200平成18  1013 金曜日

下地島空港/県が使用自粛要請
知事公室長が米軍に遺憾の意

 【那覇支局】フィリピンでの合同演習に参加するため米軍機が十一日に給油を理由に下地島空港を使用した問題で、県(稲嶺恵一知事)は十二日、在沖米海兵隊基地司令官のマリアン・クルサダーシン准将に対して同空港の使用自粛を要請した。

 要請は、県の花城順孝知事公室長が同日に在沖米海兵隊外交政策部長のラリーJ・ホルコム大佐と面談し、県として遺憾の意を伝えた。
 要請文では、民間空港への米軍機使用は緊急やむを得ない場合を除いて自粛するよう繰り返し要請してきた中で再び使用したことは遺憾とし、今後も県が使用自粛を求めていくことを強く念頭に置いて飛行計画を立案するよう要請している。
 十一日には、普天間基地所属のCH−46ヘリコプター八機とKC−130空中給油機一機が給油のため下地島空港を使用した。(垣花尚)
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男性2人殺傷/容疑者絞り込む
宮古島署 現場近くで刃物発見

 宮古島市平良字下里のコンビニエンスストア前で十一日未明、男性二人が男に包丁で刺され、職業不詳の忠政(ただまさ)豊さん(21)=岡山県勝央町=が死亡し、弁当屋店員の男性(22)=平良=が重傷を負った事件で、宮古島署は容疑者と思われる男をほぼ特定したもよう。宮古島署では、逃げた男の行方を追うとともに引き続き捜査を進めている。

犯人の似顔絵

 犯行に使われたとみられる包丁のような刃物が現場周辺で発見されたもようだが、これが実際に犯行に使用されたものかは断定されていない。現場周辺に住む三十代の男が何らかの事情を知っているものとみて、宮古島署は男の行方を追っている。
 発見された刃物を見たという女性は「家庭で使われているような普通の包丁だったと思う。結構、新しかった」と振り返る。
 現場周辺に住む女性は「子どもが外で遊べない環境が怖い。早く犯人を逮捕してほしい」と声を震わせた。
 付近にいた男性は「物騒な世の中になったけど、狭い島だからすぐに捕まるだろう。警察官がパトロールしている様子だし大丈夫だと思う」と話した。

 事件概要 十一日午前四時三十分ごろ、忠政さんと男性がコンビニ前に置いてあるいすに座ってカップラーメンを食べていたところ、自転車に乗った男が二人に近づき「おれを覚えているか」などと声を掛けた。男性が「知らない」と答えたところ、男は男性らに対して名前を聞き返し「死なすよ」と突然言いがかりをつけ、男性を殴った上で、持っていた出刃包丁のような刃物で胸などを刺し、さらに忠政さんの胸などを刺した。
 忠政さんは同日午後零時四十三分、搬送先の病院で死亡。もう一人の男性は胃まで包丁が到達するという重傷を負ったが、命に別条はない。
 男は自転車に乗って宮古農林高校方面へ逃走したとみられ、その後の足取りはつかめていない。
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広域整備事業が完了/池間漁港
総額7億7千万円投じる


完成した碑の前で記念撮影する池間幼稚園の子どもたち=平良の池間漁港

 県宮古支庁(兼城克夫支庁長)は十二日までに、広域漁港整備事業が完了したことに伴い、宮古島市平良の池間漁港に記念の「池間漁港碑」を設置した。碑には、二○○三年七月に空撮された同漁港とその周辺の池間小・中学校などのカラー写真が銘板に掲示されている。訪れた人は興味深そうに見入っていた。住民らは「池間漁港が広くアピールされて良かった。これまで以上に、漁港に親しみを感じるようになった」と喜んでいる。
 同漁港は、○一−○五年度までの五年間に、同事業で約七億七千万円を投じ、波除堤、浮桟橋、岸壁、船揚場を整備した。
 碑は、宮古産の琉球石灰岩と大理石を用いて建立された。高さ二・三五b、幅二・五b
。銘板には、空撮の池間漁港を中心とした光景のほかに、一九四六(昭和二十一)年に空撮された池間島全景のモノクロ写真を掲示。一九五○年代のカツオ一本釣り漁船の船団、子どもたちが伝馬船に乗っている光景、池間遠見台跡から見下ろしたかつお節製造工場のモノクロ写真は、当時をしのばせている。
 また銘板には、カツオ漁業の始まりについて「池間島では一九○六(明治三十九)年に、鹿児島県人による鰹漁業が始まりで、島の漁業者を加えて操業が開始され、鰹節の製造も始まり、島の人たちは技術の習得に努めた」と刻まれている。 下段には「一九○九年には、池間漁業組合が設立され、一九一○(明治四十三)年には島の漁民主体の鰹漁業生産組合ができ、本格的な島民主体の鰹漁業が開始され、最盛期の夏には池間島は賑わいをみせた」と紹介している。
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川満さん(北中2年)が最優秀賞/ライオンズクラブ中高生絵画コン
花ギャラリーTOMOE19日まで展示


受賞に輝いた中・高生たち=12日、花ギャラリーTOMOE

 第十二回中高生絵画コンクール(主催・宮古ライオンズクラブ)の表彰式が十二日、宮古島市平良の花ギャラリーTOMOEで行われ、最優秀賞に市立北中学校二年の川満美耶さんの作品が選ばれた。入賞・入選の二十三作品は、きょう十三日から十九日までの期間、同ギャラリーで展示される。
 このコンクールは、子どもたちが絵画を通じて豊かな感性をはぐくみ、故郷の美しさを再発見することが狙い。「宮古の素晴らしい自然と風景」をテーマに九月一日から二十九日まで応募され、中学の部に九十点、高校の部に三十二点の計百二十二点が寄せられた。
 表彰式で池村恒仁審査委員長は「作品の狙いを考え、陰影や明暗、遠近、構図などを基準に審査した。全体的には、もっと時間をかけて細かいところまで描きたかったのでは、と思われる作品が多い。時間をかけて、最後まで精いっぱい描いてほしい」と講評した。
 最優秀賞に輝いた川満さんは「風景の明るい雰囲気を出す作業が大変だったが、光の加減などをうまく表現できたと思う。受賞は予想外で驚いた」と感想を話した。
 受賞者は次の皆さん。(敬称略)
 【中学の部】▽最優秀賞=川満美耶(北中二年)「初夏の陽の中の緑」▽優秀賞=仲間治香(西辺中三年)「家」、前泊春菜(同)「海の見える風景」▽会長特別賞=仲原五月(宮古養護学校一年)「秋の夜長」▽佳作=与那覇園子(西辺中三年)「赤瓦と緑」▽友利晴香(北中二年)「風景画」、仲間美登梨(西辺中二年)「赤瓦のある風景」、砂川華子(北中二年)「緑と光と赤瓦」▽入選=前里愛香(北中二年)「夕陽の中の風景」、池村明仁(平良中二年)「素晴らしい宮古の自然と環境」、松川澪奈(北中一年)「夏の風景」、池間真梨恵(平良中一年)「パパイヤ」、砂川翔吾(北中一年)「ひまわり」、佐和田愛(砂川中二年)「ピンザ」
 【高校の部】▽優秀賞=荷川取亜里紗(宮古高校一年)「私の宝物の宮古島の風景」▽佳作=下地美佳帆(宮古高校二年)「前浜」、下地和輝(同一年)「伊良部の風景」、根間小春(同)「みんなのここちよい場所」▽入選=来間愛(宮古高校一年)「夕日」、上里菜摘(同)「夕」、下地詩織(同二年)「夜空」、宮城愛(同)「夕日」、与那城真紀(同)「自然」
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80歳で百b16秒31/亀浜さん九州マスターズで3冠


3種目の大会新の賞状を手に笑顔の亀浜さん=12日、平良字西里の亀浜さん宅

 平良字西里に住む亀浜敏夫さん(80)がこのほど、鹿児島県で行われた第二十三回全九州マスターズ陸上競技選手権大会に県代表として出場し、八十−八十四歳クラスの百bで16秒31、二百bで35秒76、四百bで78秒98と、三種目で大会記録を更新する大活躍を見せた。健康の秘訣は毎日、ソフトテニスをすることで、「体が動く限りは陸上にも挑戦したい」と元気いっぱいだ。
 七月に県のマスターズ陸上に出場し、八十−八十四歳の百bで16秒89、二百bで35秒34、四百bで82秒13といずれも、大会新どころか沖縄県新記録を樹立。県代表に選出された。
 今回初めての九州大会で、「自信はなかったが、県連盟からも、子どもたち、孫たちからも、行ってみたらと勧められたので参加した」。勝ち負けを意識しなかったことが功を奏し、ふたを開けてみれば百b、二百b、四百bの短距離三種目で大会新。「自分でも驚いた。負けると思っていたからね」と笑った。
 陸上を始めたのは、二十二歳ごろだと言う亀浜さん。平良の「内会」対抗の陸上競技に出場するためだった。その後も陸上大会には出場を続けながら、市役所で六十歳まで勤め定年後、友人の誘いを機にソフトテニスを始めた。
 今では毎日午前中に二−三時間、カママ嶺公園内のパニパニコートで汗を流すのが日課。強靱な足腰もこれで培った。「今はテニスが仕事。テニスをやっているから走れる」。陸上の練習は大会前になって始めるというが、午前のテニスに加え午後にウオーキングと、余念のない健康づくりが、八十代で「九州一」の健脚につながっているようだ。
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城辺地区でもキビ生産組合/組合長に照屋さん


キビ生産組合の設立などを承認した総会=12日、城辺農村環境改善センター

  城辺地区さとうきび生産組合設立総会が十二日午後、城辺農村環境改善センター会議室で開かれた。組合支部の支部長二十六人のうち二十四人が出席。役員選任で、新組合長に旧城辺町議員の照屋秀雄さんが選ばれた。任期は二年。照屋会長は、二○○七年産サトウキビ価格制度が導入されことについて触れた上で「大きな変革の時代。キビ生産者の拡大やキビ増産に向け一生懸命取り組んでいきたい」と決意を新たにした。
 総会では、▽城辺地区さとうきび生産組合設立▽城辺地区さとうきび生産組合規約▽○六年度事業計画ならびに収支予算−などの五議案が上程され、全会一致で承認された。

照屋秀雄さん

 ○六年度収支決算では、収入支出とも七百十一万円とした。組合員は千二百人を予定。 キビ生産価格は○七年度以降、国内産を保護する「最低生産者価格制度」が廃止され、市場原理導入による価格決定に移行。製糖工場から支払いされる「取引価格」と国から直接支払いされる「経営安定対策」による交付金に見直される。
 経営安定対策による支援を受けるためには、いくつかの要件があるが、その中で地域のキビ生産農家が組織に加入した場合にのみ三年間の特例措置が適用されることになる。そこで、生産組織などの担い手育成を行うことや、安定的なキビ生産を図ることを目的に、同生産組合は設立された。
 一方、国はサトウキビ増産プロジェクト基本方針の中で、キビ生産農家の経営基盤の強化を図るため、キビ共済加入を推進。宮古郡農業共済組合では、まだ未加入のキビ生産農家は、加入するよう呼び掛けている。
 役員は次の通り。(敬称略)
 【組合長】照屋秀雄(城辺字比嘉)【副組合長】松川博光(同下里添)【監事】下地芳一(平良字下里)▽伊志嶺健良(同東仲宗根)
 自主財源の乏しい宮古島市において、その確保もまた、最重要課題の一つであり、市税、市営住宅使用料の徴収率向上は、その中でも核として取り組まなければならない。
 特に市税の徴収率は、県平均(二〇〇四年度八五・七%)と比較しても低く、〇五年度は八一・三%。徴収態勢の充実強化を図ろうと今月一日から、徴税業務に特化した「納税課」を設置した。徴収対策行動計画の策定や、滞納者対策の強化、国・県との連携強化など、徴収率向上に向けた取り組みを強化する。
 市営住宅使用料(家賃)も、滞納者対策は不可欠。三カ月以上の滞納者が二百四十件と、全体の一七・五%に上っており、十二カ月以上の滞納者も百二十七件と、全体の九・三%に当たる。滞納繰越分の徴収率が低いことも課題で、繰越分の徴収強化も急がれる。これまでに、悪質滞納者に対して明け渡し訴訟を行うなど、当局は強い姿勢を示しており、今後は、連帯保証人への法的措置や滞納者への行政サービス制限なども視野に検討する。
 市税、市営住宅家賃のいずれにしても、重要となるのは滞納者を出さない取り組みの実施だ。市民に不公平を感じさせないためにも、特に当該年度での徴収率をいかに一〇〇%に近づけるかがポイントとなる。
 (砂川拓也)
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