200平成18  1010 火曜日

発祥の地で28組熱唱 なりやまあやぐ大会
グランプリに川満七重さん 幻想的な演出に酔う

 民謡「なりやまあやぐ」を後世に継承しようと、「なりやまあやぐ大会─ぶどぅり とぅゆまし 肝心(ツムグクル)─」(主催・同実行委員会)が八日、同曲発祥の地と伝えられる宮古島市城辺友利のイムギャーマリンガーデンで開催された。二十八個人・団体が出演し、海上に浮かび上がったステージで自慢ののどを披露。審査の結果、川満七重さん(30)=平良=がグランプリを受賞した。三線教室などの関連行事も催され、イムギャーの海辺は終日「なりやまあやぐ」の旋律が響いた。
 「なりやまあやぐ」は、「何事にも深入りし過ぎてはならない」と教える教訓歌。同大会は、昨年九月、イムギャーマリンガーデン駐車場に「なりやまあやぐ発祥の地」の碑が建立されたことを契機に、先人から受け継いだ同曲を永く愛唱し、城辺地区の地域おこしに位置付ける一大イベントとして定着させようと開催。湾内の特設ステージやうがん山を彩る千二百本のキャンドルなど住民らの手作りによる幻想的な雰囲気の中、出場者らが次々に歌い上げた。
 開会式で同実行委員会の奥濱貞夫会長は「この歌を宮古の誇りとして受け継ぎ、大会を開催できたことをうれしく思う。今後も継続発展に努めたい」とあいさつを述べた。
 ステージは、友利獅子舞保存会の演舞で幕開け。水中照明などの明かりで海にぽっかりと浮かび上がったステージで、出場者らが三線を奏でながら歌声を披露。グランプリを受賞した川満さんは「素晴らしい舞台を設営してくれたスタッフの皆さんに感謝し、受賞に恥じないよう今後も宮古民謡を勉強したい」と喜びを語った。
 大会本番の開催に先立ち、昼間には三線教室や本(元)島学習会、アダン葉草履教室などの関連行事が行われた。毎年宮古島を訪れているという東京都の富野真さん(34)は「三線は初めて手にした。難しかったけど繰り返し練習すれば弾けそう。楽しかった」と話した。
 本(元)島学習会には、児童らを中心に約四十人が参加。友利の遺跡十カ所を徒歩で訪ねた。宮古島市総合博物館の下地和宏館長が講師を務め、各所で歴史を解説した。参加した平良彩華さん(砂川小四年)は「友利あま川」を見学し「石段を上るのが大変だった。昔、水くみは女の子の仕事だったそう。昔の人は強いと思った」と感想を話した。
 「なりやまあやぐ大会」の審査結果は次の通り。(敬称略)
 ▽なりやまあやぐ大賞(グランプリ)=川満七重▽金志川賞=平良美佳▽あま井賞=砂川昌行▽イムギャー賞=浜元恵美子▽本島賞=羽地克也・友利真也▽うがん山賞=砂川由貴                    (砂川智江)

写真説明=幻想的な雰囲気でlツ人・団体が「なりやまあやぐ」を歌った(上)=8日、城辺友利のイムギャーマリンガーデン

写真説明=グランプリの「なりやまあやぐ大賞」を受賞した川満七重さん(下)


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秋の使者 サシバ乱舞3000羽余が飛来
 

 秋の使者、サシバの渡りが「寒露」に当たる八日、本格化した。宮古島市伊良部では約三千二百羽が飛来。雲から抜け出た大群は高度を下げながら旋回し、ゆっくり飛行しながら「タカ柱」ショーを繰り広げ、壮観な乱舞で秋空を彩った。 サシバは中国北東部や朝鮮半島、本州の一部などで繁殖し、秋は越冬地の東南アジアへ移動する。南下途中、宮古諸島に立ち寄る。 宮古野鳥の会(岡徹会長)では、この日から二週間の予定で、サシバの飛来カウントを開始。宮古島市伊良部総合支所屋上と同市平良久松地区の夕日が丘の定点地点で、それぞれ午後零時―同六時までカウントした。伊良部地区では約三千二百羽、久松地区二百羽余りを数えた。サシバの大群は、一泊した九日早朝、東南アジアへ向け旅立った。サシバの渡りは今月二十日ごろまでにピークを迎え、宮古はさわやかな秋真っ盛りとなる。 サシバは、タカ科の仲間で中型。雌雄ほぼ同じ色。のどは白く、中央の黒褐色縦線一本と胸から腹にかけて茶褐色の横斑が帯状に見えるのが特徴。全長が雄四七a、雌が五一a。翼を広げると一〇五a―一一五aの大きさ。

写真説明=青空や夕日をバックに乱舞していたサシバの大群=8日、宮古島市伊良部  (撮影・伊良波彌)

 
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サシバ密猟撲滅へ野鳥の会らが合同パトロール
伊良部

 サシバ密猟防止合同パトロール(主催・宮古野鳥の会、県、宮古島市、宮古島警察署)が八日午後、同市伊良部で行われた。同会の会員ら十五人が参加。パトカーを先導に広報車などが伊良部島一円でパレードを実施し、サシバの保護とサシバ密猟撲滅を訴えた。 伊良部総合支所前で出発式が行われた。 県自然保護課の上原隆廣課長は「サシバは渡り鳥条約で国際保護鳥に指定されている。サシバの捕獲は禁止されているが、密猟がほとんど無くならない」とサシバ保護のパトロール強化を訴えた。 伊良部総合支所経済課の垣花恵課長は、サシバの生態などを説明した上で「今月はサシバ保護月間。サシバを保護し、サシバの明るい未来をつくり上げましょう」と呼び掛けた。 宮古野鳥の会の岡徹会長は「サシバを『サシバ観光』に有効活用できないものか」などと述べ、サシバを見た時の感動をアピールした。 宮古島警察署伊良部交番所の村田稔所長は、サシバ密猟の撲滅に向け、パトロールの強化を実施する決意を新たにした。 この後、参加者らは車両で合同パトロールを実施。地域住民にサシバ保護などを訴えた。 サシバは「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」で捕獲が禁止されており、違反した場合は、一年以下の懲役または百万円以下の罰金に処せられる。

写真説明=地域住民にサシバ保護など訴えた車両パレード=8日、宮古島市伊良部

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金賞は濱川さん(久松小4年) 宮古地区理科作品展
宮古上布を苧麻栽培から研究

 第三回宮古地区理科作品展入賞者表彰式(主催・宮古地区理科教育研究会)が八日、宮古島市中央公民館で開かれた。出展作品八十点の中から、創造性や思考力、表現力に優れた七点が入選。作成者に同研究会の普天間裕会長から表彰状が手渡された。金賞には濱川愛子さん(久松小四年)の「宮古上布の研究―赤ブーと青ブーを育てその違いを知る―」が選ばれた。
 同作品展は児童生徒の科学作品を集めて審査、展示を行うことにより、科学的なものの見方や考え方をはぐくみ、今後の理科教育に資することなどを目的に開催された。
 表彰式でははじめに普天間会長が「各作品ともわずかなひらめきで思いつくような内容ではなく、長期間にわたって観察、実験した努力の跡が見えた。作品展をきっかけにこれからも実験を続けてください」とあいさつ。
 平良正審査委員長の講評では、金賞に輝いた濱川さんの作品について「赤ブーと青ブーの毎日の栽培記録や宮古上布の織物体験から調査したことが素晴らしい」と評価し、努力をたたえた。
 濱川さんは「今年、宮古上布の織物体験をしたときに楽しかったので研究した。五月から調査を始め、毎日記録するのは大変だったけど金賞が取れてうれしい」と笑顔を見せた。
被表彰者は次の通り。(敬称略)
 【小学校低学年の部】
 ▽銅賞=我如古莉々(北二年)「やどかりの生態」
 【小学校高学年の部】
 ▽金賞=濱川愛子(久松四年)「宮古上布の研究―赤ブーと青ブーを育てその違いを知る」▽銀賞=宮國太希(東四年)「飲み物のとう度や着色料を調べておやつを見直そう」▽銅賞=島尻史也(池間五年)「貝の標本」
 【中学校の部】▽銀賞=松原悠・川満大二郎・松原正春・下地幸樹・下地勇輔(西城三年)「土壌の動物で地域の環境調査」、上原瑛菜(平良三年)「光合成と光の関係調べ」▽銅賞=池村隆弘(北三年)「モーターで扇風機を作ろう」

写真説明・金賞を受賞した濱川さん(前列右から2人目)をはじめとした入賞者ら=8日、宮古島市中央公民館


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宮高、八商工に敗れる県高校野球秋季大会
30年ぶり九州大会出場逃す

 【那覇支局】第五十六回県高校野球秋季大会(主催・県高野連など)の第十一日は八日、準決勝二試合が北谷公園野球場で行われ、勝ち進んだ宮古高校は夏の甲子園に出場した強豪・八重山商工高校と対戦し2―9の八回コールドで敗れ、一九七六年以来三十年ぶりの九州大会出場を逃した。この試合、中盤まで2―2の白熱した展開となったが、宮高は七回に1点勝ち越され、さらに八回には一挙6点を奪われて敗れた。
 宮高は、今大会屈指の好投手・下地孝幸が先発。一回裏に八商工の金城賢司に二点本塁打を打たれるも、その後は安定したピッチングで八商工打線を無安打に押さえ込んだ。
 下地の好投に宮高打線も四回に1点を返すと、五回には好投を続ける下地の本塁打で同点に追い付き試合を振り出しに戻した。
 同点とした宮高だったが、四回途中からマウンドを託された八商工の平安名貴之を攻略できずに押さえ込まれた。
 下地孝は、六回まで被安打1の好投を見せたが七回裏、連続2塁打で1点を失うと、疲れの見え始めた八回には八商工打線の長短6安打の猛攻を受け、一挙に6点を失い結局、2―9の八回コールドで敗れた。
 試合後、川満亨監督は「ベンチ采配(さいはい)の差。三点目を失った場面で指示をしっかり伝え切れなかった。この悔しさを忘れずに春、夏は四強に勝ち上がったチームと肩を並べるレベルにしたい」と述べた。
 自らも本塁打を放ち、六回までは八商工打線を抑えた下地は「疲れはなかったが後半はコントロールが甘くなった。六回までのピッチングを続ければ八商工に勝てると思う。課題はストレートのコントロールとスタミナ。それと精神面がまだまだなので鍛え直したい」と、唇をかみしめ宮古勢初の甲子園出場に意気込みを示した。
 準決勝のもう一試合は浦添商業が本部を7―0(七回コールド)で敗り、十四日の決勝は八商工対浦添商となった。両校は今月二十八日から福岡県で開催される九州大会に県代表として出場する。
▽準決勝
  高  00011000|2
八商工  20000016|9
※八回コールド
(宮)下地孝―平良
(八)當山、平安名―嘉数
▽本塁打=下地孝(宮)、金城賢司(八)
▽三塁打=金城賢貴(八)
▽二塁打=浦崎善樹、洲鎌朝(八)

写真説明=宮高はエース・下地の好投で中盤までは互角の勝負を展開するも後半、八重商工の猛攻を受け、2―9で敗れた=8日、北谷公園野球場

 
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