200平成18  926 火曜日

共進会褒賞授与式 優秀農家62人を表彰/地域の模範として評価
技術向上、品質改善へ決意


優秀な成績を収めた各種生産農家らが表彰された=25日、JAおきなわ宮古地区事業本部

 各種農業共進会褒賞授与式(主催・宮古地区農業振興会)が二十五日、JAおきなわ宮古地区事業本部で行われ、サトウキビや野菜など個人八部門で計六十二人が表彰された。地域におけるリーダー的な農業従事者として成果が評価された一方、各種共進会への出品者が年々減少しているとして、今後ますますの農家の奮闘、農業の担い手の拡充に期待が寄せられた。
 同授与式は、二〇〇五年度における各種共進会や競作会などで優秀な成績を収めた農家を表彰し、宮古地区内における農・畜産業の振興を図ることが目的。
 主催者を代表して伊志嶺亮会長(宮古島市長)は「地区内の農業生産高は、地産地消の取り組みなどで拡大傾向にある。農家の努力のたまものであり、今後の生産活動に意を強くしている」とあいさつを述べた。
 報告によると、昨年度の主要部門生産状況は、サトウキビ生産量が前年の二十一万dを上回る二十七万二百d。生産額は五十七億三千万円、トン当たり農家手取り額は二万一千二百九円だった。
 野菜・果樹は、販売量千八百d、販売額が四億八千万円。特にマンゴーは品薄傾向で推移したため庭先販売が主流となり、販売戦略の強化が求められているという。
 畜産は、米国産牛輸入停止の継続で子牛価格が上昇し、一頭平均価格は四十二万八千円と前年に続く高値を維持。家畜市場の取引実績は販売頭数が七千六十頭、販売額は二十九億五千万円となった。
 葉タバコは収穫期の台風や長雨などによる生産量・品質の停滞傾向が数年にわたって続いており、生産量は千六十九d、反収は百六十九`、販売額は二十億九百万円と前年を大幅に下回った。
 授与式では、県野菜品評会の農林水産省生産局長賞(金賞)受賞者、下地信弘さん(カボチャ農家)と県議会議長賞(同)受賞者の下地博富さん(トウガン農家)が兼城克夫宮古支庁長から特別表彰された。
 受賞者を代表して下地博富さんは「地域の生産農家と連携して技術向上、品質改善に努め、地域農業の向上を目指したい」とあいさつを述べた。
 (砂川智江)
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お酒と上手に付き合って/オトーリカード
宮古福祉保健所
城辺支所で出前発行/健康管理へ普及目指す


アルコール体質を判定するパッチテストを行う伊志嶺市長(左)=25日、宮古島市役所城辺支所

 無理な飲酒に、イエローカード?レッドカード?オトーリカードを回します─。健酒推進事業「オトーリカード出前発行」(主催・宮古福祉保健所)が二十五日、宮古島市役所城辺支所で行われた。職員を対象に問診やアルコール体質判定のパッチテストなどを実施し、肝機能の衰弱程度をチェック。判定結果に応じて、無理な飲酒を断る意思表示の「オトーリ イエローカード」と「オトーリ レッドカード」を発行した。発行を受けた職員は「酒座では、カードを提示して飲み過ぎることのないよう、お酒と上手に付き合っていきたい」と話していた。

 男性の一日平均飲酒量が全国でも最も多い地域の一つとなっている宮古島。出前オトーリカードの発行を行い、自己健康管理の一助とするとともに、オトーリカードの普及、発行、啓発を図ることを目的に行われた。
 カードの交付希望者はまず問診を受け、飲酒の程度や飲む量、週平均数などを確認。その後、消毒用エタノールを使ったアルコール体質判定パッチテストを行った。放置してから約二十分後、皮膚の表面が赤くなっていると「肝機能が弱い(体質的に弱い)」、変化がないと「肝機能が衰弱(体質的に強く、依存になる可能性がある)」と判断。判定結果から個人に見合うオトーリカードを発行し、保健所健康増進班の職員らが「飲み過ぎには気を付けてください」「肝機能低下も考えられます」などと説明。カード発行とともに、希望者一人ひとりのアルコール相談にも応じていた。
 パッチテストを行った伊志嶺亮市長は「(職員らは)付き合い上、断りづらく飲む機会も多いだろう。カードを提示することによって、飲酒量を減らし、健康な体づくりができるだろう。私も率先し、カードを出して体の健康を考えた酒の付き合いをしたい」と話した。
 保健所健康推進班の松野朝之班長は「どうしても飲まされる人の健康管理を助ける方法としてオトーリカードを発行している。なかなか保健所に足を運んで発行することは難しいかもしれないが、各支所で実施し、要望などあれば企業でも発行を検討したい」と述べた。
 昨年七月から今年三月末まで、計三十七枚が発行されたオトーリカードの評判は上々という。カードの有効期限は一年間。福祉保健所でも発行している。
 問い合わせは宮古福祉保健所(電話72・2420)まで。
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県新人陸上/池村良(伊良部高2年)が2冠達成
走り高跳びと三段跳び


走り高跳びと三段跳びの2冠を達成した池村=25日、宮古空港

 第三十三回県高等学校新人体育大会陸上競技大会(二十三―二十五日)に出場した伊良部高校陸上部の池村良(二年)が男子走り高跳びと同三段跳びで二冠を達成した。二十五日、帰島した。宮古空港では父母や学校関係者ら出迎え、活躍をたたえた。十月二十日に開幕する九州大会の出場権を得た池村は「出るからには九州一を目指したい」と力強く抱負を述べた。
 池村は、走り高跳びで1b88の記録で優勝。「優勝はうれしいが自己ベスト(1b96)に届かなかったことがくやしい。自分のジャンプができなかった」と唇をかんだ。
 二種目制覇を狙い初挑戦した三段跳びは13b31の記録で二位に1b近く差をつけた。「一カ月前から練習していた。優勝争いできればと思っていた。楽しく跳べて良かった」と笑顔を見せた。
 同校からは池村のほかに小禄基史(二年)が走り幅跳びで6b2で四位、三段跳びでは11b89で六位に入賞。学校対抗フィールドの部で同高は四位に入った。
 出迎えた下地義雄校長は「日ごろの練習の成果が実を結んだ。基礎練習を大事にして今まで以上の記録を残してください」と激励した。
 池村はすでに十月八日開幕の国体出場も決まっている。
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「肩書き大事ではない」/「人間力」のある人間訴え/中村文昭講演会


会場には大勢の観客が訪れた=24日、マティダ市民劇場

 中村文昭講演会―出会いを活かせば道は開ける―(主催・同講演会実行委員会てぃだぬ会)が二十四日、マティダ市民劇場で開かれた。中村さんは「職業や肩書き、見た目が大事ではない。何のために生きるのかを大切に考え『人間力』のある人間になろう」と呼び掛けた。会場には大勢の観客が訪れ、笑いあり、感動ありの講話に耳を傾けていた。


中村文昭さん

 中村さんは自身が十八歳のころ、当時出会った人から受けた影響や経験を説明。「当時は何のために生きるのかを考えたことが無かったが、その人との出会いにより物の見方が変わった。おまえじゃなきゃダメなんだと、自分の体や命の使い道、役割のある生き方に巡り会えたらと考えるようになった」と話し「子や孫ができたとき、子孫たちが誇りに思う生き様をしていきたいと思うようになった」と述べた。
 また、中村さんは「皆さん一人ひとりの中に『人間力』がある」と強調。「その人自身にほれて人がついてくるような人間になろう」と話した上で@返事は〇・二秒で返すA「頼まれごとは、試されごと」として受け入れようBできない理由を言わないC今できることを先送りにするな─の四点を挙げていた。
 講話終了後には、会場から惜しみない拍手が送られ、観客は満足気だった。
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し尿処理有料化を検討/環境保全課/ごみ有料化と同時期に
市行革推進委


経費抑制や財源開拓などについて意見を交わした第q回行革推進委員会=25日、宮古島市役所平良庁舎

 宮古島市行革推進委員会(下地徹委員長)の第十二回委員会が二十五日、同市役所平良庁舎で開かれ、新たな財源の開拓に関して、現在無料で行われている一般家庭や事業所のし尿処理を、有料化する方針で検討されていることが説明された。し尿処理は現在、民間事業者が有料で収集・運搬し、市の施設で無料での処理が実施されているが、多額の経費を要することから環境保全課では、収集・運搬料に上乗せする形での処理手数料徴収の検討を進める。
 し尿のみを単独浄化槽、し尿と生活雑排水を処理する合併浄化槽を使用する世帯については、現在、民間事業者による有料の処理・運搬が行われ、市クリーンセンター内のし尿処理施設で無料処理されているが、県内の同様の処理施設ではほとんどが家庭、事業所ともに有料。同課では、家庭ごみの有料化と同時期の、し尿処理有料化を目指す考えだ。
 同課の試算によると、し尿処理に掛かる諸費用は年間で約三千万円。一・八`gのバキュームカー一台の処理料金を五百円と仮定すると、年間諸費用の約一割に当たる、二百九十二万円を新たな財源として得られることになるという。同課は「近くごみ有料化に関する検討委が発足するが、し尿処理有料化についても、議論のテーマとしたい」としている。
 この日の行革推進委ではこのほか、行政改革推進本部(本部長・伊志嶺亮市長)の審議結果が報告され、それについて各委員が意見を述べた。
 事務事業の再編・統廃合の議論の中で、平良雅則委員は「職員による見直しでは限界がある。外部に委託し、第三者による公平な事務事業の再点検ができないか」と提案。藤原修史委員は、「まずは職員給与などの大幅な見直しを示さないと。内部改革を大前提に、優先順位を改めないといけないと思う。弱者の負担が先になっていて、順序が逆」と指摘した。
 前泊博美委員は「職員のコスト意識が低い。危機感を持って行政に当たっていく職員を育てなければならない」と、意識改革を強く求めた。
 敬老祝い金については、複数の委員から廃止を懸念する声が上がり、給付方法の見直しなどで継続できないか検討されることとなった。
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百歳おめでとう/伊良部の奥濱ウモイさん、津嘉山カメさん
宮古島市から祝い品贈呈


長浜支所長から100歳の祝い品を受け取った奥濱ウモイさん(中央)=25日、奥濱ウモイさん宅

 宮古島市は二十六日、伊良部地区で百歳を迎えた奥濱ウモイさんと津嘉山カメさんに祝い品などを贈った。同市伊良部総合支所の長浜光雄支所長がそれぞれの自宅を訪れ、「百歳おめでとうございます」と祝福した。
 奥濱さんは一九〇七年生まれ。来年三月で満百歳を迎える。長浜支所長から祝い品の置き時計を受け取ると、「皆さんのおかげで長生きできました」と伊良部方言で礼を言った。「私は親譲りの健康体。百歳になるまで一度も医者にかかったことはないよ」とハキハキとした口調で応える姿には、訪れた市職員らもびっくり。
 長浜支所長は「百歳までこんなに元気でいられることはうらやましい限り」と笑顔を見せていた。
 津嘉山さんは一九〇六年生まれで十一月に満百歳を迎える。長男の正さんが代表して祝い品を受け取り「うちの家系で百歳まで長生きしたのは(カメさんが)初めてだと思う。家族も皆喜んでいます」と顔をほころばせていた。
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