200平成18  10 日曜日

ペットボトルごみ出し/9割がラベルそのまま
処理作業に時間と手間/アルミ缶持ち去りも急増


ラベルやキャップを取りはずす作業に追われる作業員ら=市クリーンセンター(資料写真)

 宮古島市が収集しているペットボトルのごみ出しで、市民のモラルが問われている。市環境保全課によると、九割の市民がラベルやキャップを取らずにそのままごみとして出している。ペットボトルはラベルなどをはがさなければ処理できないため、クリーンセンターで働く賃金職員が一つ一つのペットボトルのラベルをはがす作業に追われているという。勤務時間内に終わらないため毎日のように残業しており、市の支出増にも直結している。さらに最近、換金するためにアルミ缶を持ち去る市民らが急増。市は契約業者にアルミ缶を販売しているため、歳入減は免れないという。
 ペットボトルは月−木曜日まで、毎日クリーンセンターに搬入されている資源ごみ。市は収集日を示すパンフレットなどでラベルとキャップを取って出すよう求めているというが、九割の市民がラベルもキャップもそのままの状態で捨てているのが現状だという。
 この状態のペットボトルはクリーンセンターに運び込まれ、賃金職員らがラベルはがしとキャップを取る作業に追われる。手作業ではがしていくため時間がかかり、毎日一時間の残業をしながら処理している。ペットボトルの処理に追われていることから、別の業務を行うための人出も足りないのが実情だ。
 これらの現状について市環境保全課では「多くの市民がそのまま捨てており、処理に大変困っている。今後はしっかりと周知徹底を図る。ラベルをはがす作業がなくなることで、より効率的な業務が行える」などと話している。
 同課が頭を痛めているのはペットボトル処理だけではない。最近、市民が捨てる空き缶を荒らしてアルミ缶を持ち去る人が急増しているという。アルミ缶は業者に高額で売れるため、市が空き缶収集を開始する前に道路脇などに出されたアルミ缶を持ち去っていくという。市はアルミ缶販売で業者と契約を結んでおり、二〇〇五年度は千三百万円の収入があった。だが、同課では「二千万円近くは入ると思っていた」としており、収集前にアルミ缶が持ち去られたことで歳入が減少したとみる。〇六年度も同様な状況から、さらなる歳入減も見込まれているという。  (山下誠)
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辺野古V字案に拒否姿勢/仲井真氏が政策発表
県知事選


知事選に向け、具体的な政策を発表した仲井真弘多氏=7日、那覇市銘刈の「沖縄・未来へはばたく県民の会」事務所

 【那覇支局】十一月の県知事選に向け、与党統一候補の仲井真弘多氏(67)は七日、那覇市銘刈の「沖縄・未来へはばたく県民の会」(会長・稲嶺恵一知事)事務所で政策を発表した。政策の焦点となっていた米軍普天間飛行場の移設計画に伴うキャンプ・シュワブ沿岸部にV字形滑走路二本を建設する政府の代替施設案については「これまでの経緯を踏まえて『現行』のV字形案のままでは賛同できない」との方針を示し、「現行」の部分で「断固拒否」の稲嶺恵一知事とは若干温度差のある方針となった。
 普天間基地の代替施設を県内に移設することについては「米軍の大規模な再編の流れの中で可能であれば県外との考えや希望は大抵の県民は持っている。政策として示すことについては現実の制約もたくさんあり、県知事になってから研究したい」と明言を避けた。
 V字案について「修正があれば容認できるのか」との質問に対しては「名護市、地元辺野古、関連市町村を含め、各方面納得する状況には至っていないと思う。県は稲嶺知事の主張があり、政府は今の案(V字)だとしている。関係する三者の統一が図られていない。協議会でそれぞれの意見を聞いてなるべく早く落ち着けたい」と述べた。
 仲井真氏が示した政策は「世界の宝おきなわ力で大躍進−世界に誇れる美ら島おきなわをつくろう−」を掲げ、三つの基本姿勢が柱となっている。
 基本姿勢は▽「独立独歩の精神」と「主体性のある相互依存」▽「経済力」「安心・安全力」「解決力」を強め、「文化力」の向上▽稲嶺県政の継承、そして「沖縄大躍進」へ−の三項目。さらに具体的な政策目標として、基地、経済、離島振興など十四項目を示した。
 また、宮古関連の具体的な方針としては▽平良港、石垣港を圏域拠点港として整備する▽伊良部架橋建設による新たな交通網構築と下地島空港の民間空港としての新たな活用と残地の有効活用−などが示された。
 そのほか、女性の力が発揮できる環境づくりを掲げ、女性副知事の登用も明言した。
 仲井真 弘多(なかいま・ひろかず)1939(昭和14)年8月19日生まれ。67歳。那覇市出身。東京大学工学部機械工学科卒。61年通商産業省入省、87年沖縄電力理事、89年同常務取締役、90年県副知事、95年沖縄電力代表取締役社長、同社代表取締役会長(06年8月31日辞任)などを歴任している。

仲井真氏後援会宮古連合支部が事務所開き
「離島振興向け圧勝を」/県知事選

 十一月十九日投票の県知事選で、仲井真弘多氏後援会宮古連合支部の事務所開きが七日夕、平良西里の同事務所前で行われた。保守系議員をはじめとする仲井真氏を支持する大勢の市民が駆け付け「離島振興に向け圧勝を」と気勢を上げた。
 事務所開きは午後五時三十分から行われた。宮古連合支部の仲間克支部長は「誰が知事にふさわしいかは一目瞭然。超短期決戦になるが、この選挙の意義を十分考え、今の市政の刷新につなげるという思いで闘い、圧勝しなければならない」と支持拡大を呼び掛けた。
 西銘恒三郎衆院議員は「仲井真氏は誰よりも仕事をする。自信を持ってふさわしい知事を誕生させよう」と強調。自民党県連の党組織委員長を務める砂川佳一県議は「今の時代が仲井真氏を求めている。自信と誇りと責任を持って取り組んでいこう」と話した。公明党宮古支部連合会の富浜浩会長は連帯のあいさつで「沖縄の将来のために、絶対負けてはならない」と力強く述べた。
 最後は支持者全員でガンバロー三唱を行い、知事選勝利に向け気勢を上げた。
 各地の支部長は、平良が下地常政氏、城辺が下地明氏、伊良部が佐久本洋介氏、下地が川満省三氏、上野が上地博通氏。
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満月の下で豊作を祈願/各地で「十五夜」伝統行事
勇ましくマストリャー/住民こぞって大綱引きも

 旧暦の八月十五日に当たる六日、各地区で豊年を祈願した催しが行われた。上野字野原では国選定無形民俗文化財に指定されている「マストリャー」が、平良字狩俣では同地区伝統の「大綱引き」、城辺字福里でも地域の五穀豊穣と無病息災を願う「マストリャー」が、それぞれにぎやかに開催され、中秋の名月の下、根付く伝統行事を堪能した。
上野野原地区

男たちは勇壮な棒踊りを披露した=6日夜11時ごろ、野原公民館

 上野字野原地区伝統の「マストリャー」は午後十時すぎ、野原公民館で行われた。地域の老若男女が集い、勇壮な棒踊りや優雅な舞いを披露。威勢のいい掛け声とともに、男性の力強さと女性のしなやかさで観客を魅了し、来期の豊年を祈願した。
 午後十時すぎ、野原地区の「子組」「寅組」「午組」「申組」の四つの升本から、男たちが鐘を鳴らしながら公民館へ集まった。
 男性たちは勇壮な「棒振り」と呼ばれる棒術で会場を練り歩き。その後を続く女性たちは、男性と対照的なゆっくりとしたテンポで、くば扇を手に優雅な舞を繰り広げた。最後には、一つ輪になってクイチャー。地元住民や観光客らも輪に入りクイチャーを楽しみ、にぎやかに祭りの幕が閉じられた。
◆◆ことば◆◆
 マストリャー 「升取り屋」の意味。起源は定かではないが、穀物などで税を納めていた時代に、「升取り屋」と呼ばれる升本に税を納めていたことから、無事に納税できた喜びと来期の豊作を祝って祭りが行われるようになったという。国選定および市指定の無形民俗文化財に指定されている。
平良狩俣地区

子どもからお年寄りまで東西に分かれ、力の限り大綱を引いていた=6日午後8時ごろ、平良字狩俣の県道230号線

 平良字狩俣地区では、伝統の「十五夜大綱引き」(主催・狩俣自治会)が部落内県道230号線で行われた。満月が辺りを照らす中、「ワッショイ」と威勢のいい掛け声とともに大綱が東西に引かれ、西組が三勝二敗で勝利。向こう一年間の大漁が約束された。
 夕暮れ、東西の道路を通行止めにして大綱を準備。東西に分かれた大綱引きでは、子どもからお年寄りまで満身の力を込めて引き合った。勝負は一喜一憂の熱戦を展開し、最終戦で西組が一気に引き寄せ勝利を収めた。また、勝負がつくごとに東西天高く舞い上がるみこしに、観客からは拍手や歓声が上がっていた。大勢の地域住民らのほか、観光客も参加。にぎやかに十五夜を楽しんだ。
城辺福里地区

女性たちは五穀豊穣と無病息災を願って踊った=6日、城辺字福里

 城辺字福里では、同地区内にある神様を祭るブーンミャー(裏番所)でマストリャーが行われた。福里地区内五部落の女性らが四つ竹を手に踊り、同地区の五穀豊穣と無病息災を願った。
 午後六時半ごろからツカサらがブーンミャーに入り、代々伝わる皿で神酒を回し飲みながら神に祈りと供え物を奉納。
 祈りをささげた後、五部落に住む女性たちがマストリャーを軽快に披露。タオルを頭に巻き四つ竹を鳴らしながら笑顔で踊った。最後には、部落長など男女一緒に福里クイチャーを踊り、「ヒヤサッサ」のはやしとともに、地域の繁栄を祈願した。
 ツカサを務めた新城竹さん(72)=福北=と伊良部フミさん(75)=同=は「福里に住む村人をはじめ、宮古に住む人々がすべて幸せで健康に暮らせますようにと神様にお願いした」と笑顔を見せた。
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久松小/創立100周年の節目祝う
記念式典挙行し発展を祈念


久松小学校のさらなる発展を祈念した式典=7日、久松小学校体育館

 宮古島市立久松小学校創立百周年記念式典・祝賀会(主催・同百周年記念事業期成会)が七日午後、同校体育館で開かれた。大勢の教育関係者や地域住民らが出席。一世紀の節目を盛大に祝うとともに、さらなる同校の発展と久松地区の繁栄を祈念した。

 同校は、一八九七(明治三十)年六月に平良尋常小学校久松分教場として設立。一九〇六年に久松尋常小学校に変更し、開校した。その後校名を二度改称し、一九四八(昭和二十三)年に平良市立久松小学校と改称した。開校時の職員数は三人、児童数百八十七人の四年制でスタート。現在の職員数は十九人、児童数二百五十五人。今年三月までに卒業生は五千六百人余を輩出し、各界の代表として活躍している人材が多い。
 式典で、同期成会の下地勝義会長は、先人から受け継いだ海人魂と久松五勇士のアララガマ精神を受け受け継いで、今日の輝かしい校風と伝統を築き上げ、本校発展に尽くした諸先輩方の業績は偉大である」とたたえ、さらなる同校の発展に向け決意を新たにした。
 次いで同校の菅間雅子校長が「これからの教育の充実と発展に努めていきたい」などと強調。県教育委員会の仲宗根用英教育長、同市の伊志嶺亮市長、同市議会の友利恵一議長、同市教育委員会の久貝勝盛教育長がそれぞれ祝辞を述べた。
 同校児童会の砂川寛貴会長は「先輩方の何事にもチャレンジする精神を私たちも受け継いで、これからもいろんなことに挑戦していきたい」と抱負を語った。
 この後祝賀会のアトラクションでは、久松青年会が躍動感あふれる獅子舞を披露。琉球舞踊や日本舞踊などが演じられ、会場は華やかな雰囲気に包まれた。
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伊良部女子が初優勝/宮古地区高校駅伝
男子は宮高が2連覇


優勝のゴールに飛び込む宮高のアンカー・与那嶺兆治=7日、宮古島市陸上競技場

初優勝のゴールに飛び込む伊良部のアンカー・下地百合香=7日、宮古島市陸上競技場

 男子第五十六回、女子第二十三回の宮古地区高等学校駅伝競走大会(主催・宮古地区高等学校体育連盟)が七日、市陸上競技場を発着点とする男子二十一`、女子十五`で行われた。男子は宮古高校が二連覇を達成、女子は伊良部高校が初優勝を達成した。区間記録は二つ更新された。
 大会には男子五校、女子二校が出場。北海岸線コースで健脚を競った。
 男子一区(六`)は宮古農林の久貝巧が22分30秒の区間新記録で一位通過したが、二区から宮古高校が浮上し、そのままトップを譲らず二連覇のテープを切った。
 一方、初優勝に意欲を見せる女子の伊良部は一区から独走。バスケ部とバレー部のメンバーで構成しているが、潜在的な基礎体力を存分に生かして五区間中四人が区間賞を取る力走を見せ、そのままゴールに飛び込んだ。
 キャプテンの國吉晴奈さん(二年)は「狙ってはいなかったけど、初優勝はうれしい」、監督の兼箇段賢教諭は「生徒たちが頑張った」とそれぞれ笑顔だった。
 結果は次の通り。
 【団体・男子】▽優勝=宮高1時間20分23秒▽準優勝=宮工1時間21分56秒▽三位=伊良部1時間23分41秒▽四位=翔南1時間24分6秒▽五位=宮農1時間24分44秒
 【団体・女子】▽優勝=伊良部1時間11分38秒▽準優勝=宮高1時間14分40秒
 【区間賞・男子】▽一区(六`)=久貝巧(宮農)22分30秒=区間新=▽二区(四`)=下地博人(宮高)15分4秒=区間新=▽三区(三`)=伊良部有規(翔南)10分47秒▽四区(三`)=大浦大吾(宮工)10分30秒▽五区(五`)=与那嶺兆治(宮高)19分38秒
 【区間賞・女子】▽一区(三`)=國吉晴奈(伊良部)13分27秒▽二区(三`)=川満郁乃(伊良部)13分28秒▽三区(三`)=佐和田翔子(伊良部)15分2秒▽四区(三`)=砂川恵美(伊良部)13分57秒▽五区=(三`)宮川しおり(宮高)14分7秒
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イーウキ漁を体験/西辺中生徒が伝統漁法学ぶ


イーウキ漁を体験する西辺中学校の生徒たち=7日、大浦湾

 宮古島市立西辺中学校(平良勝也校長)の生徒らは七日、西原地区に伝わる伝統漁法の「イーウキ漁」を大浦湾で体験学習した。生徒たちは、父母の協力を得て入江に張った網に魚を追い込み、先人の生活に触れて知恵を学んだ。
 この日は、「総合的な学習の時間」を利用して全校生徒四十九人が参加。イーウキ漁の歴史や由来について、同漁法に詳しい楚南清吉さんから受講した後、潮が引くのを待って実際に体験。生徒らは湾内で横一列に並び、ギンネムの枝を手に沖に向かって魚を追い込んだ。泥に足を取られ転びそうになりながらも、三回にわたって追い込み、ミジュンやアイゴなどの魚を捕獲した。
 生徒らの体験学習に当たっては、父親たちが朝から網を張って準備を整え、安全管理面などにも気を配るなど、PTAの父母らが積極的に協力。PTA会長の浜川博之さんは「昔の人の生活と仕事の大変さを知り、感謝の心を深めるとともに、食べ物に対する考え方を見直してほしい」と話した。
 参加した仲間元泰君(二年)は「大変だったけど、みんなで一緒に頑張ったので楽しかった」と話した。
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