200平成18  1029 日曜日

県知事選/本紙が立候補予定者インタビュー
「下地島」意見分かれる/離島振興で両氏政策強調

糸数慶子氏

仲井真弘多氏

 【那覇支局】宮古毎日新聞社は、十一月十九日に投開票される県知事選に立候補を表明している前県商工会議所連合会長の仲井真弘多氏(67)=自民、公明推薦=と参院議員の糸数慶子氏(59)=社民、社大、共産、民主、自由連合、新党日本など推薦=の両氏に対して宮古圏域の振興や各種課題に対する見解を聞いた。インタビューでは、両氏とも宮古の魅力を生かした活性化策に全力で取り組む姿勢を示し、県立宮古病院への脳外科医の常勤医師設置については早急に対応するとの見解で一致した。一方で陸上自衛隊の増強や下地島空港の自衛隊誘致については糸数氏が「反対」の姿勢を示し、仲井真氏は「地元の意向を踏まえ、負担にならないような措置が必要」との見解を示した。

 今回の知事選は、米軍再編に伴う普天間飛行場の代替施設や県の自立に向けた経済振興が争点となっている中で、多くの離島を抱える県にとって離島振興も重要課題であることから、宮古を中心とした離島振興のあり方について、両氏の見解を聞いた。
 離島地域の振興について仲井真氏は、すべての地域と人に一律に提供されるサービス(ユニバーサルサービス)を掲げ▽個性ある観光リゾート産業の支援▽「一島一品運動」など農林水産業、地場産業の振興▽平良港、石垣港を圏域拠点港として整備する−などを示した。
 糸数氏は、離島過疎地域の豊かな自然の継承保全を掲げ▽農林水産業、食品製造業、リゾート産業などを核とした物作りの振興で新たな雇用の創出▽電線の地中化などの生活環境基盤整備を進める▽高齢者福祉、医療充実など住民が等しく受けられるサービスの提供−などの方針を示した。
 サトウキビ生産の振興策については、糸数氏が現在の市場原理を導入した新価格制度について「零細農家を切り捨てる制度」として、すべての農家を支援するための施策の必要性とそれに向けた活動に意欲を示した。
 仲井真氏は、新たな技術を活用したバイオエタノールなどの研究開発を掲げ、「ハーベスターによる機械化の促進や担い手の育成をするとともに、サトウキビの高付加価値利用を目指して取り組みたい」と述べた。
 宮古毎日新聞社では両候補について▽全体的な離島振興について▽離島医療関連▽宮古、八重山における地上デジタル放送について▽サトウキビ生産に対する取り組み▽自衛隊問題▽地下水保全−の六項目について質問した。
 今回の知事選は、米軍再編に伴う基地問題に加え自立に向けた経済活性化策、離島振興策など県が抱える多くの課題を誰に託すのかを決める選挙であり、県民の判断は来月十九日に示される。
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郷友らと再会喜ぶ/関西ふるさとまつり
現況報告し思いはせる


出席者全員でカチャーシーやクイチャーを踊り、故郷・宮古島への思いを新たにした=28日、尼崎市立小田地区会館
 【兵庫県尼崎市で具志堅千恵子】第三十二回関西宮古ふるさとまつり(主催・宮古市村会、関西宮古郷友会)が二十八日、兵庫県尼崎市立小田地区会館で開催された。関西に在住し、故郷・宮古島に思いをはせる宮古出身者らが一堂に会し、郷友会と郷土の発展を願って語り合い、泡盛を酌み交わした。フィナーレには、会場いっぱいに響き渡る三線の音色に合わせてクイチャーを踊り、歓喜の輪を広げた。きょう二十九日は東京都千代田区で「関東宮古ふるさとまつり」が開催される。
 会場は互いを懐かしむ声と笑顔であふれた。出席した郷友たちや関係者は、それぞれの出身地や出身校、現況などを報告。青春時代を過ごした宮古を懐かしみ思い出話に花を咲かせつつ、歓談を楽しんだ。
 あいさつに立った同郷友会の譜久島登会長は宮古からの一行を歓迎し、「故郷と関西がひざを交えて年に一度交流できることをうれしく思う。手作りの余興をぜひ堪能して、ゆっくりと過ごしてください」と呼び掛けた。
 宮古側を代表して宮古島市の下地学助役は「郷友の皆さんが誇れる故郷づくりにまい進していきます」と述べた。
 来賓の兵庫県議会の内匠屋八郎議員、県大阪事務所の比嘉勝彦所長もそれぞれあいさつし、宮古島と郷友会の発展を祈念した。この後、同市議会の友利恵一議長の乾杯の音頭で祝杯を挙げた後、郷友会メンバーを中心に各種余興が繰り広げられた。宮古民謡や琉球舞踊、日本舞踊などで大いに盛り上がった。また、最後は全員でクイチャーを踊り、「ふるさと」を大合唱。宮古島に思いを寄せて、再会を誓い合い、最高潮のまま幕を閉じた。
 ふるさとまつりは、年に一度各地で開催。関東、関西、九州、広島の各郷友会と宮古市村会が主催している。郷友会のさらなる発展に加えて郷友会メンバーと宮古で活躍する行政機関、議会、地域団体代表との交流が狙い。
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「より良い社会へ行動を」/青少年タウンミーティング
県内で初めての開催/若者と大人が意見交わす


中・高生と学校、行政関係者が、それぞれの立場から意見を述べたタウンミーティング=28日、マティダ市民劇場
 二〇〇六年度青少年タウンミーティングin宮古(主催・内閣府、青少年育成国民会議、県青少年育成県民会議、宮古島市教育委員会)が二十八日、マティダ市民劇場で開催され、「今、若者、大人に求められるもの−青少年の社会参画で夢と希望の持てる沖縄づくりのために−」と題し、六人のパネリストが意見を述べた。宮古農林高校三年の久貝巧君は「より良い自分、より良い社会をつくっていくために必要なことを、若者も大人も、いま一度考えてみることが大切だ」と述べ、自分が置かれている状況を把握し、行動を起こすべきだと呼び掛けた。
 青少年タウンミーティングは、内閣府と青少年育成国民会議が年に四度、開催しているもので、県内では今回が初めての開催。
 今回は、久貝君と宮古高校三年の友利文香さん、コザ高校三年の長嶺利奈さん、平良中学校三年の浜川和音さん、宮古高校の仲間博之校長、宮古島市の宮川耕次総務部長の六人がパネリストとして登壇し、西城中学校の川上哲也校長がコーディネーターを務めた。
 友利さんは、「観光から宮古を考える」をテーマに、▽ポイ捨てや不法投棄などの環境破壊▽飲酒運転−の問題点を指摘。「自然を守り、地域のモラルやマナーを向上することが観光客誘致に良い影響を与え、真の癒やしの島としてアピールでき、観光産業の活性化につながる」と持論を展開した。
 浜川さんは、九月の少年の主張で最優秀賞となった「ケイタイを通して」を発表。携帯電話を購入するかどうかの両親とのやりとりを通して、「今の自分に大切なことは何かを心に留め、自分自身でしっかり見極め、コントロールして使えるようになるまで、携帯は待ってみようと思う」と話した。
 仲間校長は、宮古高校の生徒らが走破した周回数に応じて募金を集めるボランティア活動「チャリティーoRUN」や、西辺中学校が地域の大人を招いてその経験や知恵を学ぶ「たまうつ先生」などの活動を紹介し、「子どもが社会参画するには、大人が社会風土、土壌をつくっていかなければならない。地方の教育力を生かし、大人が一人ひとりの子どもと向き合う必要がある」と述べた。
 長嶺さんは、「青少年フレンドシップイン九州(旧・少年の船)」の活動内容について報告し、「小学校から高校生までが共に学び、成長できた」と胸を張った。
 宮川総務部長は、昨年十月に発足した宮古島市の建設計画を説明した上で、「若者がまちづくりの主役。夢のある宮古島をつくっていきたい」と強調した。
 主催者を代表して国民会議の上村文三副会長は「これを機会に学校、地域、家庭で、思うままを話し合える雰囲気をつくり、地域の中で大きな輪としてほしい」とあいさつ。県民会議の羽地和枝会長=伊良部出身=は「宮古の生徒たちの健全さに感激している。それを指導する中学、高校の皆さんに感謝したい」と語った。
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「活性酸素を消去」/ビデンス・ピローサフォーラム
医師らが研究成果発表


8人の研究者が成果を発表した=28日、那覇市ぶんかテンブス館
 【那覇市で砂川智江】「宮古ビデンス・ピローサフォーラム2006」(主催・宮古島市)が二十八日、那覇市ぶんかテンブス館で開かれた。医学者ら八人の研究者が独自の研究成果をそれぞれ公開し、抗酸化作用や抗炎化作用など、ビデンス・ピローサ(宮古B・p)の臨床的効果や有効性などについて示した。各講演でビデンス・ピローサの有用性が報告され、健康食品市場や医療現場など多方面において、従来以上に期待が高まった。
 宮古では、旧城辺町時代から武蔵野免疫研究所を中心とする関連企業と共同して「宮古ビデンス・ピローサ事業」が推進されており、宮古島市への引き継ぎを経て今年で十一年目を迎える。この間、研究所や企業などでの研究が進み、年に一度の「しま興し講演会及び研究会」を開催。五回目を迎える今年は、初めて那覇市で行った。
 フォーラムでは、ビデンス・ピローサが活性酸素を消去する働きが認められたことや、有効成分が糖尿病、かいよう、動脈硬化に予防効果があることなどが報告された。
 またアトピー性皮膚炎に対する有効性について、野村有子医学博士は四つの症例で研究した結果、「ビデンス・ピローサ錠剤を通常の治療と併用することで効果が上がった」と報告した。
 日本化粧品技術者会副会長の河本昌彦さんは、化粧水や乳液などにビデンスピローサを配合した結果、抗炎症効果が認められ、化粧品開発における有効成分として今後さらに活用が進む可能性を話した。
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「人のありがたさ感じる」/「河野謙三章」の伊志嶺吉作さん
陸上競技で功績 関係者が祝賀会


関係者から祝福を受ける伊志嶺さん(左)=27日、レストランクール新館

 中学校の教諭として、陸上競技で長年にわたり指導者として実績を残した宮古教育事務所の伊志嶺吉作さん(49)がこのほど、中学校の競技者で功績のあった人に贈られる「河野謙三章」を受章し、二十七日夜、市内のレストランで祝賀会(主催・宮古陸上競技協会、宮古地区中学校体育連盟)が開かれた。伊志嶺さんは「良い子どもたちに恵まれ、同僚や地域の皆さんに支えられての受章。改めて人のありがたさを感じている」と謝辞を述べた。宮古からの同章受章者は四人目。
 伊志嶺さんは佐良浜小・中、宮古高校、中京大学を経て、一九八一年に城辺中学校で教員生活をスタート。二〇〇〇年の城辺中まで、中学陸上の県大会で活躍する選手を次々に育てた。
 主催者を代表して宮古陸上競技協会の狩俣寛次会長は「伊志嶺さんはチーム優勝や記録を更新する選手を育て、宮古地区中体連、県中体連で好成績を残してきた。これからも陸協、中体連を激励してもらえれば幸い」とあいさつ。
 宮古地区中体連の野原敏之会長は「伊志嶺さんは、競技者としても指導者としても素晴らしい成績を残してきた。受章は彼以外にはいない、ふさわしい人物だ」とたたえた。
 親せきの子どもたちや自らの教え子から花束を贈られた伊志嶺さんは、「目の前のことを一生懸命やってきた中で受章でき光栄。これまで以上に、自分なりに一生懸命頑張りながら、誰かが頑張るときには支えになりたい」と笑顔で語った。
◆◆ことば◆◆
 河野謙三章 中学生競技者の指導者として、五年以上の指導歴、実績のある三十歳以上で、特に功績のあった人に贈られる。毎年、国民体育大会の際に章が授与される。河野氏は中学時代からマラソン選手として活躍。戦後、政治家として参院議長まで務め、スポーツ振興にも熱心に取り組んだ。
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かわいく仮装行列/花園幼、Windowズ
商店街でハロウィーン


かわいい格好で通りを歩く花園幼稚園の園児ら=28日、西里通り

Windowズ留学センターの子どもたちが趣向を凝らした衣装で街をにぎわせた=28日、下里通り
 十月三十一日の「ハロウィーン」を前に、花園幼稚園(岡本福子園長)、Windowズ留学センター(長崎悦子代表)は二十八日、仮装パレードを行った。子どもたちは大好きなヒーローやキャラクターやお姫様などに扮し、「Trick or treat(トリック・オア・トリート=お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ)」と言いながら、通りをにぎわせた。
 花園幼稚園は同日午前に西里通りから市場、下里通りまで、Windowズ留学センターは同日午後、同センターから下里通りを、それぞれ練り歩いた。
 ハロウィーンとは、キリスト教の諸聖人の祝日の前夜(十月三十一日)の祭りのこと。秋の収穫を祝い悪霊を追い出す習わし。アメリカでは、カボチャのちょうちんなどを飾り、仮装した子どもたちが近所の家々からお菓子をもらう。
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