200平成18  1019 木曜日

市05年度歳入歳出/交付税 1人当たり21万円
県平均を14万円上回る/依存体質、さらに浮き彫り
県支出金も突出

 宮古島市は十八日までに、二〇〇五年度歳入歳出決算の状況と県内十市の財政状況を比較して導いた市民一人当たりの決算額をまとめた。地方交付税の市民一人当たりの決算額は二十一万八千八百七十四円で県平均の七万一千九百十七円を十四万七千円も上回る。県支出金は県平均より七万八千円多い十万二千四百五円。いずれも県内十一市の中で最も高く、改めて国や県に依存する体質が浮き彫りとなった。地方交付税の落ち込みをカバーしてきた臨時財政対策債が〇七年度から打ち切られ、宮古島市には八億円以上の財源が不足する見込み。この財源をどのように確保するのかを含めて、市の財政改革が注目される。

 今回の調査は、今後の財政改革を効率的に進めるために実施。那覇、糸満、うるま、豊見城、沖縄、石垣、浦添、名護、宜野湾、南城の各市のデータを集め、宮古島市の〇五年度歳入歳出決算と比較した上で、住基台帳人口から市民一人当たりの決算額をはじいた。
 依存財源の柱となる地方交付税の市民一人当たり決算額は二十一万八千円。類似する石垣市は十三万四千円、名護市は九万九千円となっていることから、この数字だけでも宮古島市の高い依存度がうかがえる。さらに歳入総額の一六・六%を占める県支出金は五十七億円で、これも十一市の中で最も高い額。市民一人当たりに換算すると十万二千円となり、二番目に高いうるま市の三万八千円と比べると六万円以上の開きがある。
 これを総じた市民一人当たりの依存財源額は四十九万二千円で、十一市の中で最も高い。次に高いのが名護市の三十万七千円であるため、宮古島市の依存度は県内他市と比較した場合、破格の額に値する。
 歳出をみると、総額は三百六十一億円で一人当たりの経費は六十四万七千円。一人当たり経費の低い宜野湾市の二十八万二千円と比べると二・三倍の経費を要している。
 歳出を義務的経費と投資的経費、その他の経費と三つに分けて他市と比較分析すると、義務的経費は人件費や扶助費、公債費の計で一人当たり二十八万五千円を要し、県内十一市で一位。人件費と公債費は他市の約二倍となっている。投資的経費は十一市の平均が七万七千円であるのに対し宮古島市は二十万三千円以上で、これも他市の二倍の額に当たっている。
 今回の結果から、宮古島市民一人当たりの経費が他市と比べて高額であるという実態が浮かび上がった。合併による数字であることも指摘できるが、市は現実問題として受け止め、市民に理解を求めながら財政改革を実施する方針だ。総務部財政課では「分散する施設の統廃合や、離島であるが故の効率の悪さを改善することによる物件比や維持補修費の削減と、義務的経費の人件費と公債費の削減ができる」などとしている。      (山下誠)
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上原久忠君(平一小4年)が長官賞
青い海図画コンクール/広報ポスターで全国に掲示


海上保安庁長官賞を受賞した上原久忠君の作品


上原久忠君

 海上保安庁はこのほど、全国の小・中学生を対象に募集した「第七回未来に残そう青い海・図画コンクール」の入選者を発表した。宮古地区からは上原久忠君(平一小四年)が、小学生高学年の部で最高賞に当たる海上保安庁長官賞に輝くなど、六点が入賞した。上原君の作品は二〇〇七年度の海洋環境保全推進週間の広報ポスターとして、全国の海上保安署などに掲示される。
 被表彰者は次の通り。
【小学生低学年の部(一−三年)】海上保安協会沖縄地方本部長賞・佳作=上原千忠(平一小一年)【同高学年の部(四−六年)】海上保安庁長官賞=上原久忠(平一小四年)▽海上保安協会沖縄地方本部長賞=川満未来(東小四年)▽同賞・佳作=洌鎌優樹(砂川小五年)【中学生の部】▽海上保安協会沖縄地方本部長賞・佳作=島尻真由美(北中三年)、上原望可(平良中一年)
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漁船の油抜き取り/吉野海岸の座礁船
重油など1900gを除去


座礁船の油抜き取り作業を実施する消防職員ら=18日、吉野海岸

 十六日午後から城辺の吉野海岸沖リーフ際に座礁している糸満港船籍のマグロはえ縄漁船「第八若義丸」の船内に残された油を除去するため、十八日、平良海上保安署の署員や消防職員、宮古島市の担当者ら約五十人が油抜き取り作業を実施した。船が浅瀬に座礁していることもあり、作業は人海戦術で行われた。漁船の油を抜き取り、ドラム缶に入れ替え約二百b離れた船と砂浜を行き来しながら除去作業に当たった。十日から行方不明になっている児玉久男船長の行方は十八日午後六時現在も分かっていない。
 この作業は漁船が損傷して油が漏れ出すことを懸念して実施。油が漏れ出すと環境汚染につながることから、抜き取り作業は慎重に行われた。
 油抜き取り作業は午前十時ごろから行われ、作業参加者が海に入り、船から抜き取った油を入れたドラム缶を砂浜まで何度も運んだ。抜き取った油はA重油が約一九〇〇gになり、そのほかエンジンオイルと予備のオイルを合わせた六〇gを船外に出した。
 平良海上保安署によると、座礁している漁船の撤去作業はきょう午後にも行われる予定。
 この漁船は十六日午後にリーフ際に座礁。すでに児玉船長の姿はなく海上保安署などが十八日も捜索を続けたが、発見には至っていない。
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平一小校舎改築/新設計者を決定
来年1月には着工へ

 宮古島市立平良第一小学校改築工事の実施設計業者を決める入札が十七日に行われ、ヤマサト設計・タケハラ設計共同企業体(JV)が落札した。十二月十五日までに実施設計を納める予定。同工事は、受注業者と市教育委員会で「実施設計」について見解が食い違い、着工が遅れていた。九月三日に校舎解体が終了してから約一カ月、校舎改築は再び動き出した。着工は来年一月になる見込み。

 市教育委員会教育施設課の友利悦裕課長は「実施設計は遅れたが、期限内に完成を目指したい。新しい設計者が決まり、学校や地域の皆さんもほっとしているのではないか。早期着工へ急ぎたい」と述べた。
 入札には指名業者のJV九社が参加。ヤマサト設計・タケハラ設計JVが千七百五十万円で落札した。
 同校の下地邦雄校長は「新しい設計者が決まって喜んでいる。児童らは新校舎を心待ちにしている。早めに着工し無事に完成することを願いたい」と話した。
 実施設計については、同校PTAや識者らで組織した建設検討委員会がまとめた基本設計に基づき、八月十五日までに納める契約だったが、受注業者の池村博美建築事務所・五島総合設計JVは「基本設計には欠点がある。この通りには設計できない」と指摘。「基本設計通り」を求める教育委員会と折り合いがつかず、工期を過ぎていた。教育委員会は九月十三日に工期不履行として契約解除を文書で通知している。
 校舎改築工事は二〇〇六−〇七年度の二カ年事業。〇八年四月の供用開始を予定している。総事業費は約十三億円。
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宮古で初めて適用/被疑者国選制度
男性2人殺傷 容疑者に弁護士

 重大事件の起訴前の容疑者に国選弁護士をつける「被疑者国選制度」が宮古で初めて適用された。今月十一日に宮古島市平良で起きた殺傷事件で逮捕された容疑者の弁護人に、宮古島ひまわり基金法律事務所の中村昌樹弁護士が十六日、決まった。
 中村弁護士は「逮捕直後は普通の状態ではない。訳の分からないうちに取られた供述でも裁判では重要な証拠になる。早くつくことで被疑者も落ち着く」と述べた。
 同制度は死刑や無期、短期一年以上の懲役か禁固に当たる殺人などの重大事件の容疑者が対象。刑事訴訟法が一部改正され、今年十月に施行されていた。
 中村弁護士は殺傷事件の容疑者に二度接見し、黙秘権や今後の刑事手続きの流れを説明したという。
 国選弁護人は経済的な理由で弁護士に依頼できない場合などにおいて、国が弁護人をつける。これまでは起訴後に選ばれていた。
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先嶋建設など4事業所を表彰/自動車安全運転センター
安全運転強化、事故防止に貢献


表彰状を受け取った(前列右から)先嶋建設の友利博明総務課長、三交タクシーの砂川代表、大米建設の洲鎌重信部長、宮古製糖の新城淳作専務取締役=18日、宮古島警察署

 自動車安全運転センター(小林武仁理事長)による宮古地区の優良安全運転管理事業所の表彰式が十八日、宮古島警察署で行われた。同センターの金城勲県事務所長が安全管理を強化し、事故防止に貢献した先嶋建設など、市内の四事業所に表彰状と盾を手渡した。
 四事業所は同センターが表彰基準に定めた運転記録証明書を活用した安全運転管理を実施。安全運行の基準を満たす事業所が金賞、銀賞、銅賞を受賞した。
 金賞は先嶋建設と三交タクシー、銀賞は大米建設、銅賞は宮古製糖がそれぞれ受賞した。
 金城事務所長は「県内で受賞した六事業所のうち四事業所が宮古地区。各事業所の指導のおかげだと感謝している。引き続き安全運転に努めていただきたい」と述べた。
 金賞を受賞した三交タクシーの砂川隆代表は「会社の指導の前に一人ひとりの安全運転への意識が高いことが受賞につながった」と社員らをたたえた。
 【最優秀】与那覇千佳(西辺中三年)【優秀】山里司(宮高三年)【優良】永井亜矢子(宮高一年)【佳作】鹿川舞(宮農三年)▽松岡基樹(北中二年)【入選】中島潮見(北中一年)▽伊良皆望美(鏡原中三年)▽島尻昌喜(狩俣中二年)
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