200平成18  930 土曜日

下地島残地/県外企業が開発計画
県議会一般質問/奥平氏の質問に県当局


下地島空港周辺の土地利用について県当局をただした奥平一夫氏=29日、県議会議場

 【那覇支局】開会中の県議会(仲里利信議長)九月定例会は二十九日、一般質問が行われた。宮古選出の奥平一夫県議は下地島空港周辺残地の土地利用における現在の状況を県当局に求めた。これに対し、県企画部の上原良幸部長は「リゾート開発を目的とする県外企業からの提案がある」と述べ、宮古圏域の懸案事項の一つに挙げられている下地島空港周辺残地の売却にめどがあることを示唆した。宮古病院の新築移転については県病院事業局の知念清局長が答弁。「本年度中には基本構想プランを取りまとめたい」との方針を示したが、改築時期については明言を避けた。

 下地島空港周辺の残地の利活用については七月下旬、宮古島市下地島空港等利活用推進室と県の関係部局が連絡会議を開催するなど、その利活用について県と市が具体的な協議に入っている。
 一般質問で奥平氏は同連絡会議の協議内容などを質問した。上原企画部長は「今後も会議を継続していく」とし、市と連携して利活用を促進していく姿勢を示した。奥平氏の企業進出のオファーに関する再質問では「リゾート開発で県外企業からの提案はある。具体的なプランはまだ示されていない」と述べ、売却に向けての本格協議は今後の検討課題とした。
 宮古病院の新築移転関連で、奥平氏は宮古病院の構造体力の基準割れを指摘しながら県当局の見解を求めた。これに対し知念局長は二〇〇〇年の調査で那覇病院と宮古病院を「おおむね十年以内に建て替える必要がある」とする調査結果を報告。構造耐力度が宮古病院より那覇病院の方が低かったことを踏まえて「順序的には那覇病院を行い、その次に宮古病院」と説明した。
 今後の取り組みとしては「本年度を目安に基本構想プランを取りまとめたい」と強調。新築移転時期については「本年度中には、その時期について関係機関と協議していきたい」などと述べた。
 そのほか、奥平氏は▽県の少子化対策について▽環境行政について▽教育行政について▽団塊世代の大量退職に伴う定住促進へ向けた取り組み―について県当局の見解をただした。  (垣花尚)
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島は祭り一色/八月踊り、開幕/多良間島


鮮やかな衣装に身を包み、優雅な舞い。島に伝わる伝統芸能を披露した

 【多良間】国の重要無形民俗文化財、多良間村の伝統行事「八月踊り」が、旧暦八月八日に当たる二十九日に開幕し、字仲筋の正日(しょうにつ)(初日)が土原(んたばる)御願所で行われた。
 明治時代に伝わったとされる華麗な組踊りを中心に、古くから島に伝わる素朴な民俗踊りなどを次々と披露し、訪れた参観者らは多良間に息吹く伝統を堪能した。 
 八月踊りは、一年の五穀豊穣(ほうじょう)と来年の豊作を祈念し、神前で踊った奉納踊りが起源といわれる。三日間の日程で行われ、初日の二十九日は字仲筋の土原御願所、二日目の三十日は字塩川のピトゥマタ御願所で行われる。
最終日となる十月一日は「ワカレ」といわれ、両字の芸能が同時に行われてクライマックスを迎える。昼前から夜にかけて多彩な舞踊が舞台をあでやかに飾り、力強い演技を見せて、島は祭り一色に包まれる。
 初日の舞台は、アカギやフクギなどの大木に囲まれた土原御願所で幕を開けた。色鮮やかな衣装を身にまとった島民たちは、女踊や若衆踊、二才踊、面白おかしい掛け合いが見所の狂言、力強い棒踊りなど多様な演目を相次いで熱演した。
 うち、ひときわ観客の目を引いたのが組踊り「忠臣仲宗根豊見親組」。首里王の命に背く与那国の首長鬼虎を、宮古島の首長である仲宗根豊見親が征伐するという内容だ。
絶世の美女とうたわれたオーガマ、クイガマ姉妹や仲宗根豊見親など歴史上の人物が登場し、征伐の様子が詳細にわたって演じられた。
 演者の迫力ある熱演に、会場からは惜しみない拍手が沸き起こった。
 地元・仲筋に住む名嘉真優子さんは、息子の潤君(中学三年)、三志郎君(中学二年)、夫の正夫さんら親子二代の出演を陰で支えた。「家族みんなで楽しみにしている行事。三味線を引く夫と、踊る息子らを励ましたり陰ながらの協力しかできないが、これからも家族みんなで『八月踊り』を継承し守っていきたい」と目を細めた。
 長野県から来た黒澤由香さんは「初めて見たが、こんなににぎやかとは思わなかった。老若男女問わず地域挙げて祭りを大事にしていく姿がとてもうらやましい。きょうは来て良かった。大変感動している」と話した。
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母親の情報交換の場設定を/「お産の会」が選ばれる
男女共同参画啓発プラン発表/働く女性の家


プランを発表するちゃんぷる〜お産の会の坂本さん=29日、ゆいみなぁ

 男女共同参画啓発事業「支援します!市民による市民のための啓発プラン」の審査会が二十九日、ゆいみなぁ(宮古島市働く女性の家)で開かれた。応募した一個人二団体の代表者が考案したプランを発表。審査の結果、ちゃんぷる〜お産の会(代表者・坂本智栄)の妊婦や育児をサポートするプランが選ばれた。今後、日程や内容の調整を行い開催する予定。
 この事業は、市民が企画した男女共同参画啓発プランを公募、支援し、市民の自主的な活動を促すとともに男女共同参画社会形成につなげることが目的。
 お産の会の坂本さんは、妊娠・出産・育児について、母親同士の情報提供する場をつくるプランを提案。「出産を経験した私たちが声を上げることが必要。安心して妊娠・出産・育児ができる環境に近づけたい」と訴えた。
 プランには、より良いお産にするためのバースプランの作成や夫やパートナーが学ぶマッサージ講座が盛り込まれている。
 田場光枝審査委員長は「男女共同参画の視点が大事。お産の会が発表したプランの将来的な効果に期待ができる」と講評した。
 お産の会以外には、コープおきなわ宮古ブロックが「一緒に作ろう粋で美味しい酒の肴」、山口靖子さんが「宮古島の少年たちよ大志を抱け、オトーリグラスを置いて(人生の)舵を取れ!」とそれぞれプランを発表した。
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巣への接近危険!/ツマグロスズメバチが活発化
市環境保全課


花のみつを吸うツマグロスズメバチ=28日、伊良部

 宮古島以南に生息するツマグロスズメバチの活動が活発化したことに伴い、宮古島市環境保全課は今年に入ってから二十八日までに、市民からのツマグロスズメバチの巣の撤去依頼を受け二十五件処理した。ツマグロスズメバチは巣を刺激した場合、人に向かって攻撃・威嚇することから、環境保全課では「絶対に巣に近づかないように。万が一刺された場合は、すぐに病院へ行くように」と呼び掛けている。
 ツマグロスズメバチの体は赤褐色で、腹部の前部が黄褐色、後部が黒色。
体長は女王バチが二五―二八_、雄と働きバチとも二○―二二_。
 スズメバチの仲間は、黒っぽい服装などに攻撃する習性があると言われ、白っぽい服装が安全という。黒い頭髪も攻撃される場合があることから、帽子をかぶることも有効らしい。
 ツマグロスズメバチは、花のみつを吸う習性がある。今の時期に花を咲かすリュウキュウガシワ(ガガイモ科)やヒメクマヤナギ(クロウメモドキ科)などに集まる。二種の植物とも海岸などに自生する。
 ツマグロスズメバチの巣を見つけた場合の問い合わせは、宮古島市役所環境保全課(電話77・8059)まで。
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民謡や紙芝居披露/宮古出身の光永さん
お年寄りを楽しく慰問


デイサービスの利用者らが慰問に訪れたフーレンさんとクイチャーを楽しんだ=28日、宮古島市城辺社会福祉協議会

 宮古島市出身で金武町に住む「ひんぷん唄者」のシャン・フーレンさん(33)=本名光永一仁=は二十八日、同市城辺社会福祉協議会のデイサービスを訪ね、民謡や紙芝居を披露して利用者らを楽しませた。
 フーレンさんは、県内で高齢者施設などの慰問ボランティアを行っている。今回は、父親の勇さんが城辺字砂川の出身という縁で同デイサービスを慰問した。
 フーレンさんのボランティア活動は、金武町の海浜を散歩していた折に漂着したカプセルを拾ったことがきっかけだった。中には「世界が平和になりますように」とのメッセージが入っており、その出来事を広く伝えようと決意。魔よけの意味がある「ヒンプン」のような存在を目指して肩書きを「ひんぷん唄者」とし、三線を片手に県内各地を訪ねているという。
 この日のデイサービスは、父の出身地域である砂川学区の高齢者の利用日。お年寄りたちは、フーレンさんの歌に合わせて口ずさんだり軽妙な語り口に笑顔を見せ、最後は共に立ち上がってクイチャーで締めくくった。
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濱川さん(久松小4年)がメリット賞/「みんなの夢」絵画コン
副賞は星に命名


受賞報告をした濱川愛子さん(中央)、母親の教子さん(右)、菅間校長(左)=29日、宮古島市教育委員会

 第二回「みんなの夢」こども絵画コンクール(主催・花王)でこのほど、濱川愛子さん(久松小四年)が最高賞に当たるメリット賞に輝いた。二十九日、濱川さんは宮古島市教育委員会を訪れ、久貝勝盛教育長に受賞の報告をした。
 同コンクールは今春、「かなえたい夢」をテーマに日本在住の小学生を対象に募集が行われた。濱川さんは母親とともに習っているバイオリンで将来、一緒にコンサートに出たいという夢を「親子でコンサート」と題し水彩画に思い描き、応募。応募総数約一万二千点の中から最高賞に当たるメリット賞に輝いた。
 また副賞には、福島県の「星の村」で山羊座に位置する星一つに命名できる「星に名前をつける旅」が贈られた。濱川さんは「家族みんなの星でいられるように」と思いを込め、「Star of Aiko’s family(愛子の家族の星)」と名付けた。
 濱川さんは「星の名前は一生残るものなのでうれしい。この絵の夢をかなえられるよう頑張りたい」と笑顔で話した。
 受賞報告を受けた久貝教育長は「頑張れば夢がかなえられることを示してくれた」と激励。報告に訪れた久松小学校の菅間雅子校長は「濱川さんの受賞は周りの子どもたちにも夢を与えること。他の子どもたちも頑張って応募してくれたらうれしい」と話した。
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