200平成18  10 水曜日

地域活動支援センター/4事業・作業所で始動
相談、リハビリなどの拠点
/障害者自立支援法が全面施行

 十月一日の障害者自立支援法全面施行に伴い、同日、宮古島市内四つの事業所・作業所は、市町村事業の目玉となる「地域活動支援センター」を開始した。事業内容については、各事業所の規模や意向を踏まえ、今月十、十二両日の市法令審査会を経て正式に契約を結ぶ。市は、各種地域生活支援事業の実施にあたり、障害者福祉の中核的組織となる「地域自立支援協議会」の立ち上げも急いでいる。

 「地域活動支援センター」は、同法で市町村に義務付けられた必須事業。利用者の創作、生産、交流活動など地域生活の拠点となり、法人事業所に市が委託する。
 宮古島市で同センターに移行したのは(従来の)「地域生活支援センターひらら」「障害者デイサービスセンターいけむら」「小規模作業所若葉」「あだん福祉作業所」の四カ所。「ひらら」は、精神保健福祉士らの専門職員を配置し、相談活動を核に関係機関との調整や社会啓発などを行う。「いけむら」は在宅障害者に対し、機能訓練や社会適応訓練を実施するほか、入浴などのサービスを提供。小規模作業所の「若葉」と「あだん」は主に地域における障害者の創作・生産活動を行う。今年度の委託費は、四事業所計三千二百万円の予定。地方交付金と統合補助金が財源となる。
 「小規模作業所フレンドリッチニューサシバ」「小規模作業所なんくる」「城辺心身障害者小規模作業所」「城辺精神障害者小規模作業所やすらぎ」の各事業所は、来年四月時点での移行を目指している。
 同センターは、国が市町村に課した「地域生活支援事業」の必須事業の一つ。相談支援やコミュニケーション支援など他四つの必須事業と、市が任意で展開する八事業で構成。市予算は約二千万円となる予定。いずれも法令審査会での承認を経て正式契約に至るため、委託費が運営基盤に直結する事業所としては目が離せない状況だ。精神障害者の地域生活拠点として存在する「地域生活支援センターひらら」の松川英文施設長は「今後の契約内容によるが、障害種別の一元化により三障害の総合センターになれば、人員配置や施設整備も含めて受け入れ態勢を検討しなければならない。その財源は大きな課題の一つだ」と話す。
 各事業の円滑かつ効果的な展開に当たっては、事業委託の公平性チェックや各機関のネットワーク化、地域資源の開発、ケース会議など障害者福祉の統括的なシステムづくりを行う「市地域自立支援協議会」の立ち上げが急がれている。 (砂川智江)
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原料の搬入を開始/資源リサイクルセンター
16日にも試験稼働/バガス、家畜ふん尿など堆肥化


試験稼働に向け原料の搬入が始まった=2日、資源リサイクルセンター

 資源循環型社会づくりの一環として宮古島市(伊志嶺亮市長)が整備している上野地区の資源リサイクルセンターが十六日の試験稼働に向け準備を着々と進めている。二日には堆肥の原料となる牛ふんやバガスを初めて搬入した。同市は試験稼働などで堆肥の品質向上や商品化を図り、来年度には指定管理者制度への移行を目指している。むらづくり課は「外構工事が残っているが、なるべく早く稼働させたい」としている。

 同事業は家畜ふん尿をはじめバガスや生ごみなどを堆肥化し、農地に還元することが目的。相乗効果として、農産物の品質向上や農家所得の向上、地下水などの汚染防止もあるという。
 設置事業は旧上野村が二〇〇三年度に導入。現在は市町村合併で宮古島市に引き継がれている。総事業費は八億二千万円。堆肥化処理施設、製品加工施設などで発酵を促進させ、約四カ月かけて商品化する。生産量は一日十一dを見込んでいる。販売価格は未定。
 同市は、資源の有効活用を推進するバイオマスタウン構想を掲げ、資源循環型社会の確立を目指している。
 将来的には宮古地区の一般・事業系の生ごみを集める方針で、生ごみの堆肥化については、現在モデル地区(約千世帯)を募集中。試験的に分別収集を行い、生ごみ堆肥化に積極的に取り組む。
 むらづくり課の洲鎌善充主幹は「課題は商品の品質や価格。機能性の高い堆肥にしたい。農家の所得向上に役立てたい」と述べた。
 同センターについては九月定例議会でも進ちょく状況や供用開始に質問が集中。市側は「試験は十月にも開始、本格的な供用開始は四月の新年度以降になる」と答弁していた。
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消防士長、厳罰処分へ/今週中に市長へ答申
市分限審査委

 宮古島市消防署空港出張所に配属されている下地忠志消防士長(44)が酒気帯び運転で検挙、免許停止処分を受けながら公用車を含む普通車の運転を続け、無免許運転で検挙されるという不祥事の処分を審査する市分限審査委員会(委員長・下地学助役)が三日午後、宮古島市役所平良庁舎で開かれた。下地消防士長に対する処分を決定した同委だが公表はせず。出張中の伊志嶺亮市長が戻り次第、答申を経て処分内容を公表する方針。
 下地消防士長に対する処分内容公表を見送った同委だが、全国的に社会問題化している酒気帯び運転で検挙され、無免許であるにもかかわらず公用車を運転。さらに、これらのことを隠す虚偽の報告を行っているだけに厳罰処分は免れないものとみられる。
 分限審査委の下地委員長の説明によると、下地消防士長は今年三月九日深夜、酒気帯び運転で検挙され、これまでのシートベルト装着義務違反などで累積した違反点数と合わせて免許停止処分を受けている。
 行政処分により四月二十日から無免許となった下地消防士長だが、この事実を直属の上司にも報告せず日常業務を続けていたという。業務日誌などから公用車を運転した事実も判明している。
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濃度上昇原因が争点/水源塩素問題訴訟
那覇地裁で第1回口頭弁論

 【那覇支局】平良の四水源地の塩素イオン濃度が上昇している問題で、宮古島リハビリ温泉病院(奥原典一理事長)が宮古島市(伊志嶺亮市長)を相手に損害賠償二千万円を求めている訴訟の第一回口頭弁論が三日、那覇地方裁判所(大野和明裁判長)で行われた。今回は、原告の病院側が示した訴状内容とそれに対する被告宮古島市側の答弁書について大野裁判長が互いの主張を確認した。今後は、塩素イオン濃度が上昇した原因を争点に原告、被告側がそれぞれの見解と主張を示していく。
 次回十一月二十八日に行われる第二回口頭弁論では、被告の宮古島市側がこれまでの経緯や訴状に対する具体的な主張を行うこととなった。
 原告側訴訟代理人の宮ア政久弁護士は「訴状に対する市側の反論書を読んで裁判官もきちんと争点に対して反論されていないとの認識を持っていると思う。内容も非常な矛盾と不合理な弁解に終始し、責任をマスコミに転嫁しているように受け取られた。市当局が科学的に調査した結果に基づいて病院側を犯人扱いしているのであればそれを基に原因を解明し、白黒をはっきりさせたい」と述べた。一方、被告宮古島市側の中野清光弁護士は「施設に近い井戸で塩素イオン濃度が上昇しているのは事実。その原因について温泉水の影響があるのかないのか、十二分に調査する必要があるので、それまでは(温泉排水)の地下浸透処理を止めてもらえないかとの要請をしたのは当然のこと。万が一、それで水道水が使えなくなれば病院こそが市民全体の敵になりかねない。その損害の方が大きい」と述べた。
 今後は、宮古島市側が訴状に対して、科学的根拠に基づく塩素イオン濃度上昇と温泉排水との因果関係を説明した上で原告、被告側が互いの見解を主張していく。
 同病院は今年四月に、市に対し上水道企業団が公表した病院近くにある井戸の塩素イオン濃度上昇の原因が施設から排出される温泉排水とした科学的調査とその結果に基づく釈明を求めていた。それに対する市側の対応がないとして、提訴に踏み切った。
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最優秀は与那覇さん(西辺中3年)の作品
深夜はいかい防止ポスター
上位3点は中央審査会へ

 
優秀・山里司君のポスター
 

優良・永井亜矢子さんのポスター

最優秀・与那覇千佳さんのポスター=3日、宮古島警察署

 「少年の深夜はいかい防止ポスター」宮古地区審査会(主催・県警察本部、県、県教育庁)が三日、宮古島警察署(岸本亮署長)で開かれた。市内の小中高校、養護学校の子どもたちが応募したポスター二十四点から入賞作品を決定。審議の結果、最優秀には与那覇千佳さん(西辺中三年)の作品が選ばれた。上位三点は十一月に県警察本部で行われる中央審査会へ宮古地区代表として出品される。
 同ポスターの募集は、少年の深夜における非行を防止するとともに、県民意識の高揚を図る事を目的に行われている。
 審査会では同署の岸本署長ら十二人が、▽趣旨と合っているか▽少年の深夜における非行防止を強く訴えているか−などを基準に審査。絵のアピール力や全体の調和、配色など細部にも目を配りながら、入賞作品を決めた。入賞者の表彰式は今月中に、宮古島署で開かれる。
 入賞者は次の通り。(敬称略)
 【最優秀】与那覇千佳(西辺中三年)【優秀】山里司(宮高三年)【優良】永井亜矢子(同一年)【佳作】▽鹿川舞(宮農三年)▽松岡基樹(北中二年)【入選】▽中島潮見(北中一年)▽伊良皆望美(鏡原中三年)▽島尻昌喜(狩俣中二年)
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シュノーケリングなど体験/滋賀県の修学旅行生
南国の自然を満喫


シュノーケリングを楽しむ修学旅行生ら=3日、保良川ビーチ

 滋賀県から初めての修学旅行団として来島している滋賀県立守山高校(加賀爪七夫校長)は、宮古島での旅程二日目となる三日、伊良部島観光やシュノーケリング体験、サーターアンダギー作りなどを体験し、南国・宮古の自然や文化を満喫した。
 同修学旅行団は、同校二年生二百三十六人。二学期制を導入している同校では、一学期の修了を控え、旅程開始日の沖縄本島での平和学習やマリンスポーツ体験、海宝館見学、海中展望船の乗船などを行った。
 同校の川上昌道教頭は「空と海の素晴らしさに生徒ともども感動している。有意義な体験も積むことができた」と話した。一行は、きょう四日に帰途に就く日程。
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