2006年(平成18年)
9月21日 木曜日
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勧奨手当条例を撤回/市議会
「違法」指摘受け市長判断
勧奨退職手当に関する条例の撤回案を承認した宮古島市議会=20日、宮古島市議会議場 |
宮古島市(伊志嶺亮市長)が開会中の宮古島市議会九月定例会に提出している退職手当支給事務に係る「市職員の給与に関する条例」の一部改正案について、伊志嶺市長は二十日午前、同改正案の撤回承認を同市議会に求めた。撤回は全会一致で承認された。撤回理由で伊志嶺市長は「条例改正が地方自治法に違反する恐れがあるとの指摘を受けたことに伴う」などと説明。今後、県や県市町村総合組合と調整する方針も示した。市の定員適正化を早急に促進するために提出した条例案だが、市の「勇み足」で取り下げる結果となった。
同改正案については十九日の本会議で違法性の有無について市当局と議会側が審議した。議会側は「県や顧問弁護士が違法の恐れがあるとする議案は審議できない」などと強調、あくまで同案の可決を求める市当局の姿勢を批判していた。
二十日の本会議で伊志嶺市長は「勧奨退職を積極的に促進し、早急に定員管理の適正化を図るため本条例を提出した」としたが、「退職事務に関し本市が独自に退職手当の支給事務を行うことの違法性で、条例改正が地方自治法に違反する恐れがあるとの指摘を受けたことに伴い、県、県市町村総合事務組合との調整が必要になった」として撤回承認を求めた。
同案は具体的に、勧奨退職の適用年齢を現行の五十歳から四十五歳に引き下げるほか、勧奨退職する際、定年まで二年を残している職員には三百万円、三年を残す職員には四百万円、四年を残す職員には五百万円、五年以上残す職員には一律六百万円を退職金に上乗せして支給する内容。上乗せ分は市の財源を充てるとしているが、この退職手当支給について県が違法性を指摘していた。
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行政改革に議論集中/市議会一般質問
ワークシェアリングも検討
開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)九月定例会は二十日、一般質問を行い、計四氏が登壇し市政全般をただした。質問は行政改革面に集中しワークシェアリングを求めた池間雅昭氏に対し与那嶺大総務課長は「分業や雇用の確保、時間外労働の増加抑制などの面で有意義な手法だとは考えている。今後推進していく定員削減の中でワークシェアリングの導入に向け検討を進めたい」と前向きな姿勢を示した。定例会はきょう二十一日に閉会する。
この日の一般質問には池間氏をはじめ、豊見山恵栄、富浜浩、下地智の計四氏が登壇。同日予定されていた上里樹氏は懲罰審議で決した二日間の出席停止宣告を受け、出席しなかった。
豊見山氏は市長が各庁舎を回り意見を聞く移動市長室の成果について質問。伊志嶺亮市長は「各部局から課題や要望が出されている。課題や要望などは一気に解決することはできないが、共通認識を持てることは良かったと思っている」と述べ意義を強調した。
富浜氏は地上デジタル放送について質問し、これに喜屋武重三情報政策課長は「民放三局に問い合わせたところ、二〇〇九年十月から二〇一〇年四月に何とか放送したいという立場で鋭意努力しているとのこと」などと答弁した。
八日の本会議で否決された「重度心身障害者(児)医療費助成」の食費補助をカットする条例改正案について伊志嶺市長は「在宅福祉や他の福祉制度との格差を縮める措置として、財政の乏しい本市として熟慮を重ねた結果の提案」と説明した上で、「(全会一致という)議会の審議の結果を重く受け止めている。今後、再検討していきたい」と述べ、新たな方策を模索する考えを示した。西辺小学校体育館が雨漏りしている問題で、伊志嶺市長は「教育長と財政を説得して、臨時議会または十二月定例会の補正で取り組む」と述べ、早急に修繕することを約束した。池間氏への答弁。
(山下誠)
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重点目標に「飲酒運転撲滅」/秋の交通安全運動
出発式で住民に呼び掛け/小学生が自転車模範演技
西城小学校自転車クラブのメンバーらが自転車模範演技を披露した=20日、西城小学校 |
二〇〇六年秋の全国交通安全運動出発式(主催・交通安全推進協議会)が二十日、西城小学校体育館で開かれた。署員や地域の小中学生、一般市民ら約二百五十人が参加。「飲酒運転の撲滅」を重点に掲げ、児童代表による「ちかいのことば」やパトカーによるパレードを通して「飲酒運転は犯罪である」ことを地域住民へ呼び掛けた。同校自転車クラブによる自転車模範演技も披露された。
この運動はきょう二十一日に全国一斉にスタートする。今年は、全国的に飲酒運転による交通事故が多発していることを受けて「ストップ ザ 飲酒運転 広げよう 地域の輪」をスローガンに掲げ、飲酒運転の撲滅を呼び掛けている。
宮古島警察署管内の今年の飲酒運転検挙者数(九月十九日現在)は二百十八件(昨年同時期は二百三十五件)。昨年と比べ、横ばい状態にあるものの今年九月に実施した「全国飲酒運転取り締まり強化月間」での検挙者数は十人。その中で今年八月から、酒気帯び運転で三回の検挙を受けた女・オ一人が逮捕されている。
出発式を前に、全国で飲酒運転の交通事故により犠牲となった人々を悼み、参加者全員で黙とうを行った。
同協議会長を務めている伊志嶺亮宮古島市長(代読)による「飲酒運転撲滅緊急アピール」では「飲酒運転は犯罪である」ことを強く呼び掛けた。また、「公務員による事故が全国で多発し、公務員の交通モラルの低下が叫ばれている。周囲から厳しい指摘があり、宮古島市としても職員の綱紀の粛正を図っている」と現状を話した。
西城小学校児童会長である荷川取奈緒さんによる「ちかいのことば」では大人に向けて「私たちを守るため、自分の命を守るため『飲んだら乗らない』を徹底してください」と呼び掛けた。
出発式終了後はパトカーや宮古島市広報車が市内をパレードし、飲酒運転撲滅の周知を図った。
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強化週間検挙10件/全国一斉飲酒運転取り締まり
宮古島署
宮古島警察署(岸本亮署長)は十九日、今月十二─十八日までの「全国一斉飲酒運転取り締まり強化週間」における検挙件数を発表した。七日間の期間中、十件を検挙。同署交通課の伊波興二課長は「今年八月末で一・三日間に一件の検挙数だったのに比べ、取り締まり期間七日間に十件の検挙数はとても多い。飲酒運転は犯罪だという意識がまだ浸透していないのだろう。今後とも取り締まりを強化し、飲酒運転撲滅に力を入れたい」と話した。
同署では、二〇〇六年一月から八月末まで百九十件の飲酒運転を検挙。一・三日間当たり一件の検挙数だったが、今回初めて実施された全国一斉飲酒運転取り締まり強化週間の期間中、十件の酒気帯びを検挙した。うち一件、検挙歴のある常習違反者を酒気帯びで逮捕した。
期間中の十四署の検挙件数で最も多かったのは那覇署の五十六件。次いで▽沖縄署三十二件▽豊見城署二十件▽うるま署十九件▽糸満署十六件▽浦添署十五件─となっており、宮古島署は宜野湾署と同じ七番目の検挙数となっている。
伊波課長は「小規模警察署である宮古島署が、那覇署などの大規模警察署と同じくらいの検挙数だと考えると、宮古地区での飲酒運転の比率は依然多い。取り締まりを実施すればするほど、検挙数が増えるのが現状」と説明。飲酒運転が犯罪という認識がまだ浸透していない現状に注意を促す。「飲酒運転がなくなるまで厳しく取り締まりを実施する。市民の皆さんには、ちょっとそこまでだから大丈夫などと安易な気持ちを持たないよう、本人も家族も自覚を持ってほしい」と呼び掛けた。
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団体は宮古アベックV/秋季高校陸上 29競技で熱戦展開
ルール変更に伴い地区新2つ
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空の日/空港施設をPR
前里さん(ミスティダ)一日空港長
管制塔で担当者の説明を受ける前里さん20日、宮古空港 |
九月二十日は「空の日」です―。二〇〇六年度「空の日・空の旬間」宮古空港実行委員会は同日、空港施設や航空機に興味を持ってもらおうと、ミス宮古(ミスティダ)の前里由香利さんを「一日空港長」に委嘱した。前里さんは、午前十時三十分ごろ到着した東京直行便の利用客にハンカチや子供用Tシャツをプレゼントし、「空の日」をアピールした。同日は送迎デッキも無料開放された。
一日空港長の前里さんは実行委員会会長の内藤一夫大阪航空局宮古空港・航空路監視レーダー事務所長らとともに、カウンターから発電施設や管制塔まで空港施設をくまなく回って、担当者の説明に熱心に聞き入った。
普段は日本トランスオーシャン航空(JTA)のカウンター業務に当たる前里さんは、「空港がさまざまな業務で成り立っていることを改めて勉強できた」と感想。「空の安全なくして充実した生活はないと思う。空の日、旬間を通して、住民の皆さんに空の仕事や空港施設に対する知識や理解を深めていただきたい」と話した。
実行委員会の内藤会長は「地域の表玄関として住民の皆さんに親しんでほしい。安全第一に取り組んでいきたい」と述べ、空港見学などへの参加を呼び掛けた。
「空の旬間」にちなみ、実行委員会では十月七日、管制塔など空港施設の見学会と納涼祭を開催するほか、上野、久松の両小学校でパイロットと客室乗務員による「航空教室」を行う予定。
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