200平成18  922 金曜日

業務の民営化検討/給食調理や団地の家賃徴収など
市行革推進委

 市民の代表者でつくる宮古島市行政改革推進委員会(下地徹委員長)の第十一回委員会が二十一日、宮古島市役所平良庁舎で開かれた。公共施設の民間委託推進や効率的運営をするため、見直しを実施する施設と目標達成時期が示された。公共施設は直営(市が管理)、民間委託、指定管理者制度、民間移譲(民営化)、廃止の五つを選択肢に各担当課で今年度から随時、検討を開始する。

 事務局はこの見直しについて、限られた資源の有効活用と組織体制のスリム化を図り、民間委託による行政と民間および市民団体との協働のまちづくりが構想されることを効果に挙げた。
 民間委託を検討するのは▽学校給食の調理業務▽市営団地の使用料徴収▽子育て支援センターでの業務▽図書館での貸出および整理業務―など。
 マティダ市民劇場やコミュニティーセンター、スポーツ関連施設、総合博物館などは指定管理者制度を視野に入れている。
 廃止を検討するのは▽ツマグロゼミ増殖施設▽養蚕センター▽畜産品評会場▽伊良部地区南診療所▽佐良浜診療所▽伊良部地区あずま保育所―の六施設でどの施設も休止中という。
 また、保育所や保健センターは統廃合を検討。民間移譲は種苗供給施設、栽培漁業センターの二施設を検討に入れる。
 委員からは「公共施設を民間移譲すると、その役割を担っていた職員はどうするのか」と意見が上がった。課題である行政責任の保持と民間委託などの検証、住民生活に急激な変化を及ぼさないことを堅持することを確認してこれを了承した。
 委員会では事務委託事業の見直しについて行革本部の意見も報告された。委員らは、制度そのものを残して中身について見直す行革本部の意見に反発。本部と委員会との認識にズレがあるとして、「行政連絡員を廃止する。自治会がない市街地のみ民間に委託すること」を確認し、再度本部に報告することになった。    (洲鎌恵仁)
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上里氏懲罰は「不当」/市議会与党議員が声明
「議員の発言封じ」と批判

 宮古島市議会九月定例会で、上里樹氏に懲罰が科せられたことに対し与党連絡会は二十一日、懲罰は「不当」であるとする声明を発表した。声明では「議会の議決は尊重するものだが、上里議員に科せられた懲罰は不当なもの」と強調。野党側の行動については「大きな問題点がある」などとしている。
 上里氏は十九日夜の本会議で、二日間の出席停止という懲罰を命じられた。これを受け、上里氏は十九日夜から出席停止となり、二十日に予定されていた一般質問の機会を失った。
 与党連絡会は二十一日午前、宮古島市役所平良庁舎で会見。声明では上里氏が一般質問の機会を失ったことを強調し「市民の負託を受けた議員の議場における発言の機会を数の力で封じるということは言論の府である議会において、あってはならないことと考える」と野党やそうぞうの対応を批判した。
 また、十九日午後の懲罰特別委員会が非公開で行われたことに対し「この行為は、市民に開かれた議会に逆行することであり、容認できるものではない」とした。
 野党の退席行為については「本会議中に退場し取り消しや謝罪に応じなければ議場に入らないという行為は議場放棄であり大きな問題」などと指摘した。
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大会のあり方など指摘相次ぐ/トライ大会
今年の大会は「準備不足」/運営費の削減を求める声も


第22回大会を振り返り、実行委の説明を求める中村医師会長=21日、宮古島市役所平良庁舎

 第二十三回全日本トライアスロン宮古島大会実行委員会総会が二十一日、宮古島市役所平良庁舎で開かれたが、出席者からは今年四月の第二十二回大会や大会運営のあり方などについての指摘が相次いだ。市町村合併後初めての開催だった第二十二回大会だが、全庁態勢で取り組んだとする主催者の宮古島市に対し、一部からは「準備不足」「戸惑いが多かった」といった声が聞かれたほか、大会運営費に関して「無駄を省き、安全面に力を入れるべき」といった発言もあった。
 実行委員会では医療救護部を務める宮古地区医師会の中村貢会長は「広域事務組合主催のときは四十人体制だったのが、宮古島市になって七人体制で、どうにもならなかったのが今年三月までの事態。問題点があぶり出されないといけないのに、一切記載されていないのが不満」として、事業報告の訂正を求めた。
 これに対し大会長の伊志嶺亮市長は「二十二回大会は、(合併の後で)全庁態勢でしたくてもできなかった点もある。全庁態勢で取り組みやすいように、新しい枠組みを今考えている。各専門部との連携がしっかりできるよう取り組む」と理解を求め、事務局内で問題点を整理し直して訂正するとした。
 また中村医師会長は「トライアスロン大会は何のためにやるのか。宮古島市に引き継ぐことが、合併協議会でどう話されたのか分からないし、その意義を宮古島市がどう引き継ぐかという大会長の発言もなかった」と指摘。伊志嶺市長は「今大会は宮古の地域の活性化のためにやっている仕事だ。みんなで一生懸命頑張ることで宮古が一つになっていく体制ができた。また、医療救護部のマニュアルなどが実際に生かされ、(二〇〇三年九月の)台風14号被害のときにも大変力になった」とその意義を強調した。
 大会運営費について、宮古観光協会の藤村明憲会長は「毎年一億円規模の予算が組まれるが、もっと削減できる部分があるのではないか。減らすところは減らし、安全面を大事にするならそこに使うといったことが必要」と意見を述べた。
 宮古水泳協会の上地力会長は「いつでも練習できるよう(水泳部の)機材を一組でもいいから購入してほしいとお願いしているが、実現しない。決算に基づいてという理由で、予算が減らされるというのはおかしい」と、安全な大会運営に力を注ぐよう措置を求めた。
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いつまでも元気で長生きを/上野地区敬老会
伊志嶺市長が祝い金手渡す


地元住民らによる余興で会場を大いに盛り上げた=21日、上野農村環境改善センター

 二〇〇六年度上野地区敬老会が二十一日、上野農村環境改善センターで開かれ、満七十歳以上六百一人の高齢者らの長寿を祝福した。同地区の最高齢者は今年百歳を迎える宮国カマドさんと砂川幸乃子さん。
 式典では宮古島市から各部落へ敬老祝金の伝達式が行われ、伊志嶺亮宮古島市長から各部落長へ祝い金が手渡された。また、上野中学校の新里英斗君(三年)ら三人の児童生徒による「敬老の週間に因む作文発表」も行われた。
 伊志嶺市長はあいさつで「宮古島市をより活力あるものにするには皆様が長い人生で培った知識と経験を生かし、積極的に社会に参加していくことが重要。宮古島市発展のため、なお一層の活躍を期待する」と述べた。
 出席者を代表して上野地区老人クラブの新里盛繁会長は「昔は『人生五十年』と言われていたが、今は『人生八十年』。長生きした分、地域のために貢献し、生きがいのある老後を送ろう」と呼び掛けた。
 式典に引き続いての宴会では主役の高齢者らを楽しませようと、地域の園児や婦人会、上野庁舎職員らが余興を披露し、会場を大いに盛り上げた。

下地地区敬老会/子どもたちが盛り上げ


地域の子どもたちが踊りなどを披露し、会場を盛り上げた=21日、下地農村改善センター

 二〇〇六年度下地地区敬老会が二十一日、下地農村環境改善センターで開かれ、満七十歳以上七百五十九人の高齢者の健康と長寿を盛大に祝った。同地区の最高齢者は百五歳の大里ヒサさん。
 昨年までは満七十五歳以上が対象に敬老会が行われていたが、市町村合併に伴い満七十歳以上を対象に変更された。
 敬老会には下地地区三百人余りの高齢者が出席。地元の園児から中学生までが踊りや方言の歌、三味線などで宴席にいる主役たちを盛り上げた。
 伊志嶺亮宮古島市長はあいさつで「市町村合併後初めての敬老会であり、各地区において旧五市町村の特徴を生かした内容の開催となった。皆様の長寿を祝福し、敬老会を開催できることはこの上ない喜び」と話した。
 新入会者代表あいさつを述べた根間良雄さん(70)は「私たちにとって一番大切なのは歩んできた人生のいろいろな体験を若い諸君に伝えていくこと」と出席者らに呼び掛けた。
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八重干瀬を絶賛/韓国の専門誌
ダイビングポイントを取材


編集員で慶北大学教授の金さん(左)らと渡真利さん(右)=20日、平良のノーヨンノース

 韓国のダイビング専門誌「アンダーシートラベル」の編集員で慶北大学教授の金聖勳さんら四人が、宮古島市池間島北方に広がるサンゴ礁群、八重干瀬(やびじ)のダイビングポイントを取材するために、十八日に宮古入り。二十日午後、平良のダイビング専門店で記者会見した。金さんは「宮古の灼熱(しゃくねつ)の太陽やエメラルドグリーンの海、ダイビングポイントの複雑な海底地形などは素晴らしい」と絶賛し、韓国に広くアピールする意欲を示した。韓国のダイビング専門誌の関係者らが、宮古で取材するのは今回が初めて。
 「アンダーシートラベル」は、二カ月に一回、年六回発行。一回の発行部数は二万部。宮古島ダイビング特集は、今年十一、十二月に二十―二十五ページで組む予定。全カラー。
 金さんは、大阪大学で学んだ経歴があり、日本語は得意。六年前に宮古のダイビングポイントで潜り、複雑な海底地形などに魅了された。
 「宮古のダイビングポイントは韓国のポイントと違い、特に海底地形は面白い。韓国のダイバーらへ、面白く楽しい情報を伝えたい」と金さん。
 その上で「韓国から沖縄・宮古まで来るのは大変難しい。一つは言葉の問題。もう一つは沖縄・宮古の情報不足」と指摘し、今後は韓国からのダイバーと宮古のダイバーの交流を推進し、日韓の友好関係を深めたいと意気込む。
 金さんら四人を八重干瀬に案内した渡真利将博さんは「これからは隣国の韓国や台湾、中国ともダイビングを通して交流していく必要がある」と語り、来年韓国から訪れるダイバーらの受け入れに向け、韓国人の通訳を採用する考えを示した。
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母校に校旗寄贈/伊良部小
創立120周年記念で奥濱さん


国仲校長(中央)と古波蔵勝PTA会長(右)に新校旗を手渡す奥濱さん=21日、伊良部小学校

 宮古島市立伊良部小学校(国仲富美男校長)の一九四一年卒業生である奥濱幸雄さん(76)が二十一日、同校に新しい校旗を寄贈した。受け取った国仲校長は「学校のシンボルとしてさまざまな行事で子どもたちに示していきたい」と話した。
 奥濱さんは同校の卒業生であるとともに、十三年間PTA会長を務め、同校百周年の期成会長も務めていた。新校旗は、今年で同校の創立百二十周年を祝福する意を込めて贈呈された。
 新校旗は、約二十年使ってきた校旗と色や柄を統一。市町村合併後、伊良部町立から宮古島市立に変わったことを受け、新校旗は「宮古島市立」と書き換えられた。
 奥濱さんは「創立百二十周年と市町村合併後の初年度という意義のある年度に贈呈でき、うれしく思う」と新校旗を手渡した。
 国仲校長は「校旗は二十から三十年学校に残るもの。さまざまな行事で子どもたちに示し、目標や希望を与えていきたい」と感謝した。
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