200平成18  10 月曜日

市長「課題解決に向け努力」/ 宮古島市 誕生1周年で式典


関係者が一堂に会し、宮古島市誕生1周年を祝った式典=1日、宮古島市中央公民館

 宮古島市誕生一周年記念式典(主催・同市)が一日、同市中央公民館で挙行され、市町村合併から一周年の節目を約四百人の関係者が祝った。伊志嶺亮市長は式辞で「行政改革は市民の提言を受けながら全庁態勢で取り組んでおり、併せて旧市町村から引き継いだ事業を推進し、ごみ処理施設や葬祭場建設、宮古病院の移転新築など課題解決に向け努力していきたい」と決意を新たにした。宮古島市歌も発表され、みやこ少年少女合唱団とともに出席者が斉唱した。
 伊志嶺市長は式辞で「地方自治体を取り巻く厳しい環境に対応するための行財政基盤の確立が目的だった」と五市町村合併に至った経緯を説明。「五万六千人の市民が一体となって豊かで活力に満ちた郷土をつくるため、国や県、市議会をはじめ関係者のなお一層の支援、協力を心からお願いしたい」と述べた。
 あいさつに立った市議会の友利恵一議長は、「合併効果が引き出されていないとの指摘があるのは事実で、諸問題は山積しているが、限りない発展の可能性を秘めている。五年後、十年後には合併が大成功した市として、全国に知られる自治体になっていると考える」と述べ、議会として市民の声を真摯(しんし)に受け止めていくと強調した。
 稲嶺恵一知事(代読・牧野浩隆副知事)は祝辞で「合併は地域を再生し、体制を整備するための手段であり、均衡ある地域の振興に寄与する。県として今後も宮古島市と連携し、合併効果が十分に発揮されるよう支援したい」と約束した。内閣府沖縄総合事務局の竹林義久局長、宮古地区選出県議の奥平一夫、砂川佳一の両氏も、それぞれ宮古島市誕生一周年を祝うとともに、今後の発展に期待を込めた。
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住宅密集地で火事/3階部分全焼、男性死亡
平良西里


激しい炎を上げる3階部分=1日、宮古島市平良西里

 一日午後七時二十分ごろ、宮古島市平良西里にある住居兼店舗の鉄筋コンクリート三階建ての三階部分から出火し、三階部分をほぼ全焼した。午後九時十分すぎ、焼け跡からこの住居に住む上地慎也さん(49)の長男 真貴さん(25)を発見。病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。同居していた上地さんと妻泰子さん(49)らは出火当時、外に出ており無事だった。出火原因は現在、消防で調査中。
 現場は商店や住宅が軒を連ね、人通りが多い所。周辺住民の話によると、第一通報は午後七時三十五分ごろ。その後、八時前後に消防が到着し消火活動に当たった。しかし、火は時間とともに勢いを増し、ガラスなどが割れて道路まではじけ飛びながら三階の住居部分一帯に広がるなど消火活動は思うように進まなかった。強い炎が収まったのは午後八時五十分ごろ。
 午後八時ごろから当たり一帯は封鎖された。
 
「お願いだから早く助けて」/平良西里の火災
燃えさかる火に母親の叫び
進まぬ消火作業に住民から怒号

焼け跡から男性の遺体を搬送する消防隊員=1日、午後9時すぎ、平良字西里

 「中に子どもがいるんです。お願いだから早く助けて」―。一日夜、平良西里の店舗兼住居で発生した火災。住居の中から遺体で発見された男性(25)の母親(49)は、素足で助けを求め続けた。何度引き留められても建物近くに歩み寄り、息子の生還を待ち続けた。しかし、願いは届かなかった。現場にいた大勢の住民は消防の対応に憤った。通報後の現場到着時間、次々と燃え広がる炎。「消防は何をやっているんだ。早く消せ」。怒号の中、消火活動は続けられた。
 日曜の夜、静かな市街地が一瞬にして凍り付いた。燃えさかる炎を前に大勢の住民がぼうぜん。見たこともないような大火災に言葉を失った。そんな中、出火時は外出していたとみられる家族の叫びと、消防に対する怒りの声だけが響いた。
 現場周辺に住む住民の話によると、第一報は午後七時三十五分ごろ。その後、消防車両が現場に到着したのは午後八時前とみられる。
 到着後は懸命な消火活動が行われたが、火の勢いはすさまじかった。三階の住居部分一帯に燃え広がる炎、ガラスが割れる音や爆発のような音も周辺に響いた。
 現場に集まった一部住民は激怒した。放水の方法や指揮系統の乱れを指摘し、「消防は何をしているんだ。早くあの火を消せ」「何ではしご車を出さないんだ」「署員が少な過ぎるだろう。ふざけるな」。そう叫びながらも消防のホースを持ち運び、協力しながら消火活動に当たった。
 午後九時すぎ、マサキさんの遺体が住居から運び出された。マサキさんを乗せた担架は泰子さんら家族の前を通った。悲鳴を上げながら泣き叫ぶ家族の姿に、多くの市民が同情した。
 消化活動を見ていた四十代男性は「消防の消火活動が遅かったから一般人が消防車のホースを使い消火活動に当たっているのではないか。消防は何をやっているんだ」と声を荒げた。
 市内に住む二十八歳の男性は「火の勢いがすさまじかった。消防署員には『火を消してくれ』と祈るしかなかった」と表情を曇らせた。
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市歌「黎明の空に」発表/市誕生1周年式典
合唱団が披露、出席者も斉唱
砂川さん(作詞)、三浦さん(作曲)を表彰


発表された宮古島市歌を斉唱する出席者ら=1日、宮古島市中央公民館

作詞の砂川さん(左)には詞の額、作曲の三浦さんには楽譜の額が、ぞれぞれ贈られた=1日、宮古島市中央公民館

 宮古島市誕生一周年記念式典が行われた一日、宮古島市歌「黎明(れいめい)の空に」が発表された。同市中央公民館での式典出席者らを前に、みやこ少年少女合唱団の歌声で初演奏された。続いて出席者も斉唱し、新市発足一年目にして完成した新しい市歌の誕生を喜んだ。発表に先立ち、作詞者の砂川健次さん(52)=上野=、作曲者の三浦禄(みどり)さん(33)=伊良部=の二人に、伊志嶺亮市長から賞状と賞金、記念品が授与された。
 宮古島市歌は詞・曲とも公募され、市歌選定委員会(委員長・久貝勝盛教育長)が選考した。詞は六十三点の応募があり、四度の選考委員会の結果、砂川さんの作品「黎明の空に」に決まった。曲は三十二点の応募があり、三度の選考委の末、三浦さんの作品が選ばれた。同委員会は九月、伊志嶺市長に最終答申していた。
 表彰された砂川さんは、宮古方言に置き換えた歌詞を読み上げ、「宮古のアイデンティティーを歌った歌。島に住む五万六千人の奇跡を誇りとし、未来に受け継いでいく必要がある。市民が心を一つにし、未来に大きく羽ばたいていけることを祈念したい」と力を込めた。三浦さんは「伊良部に住む人たちの温かな人情、多くの思いに啓示され、作品が生まれた。力を与えてくれた島の皆さんに感謝したい」とあいさつした。
 初めての演奏で、みやこ少年少女合唱団が三番まで歌い終えると、会場は大きな拍手に包まれた。続いて、宮古合唱連盟の洲鎌律子会長が登壇し、ポイントを説明。「一度聞いたらすぐ歌える」と呼び掛け、出席者全員で斉唱した。伊志嶺市長は「歌いやすい曲に出来上がっていて良かった」と話し、作詞・作曲の二人に感謝した。
 演奏を聞いた砂川さんは「メロディーがつき、もう自分のものではなく、みんなのものになったと実感した。民謡バージョンもできたらいいかな」と笑顔。三浦さんは「イメージしていた以上にすてきな歌が誕生し、大変うれしく思う。これからも宮古の芸術・文化に少しでも貢献できたら」と顔をほころばせた。
 お披露目の大役を終えた合唱団員の国仲陽香留さん(平良中三年)、浜川和音さん(同)の二人は「私たちが歌うことが、この歌の始まりとなり、イメージとなるので少し緊張したが、うまく歌えたと思う」と感想を話していた。
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大神中運動会/歌・三線などを披露
島民5倍の160人で熱気


歌や三線を披露した根間勇輔君(左)と根間沙弥花さん=1日、大神中学校グラウンド

 生徒在籍数が姉弟二人の宮古島市立大神中学校(座嘉比幸枝校長)の運動会が一日午後、同校グラウンドで開かれた。出場者や観客らを含めた人数は、人口三十三人の五倍に当たる約百六十人。秋空の下、歌や三線、合同リレーなどで盛り上がった。
 スローガンは「前に進め!希望の光!島の力!」。在校生は、三年生の根間沙弥花さんと一年生の根間勇輔君の二人。同校の交流校である同市立池間小・中学校の児童・生徒計二十九人、同市立砂川中学校の生徒十人が参加。合同リレーでは、大勢の観客らが大きな声援を送っていた。
 根間姉弟は教諭らと一緒の歌・三線で「豊年の歌」、「芭蕉布」を披露。日ごろの練習の成果に、観客から大きな拍手がわいた。また自治会婦人部が息の合った踊りで花を添えた。
 最後は、綱引き・クイチャーが繰り広げられ、大神中学校のさらなる発展を祈念した。
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「全国制覇」地域で祝う/狩俣小PTA
全国スナッグゴルフ優勝で


大勢の地域住民から全国優勝達成の祝福を受けたジュニアゴルフクラブの児童たち=9月30日、狩俣小学校体育館

 全日本小学生ゴルフトーナメント決勝大会のスナッグクラスで優勝した狩俣小学校ジュニアゴルフクラブの快挙を祝う祝賀会(主催・同小学校PTA)が九月三十日午後、同校体育館で開催された。PTAだけでなく、ゴルフ関係者や地域住民も多数参加して全国制覇の快挙を祝福。併せて、子どもたちのさらなる活躍に期待を寄せた。
 全国大会は、九月十七日に福島県富岡町で開催された。同校からは、根間誠君(六年)、伊良部竜也君(五年)、平良航大君(四年)が出場。三人一組で競うスナッグで優勝を達成した。
 祝賀会の中で同校PTAの根間研二会長は「児童数四十四人という小さな学校が全国一になったということは私たち地域住民にとっても大きな喜びです」と強調。その上で子どもたちに「これからも今のゴルフに取り組む気持ちを忘れず、勝負だけにこだわらず常に礼儀を重んじ、すくすくと成長してほしい」と期待を込めた。
 祝賀会には大勢の地域住民も参加し、全国制覇という快挙をともに分かち合った。これらの祝福を受け、ジュニアゴルフクラブの根間キャプテンは「これからも練習に頑張り、本物のゴルフでも優勝できるように努力していきます」と力強く話していた。
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メーン道路を美しく/二重越椿通り会
会員20人が清掃活動


地域の美化活動に努めた椿通り会のメンバー)=9月30日、平良の二重越地区内

 平良地区の二重越椿通り会(川満勇吉会長)は九月三十日、宮古病院から宮古島市陸上競技場に向かう二重越のメーン道路で清掃活動を実施。二十人が参加し、地域の美化活動に努めた。
 この清掃活動は年に三回実施。普段から会員が自主的に清掃を続けているが、年に三回は通り会の活動として清掃活動を行っている。
 清掃活動は午後四時ごろから開始。道路脇に無造作に伸びた雑草を刈り取ったり、ごみを拾い集めたりしながら美化活動に努めていた。
 川満会長は「この道路をきれいにするということは、自分たちだけでなくこのメーン道路を利用するすべての市民が気持ちの良い気分になる。活動の意義が多くの人に広がり、もっと宮古島がきれいになることを期待している」と話していた。
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