空港)
 全日本空輸(ANA)の宮古−関西(大阪)直行便が、あす十一月一日から廃止になる。宮古と関西を結ぶ直行便が運航休止となる一方、那覇と宮古間は一往復二便の増便となる。観光客四十万人突破の期待が高まる中での廃止に、観光関係者は「直行便がなくなることは痛手。観光客の大きな減少にならなければよいが」と不安の色を隠せない。
 同路線は一九九四年九月に就航し、一日一往復している。二〇〇五年度には五万七千六百二十五人の利用客があった。
 廃止は同社のネットワークの再検討に伴うもの。那覇を拠点にすることで那覇−本土、那覇−先島を増便し全体の輸送量の増加を図る。那覇と東京、関西間の各路線の増便や機材大型化などで、本土と那覇の輸送力を向上させる。これにより全体の輸送力向上を想定している。
 今年の三月八日にはANA営業推進本部ネットワーク戦略部の藤村修一部長らが、宮古島市役所平良庁舎に伊志嶺亮市長を訪ね、同社航空路線の検討内容を報告し、理解を求めていた。
 大都市への直行便の廃止は九八年十一月の福岡路線以来となる。関西地区と宮古を直接結ぶ路線を失うことになり、影響は大きい。
 宮古観光協会の渡久山明事務局長は「直行便をなくす代わりに宮古−那覇便を充実させると聞いた。直行便がなくなることは残念だが、乗り継ぎで那覇から期待したい」と述べた。
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満員の会場一杯に歓声/企業人チャリティー大演芸会
17団体がダンス、舞踊など披露


多彩な演目で盛り上げた=29日、マティダ市民劇

 第九回企業人チャリティー大演芸会(主催・宮古島商工会議所女性会)が二十九日、マティダ市民劇場で開催された。企業を含む十七団体がボランティアで個性豊かなダンスや舞踊などを披露。二年に一度の恒例行事とあって会場は満員の観客らで埋め尽くされ、手拍子や笑い声で大いに盛り上がった。
 演芸会では、初めに同女性会の渡久山和子会長があいさつで「各企業からの出演・協力、多大なる支援に感謝している。バラエティーに富んだプログラムを盛りだくさん用意していますのでゆっくりとご覧ください」と呼び掛けた。
 出演したのは▽宮古島ユースホステル▽仲間海事▽宮古ゲンキ乳業−などの企業人や琉球舞踊教室、JA宮古地区女性部、宮古島警察署などさまざま。第一部は主催者があでやかな衣装で「宮古トウガニ」を踊り、幕を開けた。プログラムは二十演目行われ、それぞれ個性と工夫にあふれた日本舞踊や琉球舞踊などの演芸をステージいっぱいに披露し、会場を盛り上げた。
 個人で出演した添石久子さんは「伝えよう郷土食」と題し、宮古方言でユーモアたっぷりに話を披露。観客らを大爆笑の渦に巻き込んだ。
 この演芸会は二年に一度開催され、売上金の一部を福祉施設に寄付している。今回は、小規模作業所若葉(橋本よし子所長)に贈呈された。
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下地君(宮工3年)、市長賞に輝く/市民文化祭高校生の主張
高校生12人が熱弁
教育長賞 平良さん(宮高3年)、優秀賞 下地さん(宮高1年)


それぞれの主張で入賞した(左から)優良賞の鹿川さん、伊志嶺さん、市長賞の下地君、教育長賞の平良さん、優秀賞の下地さん=30日、マティダ市民劇場
 第一回宮古島市民総合文化祭(主催・宮古島市、同市教育委員会、同市文化協会)の「高校生の主張大会」が三十日、マティダ市民劇場で行われ、宮古地区五高校から参加した十二人の弁士たちが、日々の生活や将来の生き方、食、命などそれぞれの視点で主張を展開した。「家族という宝物」と題して発表した下地雅君=宮古工業三年=が市長賞に輝いたほか、教育長賞に平良千晃さん=宮古高校三年=、優秀賞に下地宏美さん=同一年=、優良賞に伊志嶺紗裕美さん=宮古工業一年=と鹿川舞さん=宮古農林三年=がそれぞれ選ばれた。表彰式は十一月三日、同劇場で行われる。

 下地君は、離婚で働き通しの母親を支えようと、自らアルバイトを始めた中で、「つらい時にいつもそばにいてくれる。一番落ち着く私の居場所が家族で、手放すことのできない宝物」と感じるようになったという。その上で、会話をすることが家族のきずなを深める方法と説き、「多くの人が家族を宝物のように思ってほしい。家に帰ったらいつもより長く家族と話し、それを続けてほしい」と呼び掛けた。
 教育長賞の平良さんのテーマは「言葉のちから」。友人の何気ない一言で傷ついた経験を示しながら、「言葉には力があり、人を闇の底に突き落とすこともあれば、暖かい光で包み込むこともある。何気ない言葉を考えるのは難しいが、誰かを温かく包み込むような優しい言葉を私は使いたい」と話した。
 優秀賞の下地さんは、アフリカの紛争における子ども兵や人身売買に目を向け、「ささいなことからでも、何かが変わるかもしれないと私は思う」と、自分にできることを考えるよう訴えた。優良賞の伊志嶺さんは「食べ物の大切さについて」、鹿川さんは「農林高校で学ぶ」と題し、それぞれ意見を述べた。
 審査のポイントは▽具体的で魅力がある話題▽しっかりした構成・内容▽正しくはっきりとした発声▽話の早さや間の取り方▽聞き手を見ているか▽自然で適切な話す姿勢、表現、動作−など。
 講評で與儀千寿子審査委員長(南小学校校長)は、「それぞれの体験に基づいたしっかりとした発表を興味深く聞いた」と評する一方、「しっかりと覚えて表現すること、内容の展開に合っている演題かなど、工夫が必要」と課題についても指摘した。
 大会運営には高校生が携わり、審査中のアトラクションでは、二つのグループがダンスを踊って盛り上げた。
 冒頭、主催者代表の久貝勝盛教育長は、「高校生の高校生による高校生のための大会。自分の内面を見詰める機会にしてほしい」とあいさつした。
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読書月間ちなみ図書寄贈/ろうきん宮古地区推進委
児童ら「大切に読みます」


宮島小に図書冊を贈ったろうきん宮古地区推進委員会の山内副推進委員長(左)と辺土名理事(左から2人目)=30日、宮島小学校

 ろうきん宮古地区推進委員会(狩俣直司推進委員長)は三十日朝、宮古島市立宮島小学校(伊計喜和子校長)に「ろうきん文庫」三十二冊を寄贈した。児童会長の下地千尋さんは「わくわくしています。頂いた新しい本は大切に読みます」と感謝した。
 ろうきん宮古地区推進委員会は、活動の一環として地域の子どもたちの文化をはじめ、スポーツの育成を目的に、地域学校への還元として図書の贈呈を行っている。
 贈呈は同委員会の山内健副推進委員長と辺土名清志理事が行った。山内会長は「皆さんに、たくさんの本を読んでもらうために新しい本を持ってきた。この本は皆さんとの新しい出会いを待っています」などと話し、さらに読書に親しむよう呼び掛けた。
 これに児童会長の下地さんは「宮島小学校の児童は、みんな本が大好きで競い合うように読んでいます。頂いた本は大切に読みたい」と感謝の気持ちを伝えていた。
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11月1日から各地に配布/東平安名崎専用のリーフレット完成
「Enjoy!東平安名崎」


東平安名崎専用リーフレットをPRする(左から)NPO美ぎ島宮古島の川満勝也副理事長、我那覇部長、宮古島市観光商工課の根間正三郎課長、根路銘委員長=30日、宮古観光協会事務局


東平安名崎専用リーフレット

 宮古観光協会青年部(我那覇宗広部長)と環境保全観光推進委員会(根路銘康文委員長)は三十日、東平安名崎専用のリーフレット「Enjoy!東平安名崎」の完成を発表した。リーフレットでは東平安名崎に生息する草花や津波石などを紹介。我那覇部長は「観光客だけでなく、地域の人々にも観光地を見詰め直して、自然を楽しんでほしい」と呼び掛けた。リーフレットは灯台の日である十一月一日から、各地に配布される。
 このリーフレットは、同青年部と同推進委が「東平安名崎環境保全観光推進プロジェクト」の中で取り組んできたもの。東平安名崎に咲く草花や自然を見詰め直し、環境自然保護と観光の両立を目指すことを目的に作製した。
 リーフレットの中面には東平安名崎で見られる植物十八種の説明と方言名、写真を記載。また、「東平安名崎イラストマップ」として、岬内の遊歩道やマムヤの墓などの各ポイントを分かりやすく紹介している。
 大きさはA4判の三つ折りタイプで総製作部数は三十万部。うち二十一万部は東平安名崎の灯台利用者に、六万部は▽宮古協栄バス▽八千代バス▽沖縄ツーリストレンタカー▽ジャパレン−の利用客に配布される。また、県外のイベントなどで宮古観光のPRとして配布される予定。
 リーフレット作製に当たっては宮古島市総合博物館や宮古島市教育委員会などが協力した。
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