200平成18  920 水曜日

上里氏 「陳謝」を拒否/市議会懲罰委
再動議で2日間の「出席停止」


「陳謝」を拒否する上里氏=19日、宮古島市議会議場

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)の九月定例会本会議での発言をめぐる上里樹氏への懲罰特別委員会の審査結果報告が十九日、一般質問終了後に行われた。同委員会が懲罰を科す旨を報告し、議決を採った結果、賛成多数で可決。議長が陳謝を求めたが上里氏は「信念は変わらない。陳謝はできない」と拒否した。すぐさま野党側は懲罰委員会の動議を提出、新たな懲罰委員会で二日間の出席停止の処分を決め、再度結果を報告し可決。処分が決定した。
 弁明の場で上里氏は「議会は住民の代表として意見を述べる場。議決の重みは理解できるが時間の経過に示される議会の空白をどう埋めるのか。これは議員全員に対する懲罰だ」と強調。議長の命令を三度拒否した。
 これを受け池間雅昭氏が動議を提出し、新たな懲罰特別委員会を発足させ審議を開始した。委員長に上地博通氏を選出し質疑、討論を行い、陳謝より重い二日間の出席停止を決めた。
 事の発端は七日の上里氏の「医療改悪・市民大増税」に関する発言。上里氏が議長の再三の注意を無視し小泉政権を批判する内容の発言を行ったため、野党側は「地方議会にそぐわない」として反発。議長の議事進行のあり方も含めて全員が退席し議事が完全にストップ。空転は丸二日にわたった。
 翌八日、野党側は上里氏に対し、発言の削除と謝罪を求める動議を提出したが、上里氏はこれを拒否した。野党と「そうぞう」は懲罰動議を出し、上里氏の処分について懲罰委員会で審議することとなった。審議では懲罰に対する賛成、反対の両意見が出されたが結局、賛成多数で陳謝を求める懲罰が決まっていた。
 勧奨退職手当の問題で一般質問が午後八時まで延会したため、処分決定は午後十一時まで及んだ。

市議会懲罰動議/上里氏「悔しくて仕方ない」
疲れ切り言葉少な/「出席停止」に無念の表情

 「上里樹君の退場を命ずる」―。十九日夜、上里氏の少数意見発言に端を発する宮古島市議会九月定例会の空転劇、動議の連発、懲罰審議が、静かに終結した。十三日の懲罰特別委員会の決定により、友利恵一議長は議場で三度、上里氏に陳謝を要求した。しかし上里氏は「私は、今回の懲罰を不当であると考えています。よって陳謝を拒否します」と拒んだ。そのたびに議会内の雰囲気は静まり返った。そして再び懲罰特別委の設置。懲罰の種類は野党、そうぞうの賛成で二日間の出席停止に変えられた。上里氏はきょう二十日の一般質問で、質問する機会を失った。上里氏はその後の会見で「悔しくて仕方がありません」と、言葉少なに疲れ切った表情で話した。

出席停止を命じられ議場を退席する上里氏(写真奥)=19日、宮古島市議会

 この日の上里氏への懲罰審議を知り、傍聴席には支持者を中心とする十数人が詰め掛けた。十三日に決定した陳謝要求を上里氏は三度拒否。すぐさま野党、そうぞうのメンバーによる動議が提出され、再び懲罰特別委員会が設置された。
 前回同様、野党、そうぞうの賛成多数で懲罰を科すことを決定。その種類についても陳謝の次に当たる出席停止処分にすることを決めた。
 本会議における懲罰審議では与党の数人が反対討論を行ったが、賛成討論はなかった。上里氏自身は弁明に立ち「空転の原因は、何だったのかを問いただしたい。あの空白の二日間に何があったのか議員の皆さんにはぜひ振り返ってほしい。動議の理由もころころと変わりました。この道理のなさと理不尽さ。まったく不当な懲罰です。あすは私の一般質問が予定されていますが、その論戦する場を議員の多数で封じてしまうのですか。これは今後の宮古島市議会の歴史に大きな汚点として残ると思います」などと慎重審議を訴えた。
 結局、懲罰を科すことと、その種類を出席停止とする懲罰審議は賛成多数で可決された。その場で退場を命じられた上里氏は議場を去る際、深々と頭を下げた。同時に傍聴席の市民らは頭を抱えながらうなだれた。
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「違法」なら議案撤回も/市議会定例会
勧奨退職手当条例≠ナ市長方針

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が開会中の宮古島市議会九月定例会に提出している「市職員の給与に関する条例」一部改正案における「退職手当」の違法性について、伊志嶺市長は十九日、違法性の有無を調査中とし、違法ならば、退職手当の支給事務を任せている県市町村総合事務組合から脱退する意思があることを説明した。ただ、議員各氏の指摘を受けて議会内が混乱。これを受け、市は議案の撤回も視野に入れた検討に入った。きょう二十日の本会議で、伊志嶺市長が改めて市の方針を説明する。
 この日は一般質問が予定されていたが、一部野党議員から新聞報道などを受けて、説明を求める動議が提出されたことから急きょ審議した。
 議会内からは「違法性があるものを審議するわけにはいかない」などの質疑があった。同改正案を可決している市議会総務財政委員会に差し戻して審議するよう求める声も聞かれた。
 違法性について市当局は退職手当の支給業務を県市町村総合事務組合に任せておきながら、市に退職手当を支給する権限はあるのかどうかなどで県から指摘を受けている旨を説明。市の顧問弁護士も「(改正は)望ましくない」と話していることも報告した。ただ、伊志嶺市長は「どこに違法性があるのかはっきりしていない」と答弁。違法の有無を見極めてから市としての方針を打ち出すことを強調し、改正案の可決を求めた。
 この市当局の説明に議会側は納得せず、最終的にはきょう二十日に改めて伊志嶺市長が具体的な説明と今後の方針を示すことで一致。審議は同日に持ち越されている。
 同案は具体的に、勧奨退職の適用年齢を現行の五十歳から四十五歳に引き下げるほか、勧奨退職する際、定年まで二年を残している職員には三百万円、三年を残す職員には四百万円、四年を残す職員には五百万円、五年以上残す職員には一律六百万円を退職金に上乗せして支給する内容。上乗せ分は市の財源を充てるとしているが、この退職手当支給について県が違法性を指摘している。
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子牛平均46万295円/キロ単価は1700円 依然高値
9月肉用牛競り


依然として高値の取引となった9月の肉用牛競り=19日、JAおきなわ宮古家畜市場

 宮古本島の九月期肉用牛競りが十九日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後十二カ月以内)の一頭平均価格は前月に比べ六千六百七十一円高の四十六万二百九十五円で、依然として高値の取引が続いている。平均キロ単価は同比四円高の千七百円。成牛を含めた競り販売額は同比二千九百八十五万八千八百五十円増の一億七千三万一千七百五十円だった。
 今月の競りには子牛三百六十一頭(去勢二百二十九頭、雌百三十二頭)が上場され、三百五十八頭の取引が成立した。性別で見る一頭平均価格は、去勢が四十七万八千九百九十七円、雌が四十二万七千九十七円といずれも高値。子牛のみの販売額は一億六千四百七十八万五千九百五十円。最高値をつけた牛は六十八万四千六百円。
 地区別の子牛一頭平均価格を見ると、去勢が▽平良四十四万五千二百三十六円▽城辺四十八万七千九百八十円▽上野五十一万一千四百四十五円▽下地四十八万七千四百十八円▽伊良部四十四万七千六百九十三円−。
 雌は▽平良四十二万三千七十二円▽城辺四十二万八千八百七十八円▽上野四十三万七千四百七円▽下地四十一万一千六百円▽多良間四十一万七千六百三十七円−となっている。
 成牛を含めた全体の上場頭数は三百八十四頭(去勢二百二十九頭、雌百五十五頭)で、三百八十頭の取引が成立。一頭
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運動習慣身に付けて/市国保課/水中運動教室始まる


生活習慣病予防を目的に始まった水中運動教室=19日、スポーツアカデミー宮古島

 宮古島市国民健康保険課が主催する「水中運動教室」が十九日、スポーツアカデミー宮古島で始まった。六十五歳以上の国保加入者で、腰やひざの痛み、肩凝りや肥満が気になる人を対象に、運動習慣を身に付け、生活習慣病を予防することを目的に実施する。十月末まで週二回のペースで全十二回を行う。また、このコース終了後には、四十歳から六十四歳までのコースも行われる予定。
 委託を受けた同アカデミーの小池信郎所長は「水中だと適度な浮力があるため腰やひざに負担を掛けずに楽に運動できる」と意義を説明。「病院に通うことを習慣にするのではなく、運動することを習慣にするために、十二回休みなく参加してほしい」と参加者らに呼び掛けた。
 定員二十五人に対し、この日は十八人の参加だったことから、同課では引き続き参加を呼び掛けている。問い合わせは市福祉保健部国民健康保険課(電話77・7590)まで。
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事業実施に不満の声/竹原地区区画整理事業
一部住民審査請求へ

 竹原地区区画整理事業において、住民側がそれぞれの考えを出し合い今後の方向性を探ろうと「住民の意見交換会」が十七日、宮古島市平良の東川根ホールで行われた。同事業に伴う仮換地指定について今後、審査請求を行うことや、施行者の宮古島市に対し、減歩率の詳細な根拠を求めることなどを確認した。
 意見交換会には、約十五人の住民が参加。八月十八日付で市から仮換地指定通知が届いたことを受け、法的期限内に審査請求を行うことなどを今後の方向性として調整。換地の評価額や精算金などについても設定のベースから説明を求め、場合によっては行政訴訟も視野に対応を進めたいとの考えが出された。
 住民らは、事業の地元負担額として示されている二十億円に納得できないとして「地域住民に多大な経済負担を強いてまで事業を導入することが本当の意味で地域活性化と言えるのか」「そもそも事業で整備する道路は市民全体が使用するのに、なぜ竹原地区の住民に負担が掛かるのか」「これまでの市の説明は十分でない」「当初の都市計画から四十年近くが経過し地域の状況は変わっているのに昔の法律を基にしてこの事業を実施するのは無責任に感じる」など不満の声が相次いだ。
 同事業は二〇〇三─一三年度までの事業年度で、総事業費は約五十五億円。当局は、今年度内に仮換地指定、着工までこぎ着けたい方針。
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環境美化に一役/砂山ビーチ守る会が清掃


ごみを撤去する参加者ら=18日、平良の砂山ビーチ

 サーファーらでつくる「砂山ビーチを守る会」(武富崇会長)の会員ら約二十人が十八日午後、宮古島市平良の砂山ビーチを清掃した。台風13号の高波の影響で、打ち上げられた海藻など大量のごみを撤去し、環境美化に一役買った。
 ビーチには、海藻のほかに、発砲スチロールや空き缶、ビニール類、木くず、クーラーボックスの破片などが散乱。参加者らは、ごみを分別しながら撤去した。
 今年七月の台風で、廃冷蔵庫が打ち上げられていたが、人力による撤去作業は不可能。参加者らは海に流れないように、砂浜の上部に移動した。
 武富会長は「行楽客の中には、炭酸飲料を飲んだ後に空き缶をポイ捨てする人がいる。環境美化へのマナーが欠如している。絶対にポイ捨てしないように」と語り「今後も清掃活動を続けたい」と話した。
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