200平成18  929 金曜日

県立宮古病院/構造体力6年前に基準割れ
2000年県調査/当時すでに老朽、劣化深刻
05年建て替え予定大幅遅れ

 【那覇支局】県が二〇〇〇年に実施した県立宮古病院の老朽度調査で、同病院の構造体力度はすでに建て替えが必要な状況となっていたことが二十八日、分かった。当時の調査では、建物構造体の耐力度がどの程度残っているかを文部省(現文部科学省)の耐力度調査方法に準拠して実施し、宮古病院の構造耐力度は四七七四点となった。新築時が一万点で、五千点以下が建て替えの目安となっていることから、宮古病院は六年前の段階ですでに建て替えが必要な状況となっていたことが分かった。これについては、きょう二十九日に行われる県議会の一般質問で奥平一夫県議が県の見解を求めることとなっている。

 この調査は、当時の福祉保健部病院管理局が民間のコンサルタントに委託して実施(二〇〇〇年八月三日―九月十四日)し当時、老朽化が進んでいた那覇病院と宮古病院の両施設を対象に行われた。
 老朽度調査では、さらに劣化度についても施設面(屋根、外壁および外部建具等)と設備面(電気、衛生および空調の各項目)で行われた。
 宮古病院は、施設の劣化度で八九・二点、設備の劣化度では七四・七点となった。劣化点数は少ないほど健全な状態で、八〇点以上は「劣化が著しい状態」、六五―八〇点が「劣化が目立つ状態」となっていることから、宮古病院は六年前の段階で、施設劣化が「著しい状態」、設備劣化が「目立つ状態」との判断となっていた。
 調査が行われた二〇〇〇年の段階で県は「現在の県立病院の施設・設備の経年状況から判断すると、今後(おおむね十年以内)に那覇病院と宮古病院については抜本的な整備を行う必要がある」との判断を示している。
 さらに、この調査結果を受けた判断としては「両病院とも状況として建て替えるべき数値を示している。しかし、県の財政面や病院事業の経営面において厳しい状況となることが予想されることから、劣化度の状況を判断して那覇、宮古の順序で改築を行う」としていた。
 また、宮古病院については「相当程度劣化が進行している状況にあり、那覇病院改築整備事業の進展状況を踏まえながら〇五年度着工をめどにして改築に向けた検討作業を行う」などの方針となっていたが、めどとしていた〇五年度の着工には至っておらず、現在も新築移転に向けた各種調査を行っており、新築移転に向けた作業は当初予定よりも遅れている。
 県は、二十八日に行われた県議会の代表質問でも宮古病院の新築移転について「病院事業の経営事業も見極めながら判断する必要もあるが、老朽化の問題もあることから本年度中には関係機関と調整していきたい」との見解を示している。  (垣花尚)
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集中改革プランを了承/行革推進市民委員会
家庭ごみ有料化 補助金見直し・・・

 市民で構成されている宮古島市行政改革推進委員会(下地徹委員長)が二十八日、宮古島市役所平良庁舎で行われ、行革の着実な実行などを条件に市集中改革プランを了承した。家庭ごみの有料化をはじめ、単独補助金の見直し、管理職手当の削減など行政、市民ともに痛みを伴う基礎的改革案は、来月二日の行政改革推進本部で正式決定となる。

 改革プランの期間は二〇〇五年度から〇九年度までの五年間。伊志嶺亮市長を本部長とする行革推進本部で改革の進行管理を行い、市民参加の行革推進委員会が意見や提言を述べる。進ちょく状況については広報誌やホームページでも公表していく方針だ。
 具体的な取り組み項目は▽事務事業の再編・整理・廃止・統合▽民間委託等の推進▽指定管理者制度の活用▽定員管理の適正化▽給与の適正化―など。
 事務事業の見直しは市有財産の有効利用や電子自治体の推進を図る。敬老祝い金も支給額も見直すほか、イベントの統廃合も検討する。公共施設の使用料や各種事務手数料は公平を図る観点から負担の適正化を図っていく方針だ。
 家庭ごみの有料化と減量化は最も市民に響く改革案となる。ごみ袋の料金などは今後の検討課題だが、負担が増えることは確実。さらに単独補助金も見直す。すべての補助金について廃止も視野に入れた評価制度を取り入れる。ただ、削減だけでなく、新たに補助金が必要な団体については公募制を導入し対応していくことも明記した。
 職員定員管理の適正化では一〇年四月までに九十一人以上の削減を目標とする。削減を早めるための取り組みとしては▽定年退職者以外の退職者に対しての補充採用を控える▽勧奨退職の積極推進▽〇七年度以降の四年間は採用者数を五人以下とする―などとした。長期的計画では十五年後には四百四十四人以上の削減を行い、職員数六百人以下を目標とする。
 給与の適正化では特殊勤務手当の廃止などを断行する。さらに人事院勧告や社会情勢などを勘案した上での見直しを推進する方針だ。
 その他の取り組みとして市税や市営住宅使用料の徴収率向上を図る。土地改良事業受益者負担金の徴収率も上げる。
 新たな財源の開拓では▽有料広告事業▽法定外目的税の導入▽し尿処理の有料化―を図る。
 集中改革プランを決めた二十八日の行革推進委員会では、職員給与に関する論議もあり、改革が市民にも痛みを強いることから職員給与の見直しを求める声もあった。改革が「絵に描いたもち」にならないよう強く要望する委員もいた。
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自転車盗、空き巣防止など重点/宮古島署・防犯協会
来月11日から地域安全運動


地域安全運動の取り組み内容を確認した推進協議会=28日、県宮古支庁

 二〇〇六年全国地域安全運動の宮古島地区推進協議会(主催・宮古島警察署、宮古島地区防犯協会)が二十八日、県宮古支庁で開かれ、十月十一日から二十日までの十日間、全国一斉に展開される同運動の宮古での実施要綱などを承認した。宮古地区では▽自転車盗▽車上ねらい▽空き巣―などの罪種の防止を重点課題に指定。また、子どもの犯罪被害防止にも力を入れ、期間中は小・中・高校であいさつ運動を実施する。
 確認された要綱では、運動初日の十月十一日には、全国地域運動宮古島地区大会を午後四時三十分から、カママ嶺公園多目的広場で開催。標語やポスターの表彰の入選作品を表彰し、小・中・高校各年代の児童・生徒が意見を述べる。大会終了後は同公園から旧宮古警察署までをパレードし、「安心・安全」な宮古づくりをアピールする。十月十四日には、第二回宮古島地区小・中学校柔道剣道大会も行われる予定。
 協議会には、宮古島署や防犯協会をはじめ、学校関係者、各種団体など、多岐にわたる分野から約六十人が出席した。
 冒頭、宮古島署の岸本亮署長は「宮古島地区では地域挙げての運動が奏功し、刑法犯の認知件数が三年連続で減少するなど成果が表れている。一方で、子どもたちを狙った犯罪は後を絶たず、宮古でも声掛け事案が確認されている。安心・安全な社会の実現のため、それぞれの立場で、それぞれの役割を果たすことが重要」と協力を呼び掛け。
 防犯協会の前川尚誼会長は「子どもを被害者とする犯罪は誠に憂慮すべきこと。宮古でも対岸の火事とは言えない。安心・安全な美ぎ島づくりへ住民一体となって犯罪の抑止活動を展開しよう」と述べた。
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台湾から視察団/宮古島で離島の現状把握
リサイクルセンターなど視察


宮古島の現状把握に努めた台湾からの視察団=28日、市資源リサイクルセンター

 台湾の「日本離島開発視察団」の約二十人が二十八日、二泊三日の日程で来島した。離島という宮古島の現状を把握することが目的。視察団は県宮古支庁や宮古島市役所を訪ねたほか、市資源リサイクルセンターなどを視察し、島の実態把握に努めていた。
 視察団は同日午前の便で来島。はじめに県宮古支庁に兼城克夫支庁長を訪ねた。兼城支庁長は歓迎のあいさつで「われわれは技術、農業についても台湾から多くのことを教わりました。宮古島の農業が、どれだけ参考になるか分かりませんが三日間、ゆっくりと視察をしてほしい」と述べ、視察の成功を期待した。
 視察団側は「この宮古島で、いろんなことを学んで帰りたい」と視察に意欲を示した。
 この後、一向は宮古島市役所を訪ね、下地学助役を表敬。午後からは宮古島商工会議所、宮古島バイオエコシステム研究センターや市資源リサイクルセンターなどを視察して回った。
 各視察現場で、担当者から説明を受けた視察団は、カメラやビデオカメラ、メモを手に真剣な表情で各施設の概要について知識を深めた。
 視察団はきょう二十九日、地下ダム資料館や東平安名崎、バイオエタノール生産施設などを視察する予定。
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課税変更点など学ぶ/伊良部商工会
消費税講習会を開催


事業所の代表者らが消費税法についての知識を得た=28日、東地区構造改善センター

 宮古島市伊良部商工会(奥濱幸雄会長)は二十八日、消費税講習会を東地区構造改善センターで開いた。奈良俊一郎税理士を講師に招き、消費税法改正により消費税の課税対象となる事業者らに、申告に必要な実務上のポイントなどを説明した。
 同講習会は二〇〇三年度消費税法改正を受け、〇六年三月申告分から、個人事業者の課税売上高が一千万円を超えると課税事業者になることの周知を図るために開催。講演会には地域の中小企業の代表者らが参加した。
 奈良税理士は初めに、製造メーカーから消費者まで商品が渡るまでの消費税の仕組みを説明。その上で「消費税は消費者から事業所が預かった税金を国に渡すもの。お客様に『消費税分値切って』と言われて、値切っても売り上げ分には客から預かった税金が含まれている」と指摘した。
 続いて課税売上高の算定方法を示し、課税事業者に該当するかの判断の仕方などを解説した。
 同商工会は「消費税法が改正されたので、専門家に直接話を聞くことで課税対象であるかどうかを知ってほしい」と呼び掛けている。
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優良安全運転者に下地、新城さん/九州管区連名表彰
宮古島署で伝達式


岸本署長(右)から表彰を受けた下地さん(右から二人目)と新城さん(同三人目)=28日、宮古島警察署

 二〇〇六年度九州管区警察局長・九州交通安全協会長連名表彰の伝達式が二十八日、宮古島警察署(岸本亮署長)で行われた。宮古地区からは下地計博さん(丸多タクシー)と新城久夫さん(宮古協栄バス)が優良安全運転者を受賞。岸本署長は「周囲の先頭に立って交通安全を推進してほしい」と述べ、二人に表彰状を手渡した。
 同賞は過去二十年以上無事故、十年以上無違反で、かつ常に安全運転を心掛け、継続十五年以上自動車運転に従事するなど、運転者の模範となる人に贈られる。
 岸本署長は「これは日ごろから安全運転に留意されている結果。職場や友人間で先頭に立って推進してほしい」と激励した。
 表彰を受けた二人は同職に従事して三十年以上になる運転業のベテラン。それぞれが自身初めての受賞に下地さんは「素晴らしい賞を受け、大変うれしい」と笑顔を見せた。新城さんは「特に子どもたちに注意を払いながら運転している。これからも安全運転を心掛けたい」と気を引き締めた。
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