200平成18  1015 日曜日

キーワードは「自然・環境・健康」/市制1周年記念シンポジウム
「世界に発信できる楽園に」/将来の方向性で各氏提言


活発な意見・提言があったシンポジウム=14日、宮古島市中央公民館

 宮古島市の将来の方向性を考える市制一周年記念文化行事の一つのシンポジウム「21世紀人類の進化と宮古島の発展−具体的提言をどうぞ−」(主催・同市、国際融合文化学会ほか)が十四日、同市中央公民館で開かれた。パネリストの伊志嶺亮市長は「宮古島市の緑豊かな自然・環境・健康づくりに取り組んでいきたい」と決意を新たにした。パネリストの上田邦義同文化学会長は「宮古島を世界へ発信できる地上の楽園にしてほしい」と総括した。シンポジウムには大勢の市民らが出席し、各パネリストの個性豊かな発想や視点の意見・提言に熱心に聞き入っていた。
 パネリストは、伊志嶺市長、日江井榮二郎氏(東京大学名誉教授)、前里和洋氏(県立宮古農林高校教諭)、中井弘和氏(MOA自然農法文化事業団技術顧問)、吉田昭彦氏(医学博士)、新里玲子氏(宮古島苧工房代表)、マーカス・グランドン氏(明暗流尺八導主)、小笠原隆夫氏(日本大学芸術学部教授)、上田邦義氏(国際融合文化学会長)の九氏。コーディネーターは、宮西ナオ子氏(日本ペンクラブ・ライター)が務めた。
 伊志嶺市長は多面的な自然環境などの観点から述べた。日江井、前里、中井、吉田の四氏は自然の観点、残り四氏は文化の観点からそれぞれ発言した。
 このうち、伊志嶺市長は、自然・環境・健康づくりを強調した上で「宮古島はアジアの中心地。下地島空港をアジアに開いた空港にしたい」と意欲を示した。
 前里氏は、宮古島の命の源である地下水の保全と持続的な発展について説明。その上で「二十一世は水の時代。宮古農林高校の生徒たちに、地下水研究を指導している。教育を通した人材育成を行い、循環型社会に取り組んでいる」と語った。
中井氏は「宮古島では、米を原料とした泡盛を造っている。宮古をイネの国(島)にしては」と提言した。
 新里氏は「日本の織物で、自然の素材を一〇〇%使っているのは宮古上布しかない。お年寄りたちが糸を績み出し、宮古上布を織る若い女性たちが増えてきた。宮古上布の未来は明るい」と話した。
 グランドン氏は「医学学会と世界レベルのアートイベントを開催し、世界へ発信しては」と提言。
 上田氏は「癒やしの島の宮古島に子づくり観音像を造り、全国の人々が宮古に来たら子どもができるという考えにしてはどうか」と提起し「健康研究センターや通信制の大学を造っては」と提言した。(伊良波彌)
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能の「美」を堪能/英語で「ハムレット」上演
市制1周年記念公演


英語による能・ハムレットが上演された=14日、マティダ市民劇場

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の市制一周年を記念する公演「英語能・ハムレット」が十四日、マティダ市民劇場で上演された。能楽師によって英語で公演される初めての舞台。訪れた大勢の市民らは能の「美」をゆっくりと堪能した。きょう十五日午前十時から、池間島離島振興総合センターでも行われる。

 公演は午後二時に開演した。はじめに、英語能シェイクスピア研究会の上田邦義代表が解説と祝言小謡を行い、この中で自らが作った「宮古島賛歌」を披露した。賛歌では「宮古ぬ美さや世界ぬ美さ」などと表現し会場を拍手の渦に包み込んでいた。
 演目に入ると、はじめに仕舞が演じられた。引き続き、英語能・ハムレットが上演された。デンマーク王子ハムレットが愛するオフィーリアの死に遭遇し、変わりゆく心境の変化を美しく、神秘的に披露し、会場の観客の視線をくぎ付けにしていた。
 上演後は、会場から出演者に対する大きな拍手が送られるとともに、六百五十年間にもわたる能の歴史と芸術性に大勢の市民が感嘆の声を上げていた。
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住民に安堵の声広がる/容疑者逮捕から一夜明け
2人殺傷事件


捜査員が容疑者宅で家宅捜索を実施。30数点を押収した=14日午後1時ごろ、平良字下里

 今月十一日未明に平良字下里のコンビニエンスストアの店前で男性二人が刺され死傷した事件は十三日、発生から三日目で容疑者逮捕となった。容疑者が逃走し行方が分からなくなるなど周辺地域を不安に陥れた凶悪犯罪は、逮捕によって終息した。容疑者逮捕から一夜明けた十四日、周辺地域には安堵の声が広がり、事件前と変わらない静けさや子どもたちの笑い声が戻りつつある。
 容疑者が住む自宅周辺は、アパートや一戸建て住宅などが軒を連ねる閑静な住宅地。少し離れ、道を隔てると近くにはスーパーやコンビニ、学校なども隣接している。
 容疑者の自宅近くに住む女性(29)は「犯人逮捕と聞いて本当に安心した。子どもたちが外で遊べるのを喜んでいる。この三日間は不安な気持ちでいっぱいでした」と胸をなで下ろした。
 別の女性(89)は「一人暮らしなので怖くて怖くて。早い時間から戸締まりをするなど防犯に気を付けた。住みやすく誇りに思う島なのに、このような事件が発生してとても残念に思う」とまゆをひそめた。
 子を持つ母親(32)は「犯人逮捕に至らなかった場合、来週から子どもたちの送り迎えを早めてほしいという内容の文書を学校側からもらった。夫婦共働きでいろいろ難しいこともでてくるので、逮捕と聞いて安心した」と笑顔を見せた。
 現場周辺で生活している男性(32)は「身近なところに犯人が住んでいると聞いたので、ただ驚くばかり。やっと普通の生活に戻れる」と話した。
 無職の男性(80)は「子や孫に気を付けなさいと声を掛け送り出していた。身近に住む人が犯人だと聞いて悲しいです。罪を償ってほしい」と語った。
 公務員の女性(24)は「一人暮らしだったので何かあったらどうしようかととにかく不安だった。犯人が逮捕されるまで夜間の外出は極力控えていた」と胸をなで下ろした。
 女子児童(11)は「先生から学校に遅くまで残ってはいけないと言われた。友達と一緒に帰るようにしたり、友達は迎えに来てもらっていた。逮捕されたから外で遊んだりもできてうれしい」と笑顔で話した。
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パニパニ3A(西城中)がGP/全宮古中学校ダンスフェスティバル
躍動感あふれるダンス披露


各グループで躍動感あふれる演技が披露された=14日、平良中学校グラウンド

 第四回全宮古中学校ダンスフェスティバル(主催・宮古地区中学校体育研究会)が十四日、平良中学校グラウンドで開催された。「郷土の踊り」と「リズムダンス」の二部門で、生徒たちの若さはじける創作ダンスが繰り広げられた。両部門合わせて市内八校から十一チームが参加。総合では西城中の「パニパニ3A」がグランプリに輝いた。
 同フェスティバルはダンスの楽しさや創作する喜びを味わうことで、豊かな表現活動の充実を図ることなどが狙い。
 ダンスは入場から退場までを十分以内で演技し、▽意欲▽思考・判断▽技能−などの観点から審査された。各グループとも、元気いっぱいの笑顔で躍動感あふれるダンスを披露し、会場に訪れた生徒たちの応援にも熱がこもっていた。
 優勝したパニパニ3Aは男女計十八人で結成されている。「自分たちがダンスを楽しむことで、見ている人も楽しくなる」ことを胸に、全員笑顔で楽しく踊ったことが評価された。リーダーの安田エリナさんは「思い切り演技ができた。みんなでグランプリがとれてとてもうれしい」と感想を話した。各部門の優勝グループは次の通り。
 【総合】パニパニ3A(西城)【郷土の踊り部門】ソーランレンジャー(北)【リズムダンス部門】インギャーBoy,s(砂川)
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けいこの成果競う/宮古島地区少年柔道・剣道
各部門で熱い戦い


柔道・剣道の各部門で優勝した選手ら=14日、北中学校武道場

 第二回宮古島地区少年柔道・剣道大会(主催・宮古島警察署、宮古島地区防犯協会)が十四日、北中学校武
道場で開催された。両競技に合わせて六十六人が参加して、日ごろのけいこの成果を競い合った結果、柔道六部門、
剣道四部門の計十部門で優勝が決まった。
 各部門の三位までは次の通り。
 ▼柔道
 【小学校一・二年】▽優勝=濱川勝平(東)▽二位=池田理玖(南)▽三位=松山美月(北)
 【同三・四年】▽優勝=砂辺一行(北)▽二位=笠原崚央(上野)▽三位=松山大海(北)
 【同五・六年】▽優勝=下地祐平(上野)▽二位=下地泰史(東)▽三位=宮國実香子(上野)
 【中学一年生】▽優勝=狩俣広宣(狩俣)▽二位=美里祐気(同)▽三位=宮國千里(上野)
 【同二年生】▽優勝=福里拓巳(北)▽二位=杉山渉(同)▽三位=益田翔也(同)
 【同三年生】▽優勝=大浦龍平(平良)▽二位=新里丈了(狩俣)▽三位=平安山和也(平良)
 ▼剣道
 【基本形式】▽優勝=恩川淳之介(下地)▽二位=恩川夢野(同)▽三位=根間穂菜美(北)
 【競技形式】▽優勝=友利和樹(南)▽二位=根間健慎(北)▽三位=下里和矢(東)
 【試合の部】▽優勝=下井悠汰(北)▽二位=下井恵汰(同)▽三位=根間優美(同)
 【中学生】▽優勝=根間康輝(北)▽二位=堀之内貴之(来間)▽三位=田代勇介(平良)
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しんじょうさんら表彰/JA共済 書道・ポスターコン


各部門の入選者に賞状と記念品が贈られた=14日、JAおきなわ宮古地区事業本部農業情報管理センター

 第二十八回(二〇〇六年度)JA共済全国小・中学生書道・交通安全ポスターコンクール宮古地区入選者の表彰
式(主催・JAおきなわ宮古地区事業本部)が十四日、同本部農業情報管理センター大研修室で行われた。書道の
半紙、条幅の両部門で優秀賞となったしんじょうさといさん(南小一年)ら、書道と交通安全ポスターで入選した児童・生
徒たちが賞状を授与された。
 今年は宮古地区管内の小・中学校三十一校から、八百九十一点の応募があった。各部門・学年の優秀賞の作品
は県のコンクールに出品され、五人の六作品が優秀賞に選ばれ全国コンクールに出品されることが決まっている。
 表彰式で同本部の下地隆弘本部長は、児童・生徒たちの入選をたたえながら、「次の世代を担う小中学生の皆さん
が、将来立派な社会人になることを期待したい」と激励。一人ひとりに賞状と記念品を手渡した。
 審査委員の立津精一さんは講評で「改めて作品を見るとすごいと思う。書道、芸術は美を追究し、忍耐力を養うもの
。心の修行としてあきらめずに頑張って」と述べた。
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