200平成18  10 土曜日

焼却炉 年度内にも撤去/平良西原の産廃処分場
県指導受け、事業者が実施へ


年度内にも撤去される見通しの焼却炉=6日、平良西原

 二〇〇一年に発生した平良西原の産廃処分場火災で、営業停止となっている同処分場の焼却炉が年度内にも撤去される見通しであることが六日までに分かった。火災が発生するまで営業していた事業者の負担で撤去する。五日の県議会文教厚生委員会で、伊佐嘉一郎文化環境部長が明らかにした。同処分場の焼却炉に関しては、地域住民をはじめとする市民グループが強く撤去を求めていた。同火災で被害を受けた大浦自治会の下地博和さんは「一歩前進ではある。ただ、解体の仕方が分からないのは不安。解体の方法を住民に説明してもらいたい」と複雑な心境で話した。

 県によると、事業者側から今年六月に撤去費用に必要な資金面で条件が整いつつあるとの報告があったという。焼却炉の解体・撤去に早急に対応したいとの文書が、宮古福祉保健所に提出されていたことも分かった。
 現在、同処分場内のダイオキシン濃度などのサンプリング調査が行われているが、この調査の結果が出た段階で作業計画書が作成され、労働基準監督署の指示を受けて事業者が撤去作業に入る見通しだ。
 同焼却炉は一九九九年から〇一年にかけて環境基準値を大きく上回るダイオキシン類を排出していた。〇一年十一月には火災が発生し、健康被害を訴えた地域住民が県と業者を相手に損害賠償を求めている。
 焼却炉の撤去に向け事業者が動き出したことなどについて、大浦自治会の下地さんは「解体の仕方をどうするのか分からない。住民側にも説明してもらえれば一安心できるのだが見えない部分がまだ多い。安堵するのはまだ先のことになってくる。最終的には原状を回復させることが大切だ」と話し、撤去そのものは朗報としてとらえるが、焼却炉だけでなく処分場全体の原状回復を強く求めた。(山下誠)
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米軍機、11日に飛来/下地島空港
市長 「反対の姿勢変わらない」

 米軍機が今月十一日、下地島空港を使用することが六日、分かった。宮古島市(伊志嶺亮市長)に同日午前、那覇防衛施設局から電話が入り、CH−46型ヘリなど九機が飛来するとの報告があったという。伊志嶺市長は「反対する姿勢は変わることはない。近隣諸国との緊張が高まる。強い姿勢で求めていく」とし、恒常化する米軍機の下地島空港使用に対して不快感を示した。
 宮古島市によると、飛来する米軍機はCH−46型輸送ヘリ八機とKC−130空中給油機一機の計九機。滞在時間は午前八時十五分から午前十時三十分まで。フィリピンでの合同演習に参加する際に給油目的で飛来するものとみられている。
 飛来するたびに抗議の姿勢を示している伊志嶺市長は「下地島空港の米軍機使用に関しては圏域住民が反対している。これは県も同じ姿勢。ぜひやめてもらいたい。近隣諸国との緊張が高まる危険性があり、(使用しないように)強く求めていきたい」と述べた。
 今回の使用届けについては県も米軍に自粛を求めている。「下地島空港等の民間空港は、民間航空機の運航を目的として設置された空港で、民間航空機の円滑、かつ安全な運航を確保する観点から緊急やむを得ない場合を除いては、米軍機の使用は自粛してもらいたいというのが県の一貫した考え」などと強調。その上で下地島空港を使用しないよう強く要請する内容を口頭で申し入れた。
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北が総合6連覇/地区中体連陸上
18校が熱戦


各種目で力強い走りを見せた=6日、宮古島市陸上競技場

 第四十四回全宮古中学校陸上競技大会(主催・宮古中学校体育連盟)が六日、宮古島市陸上競技場で開催された。宮古地区の十八中学校から約六百人の選手が参加し、トラック・フィールドの各種目で日ごろの練習の成果を発揮した。北中学校が総合で六連覇を飾り、強さを見せ付けた。
 この日は二−六bの強い風が吹き、記録更新は難しいコンディションながらも選手たちは各種目で力走を見せていた。
 

3選手が3冠
 


100、走幅、400R
「100%出し切った」
島尻 芙樹(平良1年)


100、800、400R
「もっと上目指す」
宮川 希望(鏡原2年)


200、800、400R
「3冠は狙っていた」
前里 知春(狩俣3年)

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密猟防止に協力を/サシバ保護
野鳥の会要請


宮古野鳥の会の岡会長(右)が密猟防止のパトロールを要請した=6日、宮古島警察署

 宮古野鳥の会(岡徹会長)は六日、宮古島警察署(岸本亮署長)を訪れ、サシバ密猟防止のパトロールを要請した。宮古の秋の風物詩となっている「サシバの渡り」は始まっており、中継地などで羽根を休めるサシバの密猟が懸念されている。
 国際保護鳥に指定されているサシバの密猟は、鳥獣保護法違反で一年以下の懲役もしくは百万円以下の罰金が科せられる。
 昨年は逮捕事案はなかったものの、指導検挙五件があったという。
 八日から二十一日までサシバ飛来数調査を実施するという岡会長は「県自然保護課、宮古野鳥の会を中心に過去三十年余り、飛来数の調査をしているが、まだサシバの密猟を企てる人が伊良部、下地島で見られる。サシバ飛来数が多い日には夜間の密猟防止パトロールを実施したいので、密猟の取り締まりや会員の安全確保のため署員の警ら・取り締まりを願いたい」と要請書を岸本署長あてに提出。
 受け取った同署の比嘉文雄副署長は「毎年、署も協力してパトロールを実施している。関係機関と協力しながら今年も取り締まりを強化したい」と共に協力していく体制を示した。
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宮古産肥育牛が最高賞/県畜産共進会・枝肉部門


県内から40頭の肥育牛が出品された県畜産共進会(枝肉部門)=6日、南城市・県食肉センター

 二〇〇六年度県畜産共進会(枝肉部門)が六日、南城市の県食肉センターで開かれた。宮古島市の大福農事が産地で、本部町の「もとぶ牧場」で育てられた肥育牛の枝肉が最高賞に当たる「優秀賞一席」に輝いた。
 血統は父が「北天山」、母の父が「神高福」、祖母の父が「金徳」。
 共進会には、県内から選抜された肥育牛四十頭が出品されたが、宮古島市の生産者が出品した六頭は入賞できなかった。
 審査を行った県畜産研究センターの運天和彦主査は「宮古の出品牛の断面を見ると、骨格に対し肉の量が少なく厚みがない。飼育の初期の段階から、飼料は多く食べさせてほしい」と講評した。
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獅子舞とクイチャーを奉納/砂川と上区
伝統の豊年祭


地域住民らが大勢参加し、クイチャーを踊った豊年祈願祭=6日、城辺・砂川神社


獅子舞保存会が勇壮な舞を披露した豊年祭=6日、城辺・上区公民館

 旧暦八月十五日に当たる六日、城辺地区の砂川と上区の両自治会で豊年祭が行われた。各地の神社で獅子舞が奉納され、五穀豊穣や無病息災が祈願された。地域の子どもやお年寄りも大勢参加。古くから伝わる伝統行事を楽しんだ。
 砂川自治会(狩俣健次会長)では、午後三時すぎ、公民館に集まった地域の若者たちが太鼓や笛、鉦の音を響かせ、豊年祈願祭の幕開けを告げた。
 寝ていた獅子も突然起き上がり、歌やはやしに合わせて躍動感あふれる舞を披露。ホラ貝も加わって、大いに盛り上がった。
 その後、砂川神社に出向いて獅子舞を奉納。地域の女性や子どもたちも輪になってクイチャーを踊ると、祈願祭は最高潮に。地域のお年寄りたちも大勢駆け付け、古くから若者たちに引き継がれてきた伝統行事を見守っていた。
 一方、上区自治会(松川博光会長)ではサトウキビや葉タバコ、畜産などで優秀な成績を上げた生産農家らを表彰する「共進会」と豊年祭を同地区の公民館で開いた。
 豊年祭では最初に、黒い衣装に身を包んだ獅子舞保存会が公民館に隣接する神社に手を合わせ、五穀豊穣と無病息災を祈願。その後、集まった住民らに獅子舞が披露された。
 会場には地域の人たちや来賓らが大勢招かれ、宮古島市の無形文化財に指定されている勇壮な舞に見入っていた。
 また、公民館広場に作られた特設舞台では、子ども会や青年会、婦人会などが趣向を凝らした余興を披露した。
 会場に張られたテントの下では、地域のお年寄りたちが泡盛を酌み交わしたりして、指笛や手拍子で盛り上げていた。
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