200平成18  927 水曜日

組織改革、人件費抑制求める/総合計画策定で市民アンケート
「合併に不満」多数/宮古島市

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は二十六日、来年度を予定する同市総合計画の策定に当たって実施した市民アンケートの集計結果を公表した。同市が最重要課題として進める行政改革で、「行政組織をスリム化し、人件費を抑制する」ことを望む市民が最も多く、二〇・七%。同市行政改革推進委員会などで多く聞かれる、「弱者の負担が先ではなく、行政内部の自助努力を示した上で市民の負担を求めるべき」との意見が改めて浮き彫りになる結果となった。自由意見では、「合併しても何も良くなっていない」「負担が多くなった」など、市町村合併に不満を示す意見が大多数を占めている。

 アンケートは宮古島市全域で千六百人に配布され、そのうち八百七十七人から回答があった。回答率は五四・八%。旧市町村ごとの地区別では、▽平良六百二十三人(全体の七一%)▽城辺七十八人(同八・九%)▽伊良部九十七人(同一一・一%)▽下地三十三人(同三・八%)▽上野四十五人(同五・一%)―だった。
 行財政改革については、「行政のスリム化、人件費抑制」に次いで、「民間の経営感覚を見習い、経費を節減する」が一五・四%で、市民の意見にも、▽組織の見直し▽人件費の抑制▽経費節減―が行財政改革への近道と考えていることが分かる。以下、「市の助成金・補助金制度を見直す」が一三・二%、「行政がやるべき業務の範囲を見直す」が一一・八%となっている。
 行政サービス水準と市民負担のバランスについては、「行政サービスによってはサービスを受ける人の負担が増えることは仕方がないが、税など市民全体の負担は増やすべきではない」と考える人が四六・八%と、半数近くに上り、負担増には否定的という市民の意思が浮き彫りとなった。
 また、望ましい行政と住民のかかわりについて二二・七%が、「行政が説明会などを開き、住民と直接話し合う場を設ける」ことを要望している。「自治会などを通じて、住民の意見を集約した形で行政に伝える」、「住民と行政が一緒になりまちづくりの計画をつくる場を設ける」が一四%台。市民が行政への参画に関心を持っていることも示された。
 アンケート結果を公表した伊志嶺市長は「市町村合併の良さが出るまでにはまだ時間がかかる。住民サービスが低下していると感じている市民は多い。この声をしっかりと受け止め、サービス向上につなげたいと考えている」と述べた。  (砂川拓也)
top.gif (811 バイト)

「全員が対等関係の経営を」/農業経営講演会
「家長」集中は時代遅れ/家族経営農業で楠本教授提言


家族農業のあり方について耳を傾ける参加者ら=26日、県宮古支庁

 「農業経営講演会および意見交換会―よりよい家族農業経営のために―」(主催・県農林水産部営農支援課、宮古農政・農業改良普及センター)が二十六日、県宮古支庁二階講堂で行われた。講師に山形大学農学部の楠本雅弘教授を招き「パートナーシップを活かした家族農業経営」と題して講話。家族も同経営者として友好関係を築きながら、より良い農業経営を目指すことを話した。


楠本雅弘教授

 「全員が対等な立場の経営者に」と呼び掛ける楠本さんは従来の「世襲型家族農業」が時代遅れだと指摘。「これまで家族農業の全代表権が『家長』一人に集中し、それ以外の同居家族がただの『住み込み労務者』の立場に置かれていた。しかし、職業選択の自由な世の中ではこのような農業経営では成り立たなくなる」と説明し「家族の人すべてが共同経営者という意識を持って、経営に取り組むことが大事」と訴えた。
 家族農業については「情報の共有」を強調。家族すべてが共同経営者として経営責任を分担することから、経営計画や収支実績を互いに確認する重要性を述べた。また、経営者としての手腕や力量を磨くためには、農業のみならず、積極的な社会活動参加を呼び掛け。「社会に目を向け、社会奉仕活動や消費者との交流などの活動を通し、人間として一人の経営者として多彩な才能や個性を発揮しよう」と語った。
 冒頭、農政・農業改良普及センターの本村隆信センター長は「パートナーシップを生かして経営し、健康で楽しくもうかる農業を実現し、安定した経営を行えることを期待したい」とあいさつした。
 会には農業関係者や市町村役場、JAおきなわの職員ら大勢が出席。協定を結び、農業に従事する友利研一さん、優子さん夫婦=城辺=、砂川行雄さん、洋子さん夫婦=上野=の活動実践について意見発表を行うなど、参加者は家族農業のあり方について熱心に耳を傾けた。
top.gif (811 バイト)

来月2日に納税課設置/市行革推進本部
集中改革プラン≠燗ッ日公表


改革集中プラン策定の日程などを確認した第12回行革推進本部=26日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市行政改革推進本部(本部長・伊志嶺亮市長)の第十二回会議が二十六日、同市役所平良庁舎で開かれ、伊志嶺本部長が、十月二日から「納税課」を新設することを説明。徴税強化に向け決意を新たにした。現在の税務課で納税にかかわる「納税係」と「管理係」のうち、「納税係」を二人増員。課長と主幹を置く計十四人で構成する。また、今後の行財政改革の具体的な指針となる「集中改革プラン」については、あす二十八日の行政改革推進委員会で審議し、十月二日の同本部で承認、公表する日程が改めて確認された。
 納税課の設置については市議会九月定例会でも伊志嶺市長が十月をめどとする方針を示していた。当局は滞納税徴収、自主財源確保に向けた取り組み強化を進める姿勢を同課の設置で示したい考えだ。
 この日は、前日の二十五日に開かれた市民の代表による第十二回行革推進委員会で協議された、▽経常経費の抑制▽事務事業の総点検・見直し▽新たな財源の確保▽市税などの徴収率向上―についての意見交換の内容が報告された。
 この中では、「経常収支比率について確実に実行できる数値目標を設定しては」「提案内容は、弱者に痛みを伴う改革案ばかり。行政内部で給与の削減などの自助努力をした上で市民にも痛みを求めるべき」「まずは機構改革が先」「法定外目的税の導入に際しては、何のために導入するかという目的を市民に明確にすべき」などの意見があった。
top.gif (811 バイト)

中学バレー/上地君(佐良浜3年)全日本入り
11月、日韓交流試合に参加


上地将貴君

 宮古島市立佐良浜中学校男子バレーボール部の上地将貴君(三年)がこのほど、全日本中学生選抜チームの一員に選出され、十一月に行われる日韓交流試合に参加することが決まった。宮古からは初めての快挙。上地君は「韓国は長身選手が多いと聞いているが、一九〇aの選手の上からでもスパイクを打ってみたい。(守備専門の)リベロなら、相手のスパイクを全部拾って、勝ちにつなげたい」と、遠征での全勝に向け意気込みを示した。
 十五―十八日までの四日間、大阪府で行われた強化合宿に参加した上地君。全国から集まった三十人の将来有望選手の一人として、身長は一七三aと小柄ながら、持ち前のジャンプ力をアピールした。二十六日、日本バレーボール協会と日本中体連バレーボール競技部による海外遠征参加の通知が同校に届いた。「スパイカーの中で一番小さかったので、厳しいと思っていた。選ばれたことが学校の放送で流れて驚いた。通知の文書を見て、実感がわいた」と喜びを語った。
 同部の仲間智監督は「この小さな佐良浜中から、全国代表の選手が選ばれ、全日本のユニホームで参加することを誇りに思う」と話し、両親や地域の協力に感謝した。
 上地君は、高い跳躍力を生かしたパワフルなプレーで、今年八月に開催された全国大会に出場。チームの主将を務め、同部をベストuに導き、その活躍が認められての合宿参加だった。
top.gif (811 バイト)

宮古福祉保健所/川満さんらに表彰伝達
宮古からは8人入賞/動物愛護図画作文コン


受賞した(前列左から)山口君、上原千忠君、上原久忠君(後列左から)東風平さん、川満さん、平良さん=26日、宮古福祉保健所

 「動物愛護図画・作文コンクール」の宮古地区入賞者に対する表彰伝達式が二十六日、宮古福祉保健所で行われた。県知事賞を受賞した川満未来さん(東小学校四年)、上原久忠君(平良第一小学校四年)ら八人に上原真理子所長から賞状が伝達された。
 同コンクールは、二〇〇六年度の動物愛護週間(二十─二十六日)に伴い、県内の幼稚園児、小学児童を対象に開催。県全体の応募数は図画五百七十七点、作文十四点。このうち宮古からは図画十四点、作文三点の応募があった。
 表彰伝達式で上原所長は「宮古の子どもたちは表現力豊かで内容に引き込まれる作品ばかり。動物が好きな気持ちがよく伝わってきた。これからも動物を大切にしてください」とあいさつした。
 受賞者は次の皆さん。(敬称略)
 【図画の部】▽県知事賞=川満未来(東小四年)▽県獣医師会長賞=東風平美樹(伊良部小六年)▽入選=与那覇優太(東小五年)、与那覇淳弥(同四年)、平良奈々瀬(同四年)、山口翔平(池間小三年)
 【作文の部】▽県知事賞=上原久忠(平良第一小四年)▽県福祉保健部長賞=上原千忠(同一年)
top.gif (811 バイト)

「飲酒運転の撲滅」訴え/市、警察、公安協など
街頭で交通安全活動


街頭で飲酒運転の撲滅を訴える関係者ら=26日、平良市街地

 宮古島市や宮古島警察署、宮古島地区交通安全協会など関係機関・団体による全国交通安全運動に伴う早朝街頭立哨が二十六日朝、平良市街地で行われた。伊志嶺市長ら参加者が、車の運転手や登校する児童生徒に飲酒運転の撲滅と交通安全を呼び掛けた。
 この街頭活動は、全国各地で相次ぐ飲酒運転による重大事故の社会問題化に伴い実施。宮古島市でも飲酒運転の撲滅が大きな課題であることなどを踏まえ、飲酒運転の根絶を目指して関係者が参加した。
 活動は宮古高校西側の交差点で行われ、参加者は交差点に入る車の運転手らに飲酒運転の撲滅を訴え。登校してくる児童生徒を安全に誘導するなどして、交通安全の普及活動にも努めていた。
 飲酒運転による重大事故は全国各地で問題化しており、二〇〇六年秋の全国交通安全運動の全国重点項目にも「飲酒運転の根絶」が緊急で追加されている。
top.gif (811 バイト)