200平成18  1027 金曜日

福祉保健ネットワーク/来月にも組織立ち上げ
市民の声に早急対応へ/宮古島市

 宮古島市福祉保健部(池村直記部長)は、部内全体および関連機関が一体となり、市民ニーズに総合的に対応する「市福祉保健行政ネットワーク協議会」を来月にも設置する。下部組織には、部内七課にそれぞれ事務局を置く市民レベルの協議会などを網羅して市民の声を反映。福祉保健行政は日々の住民生活に直結するだけに、市町村合併に伴う自治体規模拡大によるサービス提供の弊害を防いだ上で、早急かつきめ細やかな対応を目指す。

 同協議会の設置については、福祉保健分野はすべての年齢層の市民生活に直結する上、一つの事案の問題解決を図るには、例えば生活保護(生活福祉課)、介護保険(介護長寿課、地域包括支援センター)、保健(健康増進課)など複数の課の担当業務が関連し合うケースが多々あることから、情報を一元化して窓口における市民の「たらい回し」を防ぎ、丁寧・スピーディーな市民サービスを提供する狙いがある。また、地方分権や法改正などに伴い事務作業の多様化が進み、各課の連携強化が避けて通れない事情もある。
 今月一日付で要領を施行した。助役、部長のほか、各課課長、消防、警察、宮古福祉保健所、県立宮古病院地域連携室、市社会福祉協議会、民生・児童委員協議会などで委員を構成。来月にも正式に設置し、初回の定例会を開催する予定。
 また、協議会を円滑に運営するため、課長補佐、係長らで構成する協議部会を設置し、情報収集や意見提示などを行う。各課が事務局として抱える各種市民協議会や委員会らも組織に取り込み、地域の実情、市民個別の要望に即した施策展開を行う。
 池村部長は「これまで各分野の課題はそれぞれの担当課やそこに属する市民会議などで対処していたが、複数課の分野が絡み合って一つの課題事例として表れていることが多いため、今後は組織的な対応でより効率的な市民サービスを目指す」と説明した。
 生活福祉課の担当者は「市町村合併前は、地域全体の様子をある程度把握できたが、合併した現在は多様化した市民ニーズを担当課単位で的確につかむことは難しい。今後、ケースシミュレーションを作成した上で、一つ一つの課題を丁寧に掘り下げ、市民が必要とするサービスを組み合わせて対応したい」と話した。
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利用客の反応上々/グリーン・ツーリズム
受け入れ窓口の確立課題/実践者が意見交換会


グリーン・ツーリズムの振興を目指して実践者、関係者らが意見を交わした=26日、県宮古支庁
 グリーン・ツーリズムの展望を探る実践者意見交換会(主催・宮古地区グリーン・ツーリズム推進協議会)が二十六日、県宮古支庁で行われ、三人の実践団体代表者が現状や課題を発表した。利用客からは、地元住民との自然型交流の拠点として上々の反応が示されていることなどが紹介されたほか、利用客との最初の接点として、行政や観光協会に窓口の確立を要望。宮古島市経済部の宮国泰男部長は「今後は観光商工課が主な窓口になる」とし、行政としての取り組みに意欲を見せた。
 「宮古地区のグリーン・ツーリズムのあり方を考える」をテーマに発表したのは、「美ぎ島グリーン・ツーリズム研究会」の長間勝子代表、「ぐすくべグリーン・ツーリズムさるかの会」の松原敬子代表、「下地地区グリーン・ツーリズム・豆の会」の古波蔵小夜子代表の三人。
 松原さんは、二十五人の会員で実施している活動状況を説明した上で「地元の人との交流を望む観光客は多い。農家民宿や体験農場、農産物直売所の果たす役割は大きい」と話した。今後の構想として、団塊世代をターゲットに「第二の故郷づくり」をサポートする企画を紹介したほか、親子の旅行客を対象に土に触れたり物作りをする体験を提供し、次回からは子どもが単独でも来島できる環境を整え、子どもたちの「心の洗濯」に寄与するプランを説明した。
 長間さんは「『料理がおいしかったので、次回はぜひ親を連れてきたい』という利用客の声に胸を打たれた」などと紹介。
 古波蔵さんは「最初に赤字を出した反省に立ち、自らのメニューに誇りと自信を持って料金を設定。きちんと説明するようにしている」などと話した。
 会場には、行政、民間の関係者らが出席し、活発に質問するなど関心の高さをうかがわせた。
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裁判所の判断に期待/産廃裁判結審で報告会
大浦住民


参加者らに裁判の内容などについて説明する梶山弁護士=25日、平良の大浦公民館
 二〇〇一年十一月に発生した宮古島市西原の産業廃棄物最終処分場火災で被害などを受けたとして、大浦地区の住民が処理業者と監督責任を持つ県を相手取り、約六千万円の損害賠償を求めている訴訟が二十五日に結審したのを受け、同日夜、大浦公民館で大浦産廃火災裁判「結審」報告会(主催・原告団、支援する会)が開かれた。大勢の関係者らが出席。来年三月十四日の判決に向け、裁判官の判断に期待を寄せた。
 原告団の梶山正三弁護士が、▽大浦裁判の今までとこれから▽当時の火災発生状況▽損害賠償の算定−などを説明した。梶山弁護士は「裁判官が判決で、処理業者と県の責任を認めるかどうかが焦点となる。処理業者の責任は認めると思うが、県の責任を認めるかどうかは分からない」と前置きし、その上で「県の責任を認めた場合、県は控訴するだろう」と述べた。
 質疑応答の中で、住民の一人は「処理業者の責任が認められた場合、相手は支払う能力があるのか」などと意見を述べた。
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聖地を巡る/ユークイで大漁・豊作祈願/池間島


聖地へ向かう神女役のツカサンマ(司母)=26日、平良の池間島
 宮古島市平良の池間島で伝統の祭祀(さいし)「ユークイ(富をこう)」が二十五日から二日間の日程で行われた。最終日の二十六日、ツカサンマ(司母)と呼ばれる神女役の女性五人は、島内数カ所の聖地を巡り、向こう一年間の大漁・豊作を祈願した。
 ツカサンマは二十五日夜、上原山のナナムイ聖地でこもり、ひたすら祈りをささげた。一夜明けた二十六日早朝、白装束に身を包み、シイノキカズラ(方言名・キャーン)で編んだ草かんむりを頭に乗せ、ティーウサ(手草)を手に持った。
 池間島遠見台跡のそばにあるナカマニー(仲間根)と呼ばれる聖地で祈願。この後、最高位のフゥヅカサンマ(大司母)を先頭に「ヨーンティル(富よ、満ちてください)」の唱和を繰り返しながら練り歩き、各聖地で祈願した。フゥヅカサンマが持つつえは神のつえという。
 ツカサンマの後ろからは、ユークインマと呼ばれる女性たちが続くのが習わしだが、今回もいなかった。ユークインマの不参加は十年以上続いているという。
 ツカサンマは、池間公民館近くの広場で白装束を脱ぐと、輪を作り、笑顔で踊りを奉納した。住民らが訪れ、大きな拍手を送った。住民らは二十四日から自宅の正門に海砂を敷いて清め、悪霊を払い、福を招いた。
 地元ではユークイに参加する女性たちを「ナナスガン(七十七人の神)と呼ぶ。七十七人以上でも以下でもナナスガンという。
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上里諒太君(平一小6年)ら46人表彰
JTAあおぞら図画コンクール


受賞者一人ひとりに表彰状が贈られた=26日、ホテルアトールエメラルド宮古島

 日本トランスオーシャン航空(JTA、市ノ澤武士社長)は二十六日、第二十四回JTAあおぞら図画コンクールの表彰式を市内のホテルで開いた。最優秀賞に輝いた上里諒太君(平良第一小六年)ら四十六人に表彰状を贈呈。入賞作品は十一月十三−二十日まで、宮古空港内ロビーに展示され、最優秀賞作品は十二月中旬までJTAとRAC(琉球エアーコミューター)の機内に展示される。
 同コンクールは、県内離島および与論島に住む小学生を対象に募集。今回は七百七十三点の応募のうち、宮古地区からは最優秀賞に十点、優秀賞に十四点、佳作に二十二点が入賞した。
 久貝勝盛教育長はあいさつで「皆さんが島の豊かさを発見し、絵に描いたことはとても素晴らしいこと。受賞を機に、夢に向かって頑張ってほしい」と激励した。
 表彰式で児童らは、表彰状を手にするとにっこりと笑顔で喜んでいた。
 被表彰者は次の通り。(敬称略)
 【最優秀賞】▽一年=豊見山伊頼(北)、島尻龍之介(久松)▽二年=城田亮之介(南)▽三年=與那覇静流(平一)、狩俣将太郎(南)▽四年=川満未来(東)、上地萌栞(北)▽五年=伊良部愛理(平一)、与那覇有愉(同)▽六年=上里諒太(平一)
 【優秀賞】▽一年=新城里依(南)▽二年=松原優里子(久松)、砂川日向子(同)▽三年=新里充輝(北)、山口翔平(池間)▽四年=松原愛依(久松)、与那覇淳弥(東)▽五年=岡村政輝(東)、与那覇優汰(同)、平良諭子(南)▽六年=下地成美(南)、井辻瑠倭(同)、砂川宗平(同)、小谷愛佳(東)
 【佳作】▽一年=池間昌輝(北)、譜久島優澄(佐良浜)、狩俣香月(南)、小渡素輝(東)、与那覇優美奏(同)▽二年=伊良部里佳(平一)、松原昂平(久松)、上原みなみ(同)▽三年=本村成世(久松)、宮城凛(平一)、平良花梨(同)▽四年=狩俣穂香(南)、上原久忠(平一)、比嘉健太(同)▽五年=新里涼(平一)、砂川秋穂(同)、川上鮎希(南)、上地樹(同)、下地百恵(北)、砂川三由姫(上野)▽六年=池村智貴(久松)、上地美則(同)
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腰原女性会に県警本部長賞
子どもを守るパトロール実施で


地域の安全活動が高く評価され県警本部長の感謝状贈呈を受けた宮平隊長(左から2人目)と与那覇美代子副隊長(同3人目)=26日、宮古島警察署
 地域の安全活動に積極的に取り組んだとして、腰原女性会子どもを守るパトロール隊(宮平エミ隊長)に県警本部長の感謝状が贈られた。二十六日夕、宮古島警察署で感謝状伝達式があり、同署の岸本亮署長が同パトロール隊の宮平隊長らに感謝状を贈呈した。宮平隊長は「これからも誰でも、どこでも、いつでもできるパトロールを地域全体に広げていきたい」と決意を込めて話した。
 腰原女性会子どもを守るパトロール隊は今年一月に結成された。現在は二十五人で構成されており、子どもたちの下校時に合わせて週四回のペースでパトロールを実施。ウオーキングを兼ねながら公園や通学路をくまなく巡回し、子どもたちに声を掛けるなどして地域の安全活動を推進している。
 感謝状の伝達式で岸本署長は「今回の感謝状は、皆さんが自主的に取り組んだ成果が評価された。これからも活動できる時間を使って、地域の子どもたちを守ってほしい」と激励を込めた。
 これに宮平隊長は「結成して間もないのに、このような感謝状を頂いたことをうれしく思う」と話し、これからも活動を積極的に実施していく決意を話していた。
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