200平成18  10 火曜日

再建団体回避で集中改革/宮古島市
市民提言受けプラン策定
職員定数適正化、税徴収など強化


集中改革プランを発表する伊志嶺市長(右)と下地徹委員長=2日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市行政改革推進本部(本部長・伊志嶺亮市長)は市民の代表でつくる宮古島市行財政改革推進委員会(下地徹委員長)の意見・提言を受け、「宮古島市集中改革プラン」をこのほど策定し二日、記者会見で公表した。
今後、経常経費の抑制や特別職報酬などの減額、管理職手当の削減、定員管理の適正化、公共施設の民間委託などの計画に基づいて行政改革を断行する方針。同市の二〇○五年度一般会計決算の経常収支比率は九九・一%と高く、財政の硬直化が進む。伊志嶺市長は「再建団体にならないためにも、定員管理の適正化、人件費の削減や勧奨退職の推進なども必要。そのためには、職員の意識改革が重要だ」と強調し、財政健全化に向け意欲を示した。
 国が全国各自治体に求めている「集中改革プラン」について市は「宮古島市行政改革大綱」に基づいて策定。策定に向けては、同委員会の意見や提言などを反映させた。
 同プランの実施期間は、〇五年度から〇九年度までの五カ年間。行政全般にわたり改革項目が示され、その実施結果については今後、継続的に検証していく。また、必要に応じて随時見直し、プラン項目以外の項目も取り上げて検討していく方針。
 地方税、普通交付税などの一般財源のうち、どの程度が人件費や公債費といった義務的経費に充てられるかを示すのが経常収支比率。市は、県へ○五年度一般会計決算の経常収支比率を九八・九%と報告。しかし、県は先月下旬、同比率を○・二ポイントアップし九九・一%に訂正変更した。
同比率は七五%を上回らないことが望ましいとされる。
 ○五年度収支決算は三百四十三億六千万円。このうち自主財源が全体の二○%の六十八億七千四百万円。依存財源が八○%という体質は依然として変わらない。
 伊志嶺市長は「○五年度国保事業などの特別会計の実質収支総額は約五十五億円の赤字」と説明し、一般会計から特別会計へ支出される金額が増加し、一般会計が赤字にならないかを警戒する。
 市の大きな自主財源の一つが市税。市税の徴収体制の充実強化を図るため、納税課を新設。同プランでは、徴収対策行動計画の策定、滞納者対策の強化などを盛り込んだ。   (伊良波彌)
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宮古地区/ガソリン3円値下げ
消費者「もっと下がって」


張り紙で値下げを知らせる所もみられた=2日、市内のガソリンスタンド

 石油元売りが卸値を下げたことを受け、宮古地区では二日から、ほとんどのガソリンスタンドでガソリン、軽油とも価格が三円値下げされた。これにより、多くの給油所では、ガソリンが一g当たり百四十四円から百四十一円に、軽油が同百二十五円から百二十二円(いずれも税別)に、それぞれ下がった。
 市内のあるガソリンスタンドでは、「仕入れ価格の値下げにより十月二日から、ガソリン・軽油の価格を三円値下げしました」と店頭に張り出し、ドライバーに周知を図った。同店の店長は「今後の動向は分からないが、値上がりが続いていたので、下がるに越したことはない。お客さんに喜んでもらえれば幸い」と、ひと安心の様子だった。
 給油に訪れた主婦は「以前は満タンが四千円ぐらいで済んでいたのが、今は五千円余りもかかる。値下げはうれしい。もっと下がってほしい」と願った。郵便局員の男性は「良い兆しだと思う」と話していた。
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業務を開始/新設の納税課/宮古島市

 宮古島市平良庁舎で二日、新設された納税課(友利克課長)が本格業務を始めた。今後、市税徴収率アップに向け、市民の自主納付を広くアピールする。
 同課は、滞納税徴収を強化し、自主財源を確保する目的で新たに設置された。課長や主幹などを含めた職員は十四人で臨時職員を含めると十五人。
 友利課長は「大きな使命と責任を背負っている。市民の自主納付の意識を高めていきたい」と語り、市民に市税については気軽に相談するよう呼び掛けている。
 この日の業務開始と同時に多数の市民が訪れ、明るい雰囲気にホッとした表情を見せていた。
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滋賀県から初の修学旅行団/高校生236人が来島
2泊3日でマリンスポーツなど体験

 
滋賀県から初めて来島した県立守山高校の生徒の皆さん。観光協会の横断幕などで盛大に出迎えた=2日、宮古空港

 宮古観光協会(藤村明憲会長)は二日、修学旅行で宮古島を訪れた滋賀県立守山高校(加賀爪七夫校長)の二年生二百三十六人の空港歓迎式を行った。滋賀県から初めての修学旅行団の来島を、三線の演奏と歌で出迎え。観光関係者も出席するなど、島を挙げての歓迎ぶりに高校生らも目を細めて喜んでいた。旅行団は二泊三日の日程で、観光やマリンスポーツ、エイサーなどの体験学習を楽しむ。
 二団に分かれて到着した旅行団を、観光協会の会員らは「んみゃーち 宮古島」と書かれた横断幕を手に、また、歌手の真也よう子さんが三線を弾いて出迎えた。到着ロビーから出てきた生徒たちは、横断幕を見るやすぐに「うわー、うれしい」と喜びの声を上げて笑顔を見せていた。
 藤村会長は「文化や伝統も本土と若干違うので、ぜひいろいろと勉強してほしい。山も川も湖もない島ですが、世界に誇れる地下ダムも、唯一の飛行機訓練場もあります。短い期間ですが、どうか島を満喫してほしい」とあいさつ。
 歌手の真也さんは「笑顔で楽しい思い出を残してください」と話し、「涙そうそう」を三線で演奏し披露。生徒たちは拍手で応えた。
 同校の川上昌道教頭は「宮古島を初めて訪れる生徒も多い。三日間、体験学習を楽しみたいと思う。盛大な歓迎をありがとう」と感謝した。
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市教育研究所/初の研究教員が入所
乾さん(平一小)と与那覇さん(久松小)
教育関係者ら長年の願い実る


研究教員として入所した乾さん(右)と与那覇さん(中央)。左は島袋所長=2日、宮古島市役所下地庁舎内の市立教育研究所

 宮古島市立教育研究所(所長・島袋正彦市教育委員会学校教育課長)の研究教員入所式が二日、同所のある宮古島市役所下地庁舎で行われ、平良第一小学校養護教諭の乾麗子さんと久松小学校教諭の与那覇彰子さんが、同研究所初の研究教員として入所した。久貝勝盛教育長が「二十四年来の思いがあり、教育研究所の入所式を迎えられ、感激の極み」と述べるなど、関係者が研究開始を喜んだ。二人は来年三月までの半年間、研究を重ね、今年十二月に中間報告会、来年三月に研究発表会で成果を披露する予定。
 担任や保護者、関係機関が連携した教育相談活動について研究する乾さんは「これまでの経験を、さらに深められるよう研究を進めたい」と決意。国語科の「音読」をテーマに掲げる与那覇さんは「子どもたちの学力向上につなげるため、充実した研究にしたい」と力強く話した。
 初めての研究教員を迎え、島袋所長は「具体的な方策を見つけ出し、そしゃくして子どもたちに示すことで、子どもたちに変容が見え、研究の成果が明確になる。頑張ってほしい」と激励した。
 伊志嶺亮市長は「各教科・領域で一生懸命に取り組み、学校で実践して、地域の教育力向上、子どもたちの人材育成に生かして」とエール。市議会の友利恵一議長は「教育研究所の開設は、合併後第一号の成果。地元での研究は子どもたちに即、効果が環流できるだろう」と期待した。
 宮古教育事務所の新崎治所長は「『子どもたちの成長する姿を示すことが、私の教育実践、成果だ』と誇れる教育を推進してほしい」と述べ、研究の充実を願った。
 教育研究所は、教育に関する専門的・技術的事項の調査・研究、研究成果の普及など、教職員の教育力向上を図るための研修施設で四月に開所した。宮古にはこれまで同様の施設がなく、研究を望む教職員は、沖縄市の県総合教育センターでの研究を余儀なくされていて、研究所設置は宮古の教育界の四半世紀にわたる念願だった。
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チョウに愛を込めて/バタフライリリース
川満さん結婚式


オオゴマダラなど5種類のチョウを放蝶。幸せいっぱいのバタフライリリースとなった=1日、宮古島東急リゾート

 二人の愛を「チョウ」に込めて─。パラダイスプラン(西里長治社長)は一日、宮古島東急リゾートで行われた川満健勇さん、満由美さん=平良=の人前結婚式で、五十八匹のチョウをプレゼント。川満さん夫婦の愛と願いを込めたチョウを空へと放す、バタフライリリース(チョウの放蝶)が行われた。自由に空を舞うチョウに二人の最高の幸せを託し、出席した参加者らに幸せの「おすそ分け」をした。
 満由美さんはパラダイスプランで勤務していたが、今年二月、結婚を機に退職。同僚で中国出身の徳久利恵子さんが、地元中国の結婚式でチョウをプレゼントする風習を満由美さんの結婚式に提案し、実現となった。昔から中国では、清潔・幸福のシンボルとしてチョウは親しまれ、そのチョウに願いを込めて空に放すと、二人の願いがかなうといわれている。
 パラダイスプランでは、みやこパラダイスで飼育しているオオゴマダラをはじめ五種類のチョウを、ご縁(五)と末広がり、角のない幸せな人生(八)という意味を込めた語呂合わせで五十八匹のチョウをプレゼント。川満さん夫婦の結婚成立宣言の後、バタフライリリースが行われ、二人の手によってチョウは大空へと舞飛んで行った。
 満由美さんは「チョウを自然にリリースすることで、大好きな宮古島に優しさや愛情を還元できてうれしい。また、パラダイスプランの初めての試みを私たちのためにしてくれて大変感謝している」と笑顔。健勇さんは「とにかく感無量です。本当にありがとう」と感謝した。
 西里社長は「二人の幸せな人生を願うとともに、二人の結婚といううれしく幸せな気持ちをチョウに託して宮古全土にリリースできることを大変光栄に思う。二人の思いを乗せたチョウが宮古を舞うたび、住民にも幸せが広がっていくだろう」と目を細めた。
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